著者
渡辺 実
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.6, pp.319-326, 1996-11

1.論文の目的 本研究は、阪神淡路大震災時にラジオが行った地震発生直後1時間の災害放送と、災害の規模は異なるが同じ直下型地震であったこと、また、地震発生時間も同じ日の共に早朝であったことなど、災害時の放送環境が類似しているノースリッジ地震時にラジオが行った米国の災害放送の内容(地震発生直後1時間)を比較・検討し、我が国の災害放送のあり方を検討する一助としたい。2.研究の方法 阪神淡路大震災時に放送されたNHKラジオ、AM神戸の放送内容と、1年前のノースリッジ地震時に放送されたKFWB(参考にKNX)の放送内容を、地震発生から1時間の時間帯において、時系列に比較検討を行った。3.結論 日米の災害放送の内容を比較・検討を行った結果、以下のような相違点、及び課題が明らかになった。(1)地震発生直後に、何を伝えるのか?(2)地震直後の防災情報の出し方(3)無線を使った初期被害情報の放送 阪神淡路大震災でも災害時におけるラジオの有効性が立証された。しかし、被災者の命を救うラジオが、「いつ、誰に、何を伝えるのか」について十分な議論がなされているのだろうか。本調査結果を見ると、米国のラジオメディアは、災害発生直後には報道機関ではなく、放送で命を救う情報や被害の拡大防止に役だつ情報を、被災者へ向けて放送する防災機関の役割に徹底していることがわかる。この放送の価値観は、ラジオメディアならではの、災害放送の価値観ではないだろうか。
著者
渡辺 実
出版者
上智大学
雑誌
上智大学国文学科紀要 (ISSN:02895552)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.115-129, 1993-01-16

土田・剣持両教授定年送別記念号
著者
梅本 通孝 熊谷 良雄 小林 健介 石神 努 渡辺 実 室崎 益輝 大西 一嘉
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.7, pp.228-233, 1997-11
被引用文献数
1

The Great Hanshin-Awaji Earthquake Disaster caused an LPG leak incident at a plant in Higashinada ward, Kobe city. Kobe municipal authorities announced evacuation recommendation to 72,000 inhabitants. A questionnaire was conducted to know when, where and how the inhabitants received the information of evacuation recommendation. Results of the questionnaire are as follows : ・In the day the evacuation order was announced, 9.9% of inhabitants in the recommendation area concerned did not receive the information of the recommendation. ・The farther from the plant where the incident happened, the more lately inhabitants received the information of the recommendation. ・Though about 80% of people who received the information of the recommendation become aware of the cause of it, many of them didn't know the further information.
著者
小暮 敏明 渡辺 実千雄 伊藤 隆 嶋田 豊 寺澤 捷年
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.349-355, 1997-11-20
参考文献数
16
被引用文献数
1

温経湯が奏効した原発性シェーグレン症候群(pSjS)の三例を報告した。症例1は, 67歳, 女性。1992年4月に目のゴロゴロ感を自覚, 11月砺波総合病院受診。抗核抗体(+), 乾燥性角結膜炎の存在, 唾液腺シンチで分泌低下からpSjSと診断。点眼薬で加療されたが無効のため1995年6月同院東洋医学科受診, 温経湯を投与したところ眼・口腔乾燥症状の軽快が得られ, 6ヶ月後乾燥性角結膜炎の改善が確認された。症例2は73歳, 女性。1987年腰痛で当科受診し和漠薬治療を受けていた。1991年胸鎖関節痛が出現し当科入院。シルマーテスト(+), 抗SS-A抗体(+), 口唇生検でリンパ球浸潤の存在より, pSjSと診断。温経湯の投与後1ヶ月で胸鎖関節痛は消失し, 赤沈などの炎症反応も正常化した。しかし, この例は乾燥症状の改善は得られなかった。症例3は39歳, 女性。1991年6月多関節痛, 口腔乾燥感を自覚し近医受診, 高γ-グロブリン血症, 抗SS-A抗体(+), 唾液腺シンチで分泌低下からpSjSと診断,非ステロイド性抗炎症剤を受けていた。和漢薬治療希望で1994年3月当科受診。多関節痛が強いため, 桂枝加苓朮附湯等を投与し関節痛は軽減。口唇乾燥と月経痛から温経湯に転方, 口腔乾燥感, 目のカサカサは軽快したが, 手関節痛の出現のため2ヶ月後, 桂枝加朮附湯加減に転方した。これらから温経湯のpSjSへの応用の可能性が示唆されるとともに, 乾燥症状だけでなく, 関節痛という腺外症状にも有効であったことから, 本方剤を運用するうえで示唆に富む症例と考えられた。
著者
渡辺 実
出版者
花園大学
雑誌
花園大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:09192042)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.49-62, 2012-03

知的障害児の文字・書きことば学習の指導について、担当教員の意識や指導方法を明らかにすることによって、文字・書きことばの習得学習が効果的に行われるための基礎的要件を明らかにする。研究方法は、K 市小学校の特別支援学級担当教員51 人に、勤務年数や書字指導について、児童の発達段階の意識等、7 項目の質問を4 段階で回答してもらい、その理由をKJ 法で分析し、各質問項目の相関も調べた。結果として、国語の重点課題では「話すこと」をあげた教員が最も多く、「書くこと」の指導は最も少なかった。回答における各項目の相関では、「発達段階の考慮」と「書字学習は難しいか」という質問において女性教員では弱い相関がある。男性教員では経験年数と指導法において負の相関が認められ、経験年数が増すに従って指導法の悩みが減少していくが、「経験に頼っている」という反省もある。指導方法では、具体的な工夫や児童と指導者の課題を述べ、積極的に週予定の中に書字指導を組み込み、指導の有効性と見通しを持って指導をすることが必要であると言える。
著者
野田 伸司 渡辺 実 山田 不二造 藤本 進
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.355-366, 1981-05-20 (Released:2011-11-25)
参考文献数
20
被引用文献数
3

親水性ウイルス (エンテロウイルス) および親油脂性ウイルス (アデノおよび被エンベロープウイルス) の合計11種類のウイルスに対する, メタノール, エタノール, イソプロパノールおよびN-プロパノールの不活化作用を検討した.エンテロウイルスはメタノールによつて最も強い不活化作用を受け, 次いでエタノールであつた. イソプロパノールによつては, AHCウイルスが長時間の感作でわずかに不活化されるのを除き, 他のウイルスは全く不活化を受けなかつた.親油脂性ウイルスの中, 被エンベロープウイルスはN・プロパノールによつて最も強い不活化を受け, 次いでイソプロパノール, エタノール, メタノールの順であつた. これに対し, アデノウイルスはエンベロープゥイルスと同様にN-プロパノールによつて最も強い不活化を受けるが, その他のアルコール類に対する感受性は大きく異なり, 以下メタノール, エタノール, イソプロパノールの順に不活化効果が示された. アデノウィルスにおいては, 特にエタノールに対する抵抗性の強さおよび20℃ においてはイソプロパノールによりほとんど不活化を受けないことが注目された.エンテロウイルス中のAHCウイルスおよび親油脂性ウィルス中のアデノウイルスを除外すると, 全体的な傾向として, エンテロウイルスは炭素数の少いアルコール類, 親油脂性ウイルスはこれと反対に炭素数の大きいアルコール類により, 不活化を受け易い傾向が認められた.
著者
渡辺 実果
出版者
大妻女子大学
雑誌
Otsuma review (ISSN:09160469)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.135-144, 2016-07
著者
渡辺 実
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.2, pp.107-116, 1992-05

1992年2月2日午前4時4分、東京は6年ぶりに震度5(強震)の地震に見舞われた。この明け方の地震で、マスコミは何を伝えたのか、在京のテレビ・ラジオ局の災害放送の手腕を問われた地震であったが、果たして実態はどうであったのか。本論分は、地震発生直後、テレビ・ラジオの各媒体で数時間にわたって特番体制をとったNHKとニッポン放送の災害放送の実態を検証し、その問題点を検証した。地震直後の各局がとった対応は、NHKテレビが火起こしのあと4時6分には放送を開始、7分にはスタジオからテレビ・ラジオ5波同時放送で午前6時まで災害放送を行った。他のテレビ各局は、スーパーのみの対応がほとんどであった。民法ラジオ局の中でニッポン放送は、生放送中である「オールナイトニッポン」の番組を組み替え、午前7時まで3時間にまたって災害放送を行った。地震直後、火起こしから素早い対応を見せたNHKは、地震発生から6分後の4時10分まで「東京の震度は3」と報じた。この震度報道を見た人は「たいした地震ではない」と思い、再び布団に入った人も多く、問題なのは震度5以上で非常収集がかかる防災要因の参集が遅れた現象が見られたことである。また、幸いにも今回の地震では津波が発生していないが、もし津波が発生していたらと思うと、ぞっとする出来事である。地震発生から1時間の放送内容を分析すると、第1報で伝えなければならない「火の元注意、津波注意に関する事項」が忘れられており、NHKにおいては各地の震度のくり返しと、断面的な情報の羅列が目立ち、多くの課題を残した災害放送の内容であった。ニッポン放送の放送内容もNHKと同様な問題を持っているが、入試に係わる交通情報を伝える等、地震情報をリスナーの生活感覚とつながりを持った内容で伝えている点は、評価に値する。さらに、午前5時からのニッポン放送は、緊急出社している社員に途中の駅から状況をリポートさせる等、「面」の災害放送の試みがなされた。これは、今から3年前のロマプリエタ地震時の教訓から我々が学んだ、「面の安心情報」への第一歩を踏み出したものと言えよう。
著者
所 光男 加藤 樹夫 後藤 喜一 渡辺 実 山田 不二造 酒向 俊雄 大塚 一幸 杉山 治 古川 雅宏 丹羽 昭司 長山 千秋
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.1038-1045, 1984
被引用文献数
1

1983年7月から9月にかけて岐阜県内で2事例の集団下痢症が発生した. 2事例の患者総数は31名であり, 患者の主症状は下痢 (100%), 腹痛 (93.5%), 嘔気 (80.6%), 嘔吐 (58.1%), 発熱 (35.5%) であった. 原因食品は事例1が鯛の塩焼き, 事例2が卵焼きであった.<BR>これら2事例の患者ふん便12件中11件 (91.7%) から腸炎ビブリオが, 8件 (66.7%) から<I>Vibrio fluoialis</I>が検出された. 腸炎ビブリオ分離株の血清型は事例1の患者5名から分離された15株がO5: K15であり, 事例2の患者7名から分離された28株のうち25株がO10: K19, 3株がO5: K17であった.<BR><I>V. fluvialis</I>分離株のうち, 事例1の患者由来の15株中8株, 事例2の患者由来の30株中12株および原因食品の卵焼きから分離された1株を任意に選び東京都立衛生研究所に依頼して血清型別試験を行った. その結果, 事例1の患者2名から分離された3株がTFO-12に, 事例2の患者2名から分離された2株がTFO-4に, 患者4名から分離された5株がTFO-17に型別され, 両事例とも患者間に血清型の一致が認められた. しかしながら, 事例1の残り5株, 事例2の残り5株および卵焼き由来の1株は型別不能であった.<BR>以上の結果から, これら2事例の集団下痢症は腸炎ビブリオと<I>V. fluvialis</I>の混合感染による食中毒事例であると結論した. 腸炎ビブリオと<I>V. fluvialis</I>の混合感染として細菌学的にも, 血清学的にも証明された食中毒事例はこれら2事例がわが国では最初のものと思われる.