- 著者
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横山 昌平
石川 博
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.1, pp.56-67, 2011-01-15
近年,人類の創出する情報量は急速に増大しており,さらにセンサネットワーク等,莫大な情報を創出する新技術の普及が迫っている.そのような増大し続ける情報の「見える化」には,情報を閲覧するデバイスの高解像度・高精細化が重要である.本論文では複数のモニタを並べて仮想的な高解像度表示領域を得るTiled Display Wallという手法による,高精細な「見える化」基盤技術を提案する.Tiled Display Wallの従来手法ではOSレベルでの簡易な仮想デスクトップか,あるいは高度な分散レンダリングをともなう実装が必要であり,実際的なアプリケーションにおける開発・運用が容易ではなかった.その問題に対し,我々は,Tiled Display Wallのアプリケーションを軽量なWeb技術に基づいて容易に開発する基盤技術を提案する.Web技術は開発者人口も多く,またすでに多数のサービスが提供されている.本論文では提案手法を用いた応用の例示として,Google Maps API等既存のWeb APIを利用したマッシュアップによる超高解像度Webアプリケーションの実例を紹介する.