著者
内田 好弘 谷 貞宏 橋本 昌宜 築山 修治 白川 功
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.1665-1673, 2006-06-15

システム・オン・パネルなど配線とグラウンド平面の距離が大きい構造では,配線間の容量結合の割合,影響範囲が大きく,容量の見積りが困難である.これまでに容量抽出の高精度化のためにいくつかの手法が提案されているが,実用的な計算量では十分な精度は得られていない.複雑な計算処理による抽出精度の向上を目指すだけでなく,配線間容量そのものを低減する設計も効果的と考えられる.本稿では,配線間容量低減技術として一般的なグラウンド平面,シールド配線の追加,配線間隔の調整をシステム・オン・パネルに適用して,容量成分と見積もりやすさについて評価を行った.その結果,配線間容量のミラー効果を考慮した実効最悪容量を改善しつつ,抽出を容易にすることが可能であることが分かった.In system on panel circuits, coupling capacitance is much significant since a ground plane locates far away unlike LSI designs. To solve difficulty in capacitance extraction, which comes from wide-range coupling in system on panel circuits, some methods have been proposed, but still their efficiency and accuracy are not sufficient. This work focuses on interconnect design to reduce coupling capacitance instead of improving accuracy and efficiency by complex computation and enhancing algorithm. Using an effective worst-case capacitance which considers mirror effect of coupling capacitance, the effectiveness of adding ground plane and insertion of shield wires are evaluated from the aspect of weakening capacitive coupling and simplifying capacitance extraction. Experimental results reveal that ground plane and shield wires contribute both to reduce the effective worst-case capacitance and to simplify capacitance extraction.
著者
橋本 雅和 阿多 信吾 北村 浩 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.689, pp.79-84, 2005-02-24

IPv6の持つ新たな機能であるエニーキャストは, 同じサービスを提供する複数のサーバに共通のIPアドレスを割り当てて複数のサーバの中から最適なサーバを1つ選んで通信する機能であり, その特性から様々な用途が期待されている.特にIP層でのエニーキャストの実現は, 既存のアプリケーションに変更を加えず使用することができるという利点がある.しかし, 通信の対象となるノードがインターネット上に広く分散しているという特徴を持つグローバルエニーキャストの実現には, 既存の経路制御を大きく変更する必要があり, 実現が困難であると思われてきた.そこで本研究では, Mobile IPv6とグローバルエニーキャストのメカニズムの比較から多くの類似点を見いだして, Mobile IPv6のメカニズムを応用することによりグローバルエニーキャストを容易に実現できることを発見したので, その手法を報告する.
著者
登 不二雄 井野 正興 橋本 周司 大照 完
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.397-398, 1992-02-24

茶の湯の舞台は、白雲を蓋とする屋外の茶庭と量の上に座ることを基本とする狭く天井も低い小間の茶室からなり、両者は背丈の半分にも満たない低いくぐり戸の躪(にじり)口により境される。この特殊な実空間の構築はもちろん、ここで使用されるおびただしい茶道具の準備には多大の費用、手間、時間を必要とし「一会の茶の湯に会うこと甚だ難し」である。筆者らは仮想空間の概念のもとに日本芸能の基礎的性質を考察し、茶の湯に対しても計設機支援により現実感の高い仮想空間の構築を試みた。これにより主、客は受動的なテレビ型でなく能動的な電話型で参加可能になった。
著者
岩永 定 柏木 智子 藤岡 恭子 芝山 明義 橋本 洋治
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.37-50, 2007

There are many problem behavior of children in Japan such as bullying, juvenile delinquency, school violence, vandalism, drug etc. Many factors cause such problems, but we set up a hypothesis that the decline of self-esteem of children is very important factor. From this hypothesis and the examination of the precedence research regarding self-esteem, we set the following 3 points as the aim of this paper; 1) to review the history of Project Adventure (PA) program and to grasp of its definition and contents, 2) to grasp present conditions and problems of PA program in Miyagi Prefecture that firstly introduced it in Japan, 3) to search possibilities and limits of Miyagi PA program in the formation of the self-esteem of children. As a result of research, we conclude next three points: 1) PA is defined as the formalized process of experiential learning that makes a series of adventurous and challenge activities as the means for intending the change of the consciousness and behavior of students. PA program have been advanced the wide use and qualitative change in the process of the occurrence and diffusion in USA. It diffused partially after PAJ (Project Adventure Japan) is established in 1995 in Japan. 2) PA in Miyagi Pref. is being carried out as MAP (Miyagi Adventure Program) under the guidance of PAJ and the fundamental thought is expressed as the 'cycle of experiential learning'. Miyagi Pref. is the only one prefecture which tackles with PA by the board of education as a whole, and promote the program in the cooperation of school education and social education. The program is developed on 4 contents; (1) training of leaders, (2) enlightenment activities, (3) upgrading of the institutions and equipments, and (4) introduction of PA to the school education activities. However, the training of the leader is restrictive, and training activities are relying on PAJ now. Also, it is very difficult to measure the educational effects of PA program to students. 3) The board of education try to introduce the PA program to all public schools, but some teachers and principals reject the PA program because they doubt its effect. The staffs of board of education think that such teachers and principals do not participate the training and do not understand significance of PA program. But we think there is other reason. In the process of introducing PA program to school education, it decreased elements of adventure that improve the self-esteem of children.
著者
沖野 晃一 冨田 裕人 橋本 浩二 山崎 雅也 大澤 拓 白川 暁 吉井 卓 岩下 茂信 宮嶋 浩志 村上 和彰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.80, pp.167-172, 1996-08-27
被引用文献数
5

本稿は,九州大学で現在開発中のPPRAM^R_<mf>仕様に基づく最初の試作LSIであるPPRAM^R_<mf>256?4のハードウエア構成について述べている.計画では,0.25μm CMOS,2層金属配線を用いて,"256"Mビット(2Mバイト)DRAMと"4"個の汎用プロセッサを1チップに搭載する.各プロセッサのロジック規模は50万トランジスタ程度で,24Kバイト・キャッシュを装備.プロセッサ当たりのローカル・メモリ容量は8Mバイトとなる.1998年度中の完成を目指している.This paper describes the hardware organization of the first prototype LSI chip based on the PPRAM^R_<mf> architecture, or PPRAM^R_<mf>256-4, which is now under development at Kyushu University. The PPRAM^R_<mf>256-4 will integrate 256Mb DRAM and four processors into a single chip with a 0.25μm CMOS technology. Each PE (Processing Element) will consist of a simple RISC processor of 500KTr, 24Kbyte cache memory, and 8Mb local DRAM memory. The development will complete by March, 1999.
著者
繁田 脩 鏡 慎吾 橋本 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.43, pp.13-18, 2008-05-15

本研究では,カメラが得た運動情報と,加速度センサが得た情報との時間相関に基づいて,視野内の複数の運動物体の中から加速度センサを有する物体を識別するための技術を提案する.カメラと加速度センサの間には未知の時間遅れが存在するので,この時間遅れを考慮したうえで対応付けを求めるため,正規化相互相関を利用する.また,加速度センサの座標系が未知であるので,カメラから得られる運動情報に重力加速度の成分を加え,さらに座標系に依存しない値である加速度のノルムを用いて対応付けを行う.実験により,3人の歩行者の中からセンサを持つ人を識別できること,3人の手の動きの中からセンサを握った手を識別できることを示した.
著者
橋本 健一
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲. ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.1-8, 2002-03-25
被引用文献数
3

1. モンシロチョウPieris rapae crucivora Boisduvalの沖縄県石垣島個体群(24°20′N)における蛹休眠誘起の光周反応, 幼虫期および蛹期の発育速度と発育零点, 休眠蛹の蛹期間について調べた.2. 15℃での臨界日長は約11時間10分であると推定された.しかし, 20℃では, 明期8時間・暗期16時間(以下, LD8 : 16), LD10 : 14でも, 休眠率は前者で, 21%, 後者で, 20%であり, LD12 : 12, LD14 : 10では休眠蛹は生じなかった.25℃では, LD8 : 16&acd;LD14 : 10の範囲では非休眠蛹のみを生じた.3. 幼虫期および蛹期の発育速度(V)と温度(T℃)との関係は, 幼虫期がV=0.0053T-0.0453(r=0.99), 蛹期がV=0.0088T-0.0747(r=0.99)の回帰直線式で示され, 幼虫期および蛹期の発育零点はともに8.5℃であった.4. 20℃・LD10 : 14で得られた休眠蛹の蛹期間は, 20℃・全暗で57.9±11.4日(平均値±標準偏差)であった.20℃・LD8 : 16で得られた休眠蛹の中には蛹期間が100日以上の個体もあったので, 休眠の深さの個体変異は大きいと思われた.5. 石垣島個体群の休眠の誘起は, 20℃で抑制される傾向にあり, 25℃では完全に抑制された.また, 休眠蛹の蛹期間は東京個体群と比べて短かった.このような特性は, 最寒月でも発育零点以上の温量が得られる同地の気候条件への適応と考えられる.
著者
影山 京子 橋本 悟 田中 義文
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.980-985, 2008-11-14 (Released:2008-12-13)
参考文献数
2

麻酔科領域には紛争, 訴訟に発展する数々の特殊な問題が潜んでいる. 第一に,「麻酔担当医と患者との人間関係, 信頼関係が十分に形成されない間に麻酔が実施される」, 第二に, 患者側の「麻酔の危険性」に対する認識不足, 第三に,「全身麻酔は患者の不可視の状態の下に行われ, 医療行為の過程が患者にはわからない」, 第四に「局所麻酔の場合, 患者にとって簡易な医療行為にみえるにもかかわらず発生した結果はきわめて重大・深刻である」ということである. これらの特殊性を理解したうえでの慎重な麻酔業務の遂行と, 不幸にして事故が発生した場合,「過失」に相当するか否か慎重に検討し, 事故の再発防止と当事者, 被害者両者の救済に努める必要がある.
著者
橋本 恵二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.2069-2070, 1986-10-01

システムやソフトウェアを開発するに先立って行われる要求分析、要求定義の重要性が認識されて久しい。これまで要求を記述するための形式的なモデルと技法が種々提案されている。特にオフィスシステムの分析モデルとして、データフロー図(DFD)がよく知られている。DFDによる分析はまず、オフィスにおける帳票の動きや作業手順などをデータの流れ、変換活動、及びファイルという概念を用いて論理的に記述する。その上に計算機による処理部分を切り出し、要求仕様として用いる。しかし、上の方法ではどのようにDFDを記述することが論理的であるかが不明確である。またその記述の自由度が大きいために、書かれたものを検証することが難しいという問題がある。この点を改善するために、システムの実現手段を"完全"と仮定してDFDを記述するという提案がある。本論文では、このような研究の延長として、DFDにタイミングを取り入れたモデルと分析方法を提案する。事象とタイミングを手掛りに業務を分析すると、論理的なDFDの形態を規定することができる。それによって従来のDFDよりも記述の自由度が制限され、検証の可能性がより高められる。次に、実際の大規模なシステムを分析する機械的な方法を提示する。そこでは、対象システムを複数のローカルシステムに分割し、段階的な論理化を積み上げることによってシステム全体のモデルに至る方法を示す。
著者
橋本 圭司
出版者
追手門学院大学
雑誌
追手門経済論集 (ISSN:02883783)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.180-192, 2009-03

Unemployment / Education / Bachelor's Degree / Labor Participation Rate / United States
著者
青柳 秀和 橋本 章 木下 彬 青野 朋義 佐藤 倬暢
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-II, エレクトロニクス, II-電子素子・応用 (ISSN:09151907)
巻号頁・発行日
vol.76, no.11, pp.722-729, 1993-11-25
被引用文献数
2

陽極化成の重要な作製パラメータである電流密度とHF水溶液濃度を系統的に変化させて多孔質シリコンの作製を行った.特に化成は一定温度のHF水溶液中で均一な電流密度分布の条件のもとで行われた.本論文では化成時の作製条件から直接得られる諸性質である解離原子価,多孔率,層厚形成効率の作製条件依存性を示した.これに加えて硬度の計測結果から求められた多孔質シリコンの力学的強度と,一般に用いられている2次元正方格子状に配列した穴の円筒モデルから求められた多孔質シリコンの自立限界についての比較を試みた.
著者
橋本 誠 樋口 宜男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.95, no.41, pp.1-8, 1995-05-18
被引用文献数
5

本稿では、話者選択と移動ベクトル場平滑化(VFS: Vector Field Smoothing method)による、声質変換を目的としたスペクトル写像法(SSVFS: spectral mapping using Speaker Selection and VFS)を提案した。本手法は、予め複数登録話者の音声データを準備しておき、次の3つのステップによりスペクトルの写像を行なう。(1)話者選択により、目標話者に最も近い登録話者を1名選択し、(2)VFSにより、選択された話者のスペクトルコードブックから目標話者空間への移動ベクトルを求め、(3)移動ベクトルを用いて、選択話者から目標話者へ、任意の発話内容のスペクトル写像を行なう。話者選択を用いることにより、比較的距離の近い話者間で写像が行なえるため写像による誤差を抑えることができ、またVFSを用いることにより、少ない学習データでスペクトル写像を行なうことが可能となる。本手法を、1単語のみの学習により、目標話者を男女各4名、評価音声を50単語として平均ケプストラム距離で評価した。また、目標話者男女各1名に対する聴取実験による評価も行なった。実験の結果、(1)変換音声と目標話者音声との平均ケプストラム距離は、選択話者音声と目標話者音声との距離よりも減少すること(全目標話者平均減少率:約24.5%、最大減少率:約40.7%)、(2)約66%の割合で変換音声が選択話者音声より目標話者音声に似ていると判定され、VFSを用いない場合より高い判定率を得ること、が明らかとなり、本手法の有効性が示された。
著者
鷲見 和彦 橋本 学 泉井 良夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.129-130, 1993-09-27

画像による点検・検査・分類などに応用できるクラス分け手法を開発した.このクラス分け手法は多重解像度ラプラシアンガウシアンで処理した入力画像を正負に対称な閥値で処理して得られる3値画像を中間表現として用い,3値画像の局所的な特徴を自己相関に基づくテンプレートで抽出し,その発生頻度をGRBFクラスタリングヘの入力ベクトルとしたものである.3値輪郭の表現が多階調のシーンを表現する能力が高いことと,従来の2値画像処理で用いられてきた認識手法を拡張して応用できることは文献[1][2]で紹介した.この時点でのアルゴリズムは,文献[3]に記載された2値画像に対する局所自己相関に基づくマスク型特徴抽出および特徴のヒストグラムを入力とする重回帰分析による線形判別を3値画像に適用できるように拡張したものであった.そのため局所特徴ヒストグラムの特徴空間が線形分離可能な事例にしか適用できなかった.我々は特徴空間を非線形にクラス分けする手法としてGRBF(Generalized Radial Basis Function)を応用したクラスタリングを導入し,認識能力の向上を計った.GRBFの画像の認識への応用に関しては文献[4]ですでに紹介されているが,我々は最近傍のGRBFのみを考慮することで簡略化を計っている.