著者
森川 洋
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.1-18, 2016

<p>The massive population concentration in Tokyo is continuing to grow under the weight of outmigration from Japanese prefectural capitals and provincial centers, while those capitals and centers, in turn, increase their populations by absorbing outmigration from small and medium-sized cities of 30,000–200,000 residents. Most such cities have tended to continually decline due to this outmigration, with the exception of satellite cities neighboring metropolitan areas. As the central functions of small and medium-sized cities are stagnating, the rural areas belonging to their tributary areas are not so active and also are depopulating.</p><p>Revitalization of Japan's small and medium-sized cities is therefore of keen importance for controlling the increasingly massive concentration of population in Tokyo. This, however, is a difficult problem, because these smaller cities have normally tended to decline because of their lack of competitive force against larger cities; a phenomenon persisting under the economic development since the country's modernization. Additionally, amid advancing globalization, many plants in small and medium-sized cities have shifted production overseas, also leaving the cities' shopping streets vacant and decaying as large retail stores from metropolitan capitals have invaded.</p><p>I am searching for regional policies to serve as guidance in preventing the decline of small and medium-sized cities. It is noticeable that in Germany most medium-sized cities (20,000–100,000 residents by the German standard) saw increasing populations in the periods of 1980–2010 and 2005–2010. I investigated the vitality of medium-sized German cities in hopes of finding regional policies that can be useful references for revitalizing Japan's small and medium-sized cities. But I concluded that such German cities face different conditions than Japan's small and medium-sized cities. Some of the German cities even house universities and headquarters of large firms. This is because of the low number of large cities and the lesser urban population in Germany; thus, the medium-sized cities do not face a conspicuous lack of competitive force against large and/or metropolitan cities. In this comparison, it is also difficult to dissipate the massive concentration already formed in metropolitan Tokyo.</p><p>However, we can take special note of two policies for controlling Tokyo's imbalance. The first is to implement the regional policy of moving head offices of large firms from the Tokyo metropolitan area to nonmetropolitan cities. However, it is difficult to spearhead movement into small and medium-sized cities other than prefectural capitals and provincial centers. The second policy is to introduce German <i>Raumordnungspolitik</i> (regional development policy) based on <i>punktachsiales Entwicklungskonzept</i> (development policy using central places and networks). This approach proposes regional planning by the central government-called <i>teiju-jiritsuken-koso</i> (promotion plan for settlement and independence) and <i>renkei-chusutoshiken-koso </i> (cooperative center urban plan) in Japanese-aimed at development of central cities that should be integrated and improved to serve as more active regional centers. Designated as medium-order centers (<i>Mittelzentren</i>) and high-order centers (<i>Oberzentren</i>) by German classification, these will to some extent be effective at revitalizing small and medium-sized cities, as well as their surrounding rural areas. Alternative regional policies must be adopted in Japan's isolated islands and mountainous areas.</p>
著者
勝田 毅 小森 喜久夫 酒井 康行
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.116-121, 2009 (Released:2009-04-14)
参考文献数
41
被引用文献数
1

組織工学は, 医学・生物学・工学の知見を応用して一度損失するともとに戻らない組織・臓器を生体外で再構築することを目指す学際的な研究分野である.その基本となる方法論は, 鋳型となる足場素材に増殖能・分化能を有する細胞を接着させ, 細胞に分化・増殖を促すシグナルを与えることよって, 細胞から組織を再構築することである.その中でも, 組織再構築能に富んだ各種幹細胞・前駆細胞の分化・増殖制御は決定的ともいえる重要な技術である.本解説では, 例としてES細胞からの肝細胞分化誘導研究を紹介しながら, 「細胞へのシグナル」に焦点を当てて解説する.
著者
湯山 智教 森平 爽一郎
出版者
日本ファイナンス学会 MPTフォーラム
雑誌
現代ファイナンス (ISSN:24334464)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1-30, 2017-11-30 (Released:2017-11-30)
参考文献数
39

本稿では,BEIにより期待インフレ率を抽出する際に,状態空間モデルにより,インフレリスクプレミアムと流動性リスクプレミアムを勘案した上で期待インフレ率を推計することを試みた.推計結果の解釈には一定の留意が必要なものの,単純なBEIは,状態変数として推計された期待インフレ率と比べると,リスクプレミアムのために平均的に40~70 bp程度下回っており,特にリーマンショック後にはその幅が100 bp超にまで達した可能性が示唆される.すなわち,単純なBEIは,市場における真の期待インフレ率を過少評価している可能性が高いと考えられる.なお,インフレリスクプレミアムは多くの期間でマイナス(0~−30 bpの間)の可能性が示唆された一方,流動性リスクプレミアムは平均で30~40 bp程度と推計され,特にリーマンショック後には100 bp超の水準にまで達し,リスクプレミアムの多くを説明している可能性がある.
著者
窪田 泰夫 森上 徹也 中井 浩三 横井 郁美 藤田 名都子 宗広 明日香 森上 純子 米田 耕造
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.163-168, 2010-04-01 (Released:2010-06-25)
参考文献数
8

尋常性乾癬患者19例を対象に,カルシポトリオール軟膏(ドボネックス® 軟膏50μ/g)とベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏(アンテベート® 軟膏0.05%)を用いた9週間の外用連続療法を実施し,その臨床的有用性をPASIとVASスコア,患者QOLにより評価した。外用連続療法の導入期では両剤を1日2回併用塗布し,続く移行期では平日はカルシポトリオール軟膏のみを,土・日は両剤を1日2回併用した。維持期ではカルシポトリオール軟膏の単独塗布を行った。皮膚症状の評価はPASIスコアから顔面,頭部を除いた準PASIスコアと患者によるVAS評価を併用した。QOL評価はDermatology Life Quality Index(DLQI日本語版)を用いた。その結果,治療開始時20.2であった準PASIスコア平均値は導入終了時には8.1となり60%の低下を示し(p<0.01),その後も経時的に減少して,観察終了時には4.4に低下した(baselineから78%の低下,p<0.01)。また,治療開始時9.2であったDLQI合計スコアは観察終了時には3.1となり(p<0.01),下位尺度のうち「症状・感情」,「日常生活」,「余暇」での改善が顕著であった(p<0.01)。副作用については局所の刺激感,血清Ca値の異常変動などは認められなかった。尋常性乾癬に対する今回の外用連続療法は,皮膚症状を速やかに改善すると共にその後の寛解維持も良好で,主に精神面,生活および行動面での患者QOLの改善をもたらすことが示唆された。
著者
森 雅生
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.86-91, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)

近年,高等教育機関や研究機関における関係者の間でよく話題にされるIR(Institutional Research)について,その意義や定義,国内および海外の主要な動向と実務における考え方について,IRに専任従事する立場から解説する。そもそもIRは,教育成果を測定し高等教育機関への投資が妥当なものかどうかをチェックする機能として米国の大学で行われた活動であった。しかし,2000年代に日本に導入されてから,大学のガバナンスのための強力なツールとして大きな期待が寄せられている。本稿は,教育と研究という2つの側面から,日本におけるIRが置かれた状況と,これからの役割を考察する。
著者
森 臨太郎
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.88, no.Extra1, pp.E10-E15, 2018-01-31 (Released:2018-02-28)
参考文献数
6

It has been 15 years since clinical practice guidelines were introduced and implemented in Japan, and the quality of the guidelines has dramatically improved. Clinical practice guidelines, health technology assessments, and systematic reviews share common methodologies, and combinations of these programs have flourished and/or been explored in many organizations and countries such as the National Institute of Clinical and Care Excellence (United Kingdom). In this review, the relationship among the three programs in Japan was explored. Systematic reviews are an essential methodology for both clinical practice guidelines and health technology assessment. Promoting the collaborative use of the three programs in Japan should be encouraged, and the minimum requirements for a "systematic review" should be determined. The role of clinical practice guidelines in the national health policy should also be determined to check whether Japanese clinical practice guidelines should be assessed against the advancing guideline development, reporting and evaluation in health care (AGREE) II and whether they should incorporate economic analyses.
著者
松原 健一/稲本 勝彦/土井 元章/森 源治郎/今西 英雄
出版者
大阪府立大学
雑誌
大阪府立大学大学院農学生命科学研究科学術報告 (ISSN:13461575)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.33-40, 2002-03-31
被引用文献数
1

景観形成のための利用を想定して, 秋植え球根37種類, 春植え球根16種類について, ケヤキZelkova serrata Mak.を主体とする落葉樹林下における植栽適性を調査・評価した。夏季の樹林下区の樹冠開空率は15%程度, 冬季は80%程度となった。夏季の樹林下での光合成有効光量子束は無遮蔽区の5%程度となり, 日平均地温は無遮蔽区と比較して3〜5℃低かった。1年間の据置栽培後, 供試した1/4近くの種類の植物が無遮蔽区, 樹林下区の両条件下で生存していなかった。生存していた種類の多くで, 2年目の出芽率は, 秋植え, 春植え球根とも無遮蔽区と樹林下区でほぼ同様に高かったが, アリウム, クロッカス, フリージアなどいくつかの種類では無遮蔽区で低く樹林下区で高くなった。秋植え球根類の開花率は無遮蔽区で高く樹林下区で低くなったものが多く, 両区とも同様に高かったものも相当数認められた。また, 一部の種類では樹林下区における開花が無遮蔽区と比べて遅れた。春植え球根類の多くは樹林下区の据置き栽培で生存はしていたものの, 旺盛な生育はみられず, 開花率が低かった。これらの結果より, 秋植え球根のうち, ロドフィアラ, リコリス, ニホンスイセンなど, 出葉時期が樹冠に葉がない時期と重なる冬季出葉型の10種類の球根植物が落葉樹林下への植栽に適するものと考えられた。
著者
岡野 孝雄 大和田 進 清水 公裕 須納田 豊 川手 進 浜田 邦弘 岩波 弘太郎 菅野 雅之 佐藤 啓宏 高木 均 小山 佳成 青木 純 森下 靖雄
出版者
北関東医学会
雑誌
The KITAKANTO medical journal (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.113-118, 2004-05-01

【背景と目的】肝細胞癌に対する経皮的なラジオ波焼灼術(以下RFA)は,局所療法として有効な治療法の一つである.しかし,横隔膜直下の肝細胞癌は,経皮的に超音波での描出や経皮的な穿刺が困難な場合がある.そこで我々は,胸腔鏡下に超音波プローブを用いてRFAを行い,その有効院と安全性を検討した.【対象と方法】2001年3月から2003年12月までに5症例,7回の胸腔鏡下ラジオ波焼灼術(以下TRFA)を行った.方法として,分離肺換気下に,胸壁の2ヵ所にトロカールを挿入し,それぞれ胸腔鏡と超音波プローブを挿入し,経横隔膜的に腫瘍を描出する.超音波プローブにほぼ垂直になるようにPTCD外套針を経皮的に挿入し,これをガイドとして,RF針を経横隔膜的に腫瘍内に穿刺し焼灼する.【結果】全例がHCV(+)の肝硬変であった.Child-Pughスコアは5〜7点であった.平均腫瘍径は2.4(2.0〜3.0)cm,セッション数は症例1の初回TRFA時に6回施行した他は,各3回であった.平均手術時間は180(90〜280)分,出血量は18(0〜50)mlで,平均術後在院日数は10.4(4〜22)日であった.合併症として,ポート部の熱傷を1例に認めた. RFA術後のダイナミックCTでは,全例で低吸収域となり,治療は有効であると判定した.5症例の平均観察期間は21(7〜33)ケ月であった.1例で術後の局所再発が疑われ,同部に2回同様の手技で治療した.1例に,異所性の再発を認め,動脈塞栓療法(以下TAE)を行った.脳梗塞で24ヶ月目に死亡した1例の他は,全例が無病生存中である.【結語】TRFAは,2つのportで行うことが出来,低侵襲で,繰り返し安全に施行可能であった.経皮的なRFAが困難な症例に対して,新しい治療法になりえる.
著者
山越 言 森村 成樹 松沢 哲郎
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.32, pp.41-41, 2016

<p>ギニア共和国ボッソウでは、1976年より同村周辺を生息域とするチンパンジー一群の長期継続観察が行われてきた。研究開始当初から個体数は約20個体で推移して来たが、2003年の感染症によりほぼ3/4の個体が失われた。その後も個体数は減少を続け、2016年4月現在で8個体を残すのみである。また、8個体のうち半数は老齢個体であり、近い将来、個体数がさらに半減する可能性が高い。2013年末に発生したエボラウィルス病による研究中断を挟み、2015年末から研究活動を再開したところであるが、現状においてギニア政府筋からは、個体群の「持続性」の担保をもくろみ、同国内のサンクチュアリ施設からの個体導入の検討を強く求められている。ボッソウのチンパンジー個体群の存続のために何ができるのか,という問いを真剣に検討する時期に来ているといえる。周辺群との個体の移出入の促進と近親交配回避の現状、地域個体群の遺伝子の「真正性」の維持、道具使用等の地域文化の継続性、地域住民の観光資源となっている社会的継続性の問題など、この問題に影響を与える要因は多様である。ギニア政府からの要望にどのように対処するかも含めた当面の対策として、観察者との接触頻度を抑え、過剰な人馴れを防ぐことで周辺群からの移入を促すという暫定的方針を提案する。1970年代以降、「地域絶滅」していたオナガザルが、エボラによる中断期にボッソウの森で確認されたことをひとつの希望と考えたい。</p>
著者
高橋 基信 小森 博司
出版者
日経BP社
雑誌
日経Windows 2000 (ISSN:13452835)
巻号頁・発行日
no.47, pp.121-128, 2001-02

小森 博司コンパックコンピュータカスタマーサービス統括本部第2 カスタマーサポート本部CAL(クライアント・アクセス・ライセンス)が不要なので,Windows 98マシンをファイル・サーバーとして利用しています。現在は各共有フォルダごとにパスワードを付けていますが,パスワードの入力が面倒でユーザーに不評です。何か方法はないのでしょうか。

1 0 0 0 横浜市歌

著者
森 林太郎[作詞]
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1929-11
著者
森田 俊博 海浪 裕子 林原 正和 大坪 健司
出版者
一般社団法人 日本医療薬学会
雑誌
病院薬学 (ISSN:03899098)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.237-242, 1998-06-10 (Released:2011-08-11)
参考文献数
14

We developed safe and simple closed system for preparing ointments containing cytotoxic drugs using a polyethylene bag.β-Carotene (β-C) and fluorescein sodium (FL) were used as model drugs in the present study. All preparation procedures were carried out in a polyethylene bag. The uniformity of drug content in the ointment was obtained by rolling the contents more than 20 times with a roller in both model drugs. The contents of each model drug in the ointment prepared by a closed system were consistent with those by the conventional method using a glass mortar. The time required to prepare the ointment in a closed system was much shorter than that using the conventional method. In addition, no contamination was observed in the closed system, whereas some contamination of the cyto-safe sheet and gloves with FL were observed with the conventional method. Based on the present findings, a closed system using a polyethylen bag is thus considered to be a useful method for preparing ointments containing cytotoxic drugs.