著者
三好(橋本) 道子
出版者
北海道大学大学院教育学研究科
雑誌
北海道大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13457543)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.1-35, 2006-06-30

これまで,表情認識に関わる研究のほとんどは静止画像を用いて行われており,動きを伴う表情変化の処理については詳しく検討されていない。本研究では,事象関連脳電 位(ERPs)を指標とし,表情の動きの知覚を誘発する表情変化に対する電位反応を測定した。その結果,真顔から笑顔への表情変化に対しては,刺激の物理的変化量の違いや選択的注意を向けるか否かに関わらず,N 170成分がより陰性にシフトした。さらに真顔から怒り顔への表情の変化に対しては,真顔から笑顔への表情の変化と比較して,より早い潜時帯から電位の陰性のシフトが生じることが示された。N 170は顔認識過程における最も早い知覚処理段階を反映し,静止画表情に対しては感度がないことが示されていることから,静止画表情と比較して表情変化の処理が促進されること,さらに脅威信号となる真顔から怒り顔への表情の変化に対しては,より迅速な処理が行われることが示された。
著者
渡辺 和宏 全 炳東 橋本 明将
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.454, pp.27-32, 2008-01-17

屋外で撮影した建物の情報を景観画像に重畳表示するアノテーションシステムの性能を改善した,GPS,ジャイロ,電子コンパスから得られた観測者の初期位置をカメラから得られた画像特徴量を用いて補正することでアノテーションの際に違和感を与える原因となる幾何学的ずれを解消する.本論文では高精度化と高速化を実現するための手法を物理センサ,ビジョンセンサの両面からそれぞれ提案する.また,従来手法では正確な位置姿勢が一意に推定できなかった特徴に乏しい地点に対する対応についても述べる.
著者
石川 治 橋本 勉 中嶋 暉躬 田中 治 糸川 秀治
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.98, no.7, pp.976-979, 1978-07-25

For the analysis of Coptidis Rhizoma, high-speed liquid chromatography was examined, not only for its major alkaloid, berberine, but also for its minor alkaloids. It was found that under an appropriate condition [on starch gel (LS-170), eluted with the solvent system of H_2O : MeCN : AcOH : Et_3N=80 : 20 : 0.3 : 0.745,pH 8.5], sufficient separation of berberine, magnoflorine, jatrorrhizine, palmatine, coptisine, and some other unidentified alkaloids was obtained. By means of the present procedure, content of berberine and relative content of palmatine and coptisine to berberine in some of wild and commercial coptis rhizomes were determined. Since the solvent system does not contain any nonvolatile salt, the present technique also offers the possibility of application to rapidpreparative separation of alkaloids of this type by liquid chromatography. The application to analysis of alkaloids of phellodendron-cortex is also described.
著者
橋本 憲幸
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.348-359, 2007-09

本稿の目的は、一般に開発途上国と呼ばれる国々のとりわけ初等教育に対する国際的な教育援助の正当化を、留保を付しつつ行なうことである。2000年の「世界教育フォーラム」を経て、開発途上国(政府)-<彼/彼女ら>-の教育の内容・価値に関わる問題が国際共同体-<われわれ>-の問題としても位置付けられている。しかし、そういった<彼/彼女ら>の教育問題は、政治・文化を越えて<われわれ>の問題になりうるのか。<われわれ>は国境線を越えて<彼/彼女ら>の教育問題に関与・干渉できるのか。本稿では、ポール・リクール、ジョン・ロールズ、そしてマーサ・C・ヌスバウムといった哲学者の所論と国際レヴェルでの合意事項を手がかりに、<われわれ>による<彼/彼女ら>への教育援助は「適切な教育」に向けられる限りにおいて正当化されるとの結論が導かれる。だが、「適切な教育」とは何であるのか、その回答が課題として残された。
著者
新保 達也 橋本 直己 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.85, pp.13-18, 2001-12-14

3次元物体の衝突検出アルゴリズムとして, 衝突する可能性を持つ面を絞り, 最後に面ペアの衝突検出をする方法がこれまでに提案されている.この衝突検出アルゴリズムでは, 最後の面ペアの衝突検出処理が全体の大半を占めている.そこで本研究は, 分散メモリ型PCクラスタを用いて, 面の衝突検出を並列化する実験をおこなった.その際, マスタノードから各クライアントノードに面ペアを送り, 並列処理を行う手法を用いた.8台のクライアントを用いて, 実験を行った結果, 逐次処理を行う場合の16%の実行時間で衝突検出を行うことができた.