著者
的場 周一郎 沢田 寿仁 戸田 重夫 森山 仁 横山 剛 橋本 雅司
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.2580-2584, 2008 (Released:2009-04-07)
参考文献数
21
被引用文献数
4 4

患者は62歳,女性.主訴は心窩部不快感.平成某年10月頃より心窩部不快感が出現,翌年1月当院内科受診し,貧血,便潜血反応陽性を認めた.上部,下部消化管内視鏡を行うも異常は認めず,小腸造影検査を行ったところ,回腸に約6cmの憩室と,その内部に約3cm大の隆起性病変を認めた.腹腔鏡補助下に手術を行った.手術所見では回腸に憩室を認め,小切開を置き,憩室のみ切除した.術中迅速診断にて高分化型腺癌と診断され,リンパ節郭清を伴う回腸部分切除を行った.病理検査では,リンパ節転移を認めず,Meckel憩室の異所性胃粘膜から発生した癌であった.
著者
橋本 雅至 中江 徳彦
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.123-128, 2001 (Released:2001-12-27)
参考文献数
9
被引用文献数
9 7

身体の土台である足部の機能を前、中、後足部の3つに分類し、運動学的に評価する。足部にはその特性として可動性と固定性が要求される。特に後足部は横足根関節を介して前足部に作用し、足部全体の可動性と固定性に関与する部分である。さらに後足部の機能に影響をもたらすものとして脛骨の形状(脛骨捻転、正面天蓋角など)がある。後足部の動きは距骨下関節を介して下腿の回旋に連鎖する。本稿では足部の特徴が下肢から身体全体に連鎖することを示し、足部の評価が身体運動の制御を理解する上で重要であることを述べる。

3 0 0 0 OA 雅邦素画集

著者
橋本雅邦 画
出版者
雅邦素画集刊行会
巻号頁・発行日
vol.[正編], 1920
著者
早川 亜希 橋本 雅好 佐藤 将之
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.669, pp.2101-2107, 2011-11-30 (Released:2012-02-23)
参考文献数
12

This study sought to clarify the reference domains of demonstrative pronouns in young children. Japanese uses three different demonstrative pronouns: KORE, SORE, and ARE. Subjects (aged 3 to 6) were presented with a referent and were then asked to use KORE, SORE, or ARE.Results showed:1) Young children distinguish between KORE and ARE.2) The area covered by KORE depended on whether the subject was sitting or standing. When standing, KORE covers an area in front and diagonally to the right; whereas when sitting, it covers an area in front and laterally to the right.3) The KORE area shape was the same for males and females.
著者
藤高 紘平 大槻 伸吾 大久保 衞 橋本 雅至 山野 仁志 藤竹 俊輔
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.C0959, 2008

【目的】自然立位とサッカーボールキック動作(以下キック動作)における足アーチ高率の変化量、足趾屈曲筋力とスポーツ障害との関係を調べることである。<BR><BR>【方法】対象は大学生男子サッカー選手51名(平均年齢20.5±1.1歳、平均身長173.4±6.2cm、平均体重66.8±5.7kg)とした。自然立位における足アーチ高率は足長、地面から舟状骨結節までの高さを測定し算出した。キック動作は3m先に設置したマーカーをボールと仮定し、ボールをより遠くへ飛ばすようにイメージして蹴ることを指示し3回行わせた。キック動作はデジタルビデオカメラ(Canon社製)を、レンズの高さ3cm、被写体までの距離2mに設置し、サンプリング周波数を60Hzにて記録した。キック動作における足アーチ高率は動画を静止画像に分割し算出した。足趾屈曲筋力測定はデジタル握力計(竹井機器工業社製)を改良した測定器を用いた。データ分析は測定時より1年間以前の整形外科受診結果(障害例は練習を2日以上休む場合に全例整形外科を受診したものとした)を、障害を有した支持脚と障害がない支持脚で足アーチ高率の変化量と足趾屈曲筋力を比較した。統計学的処理は対応のないt検定を用い、有意水準は5%未満とした。<BR><BR>【結果】整形外科受診59件中、足関節捻挫9件の足アーチ高率の変化量(1.53±0.4%)、足関節障害4件(0.95±0.3%)、足部障害4件(1.55±0.5%)、膝関節捻挫2件(0.89±0.1%)、膝関節障害2件(0.42±0.6%)、障害なし21件(0.94±0.64%)であった。足関節捻挫を有した支持脚の足アーチ高率の変化量は有意に増大した(P<0.05)。足部障害を有した支持脚の足アーチ高率の変化量は大きい傾向にあった(P<0.1)。足関節捻挫、足部障害を有しているものともに足趾屈曲筋力は小さい傾向が認められた(P<0.1)。<BR><BR>【考察】足アーチ高率の変化量の増大は、足部の衝撃吸収機能および、足圧中心位置の変位によるバランス能力の低下を引き起こし、足部・足関節の不安定性を増大させると考えられた。このことから足アーチ高率の変化量の増大は足関節捻挫、足部障害の誘因の一つになることが示唆された。また足趾屈曲筋力の低下により足アーチの保持や足趾把持力が低下し、さらにバランス能力の低下や足部への衝撃ストレスが増大すると考えられる。これらのことが足関節捻挫や足部障害の発生要因になると考えられた。今後、足関節捻挫や足部障害の発症に影響を及す因子や、足アーチ高率の変化量と足部の衝撃吸収機能との関連性についてさらに検討していく必要があると考えられた。<BR><BR>【まとめ】足アーチ高率の変化量と足趾屈曲筋力は足関節障害や足部障害の発生要因となり、足趾屈曲筋力の測定と足部のアライメント評価の重要性が示唆された。
著者
乾 公昭 森川 昌英 橋本 雅文 所谷 康平 高橋 和彦
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.854, pp.17-00061, 2017 (Released:2017-10-25)
参考文献数
21
被引用文献数
2

This paper presents a method of correcting distortion in 3D laser-scan data from in-vehicle multilayer laser scanner. A robot identifies its own 3D pose (position and attitude) in a laser-scan period using the normal-distributions transform (NDT) scan-matching method. Based on the pose information, the robot's pose in a period shorter than scan period under the assumption that the robot moves at almost constant linear and turning velocities. The estimated pose of the robot is applied to map laserscan data onto a world coordinate frame. Subsequently, the robot again identifies its own 3D pose from the mapped scan data using NDT scan matching. This iterative process enables the robot to correct the distortion of laser-scan date and accurately map the laser-scan data onto the world coordinate frame. Two methods for correcting the laser-scan data are presented: linear-interpolation based and Kalman-filter based methods. The former applies the extrapolation and interpolation to estimate the vehicle pose, while the latter applies the prediction, estimation, and smoothing. Experimental results of mapping a signal light in a road environment show the performance of the proposed two methods.
著者
藤高 紘平 藤竹 俊輔 来田 晃幸 橋本 雅至 大槻 伸吾 大久保 衞
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.263-267, 2012 (Released:2012-08-01)
参考文献数
25
被引用文献数
3 1

〔目的〕足部アーチ保持筋力トレーニング効果が大学サッカー選手の足関節と足部のスポーツ傷害に及ぼす影響を検討した.〔対象〕大学サッカー選手30名とした.〔方法〕対象を2群に分け,足趾把持筋力,アーチ高率,最大1歩幅,片脚立位保持時間などを測定し,経過観察中に発生したスポーツ傷害を調査した.トレーニング群には,1年間の足部アーチ保持筋力トレーニングを実施し,2群間で測定・調査項目を比較した.〔結果〕トレーニング群では足趾把持筋力,最大一歩幅,片脚立位保持時間が有意に増加し,足関節捻挫発生数が有意に少なかった(χ2=4.66).〔結論〕足部アーチ保持筋力トレーニングにより,足趾把持筋力の向上や姿勢制御能の改善が導かれ,足関節捻挫の発生数低下に影響を与えたと推察された.
著者
橋本 雅行 高橋 修 小野 秀一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.9, pp.23-00031, 2023 (Released:2023-09-20)
参考文献数
15

橋面舗装の打換え工事において,舗装切削が既設の防水層や床版コンクリートに少なからずダメージを与える要因となっており,既設の防水層は,健全な状態であっても橋面舗装の基層と同時に再施工されるのが実状である.本研究ではこれらを課題として挙げ,防水層上の基層を薄層状態で残存させる切削工事を想定し,残存層を再利用することについて検討した.この残存層は,ひび割れなどの損傷が生じている可能性が高いものの,既設の防水層と床版コンクリートが健全であれば,新設時に近い状態まで不透水性を回復させることで,中間層として再利用できる可能性がある.このことから,残存層の不透水性の回復手法について検討し,有効性を評価した.その結果,アスファルト乳剤浸透工法は,残存層のひび割れを閉塞し,不透水性を回復できることを確認した.
著者
中尾 英俊 稲葉 考洋 森藤 武 内原 由佳子 渡邉 萌 金子 元春 木下 和昭 橋本 雅至 大槻 伸吾
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.275-279, 2016 (Released:2016-04-29)
参考文献数
19

〔目的〕腰椎変性疾患患者に対し,体幹伸筋持久力トレーニングを実施しVASと JOABPEQへ及ぼす影響を検討した.〔対象〕腰椎変性疾患患者27名(平均年齢72.2 ± 8.3歳)とした.〔方法〕体幹伸展持久力トレーニングを実施する15名(T群)と,通院での運動療法のみ実施する12名(C群)との間で,1ヵ月毎に3回計測された体幹伸筋持久力とVAS,JOABPEQの経時変化を比較した.〔結果〕T群の体幹伸筋持久力は3ヵ月目に,JOABPEQは腰椎機能障害のみ2ヵ月目に有意に高値を,VASは2,3ヵ月目に有意に低値を示した.〔結語〕腰椎変性疾患患者に対する体幹伸筋持久力トレーニングは,疼痛およびADLの改善に効果的であることが示唆される.
著者
石束 友輝 橋本 雅至 井上 直人 古川 博章 山崎 岳志 河野 詩織 吉川 晋矢 木下 和昭
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.CbPI2220, 2011

【目的】<BR> 我々は、高校サッカー選手における運動時腰痛の軽減を目的にメディカルチェックと体幹筋トレーニング指導を行っている。体幹筋機能検査として、Kraus-Weber test 変法大阪市大方式(以下、KW)と Side Bridge test(以下、SB)を用いている。KWは体幹筋機能検査として有用性が数多く報告されている。また、我々はSBの体幹筋機能と運動時腰痛との関連性を報告した。先行研究において体幹筋トレーニングを継続した結果、SBやKWの点数の向上に伴い運動時腰痛が軽減したことを報告した。しかし、腰痛が残存する選手も認められた。本研究では初回メディカルチェック時のKW 、SBの点数から低値である選手、高値である選手に分類しトレーニングを継続したことによるそれぞれの点数の変化と運動時腰痛の関連を調査した。<BR>【方法】<BR> 対象は某高校男子サッカー部員で、平成19年度の1年生10名(身長169.0±4.2cm、体重56.9±5.7kg)と、平成20年度の1年生14名 (身長167.6±6.4cm、体重56.8±5.6kg)の計24名。メディカルチェックにおいてKW 、SBの測定と腰痛に関する問診を実施した。KWは大阪市大方式に準じた。SBは姿勢保持の時間を最大60秒とし片側6点満点、左右で12点満点とした。KW、SB共に負荷量は体重の10%の重錘負荷とした。メディカルチェックは初回、中間時(以下、2回目)と約1年後(以下、3回目)に実施し、体幹筋トレーニングは初回メディカルチェック終了後より開始した。<BR> 平成19年度、平成20年度の初回のKWの点数を合計し、平均点を算出した。平均点が中間群に含まれるよう上位群、中間群、下位群の3群に分類した。SBも同様に3群に分類した。今回は上位群、下位群におけるKW、 SBの点数と運動時腰痛の保有者の変化を調査した。<BR> 統計処理は、多重比較検定にTukey-Kramer法を用い、有意水準を5%未満とした。<BR><BR>【説明と同意】<BR> ヘルシンキ宣言及び、個人情報保護法の趣旨に則り、被験者に研究の趣旨や内容、データの取り扱い方法について十分に説明し、研究への参加の同意を得た。<BR>【結果】<BR> KWは下位群9名、上位群8名であり、SBは下位群8名、上位群8名であった。<BR> KW下位群は初回15.1±2.4点、2回目18.0±6.8点、3回目22.3±7.4点であり、初回と3回目(p<0.05)において有意な増加が認められた。運動時腰痛の保有者は初回5名、2回目3名、3回目4名であった。KW上位群は初回24.6±2.4点、2回目26.8±5.3点、3回目27.0±5.4点であり有意な変化は認められなかった。運動時腰痛の保有者は初回7名、2回目5名、3回目4名であった。<BR> SB下位群は初回3.8±1.7点、2回目7.5±2.4点、3回目8.9±3.3点であり、初回と2回目(p<0.05)、初回と3回目 (p<0.01)において有意な増加が認められた。運動時腰痛の保有者は初回7名、2回目4名、3回目5名であった。SB上位群は初回11.3±0.9点、2回目8.9±3.0点、3回目10.9±2.1点であり有意な変化は認められなかった。運動時腰痛の保有者は初回4名、2回目2名、3回目4名であった。<BR><BR>【考察】<BR> 今回の結果からKW、SB下位群では点数向上に伴い運動時腰痛の保有者が減少した。初回メディカルチェック時の体幹筋機能検査において点数が低値である選手は、体幹筋機能の向上に伴い運動時腰痛の保有者が軽減したと考えられる。<BR> 一方KW、SB上位群では点数に有意な変化は認められなかった。KW上位群では運動時腰痛の保有者は減少したが、SB上位群では運動時腰痛の保有者に変化はなかった。我々は先行研究においてKW 、SB共に点数が高値でかつその点数を一定の期間維持することが、運動時腰痛改善の一要因となる可能性があると報告した。今回の結果からも、KW上位群では点数を一定の期間維持できたことで運動時腰痛の保有者が減少したと考えられる。しかしSB上位群では有意差が認められなかったものの点数を一定の期間維持できていないため運動時腰痛の保有者に変化はなかったと考えられる。<BR><BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 腰痛に対する体幹筋トレーニングの効果と体幹筋機能の客観的な評価や腰痛改善との関連性についての報告は少ない。そこで、我々は体幹筋機能を客観的に評価し、運動時腰痛との関連性について経時的に調査することで運動時腰痛発生の要因を検討してきた。本研究では初回メディカルチェック時の体幹筋機能の評価結果から、運動時腰痛の予防や改善のための具体的な方針を決定しうることが示唆された。
著者
三谷 保弘 橋本 雅至 北川 智美 松木 明好
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.619-622, 2013 (Released:2013-11-09)
参考文献数
13
被引用文献数
4 1

〔目的〕異なる重さの荷物を持ち上げる際の身体運動を計測し,その特徴を検討した.〔対象〕健常な成人男性13名とした.〔方法〕三次元動作解析装置と床反力計を用いて無負荷,10 kg,15 kgの荷物を持ち上げる際の身体運動を計測した.〔結果〕持ち上げる荷物が重いほど,身体重心の上下移動範囲,膝関節屈曲角度,股関節屈曲角度,股関節伸展モーメント,足関節底屈モーメントは有意に増大し,身体重心の上方への加速度は有意に減少した.足関節背屈角度,体幹前傾角度,膝関節伸展モーメント,身体重心の上方への最大速度は,荷物の重さによる有意差が認められなかった.〔結語〕荷物が重くなるに従い,膝関節屈曲角度,股関節屈曲角度,股関節伸展モーメント,足関節底屈モーメントが増大した.
著者
橋本 雅史 上田 克彦 佐竹 勇人 留守 正仁 富樫 昌彦 森 拓也 市川 博之 川原 勲
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】変形性膝関節症は臨床で多くみられる疾患であるが,膝関節内反モーメントと下腿の回旋についての報告は少ない。横山らは,変形性膝関節症患者の立脚期での内反モーメントのファーストピークは健常人の1.5倍と報告している。またSasakiらは,内側変形性膝関節症に対して外側楔型足底板を使用することで,大腿骨頭から踵骨までの荷重線を変化させると報告している。さらにNakajimaらは,外側楔型足底挿板にアーチサポートを付加すると後足部の運動が保たれ,かつ膝関節内反モーメントを減少させ足底挿板の効果を高めると報告している。我々は変形性膝関節症の患者に,Nakajimaらの足底挿板を参考にした簡易インソールを挿入し,下腿内旋角度・膝関節内反モーメントが減少することを三次元動作解析装置にて確認した。膝内反モーメントは下腿回旋に影響されるが,健常人での下腿回旋角度は未だ報告されていない。今回健常者に対し,オイラー角を用いて正常歩行時の下腿回旋角度を明らかにすることを目的とした。【方法】本研究の対象は,下肢に整形外科的既往の無い健常男性9名(年齢28.6±5.97歳,身長173.4±5.43cm,体重66±7.12kg)とした。裸足での歩行を三次元動作解析装置と床反力計を用いて計測し,歩行速度は快適速度とした。三次元動作解析装置(アニマ社 ローカス3D MA3000)を用いて下腿のオイラー角を計測し,同時に床反力計(アニマ社MG100)にて床反力のモーメントを計測した。下腿のオイラー角は,踵接地0.01秒前を基準(0°)とし測定し,制動期終了時を立脚中期としデータを算出した。また,各個人の踵接地から立脚中期までの時間を100%表示に正規化した。オイラー角の平均と膝関節内反モーメントの平均をSpearmanの順位相関係数を用いて統計処理を行った。統計処理ソフトは,R2.8.1を使用し行った。【倫理的配慮,説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言に沿った研究であり,阪奈中央病院倫理員会の承認を得た。また,対象者に対して研究の主旨と内容,得られたデータは研究以外で使用しないこと,及び個人情報漏洩に注意することについて十分に説明し,同意を得て研究を行った。【結果】踵接地から立脚中期にかけての最大外旋角度13.71°~0.56°と個人差があり平均4.71±2.6°であった。最大内旋角度は8.41°~-1.03°と個人差が見られ平均は2.03±2.27°であった。今回の計測では大きく分けて3パターン確認され,①下腿外旋-下腿内旋の(2 times of rotation)パターン(5例)②下腿内旋-下腿外旋-下腿内旋の(3 times of rotation)パターン(2例)③踵接地から立脚中期まで常に下腿外旋位である(1 time of rotation)パターン(2例)に分類できた。下腿回旋角度と膝関節内反モーメントはr<sup>2</sup>=0.584と中等度の相関関係にあることがわかった。3パターンのオイラー角の平均を,フリードマン検定より多重比較を行った結果はp<0.01と有意差が認められた。【考察】今回三次元動作解析装置を使用し,下腿と大腿を面として捉えオイラー角を計測することで,踵接地から立脚中期にかけての下腿回旋角度を計測することができた。堀本らは,健常人の70.6%が距骨下関節回外位で踵接地を行い,29.6%が距骨下関節回内位で踵接地すると述べている。今回の結果では9例中7例が踵接地後下腿外旋位に変位し,2例が踵接地後下腿内旋していることが確認できた。運動連鎖から考えると距骨下関節回外位での踵接地により下腿外旋し,距骨下関節回内位での踵接地により下腿内旋していると考えられ,堀本らと同様の結果となった。踵接地以降の下腿回旋角度は,足底圧中心軌跡が足部のどの位置を通過するかにより,下腿の回旋パターンが変化すると考えられる。今回の結果では,下腿回旋角度と膝関節内反モーメントとの相関がみられた。我々が先行して行った変形性膝関節症患者への簡易インソール挿入前後の比較では,挿入により下腿外旋が増加し健常人の下腿外旋-下腿内旋の(2 times of rotation)パターンに近い結果となった。また,内反モーメントの比較では,挿入により内反モーメントの減少がみられ疼痛の減少が確認できた。我々の先行研究と今回の結果より,下腿回旋角度をコントロールすることで,内反モーメントを制御できると考えられた。【理学療法学研究としての意義】今回の研究で歩行時の下腿回旋角度が測定することができ,3パターンに分類することができた。今後さらに研究を進め対象数を増加させることで,より明確なパターン分類が期待できると考える。
著者
田村 昌一 松村 隆 鈴木 庸介 篠原 尉浩 富田 正機 橋本 雅和 本田 竜未 大橋 利仙 森 和男
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2007年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.61-62, 2007 (Released:2008-03-28)

本研究では小径ボールエンドミルを送り方向に傾け,パイレックスガラスを溝加工した.工具形状,コーティング材質,切削条件がガラスの切削特性に及ぼす影響について評価した.その結果,一切れ刃あたりの送り速度12nm/edgeで脆性損傷のない良好な加工面が得られた.またダイヤモンドコーティング工具では仕上げ面に細かい脆性損傷が生じることがわかった.
著者
橋本 雅仁
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

プロバイオテック細菌のように経口で外部から摂取される細菌およびその成分が、腸管内で作用することで宿主の恒常性を維持し、免疫機能を改善することが知られている。またこれまでの我々の研究から、鹿児島特産の醸造酢である黒酢には酢酸菌由来の成分であるリポタンパク質とリポ多糖が含まれており、免疫調節に関与していることが示唆されている。本研究では、このうちのリポ多糖の化学構造を明らかにするとともに、リポ多糖が小胞として黒酢中に存在することを明らかにした。