著者
吉岡 瑞季 森本 美智子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.2_119-2_130, 2017-06-20 (Released:2017-08-30)
参考文献数
42

目的:自己管理(認知的)スキルに着目した身体活動自己管理能力尺度を開発し,尺度の有用性を検討する。方法:A大学の学生を対象とした。項目分析,探索的因子分析,確証的因子分析を用いて因子モデルを構築し,信頼性,妥当性の検討を行った。一般的自己管理能力,身体活動との関連性から有用性を検討した。結果:分析の結果,4因子11項目モデルが構築された(GFI = .955,AGFI = .926,RMSEA = .038)。尺度のCronbach’s α 係数は .865で,運動の継続期間で尺度得点に有意差を認めた。一般的自己管理能力よりも身体活動自己管理能力が,運動の継続期間と関連性を有していることが示された(β = .319,p< .01)。結論:尺度の構成概念妥当性および外的基準による妥当性,信頼性が確認され,身体活動自己管理能力は一般的自己管理能力よりも運動の継続期間に説明力をもつことが示され,有用性が示唆された。
著者
重田 崇至 梅田 正博 吉武 賢 高橋 英哲 澁谷 恭之 古森 孝英 井堂 信二郎 長谷川 巧実 李 進彰
出版者
Japanese Stomatological Society
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.1-7, 2012 (Released:2012-03-08)
参考文献数
33

It has been recommended recently that patients receiving anticoagulant therapy should undergo dental extraction without discontinuation of anticoagulant drugs in consideration of the risk of thromboembolism, but the frequency of hemorrhagic complications has not been well documented. A retrospective study of 282 patients who underwent dental extraction under continuous warfarin therapy was performed.Twenty-two of the 282 patients (8.9%) showed postoperative hemorrhages: 14 of 168 (8.3%) in those receiving administration of warfarin alone, and 11 of 114 (9.6%) in those receiving administration of both warfarin and antiplatelet drugs. Most of the hemorrhages occurred within 2 days after the extraction. The rate of postoperative hemorrhage was 5.7% in those with prothrombin time International Normalized Ratio (PT-INR) of 1.49 or lower, 12.5% in those with PT-INR of 1.5-1.99, 12.8% in those with PT-INR of 2.0-2.99, and 16.7% in those with PT-INR of 3.0 or higher, although there was no significant difference between PT-INR and frequency of postoperative hemorrhage. All patients showing postoperative hemorrhage were treated successfully by local procedures such as suturing or application of cellulose oxide gauze. These findings suggest that dental extraction can be safely done without discontinuation of warfarin therapy.
著者
湯浅 啓 釜石 隆 森 広一郎 HUTAPEA John Harianto PERMANA Gusti Ngurah 中澤 昭夫
出版者
The Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.59-66, 2007-03-15
参考文献数
12
被引用文献数
2 20

In October 2005, a mass mortality of yolk-sac larvae of yellowfin tuna <i>Thunnus albacares</i> due to an endoparasite infection occurred during the seed production in a semi-closed system tank in Bali, Indonesia. Prevalence of the infection reached 100% maximally. The affected embryo or yolk sac of hatched larvae was filled with numerous parasites by 24 h post spawning. The larvae died due to a burst of the yolk sac. Phylogenetic analysis with 18S rRNA sequence and morphological characteristics of the parasite indicated that the present parasite was identified as a protozoan endoparasite <i>Ichthyodinium chabelardi</i> infecting the yolk-sac larvae of Atlantic sardine <i>Sardina pilchardus</i> or as its closely related species. PCR with a primer set designed from the 18S rRNA sequence detected the genome of the parasite from infected fertilized eggs, yolk-sac larvae and rearing water but not from the gonads of broodstock or feed fish for broodstock. The infection was not observed when the spawned eggs were immediately transferred into sterilized seawater, but the eggs kept in the rearing water for more than 1 h were infected by the parasite. These results suggest that the parasite infects fertilized eggs horizontally through the rearing water.
著者
佐藤 伸也 森 祐輔 橘 正剛 横井 忠郎 山下 弘幸
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.207-216, 2014 (Released:2015-02-11)
参考文献数
20
被引用文献数
2

当院での甲状腺内副甲状腺腫の頻度は,原発性副甲状腺機能亢進症手術例319例中10例(3.1%)であった。8例が右葉,2例が左葉と右葉に多く,また下極が6例と下極側に多かった。超音波検査では7例が内部低エコーで,6例でドップラー血流の亢進を認めた。MIBIを7例に施行し,5例で集積を認めたが,同時に存在した腺腫様結節にも集積している症例が1例存在した。CTは腫瘍としての存在を提示できるものの質的診断は困難であった。穿刺PTH測定を6例に施行し,5例でPTHの高値を認め局在診断に有用であった。また1例に両側内頸静脈サンプリングPTH測定を行い,PTHの左右差を認め局在診断に有用であった。
著者
勝見 英正 草森 浩輔 坂根 稔康 山本 昌
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.130, no.9, pp.1129-1133, 2010 (Released:2010-09-01)
参考文献数
19
被引用文献数
7 6

Bisphosphonates are carbon-substituted pyrophosphate (PCP) analogues that exhibit high affinity to hydroxylapatite and inhibit bone resorption after their administration. They are widely used as the first-choice drug for the treatment and prevention of bone diseases, including Paget's disease, hypercalcemia of malignancy, and osteoporosis. However, the oral bioavailability of bisphosphonates is quite low (1-2%). In addition, the oral administration of bisphosphonates has been associated with mucosal damage, including gastritis, gastric ulcer, and erosive esophagitis. Therefore, it is highly desirable to develop new delivery systems that improve their bioavailability and safety. In this review, recent challenges in the developments of novel delivery system of bisphosphonates are summarized. Then, future developments of delivery system of bisphosphonates are also discussed in order to improve their therapeutic efficacy and safety in the treatment of bone diseases.
著者
横井 忠郎 森 祐輔 橘 正剛 佐藤 伸也 山下 弘幸
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.197-201, 2014 (Released:2014-10-31)
参考文献数
22

古典的な原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)を日常診療で診ることは相対的に少なくなっており,むしろ無症候性で発見されることが増えている。さらには正カルシウム血症であることもしばしば認められる。これらの病態はPHPTの前駆あるいは初期像と考えられているが,結論は出ていない。正確な診断についてはPTH不適合分泌を見逃さないことや,ビタミンD不足を初めとする二次性副甲状腺機能亢進症の合併を除外することが大切である。治療に当たってはNIHガイドラインを参考にする施設が多いと思われるが,ガイドライン自体にも問題点が多い。ガイドライン上の手術適応に固執すると,適切な治療時期を逸することもあり,注意が必要である。
著者
森泉 由恵 本藤 祐樹 中野 諭
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会誌 (ISSN:09168753)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1, pp.16-27, 2017-01-20 (Released:2017-01-31)
参考文献数
16
被引用文献数
4

本研究では,12種の再生可能エネルギー発電技術を対象に,ライフサイクルにわたる雇用創出効果の分析を行った。著者らが開発した再生可能エネルギー部門拡張産業連関表(REFIO)を用いて直接間接の雇用創出量を推計し,各技術の特徴を定量的に明らかにした。REFIOを用いることにより,12種の再生可能エネルギー発電技術について,共通の手法論に基づく比較を行うことができる。分析より,各発電技術固有の特徴が見出された。推計されたライフサイクル雇用創出ポテンシャルは,1.01~5.04人・年/GWhと技術により大きく異なることが示された。また,本研究では,雇用がどこで創出されるかに着目し,輸入による影響の分析を行った。その結果,太陽光発電と風力発電は,他の技術に比べて海外での雇用創出量が大きいことが示された。さらに,本研究では,量的側面だけでなく,創出される雇用機会の質的側面についても検討している。例えば,地熱発電における地熱井の掘削や木質バイオマス発電におけるプラント運転など,各技術に固有の活動を行うための人材が求められる。その一方で,全技術に共通して,法務・財務・会計サービスや輸送をはじめとする幅広いサービス部門において多くの雇用が誘発される。
著者
森護著
出版者
大修館書店
巻号頁・発行日
1986
著者
森 健次郎 福田 和彦
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.127-137, 1984-04-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
62
著者
神田 睦月 徳田 献一 入部 正継 森田 成昭 齊藤 安貴子 八上 修一 小堀 亮
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.1A1-C02, 2017

<p>In recent years, aging of agricultural workers has progressed, attention is paid to ICT conversion of agriculture and Functional food with health maintenance effect. Raspberry contains a large amount of compounds that have a high health maintenance effect, which takes time and labor for cultivation. The purpose of this research is to construct an image processing system that recognizes color and position information in order to check whether harvesting of raspberries is possible under an indoor environment. As research contents, RGB values of colors of berries at various stages were calculated from spectral analysis results of berries and compared with actual fruit photos. We also classified colors in the image using machine learning and verified its accuracy.</p>
著者
森本 義裕
出版者
筑波大学哲学・思想学会
雑誌
哲学・思想論叢 (ISSN:02873702)
巻号頁・発行日
no.8, pp.33-44, 1990-01-30
著者
森本 義裕
出版者
筑波大学哲学・思想学会
雑誌
哲学・思想論叢 (ISSN:02873702)
巻号頁・発行日
no.3, pp.61-72, 1985-01-30
著者
森本 幸子 丹野 義彦 坂本 真士 石垣 琢麿
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
性格心理学研究 (ISSN:13453629)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.2-11, 2002-09-30 (Released:2017-07-24)
被引用文献数
3

本研究の目的は,大学生の被害妄想的観念を素因ストレスモデルを用いて検討することである。大学生117名を対象として,2週間おきに縦断調査をおこなった.第1回調査では,被害観念の17の素因候補変数を測定した.第2回調査では被害妄想的観念を測定した.第3回調査では,第2回と第3回調査の間に体験した被害妄想的観念とストレッサーを測定した.分析には,第2回調査時から第3回調査時までの間の被害妄想的観念の変化を予測することが可能となる,セットワイズ階層的重回帰分析を用いた。その結果,ストレッサーと2つの素因候補(恨み,ネガティブヒアリングボイス)の間に有意な交互作用が得られた.この結果より,これらの2つの素因候補得点が高い学生は,ストレッサーを体験したときに,被害妄想的観念を持ちやすくなることが示唆された.
著者
森川 洋
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.22-43, 2016 (Released:2018-01-31)
参考文献数
27
被引用文献数
5

本稿は人口移動の分析によって日本の都市システムを考察し,その結果に基づいて,地方圏の活性化を目的とする連携中枢都市圏構想や定住自立圏構想の問題点について検討したものである。人口の最大(総および純)移動先からみると,日本では東京特別区,広域中心都市,県内中心都市(県庁都市),中小都市からなる階層構造がみられ,1980年に比べて大阪市の著しい衰退により,大阪市や名古屋市は広域中心都市に近づいているようにみえる。大都市圏内や都市密集地域では県内中心都市は階層的に特異な位置となる。隣接の広域中心都市間では緊密な人口移動があり,改良プレッド型構造がクリスタラー型階層構造の下に隠れた存在として認められる。こうした都市システムのなかで,周辺から人口を吸引して東京へ大量の人口を供給する「吸水ポンプの役割」を果たすのは広域中心都市や県内中心都市である。したがって,連携中枢都市圏の61の中心都市の振興は「人口のダム」形成には役立つだろうが,中小都市や農村的町村からの人口吸引を強めてその衰退を助長する可能性が高いので,中心性をもった中小都市の振興が望まれる。