著者
森 滋夫
出版者
日本宇宙生物科学会
雑誌
Biological Sciences in Space (ISSN:09149201)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.142-146, 1992 (Released:2006-02-01)

A variety of animal behavior under microgravity has been found in the experiments using parabolic aircraft flights and in space. Forward looping in fish and tadpoles is contrast to backward looping of pigeons, while frogs and hamsters extend their extremities with the head turning backward. Postures of monkeys and man, on the other hand, are different from those of above animals. Loss of vestibular input must be common to all of these animals and there may be some similarities among the species in the sensory conflict against it. Advancing animals experiments in space, it is important to make further progress in comparative neurology particularly regarding the posture control and behavior of animals.
著者
森田 尚文 姜 又遠 浜渦 善一郎 杉本 温美
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
応用糖質科学 : oyo toshitsu kagaku = Journal of applied glycoscience (ISSN:13403494)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.23-30, 1999-03-31
参考文献数
19
被引用文献数
4 9

アマランス粉を代替した小麦粉ドウの物性と製パン性についてホームベーカリーを用いて検討した.アマランス粉5%の代替ではパンの比容積は有意に増大したが,それ以上では代替量につれて比容積は明らかに減少した.アマランス10%の代替粉にヘミセルラーゼ1250U以上を添加すると比容積は明らかに増大した.ファリノグラフにおけるドウの安定性はアマランス粉10%の代替により顕著に減少した.ドウの粘弾性(圧縮応力,弾性率,粘性係数)は10%の代替により無添加に比べ明らかに固くなった.SEM観察により,アマランス粉代替ドウのグルテンは固くなることがわかった.乳化剤ステアリル乳酸カルシウム,あるいはヘミセルラーゼをアマランス10%代替した小麦粉に添加すると明らかに比容積を増大することがわかった.
著者
黒澤 亮 得能 樹之 白石 明子 祐森 誠司 池田 周平 栗原 良雄 伊藤 澄麿
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.5, no.Supplement, pp.7-8, 2002-05-15 (Released:2012-09-24)

幼兎を用いて,食糞行動とビタミン吸収の関係を検討した。供試飼料は,豆腐粕(風乾物)とコーンスターチを主体としたビタミンフリーの組成とし,NRCのミネラル剤と F.LEBASの報告したビタミン剤を給与した区(対照区)と欠除した区(試験区)の2種類を調製した。これら飼料を食糞行動を阻止したウサギと阻止しないウサギに給与し,体重の変動,飼料摂取量,排泄糞重量,排泄糞組成を測定した。体重変動,飼料摂取量に対して,食糞行動の阻止は有意に抑制的に作用し,ビタミン給与はそれを若干補正する程度であった。またビタミンB12およびビタミンEの排泄量は,ビタミン給与で多く,食糞行動の阻止で少なかった。
著者
三浦 知之 森 和也
出版者
宮崎大学
雑誌
宮崎大学農学部研究報告 (ISSN:05446066)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.47-63, 2008-01

宮崎港の北に位置する9.6haの一ツ葉入り江に出現する鳥類について、これまで1年間の調査による出現種の結果を報告したが、本報では出現鳥類の季節的消長と摂餌生態を報告するとともに、入り江を繁殖地とするコアジサシの営巣の状況と営巣地保全に関する考察をおこなった。2002年から2007年まで、一ツ葉入り江において22科60種の鳥類の飛来が記録され、環境庁レッドデータブックで絶滅危惧I類CRのクロツラヘラサギ、絶滅危惧II類VUのズグロカモメ、コアジサシ、セイタカシギ、アカアシシギ、ホウロクシギおよび準絶滅危惧NTチュウサギ、ミサゴ、カラシラサギが確認された。同記載種であるコアジサシは、2002年、2004年、2006年および2007年に営巣した。留鳥はチドリ科のシロチドリ、サギ科のコサギ、ダイサギ、アオサギおよびカラス科のハシボソガラス、シギ科のイソシギ、カワセミ科のカワセミ、タカ科のミサゴおよびサギ科のアマサギであった。他に非湿地性鳥類10種も出現した。シロチドリは入り江の砂嘴部で繁殖した。夏鳥としてはカモメ科のコアジサシ、アジサシ、クロハラアジサシ、ハジロクロハラアジサシおよびサギ科のササゴイの5種であった。冬鳥は、ガンカモ科のマガモを含む12種が記録された。旅鳥はシギ科のハマシギを含む18種が記録された。これらの鳥類に関して、糞あるいはペリットを排出直後に採取し、餌生物の分析を行った。特にシギ類は入り江の甲殻類や魚を良く捕食し、入り江で最も生息個体数の多いコメツキガニが糞やペリットに頻出した。コアジサシがほぼ毎年営巣していたが、特に2006年と2007年の観察を元に一ツ葉入り江のコアジサシ繁殖地としての可能性を考察した。営巣の攪乱要因としては、台風や大雨による水位の上昇および人・車・飼育動物の侵入の影響が大きく、人的攪乱をできるだけさけることが肝心であるが、自然災害に対しては営巣地の数を増やすことが唯一の対応策となろう。営巣地に必要な立地条件としては見通しの良い荒れ地であることが重要であり、草地化を防止し、砂利などを敷けば、一ツ葉入り江は数百規模の営巣が可能になると考える。
著者
宮本 康 福本 一彦 畠山 恵介 森 明寛 前田 晃宏 近藤 高貴
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.59-69, 2015

鳥取県ではカラスガイの絶滅が危惧されているが、本種の個体群構造や繁殖の実態が明らかにされていない。そこで本研究では、本種の分布が確認されている3つの水域を対象に、サイズ組成、母貝の妊卵状況、本種の生息域における魚類相、およびグロキディウム幼生の宿主適合性を明らかにするための野外調査と室内実験を行った。多鯰ヶ池ではカラスガイのサイズ組成が大型個体に偏っていたことから、稚貝の加入が近年行われていないことが示唆された。しかし、母貝が幼生を保有していたこと、当池でブルーギルとオオクチバスが優占していたことから、これらの外来魚による幼生の宿主魚類の駆逐が本種の新規加入の阻害要因になっていることが併せて示唆された。一方で、他の2つのため池では大型個体に加えて若齢の小型個体も少数ながら発見された。これらの池ではブルーギルとオオクチバスが確認されない反面、室内実験より幼生の宿主と判定されたフナ属魚類が優占することが明らかになったことから、新規加入が生じる条件が揃っていることが示唆された。以上の結果より、現在の鳥取県ではカラスガイの個体群動態が魚類群集に強く依存していること、そしてブルーギルとオオクチバスが優占する多鯰ヶ池は本種個体群の存続が危ういことが示唆された。以上の結果を踏まえ、最後に当県におけるカラスガイ保全のための提言を行った。
著者
大森 弘喜
出版者
成城大学
雑誌
成城大學經濟研究 (ISSN:03874753)
巻号頁・発行日
no.196, pp.1-58, 2012-03
著者
小田切 岳士 森 浩平 田中 敦士
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education
巻号頁・発行日
vol.3, pp.65-76, 2017

「教職員のための障害学生修学支援ガイド」(日本学生支援機構,2015)では、障害のある大学進学希望者や学内の障害のある学生に対し、大学等全体としての受入れ姿勢・方針を示すことが重要とされている。希望を申し出にくい消極的な環境を放置したまま、ただ本人からの支援申請を待つことは、合理的配慮の不提供につながるといっても過言ではない(松田,2016)が、現在それぞれの国公立大学において障害学生支援規程等の方針がどの程度公表されているかといった状況はこれまでに明らかとされていない。そこで本研究では、障害のある大学進学希望者や学内の障害のある学生が比較的情報を入手しやすいと考えられる、ホームページ上での公開状況や公開内容について閲覧・調査を行った。その結果、国立大学88大学のうち、障害学生支援に関する基本方針を大学ホームページ上に公開していた大学数は24校(27.3%)に留まった。また、内容については「目的」、「定義」、「機会の確保」等の20カテゴリに分類された。
著者
森 浩平 陳 麗婷 小田切 岳士 橋本 実夕 田中 敦士
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education
巻号頁・発行日
vol.3, pp.25-37, 2017

現在の聴覚障害教育は、医療の発展を背景に障害の重度・多様化が進み、幼児児童生徒の実態も大きく変化している。また、聾学校に勤務する教員としての役割に加え、小・中学校等の教員への支援や通常学級等に在籍する幼児児童生徒に対する指導・支援といったセンター的機能も果たさなければならず、研修や研究等による幅広く高い専門性の習得が求められている。そこで本研究は、A県内の聾学校教員に質問紙調査を行い、聴覚障害教育に関する専門性の実態を明らかにし、今後必要な教育や研修等のあり方について検討することを目的とした。今回の調査により、聴覚障害教育に関する専門性について、年齢や経験で身につくだけではなく、免許保有の有無が興味・関心や能力特性の把握、理解力に即した指導等の専門性に関連があることが示唆された。
著者
森 康則 犬飼 健自 一色 博 今井 奈妙
出版者
The Japanese Society of Balneology, Climatology and Physical Medicine
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.80, no.2, pp.66-72, 2016 (Released:2017-05-30)
参考文献数
13

目的:ヒノキに代表される木質の建築資材は,利用者のリラックス感を促進すると考えられている.本研究では,三重県産ヒノキで作られた浴槽に入浴する者の自律神経機能と感情尺度の変化に着目して,その仮説の科学的な検証を試みた.方法:被験者には,健常成年16名を選定した.被験者1人につき,入浴介入を2回行った.1回の入浴は通常のユニットバスでの入浴とし(対照実験),もう1回の入浴はユニットバスと同一形状に設計されたヒノキで作られた浴槽での入浴とした.入浴介入前に唾液の採取と主観的感情尺度(MCL-S.2)の測定,入浴介入後にも唾液の採取と主観的感情尺度(MCL-S.2, VAS)の測定をそれぞれ行った.また実験を通じて,胸部に防水機構付きのホルター心電計を装着し,データを採取した.結果および考察:MCL-S.2による感情尺度評価の結果,ヒノキ製浴槽への入浴前後の「快感情」で,有意なスコア上昇が認められた.加えて,VASによる感情尺度評価の結果,ヒノキ製浴槽の入浴後の方が,対照実験後のそれに比べて,「疲労感」のスコアが有意に低い値が得られた.このことから,ヒノキ浴槽における入浴の「快感情」の促進効果と,「疲労感」の軽減効果が示唆された.また,唾液中コルチゾールの各入浴介入前後の比較の結果,いずれの入浴介入においても入浴後の有意な濃度低下が認められた.また,入浴直前と入浴後安静における副交感神経指標である√HFの比較を行ったところ,いずれの入浴介入においても,有意に高い値に推移していることが明らかになった.これらの結果から,いずれの浴槽材質の入浴であっても,本研究で設定した入浴条件(38~39℃15分間)であれば,入浴行為そのものによっても副交感神経が優位となる傾向が示された.
著者
井上 美保 手塚 信夫 森 章一
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.56, pp.17-19, 2009 (Released:2010-12-28)
参考文献数
5

アブラナ科野菜黒腐病菌およびネギとニラの種子から検出されるFusarium属菌を対象に,70%エタノールに汚染種子を浸漬し,消毒効果と発芽への影響を調査した。ハクサイとチンゲンサイの黒腐病菌自然汚染種子およびチンゲンサイの人工汚染種子をエタノールに浸漬,風乾後,本菌の検出と発芽試験を行なった結果,10分間以上の浸漬では本菌は検出されなかった。また,15分間以内の浸漬では正常に発芽したが,30分間の浸漬では発芽がやや遅れた。また,ネギおよびニラのFusarium属菌自然汚染種子を用いた試験では,1分間以上の浸漬で本菌は検出されなかった。3分間以内の浸漬では正常に発芽したが,10~15分間の浸漬では発芽がやや遅れ,30分間の浸漬では根の先端が褐変した。以上の結果,黒腐病菌汚染種子のエタノール消毒には10~15分間,Fusarium属菌汚染種子の消毒には1~3分間の浸漬処理が適切である。本エタノール消毒法は,種子の乾燥が非常に早く簡便なため,少量の種子消毒に有効である。
著者
小田切 岳士 森 浩平 田中 敦士
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education (ISSN:21899185)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.65-76, 2017 (Released:2018-02-13)
参考文献数
9

「教職員のための障害学生修学支援ガイド」(日本学生支援機構,2015)では、障害のある大学進学希望者や学内の障害のある学生に対し、大学等全体としての受入れ姿勢・方針を示すことが重要とされている。希望を申し出にくい消極的な環境を放置したまま、ただ本人からの支援申請を待つことは、合理的配慮の不提供につながるといっても過言ではない(松田,2016)が、現在それぞれの国公立大学において障害学生支援規程等の方針がどの程度公表されているかといった状況はこれまでに明らかとされていない。そこで本研究では、障害のある大学進学希望者や学内の障害のある学生が比較的情報を入手しやすいと考えられる、ホームページ上での公開状況や公開内容について閲覧・調査を行った。その結果、国立大学88大学のうち、障害学生支援に関する基本方針を大学ホームページ上に公開していた大学数は24校(27.3%)に留まった。また、内容については「目的」、「定義」、「機会の確保」等の20カテゴリに分類された。