著者
川西 直 川原 圭博 坂生 知子 森川 博之 青山 友紀
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115(2003-UBI-002), pp.73-78, 2003-11-18

来るべきユビキタスコンピューティング環境では,センサや無線通信技術により実空間と仮想空間とが密に相互接続されることにより、実空間情報を利用したエンターテインメントアプリケーションを提供することが可能になると考えられている.我々は,このようなアプリケーションがユビキタスコンピューティング環境におけるキラーアプリケーションの一つになりうると考え,実空間情報を元に動的に構築される仮想空間上に自律分散的に生息するモンスターを,実空間を移動して収集するゲームとして,実空間指向エンターテインメントアプリケーション「ユビキタスモンスター(Ubiquitous Monster)」を提案し,適応型サービスプラットフォーム「Jack-in-the-Net(Ja-Net)」上への試作を進めている.本稿では,ユビキタスモンスターのモンスターをJa-Netの自律分散コンポーネントであるCyber-Entity(CE)として設計し,実空間情報を元に自律分散動作させる機構について述べる.
著者
猿渡 俊介 森川 博之
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.6, pp.1-8, 2010-08-26

ネットワーク化された物理オブジェクトを有機的に組み合わせていつでもどこでも必要なサービスを即座に構築することができる.このような,仮想空間だけでなく,実空間全てがプログラマブルになった世界がコンピューティング・ネットワーキング技術の目指すべき未来であろう.実空間のプログラマブル化は徐々に実現されつつある.携帯電話に組み込まれた各種センサを利用したスポーツアプリケーション,センサが組み込まれたリモコンを利用したテレビゲーム,いつでもどこでも撮影した動画像を瞬時に共有可能なマルチメディア共有サービス,マルチホップ無線通信を用いて電力やガスの自動検針を行うスマートメータなどは,センサ,コンピュータがネットワークを介して有機的に連携した結果として実現されている.実空間のプログラマブル化の最終形態に向けては,ワイヤレス技術の更なる技術革新が不可欠である.携帯電話や無線 LAN の登場によって加速化されたモバイル端末の発展により,ワイヤレス技術は新しい局面を迎えている.東京大学森川研究室では,無線通信の新しい応用分野の創出を目指すと同時に,電波政策などの俯瞰的な視点からも研究を進めている.本発表では,1 フロア当り数十の無線センサノードで実現される地震モニタリングアプリケーション,超低消費電力な無線待ち受けを実現するウェイクアップ無線通信方式,ロボットなどの機械を制御するために往復数ミリ秒以内の高速なデータの送受信を実現するリアルタイムワイヤレス,広範囲・高密度に電波の利用状況を収集する分散スペクトラムセンシングを紹介する.The next generation of computing and networking technologies will enable us to instantly build a useful service when we need it: the service is built by organically combining programmable networked physical objects. We are already enjoying services using the programmable networked physical objects, and the services include exercise applications using sensors embedded in a mobile phone, video games using sensors embedded in a remote, multimedia sharing services enabling us to instantly share fresh pictures and movies with our friends, smart meters automatically checking electricity consumption and gas consumption with wireless ad hoc networks. The services are realized by combining sensors and computers with networks. Towards the final form of the programmable networked physical objects, wireless communication technologies must be technically innovated furthermore. The wireless communication technology moves forward to a new phase by the progress of mobile devices, such as cell phones and WiFi PCs. We are widely studying not only the new application area of wireless communication, but also spectrum management policy. This presentation introduces our studies: earthquake monitoring composed of dozens of sensor nodes on a floor, wakeup wireless realizing super low power listening, real-time wireless enabling submilliseconds round trip time for machine-to-machine communication, and distributed spectrum sensing collecting spectrum usage information from densely placed sensor nodes.
著者
福田 隆介 福澤 栄治 小鹿 紀英 森川 博司
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.11, no.21, pp.79-84, 2005-06-20 (Released:2017-04-14)
参考文献数
7

At the September 11, 2001, New York World Trade Center Towers did not collapse immediately after the aircraft impacts, despite the localized damage. Thus, the reserve capacity to the phenomenon besides assumption was called "redundancy", and after the WTC two towers' collapse, when taking the safety of a building into consideration, it had been recognized to be important property. In order that a building structure could not collapse and be secure safety to the load beyond anticipation on its structural design like the impulsive load by a collision, explosion, etc., it is important the building structure possesses structural redundancy. The purpose of this study is to evaluate the overall damage and the local damage and its structural redundancy against the aircraft impact equivalent to that in WTC for the Japanese typical 50 story high-rise steel building.
著者
田島 佳武 森川 博之 青山 友紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.354-364, 2001-03-01
被引用文献数
13

本論文では適応型キャッシュを用いたリライアブルマルチキャストRMAC(Reliable Multicast using Adaptive Caching)のシステム並びにプロトコルの詳細を示し, その性能評価について述べる.リライアブルマルチキャストを効率的に行うためには, ネットワーク内での機能的な処理による支援が必須であるとの考えに基づき, RMACではRMACプロトコルを処理するルータを導入する.RMACによれば, ルータでパケットのキャッシングや再送を行うことで再送効率の向上を図ることが可能である.また, キャッシングをふくそうに応じて適応的に, ルータ間で分散して行うことで, 必要となるキャッシュ容量を低減することも可能である.シミュレーションによる性能評価により, RMACは従来の方式に比べて再送遅延を低減させ, 受信ホスト数に対するスケーラビリティを向上させることがわかった.
著者
森川 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.43, pp.31-36, 2008-05-15
被引用文献数
2

ユビキタスネットワーク環境の実現に向けては,さまざまな実験的/前衛的なアプリケーションを実装評価しつつ,技術課題を抽出し,汎用性のある基盤技術の開発を進めていかなければならない.このような観点から,筆者らは,今までにSTONEルーム,秋葉原ユビキタス実証実験スペース,駒場リサーチキャンパス研究室などのスマートスペースを構築してきた.センサやアクチュエータを埋め込んだスマート空間を自由にかつ容易に構築することのできる空間である.本講演では,これらのスマートスペースの運用経験に基づき,ユビキタスネットワーク技術と空間構築との融合のこれからの展開シナリオやロードマップを示す.
著者
亀田 敏弘 岡本 健宏 新田 恭士 秋山 成央 二宮 建 森川 博邦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.1, no.J1, pp.554-559, 2020-11-11 (Released:2020-11-18)
参考文献数
11

センサ・通信デバイスの進歩により,社会基盤の多様なデータは,無線接続での取得が可能となっている.LPWA通信でのデータ取得方法は,設置に際して無線局免許が不要で,低消費電力かつ安価なハードウェアが供給されており,大量のセンサをローコストにて設置可能なため,大きな期待を集めている.しかし,社会基盤データの特徴として,災害時などの非常時にこそ昀も必要とされるものも多く,電源喪失の極限状況であってもデータ収集・配信の継続が求められる.著者らは,スーパー台風襲来による長時間停電が発生し公衆通信が途絶する危機的状況下であっても,複数の水門の開閉状況データを継続的に取得し一元監視可能なシステムの実現を目標に研究を進めており,LPWAネットワーク型データ取得における電源喪失時のレジリエンス向上について議論する.
著者
福田 隆介 福澤 栄治 小鹿 紀英 森川 博司
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.68, no.570, pp.77-84, 2003-08-30 (Released:2017-02-08)
参考文献数
6
被引用文献数
2 1

At the September 11, 2001, terrorist attacks on WTC1 and 2, extensive structural damage, including localized collapse, occurred at the several floor levels directly impacted by the aircraft. Despite this massive localized damage, each structure remained standing for approximately one hour or one hour and a half. Although the damage of the beams and columns in outer framed tube of each tower are clarified at the published FEMA/ASCE report, the damage of the floor system and inner core columns are not estimated. The purpose of this study is to know the reason why the buildings remained standing at the impact through the several analytical studies, such as the impact analyses using the simplified model, that estimates the overall damage, and the rigorous finite element model, that estimates the local damage, and stress analyses after some structural members are lost.
著者
中山 義人 森 雅広 成末 義哲 森川 博之
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会誌 (ISSN:18842135)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.26-38, 2018 (Released:2019-06-17)
被引用文献数
1

営業活動における意思決定から,営業担当者個人の経験や直感といった属人的要素を取り除くことにより 営業活動を大幅に効率化するための手段が求められている .筆者らはこの 課題に対し, 機械学習モデルを 用いた 業務意思決定支援システムの構築を試みて いる その構築に際し, 受注確率が高い営業活動の プロセス を学習する必要があるため,営業活動の 意思決定 から 規則性を 抽出するプロセス発見技術が不可欠である. 従来の プロセスマイニング におけるプロセス発見手法では ,定型的な業務プロセスを対象として システム出力されたイベントログに含まれるイベントの実行順序の情報から 業務プロセスの規則性やルールを抽出する しかし 営業活動の意思決定においては ルールが予め分かっていないだけでなく 入力情報が営業日誌などの非構造化データであるために ,従来のプロセス 発見 手法 を 適用する ことは困難である そこで 本稿では 業務意思决定支援システムに向けた 営業活動の 意思決定 の プロセス発見手法に対し 非構造化データに基づいた アクティビティ 推定,および,非定型プロセスにおける規則性を確率的に表現するための プロセス推定を用いた プロセス発 見手法を示す.
著者
横田 知樹 近藤 亮磨 渡邊 慎一 森川 博之 岩井 将行
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.1794-1801, 2018-10-15

紫外線(以下UV)は皮膚がんの発症や白内障などの重大な疾病につながるにもかかわらず,その健康影響の評価・予防は国内の労働現場ではあまり知られていない.さらに,反射率の高い建材の普及から過度なUVに暴露する潜在的なリスクは年々増大している.しかし,既存のUVセンシング手法は,天空面などの1方向のみの計測を行うものばかりであり,太陽の動きや地物のUV反射による影響を十分に考慮できていない.既存研究ではウェアラブルデバイスを用いて個人単位でのUV暴露を評価する試みがなされているが,作業者全員にUVセンサを装着することはコストの観点から現実的でない.そのため,作業者の周辺環境において瞬間ごとのUV暴露をより正確に計測することができれば,急性障害のリスクを認識することができ,繰り返し日々計測することで,反覆暴露によって積み重ねられる慢性傷害のリスクを認識することができる.そこで我々は,温熱環境分野で用いられる6方向からの日射と熱放射の計測により人体が受け取る熱量を推定する手法に着目してUVに応用し,地物および壁面からの反射を含めた,6方向からの紅斑紫外線量を計測するセンシングシステムとしてUV-Cubeを提案・設計・実装・評価した.本論文ではUV-Cubeを用いて,直接天方向から光が当たらない屋外作業現場などのUV暴露が軽視されてきた環境にも,太陽高度や反射が作用し複数方向から入射するUVによる潜在的な暴露があることを明らかにした.
著者
金子 晋丈 林素娟 森川 博之 青山 友紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.147-152, 2003-11-18
参考文献数
8

コンピューティングデバイスやネットワークリソースが遍在する環境,積極的に通信のエンドポイントを切り替えていくサービスモビリティが望まれる.サービスモビリティを実現するためには,通信を安全に切りることが必須となる.筆者らは,サービス移動をセキュアに行うための機構として,端末固有情報に依存しない通信インタフェースを提供するセッションレイヤモビリティサポートを用い,これにKey-insulated公開鍵暗号方式を適用することによって端末に依存しない通信の移動を実現しようと考えた.Key-insulated公開鍵暗号方式は,秘密鍵を安全でないデバイス上で利用することを考え,ステージに分けて秘密鍵が管理されているため,端末に依存しない認証処理を可能とする.本方式では,1つのセッションに1つのKey-insulated公開鍵を割り当て,ユーザの移動にステージを対応付けることにより,Key-insulated公開鍵のセッションレイヤモビリティサポートへの適用を実現している.In the environment where the computing devices and access links are ubiquity it is desired to switch the resources according to our context (Service mobility). In order to realize service mobility, security consideration is indispensable. First, we use session layer mobility support which provides an interface independent of the lower layer details and enhance it to realize secure service migration using Key-insulated public-key cryptosystems. Key-insulated cryptosystems have developed for using the private key on insecure device. Therefore, they use the private key refreshed at discrete time periods and realize terminal independent public-key cryptosystems. We enable the secure service migration using the key-insulated private key corredpondent to every migration.
著者
鈴木 誠 長山 智則 大原 壮太郎 森川 博之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J100-B, no.12, pp.952-960, 2017-12-01

実用化に向け行き詰まりを見せていたマルチホップ無線センサネットワークが,同時送信フラッディング(CTF)のもたらした強烈なインパクトにより,全く新たな技術に生まれ変わろうとしている.筆者らは,CTFが提案された当初からその重要性を認識し,全ての通信をCTFで行うセンシング基盤Chocoの開発を進めてきた.また,実フィールドにおけるCTFの有用性を明らかにするため,社会的要請の強い橋梁モニタリングシステムをChocoを利用して開発し,実橋梁において10台〜70台といった規模で実証をも進めてきた.本論文では,CTFが無線センサネットワークにもたらした変化について論じるとともに,CTF利用型センシング基盤Choco,及びChocoを用いた構造モニタリングシステムの開発について述べる.また,実証実験から得られた「シンクノードも含めノードの移動に頑健なため設置が簡易である」「中継ノードを増やせば繋がるため無線に対する深い知識がなくても構築できる」といったCTFの運用時における特性についても示す.
著者
両角 清隆 渡辺 誠 森川 博
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.29-36, 1996
参考文献数
7
被引用文献数
1

ユーザーの行動を分析・モデル化し,それを基にしてインタフェースデザインを行うことより,わかりやすいインタフェースデザインを達成することが目指されている。しかし,実際のユーザーの経験は多様であり,モデル化は容易ではない。そこで,これまでの研究で行動の類似性が認められた緊急時の操作を題材として,インタフェースデザインを考えた。緊急時の行動の特徴であるa)すぐ操作できる方法を選択する,b)一般的な知識を使って操作する,c)順方向操作との関係性(対称性)を想定して操作する,を考慮してシミュレーションモデルを作成した。その結果,ユーザーの緊急時操作の行動特性に対応したユーザーインタフェースデザインの指針として次の項目を得た。1)行動の特性に合った複数の操作経路を設定する,2)操作の対象を視覚的に表現する,特に緊急時の操作に対応する操作子は表面に設定する,3)情報の処理で認知的に高負荷をかけるダブルファンクション等は避ける
著者
川西 直 川原 圭博 坂生 知子 森川 博之 青山 友紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.73-78, 2003-11-18
被引用文献数
2

来るべきユビキタスコンピューティング環境では,センサや無線通信技術により実空間と仮想空間とが密に相互接続されることにより、実空間情報を利用したエンターテインメントアプリケーションを提供することが可能になると考えられている.我々は,このようなアプリケーションがユビキタスコンピューティング環境におけるキラーアプリケーションの一つになりうると考え,実空間情報を元に動的に構築される仮想空間上に自律分散的に生息するモンスターを,実空間を移動して収集するゲームとして,実空間指向エンターテインメントアプリケーション「ユビキタスモンスター(Ubiquitous Monster)」を提案し,適応型サービスプラットフォーム「Jack-in-the-Net(Ja-Net)」上への試作を進めている.本稿では,ユビキタスモンスターのモンスターをJa-Netの自律分散コンポーネントであるCyber-Entity(CE)として設計し,実空間情報を元に自律分散動作させる機構について述べる.Ubiquitous computing environment will converge real and virtual worlds and serve as a platform for real-world oriented, entertainment applications that use various sensor data.With this vision, we propose a new monster-collection game called "Ubiquitous Monster" where many autonomous entities called monsters live in networked computer-nodes, autonomously migrate among nodes, and interact with other monsters. Mobile users collect monsters that appear at each environment as they travel among these environments. Different monsters may appear in different environments depending on local sensor data. We have been developing Ubiquitous Monster using an adaptive networking service platform called Ja-Net where monsters are implemented as Ja Net's autonomous service components called "cyber-entities". In this paper, we describe a mechanism to achieve autonomous and distributed behavior control of monsters based on real-world sensor data.
著者
森川 博文
出版者
日本熱処理技術協会
雑誌
熱処理 (ISSN:02880490)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.p290-295, 1987-10
著者
村上 誉 石津 健太郎 伊深 和雄 松村 武 児島 史秀 矢野 博之 長谷川 幹雄 原田 博司 森川 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.490, pp.237-242, 2015-02-25

ホワイトスペースLTE方式において,実トラフィック量に応じて動的に基地局と端末の双方の通信方式やパラメータを変更することでネットワークのキャパシティを向上させる手法を提案してきた.しかし,本手法は各ユーザへのリソースの分配までは考慮していないため,十分な性能を引き出すためにはLTE基地局のスケジューラが整合したリソース配分を行う必要がある.そこで本稿では,既存のProportional Fair方式をもとに各ユーザの実トラフィック量に合わせたリソースブロックの割り当てを行う改良方式を提案し,計算機シミュレーションによりその有効性を示す.