著者
矢野 真沙代 橋本 英樹
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.811-818, 2020-11-15 (Released:2020-12-23)
参考文献数
29

目的 高齢運転者による交通事故を防止するべく,免許の“自主”返納をめぐる議論が進んでいる。しかし,“自主”返納の意思決定プロセスやだれがそれに関わっているのかについて現状では情報が乏しい。本研究では,高齢による運転免許の“自主”返納を経験した高齢者を中心に,それを取り巻く人々や環境との間の関係,高齢者の身体認識の変化に注目しつつ,意思決定のプロセスと“自主”の意味を明らかにすることを目的とした。方法 探索的目的を鑑み質的研究法を選択した。日常生活で自動車運転の頻度が高く,自主返納率が全国に比し低い茨城県に着目した。同県A市の一般医療機関を受診中の高齢者のうち,配偶者と暮らしており,運転免許を返納ないし返納を検討中の男性8人を対象に半構造化面接を行った。個別インタビューにて免許取得・返納時期,生活内での運転の意義,免許返納に至る過程と相談者の有無,免許返納後の生活等を尋ねた。インタビュー結果を録音し逐語録に起こしたのち,グラウンデッド・セオリー・アプローチに基づき分析した。結果 当事者は,運転中や日常生活において自分の意思に身体が伴わない《身体の乖離》を経験することで,これまで《身体》は《自分》に内在化され意識していなかった状態から,《身体》を操作する《自分》を日常的に意識しなくてはならないことに戸惑っていた。家族や周囲からの運転技能に対する疑念,運転事故のリスクをめぐるやり取りは,意識化された《自分》にどう対峙するかによって,異なる形で《自主》返納のプロセスにつながっていた。《自分》が事故リスクを抱えた《身体》として内在化された場合,《自分》は喪失され《自主》返納は周囲の意見に折れる形で決定されていた。一方《自分》を過去の人生経験に照らして《再評価》した場合,《自分》を社会のなかで実現する手段として《自主》返納は選択・実行に移されていた。いずれも返納後に生じる《不便》は生じていたが,《自分》の《再評価》がなされたケースでは,返納の判断を積極的に意味づけることができていた。結論 高齢による運転免許返納の意思決定過程は障害の受容過程と近似しており,《自主》返納は,加齢をきっかけとした,《自分》と《身体》,そして社会との関係性の断絶事象であると考えられた。以上から,自分・身体・社会の関係性の再構築を促すことが“自主”返納による心理的影響を緩和するうえで必要であることが示唆された。
著者
キャッスルマン病の疫学診療実態調査と患者団体支援体制の構築に関する調査研究班 吉崎 和幸 岡本 真一郎 川端 浩 水木 満佐央 川上 純 正木 康史 矢野 真吾 井出 眞 宇野 賀津子 八木 克巳 小島 俊行 水谷 実 徳嶺 進洋 西本 憲弘 藤原 寛 中塚 伸一 塩沢 和子 岩城 憲子 古賀 智裕
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.97-107, 2017 (Released:2017-03-17)
参考文献数
75

キャッスルマン病は原因不明のリンパ増殖性疾患で,適切な治療を行わなければQOL低下や生命予後の短縮をきたす。しかしながら,その希少性のためにこれまで明確な診断基準や重症度分類が定まっていなかった。これに対して厚労科研・難治性疾患等政策研究事業の調査研究班では,本疾患の診断基準と病型分類,重症度分類の案を策定した。診断は,病理診断と臨床的な除外診断を併せて行う。組織型は硝子血管型,形質細胞型,および混合型に分類される。臨床的病型は,単中心性(限局型)と,HHV-8関連の多中心性,HHV-8陰性の特発性多中心性に分類した。重症度は主に臓器障害の程度により分類した。難治性とされる特発性多中心性キャッスルマン病は,重症度等に応じてprednisoloneやtocilizumabを用いて治療を行うこととした。今後,本疾患に関するエビデンスを集積し,本診断基準や重症度分類の妥当性を検証するとともに,質の高い診療ガイドラインを策定していく予定である。
著者
松永 信博 増田 壮佑 中牟田 大嗣 徳永 貴久 矢野 真一郎 押川 英夫 橋本 彰博 藤田 和夫 古賀 雅之 岩下 智明 原田 敦彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1415-1420, 2007 (Released:2010-08-25)
参考文献数
11

Laboratory experiments were carried out on water quality purification by a porous concrete block including Bacillus subtilis natto group. The block is called EcoBio-Block (EBB). The time variations of biochemical oxygen demand (BOD) and chemical oxygen demand (COD) were obtained experimentally under the aerated condition by changing the weight ratio of EBB to water. The time variations of BOD and COD were expressed universally by normalizing the data. The reduction rate of BOD increases with the weight ratio. On the other hand, that of COD takes the maximum value at the weight ratio of 0.01 and decreases after that. The rapid reduction of BOD and COD seen in the early stage may be due to the adhesion or adsorption of organic matter by EBB. The mineralization of organic matter and the nitrification of NH4-N by EBB become active at the later stage and the activity increases with the weight ratio. It was experimentally revealed that EBB has also the very high ability for the water quality purification in the DO-saturated water and it depends strongly on the weight ratio of EBB to water.
著者
水吉 朋美 丸山 祐樹 矢野 真衣 木村 百合香 小林 一女
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.49-55, 2023-02-28 (Released:2023-03-29)
参考文献数
13

要旨: 突発性難聴治療において高気圧酸素療法 (HBOT) は全身ステロイドによる治療への反応性不良である時に二次治療として選択されることが多く, 一次治療としての HBOT に関する報告は少ない。当院で一次治療としてステロイド全身投与と HBOT を同時に施行した42症例の成績, 効果に影響を及ぼした要因について検討した。 対象の重症度は Grade1 が8例, Grade2 が11例, Grade3 が15例, Grade4 が8例であった。 治療成績は, 治癒6例, 著明回復5例, 軽度回復10例, 不変16例であった。 治療成績について治療有効群 (軽度回復以上) と不変群を比較した。高齢, めまいの有無, 高血圧, 糖尿病は治療成績に影響を与えていなかった。治療開始まで14日以上の治療遷延群では有意に成績が悪かった。 以上より, 高齢者, 高血圧, 糖尿病, めまい合併症例に対する一次治療としての HBOT の有効性が示唆された。治療遷延群は HBOT を併用しても予後不良であった。
著者
黒綺 富裕 矢野 真司 加藤 徹 若月 淳也
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.9, pp.955-961, 1990-09-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
36
被引用文献数
3

リン酸エステル堪型両親媒性モノマーである,phosphate (Cn-AHMP-Na)Sodium alkyl 2-hydroxy--3-thethacryloyloxypropylを,リン酸二水素アルキルの-ナトリウム塩(Cn-MAP-Na)とメタクリル酸2,3-エポキシプロピル(EPM)の反応により合成した。HPLC分析や31P-NMR分析の結果,C12-AHMP-NaはEPMのエポキシ基のβ開裂体であった。AHMP-Naモノマーの種々の物理化学的諸物姓(種々Cのn-溶荊への溶解性,臨界ミセル濃度(cmc),cmcにおける表面張力(γcmc),ミセル形成自由エネルギー(∠Gmic),分子占有面積(A))を測定した。さらにC12-AHMP-Na/水の2成分系の相図を作成した。36%以下の濃度では等方性のミセル溶液,39~62%ではミドル相,67~72%でラメラ相85%以上では結晶であった。水溶液中で重合したC12-AHMP-Naのホモポリマ-は,水,メタノ-ルを増粘した。また,ポリエチレングリコールジアクリラートで橋かけしたCn-AHMP-Naのポリマーは水,メタノールを吸液し零たが,エタノールはほとんど吸液しなかった。ミドル相の固定化を目的に,C12-AHMP-Na/水の2成分系相図のミドル相領域で重合を試みたが,重合物は等方性となり,ミドル相の固定化はできなかった。
著者
矢野 真理 小林 裕美
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.431-440, 2021 (Released:2021-11-20)
参考文献数
22

目的:本研究は,エンド・オブ・ライフケアにおける超高齢者の療養場所選択に対する意思決定支援を行うために,急性期病院の熟練看護師が超高齢者と家族の意思をどのようにくみ取り,意思決定支援を実践しているかについての構造を明らかにする.方法:研究参加者10名に半構造化面接を行い質的統合法(KJ法)にて分析した.結果:熟練看護師は,【超高齢者への理解の追求】と【家族への理解の追求】の両面から【療養場所決定の中にある本人の尊厳】を尊重していた.さらに,【超高齢者側から見た最適医療】のために超高齢者の価値観や体験の理解をし,【医療者側から見た最適医療】を見定める調整をして【病院医療依存の中にある本人の尊厳】を守り【希望療養場所の実現可能性支援】を行っている構造が明らかとなった.結論:熟練看護師は,超高齢者の尊厳の追求を中心に据え,超高齢者医療のあり方への挑戦を実践していることが示唆された.
著者
斎藤 健 薄井 紀子 土橋 史明 牧 信子 浅井 治 矢野 真吾 加藤 明徳 渡辺 浩 香取 美津冶 長峰 守 荻原 朝彦 山崎 博之 小林 直 田嶋 尚子 倉石 安庸
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.481-486, 1998-07-30
参考文献数
17
被引用文献数
2

成人急性骨髄性白血病(AML)においてCD7が予後因子となり得るかを評価する目的で,CD7陽性(+) AMLとCD7陰性(-) AMLの治療成績の比較検討を行いその意義について検討した。対象症例は1989年9月より1996年1月までの6年4カ月の間に,当科に入院した15&sim;65歳の<i>de novo</i> AML症例63例である。63例中表面マーカー検索材料中の芽球が70%以下の9例,早期死亡例(1カ月以内)2例を除外した52例が評価可能症例であった。FAB分類ではM1: 10例,M2: 16例,M3: 11例,M4: 8例,M5: 5例,M6: 2例であった。評価可能症例中CD7+AML症例は10例で,FAB分類ではM1: 3例,M2: 6例,M3: 1例であった。CD7-症例42例中CRは33例(CR率:78.6%),無再発生存率は22.1%, 4年生存率は35.4%であったのに対し,CD7+例10例のCR率は60%(6例),無再発生存率は53.3%, 4年生存率は44.4%であった。CD7+AMLとCD7-AMLの間で性別,血液学的所見,肝脾腫,リンパ節腫大,中枢神経系浸潤の有無,CR率,4年無再発生存率に有意差を認めなかった。CD7陽性は単独では予後因子となり得ないと考えられた。
著者
矢野 真沙代 橋本 英樹
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.811-818, 2020

<p><b>目的</b> 高齢運転者による交通事故を防止するべく,免許の"自主"返納をめぐる議論が進んでいる。しかし,"自主"返納の意思決定プロセスやだれがそれに関わっているのかについて現状では情報が乏しい。本研究では,高齢による運転免許の"自主"返納を経験した高齢者を中心に,それを取り巻く人々や環境との間の関係,高齢者の身体認識の変化に注目しつつ,意思決定のプロセスと"自主"の意味を明らかにすることを目的とした。</p><p><b>方法</b> 探索的目的を鑑み質的研究法を選択した。日常生活で自動車運転の頻度が高く,自主返納率が全国に比し低い茨城県に着目した。同県A市の一般医療機関を受診中の高齢者のうち,配偶者と暮らしており,運転免許を返納ないし返納を検討中の男性8人を対象に半構造化面接を行った。個別インタビューにて免許取得・返納時期,生活内での運転の意義,免許返納に至る過程と相談者の有無,免許返納後の生活等を尋ねた。インタビュー結果を録音し逐語録に起こしたのち,グラウンデッド・セオリー・アプローチに基づき分析した。</p><p><b>結果</b> 当事者は,運転中や日常生活において自分の意思に身体が伴わない《身体の乖離》を経験することで,これまで《身体》は《自分》に内在化され意識していなかった状態から,《身体》を操作する《自分》を日常的に意識しなくてはならないことに戸惑っていた。家族や周囲からの運転技能に対する疑念,運転事故のリスクをめぐるやり取りは,意識化された《自分》にどう対峙するかによって,異なる形で《自主》返納のプロセスにつながっていた。《自分》が事故リスクを抱えた《身体》として内在化された場合,《自分》は喪失され《自主》返納は周囲の意見に折れる形で決定されていた。一方《自分》を過去の人生経験に照らして《再評価》した場合,《自分》を社会のなかで実現する手段として《自主》返納は選択・実行に移されていた。いずれも返納後に生じる《不便》は生じていたが,《自分》の《再評価》がなされたケースでは,返納の判断を積極的に意味づけることができていた。</p><p><b>結論</b> 高齢による運転免許返納の意思決定過程は障害の受容過程と近似しており,《自主》返納は,加齢をきっかけとした,《自分》と《身体》,そして社会との関係性の断絶事象であると考えられた。以上から,自分・身体・社会の関係性の再構築を促すことが"自主"返納による心理的影響を緩和するうえで必要であることが示唆された。</p>
著者
矢野 真和
出版者
東洋館
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
no.45, pp.p20-34, 1989-10

The aim of the present paper is to specify the tasks with which higher education policy has to deal at the present time, after pointing out the characteristics of higher education policy taken in Japan during the period of educational expansion in the 1960s and the early 1970s. The first question I seek to explore is the framework underlying the educational policy. There are three concepts to be brought out with respect to the framework. They are a) the contrast between 'Individual Demand Model' and 'Social Needs Model', and as criteria for policy-making, b) the collision between three aspects of efficiency, equality and educational goal, and c) distinction between economic factor and non-economic factor. I endeavour to illustrate the framework constructed with these three inter-crossing concepts. Within this reexamined framework, higher education policy during the period of rapid growth has the following characteristics: 1) Japan decided on the 'Individual Demand Model', and at the same time gave priority to efficiency from both economic and non-economic aspects. 2) It has rather successfully solved dilemmas with social needs and with the criterion of equality which were neglected, owing to the steady expansion in demand for higher educational opportunity and to the dual structure or differentiation between the public sector and the private sector. What I propose in the second place is that the following questions deserve serious discussion in helping to understand problems that the past policy decisions have created and policy tasks under the present situation: a) educational demand and supply, b) differentiation of higher education system, c) equality of opportunities, and d) labor supply and labor demand. As a result of the discussion about the problems and policy tasks from the four above-mentioned viewpoints, I have concluded that the quantitative balance between educational demand and supply still remain the greatest concern in higher education policy within a framework which has not substantially changed since the period of rapid growth. The central issue of higher education today should be how to adjust provision to varieties of demands in quality, and therefore Japanese higher education will not able to enter upon a new phase until the task to respond to diversified needs receive mature consideration in poliby-making.
著者
松永 信博 増田 壮佑 中牟田 大嗣 徳永 貴久 矢野 真一郎 押川 英夫 橋本 彰博 藤田 和夫 古賀 雅之 岩下 智明 原田 敦彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.1291-1296, 2008 (Released:2010-08-25)
参考文献数
8

Laboratory experiments were carried out on water quality purification with EcoBio-Block (EBB). EBB is a porous concrete block including Bacillus subtilis natto group. In this study, we examined experimentally denitrification effect of EBB by letting it live together with denitrification bacteria in soil. The time variations of TN, ON, DIN, NH4-N, NO2-N, and NO3-N were obtained under the aerated condition by changing the weight ratio of EBB to water. On the basis of those data, the denitrification rate, the mineralization rate, and the decreasing rate of DIN were obtained. As a result, we confirmed that the processes of organic matter decomposition, nitrification, and denitification were performed effectively by the symbiosis of useful microbial group and denitrifying bacteria.
著者
矢野 真理
出版者
日本赤十字看護学会
雑誌
日本赤十字看護学会誌 (ISSN:13461346)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.49-57, 2019-03-31 (Released:2019-03-29)
参考文献数
49

本研究の目的は,超高齢者のエンド・オブ・ライフケアについての研究動向と,ケアの課題を明確にすることである.論文の検索は,PubMed,CINAHL,医学中央雑誌Web版及びCiNiiを用いて行った.論文対象を国内外の原著論文と総説に絞り,33文献に精選した.文献の各著者が,「エンド・オブ・ライフケア」の視点で課題提起している箇所について抽出し,その後類似性によって分類した.その結果,超高齢者のエンド・オブ・ライフケアについての課題は,国内3つ国外5つに集約された.
著者
伊藤 豊 矢野 真吾 渡辺 和夫 山中 悦二 相見 則郎 坂井 進一郎
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.1702-1706, 1990-06-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
16
被引用文献数
10 19

We investigated the selectivities and structure requirements for alpha-1 and alpha-2 adrenoceptor blocking activities of yohimbine (YO) and its 12 related analogs, such as β-yohimbine (β-YO), dihydrocorynantheine (DHC) and (-)indoloquinolizidine ((-)IQ). The affinity of YO analogs to alpha-adrenoceptor was assessed by measuring their blockade of pressor responses to epinephrine in pithed rats. Among YO structure groups, the potency order was YO>DHC=β-YO>geissoschizine methylether>14β-hydroxy YO>14β-benzoyloxy YO (inactive). (-)IQ was slightly less potent than YO, but much stronger than (+)IQ. Among (±)IQ structure groups, the potency order was (±)IQ>(±)1, 12b-trans-1-hydroxy IQ»(±)1, 12b-cis-1-hydroxy IQ (imactive). (±)Borrerine was active, but (±)desmethylborrerine was inactive. The alpha-1 blocking activities of the four compounds YO, β-YO, DHC and (-)IQ, were assessed in experiments of pressor responses to methoxamine in pithed rats and contractile responses to methoxamine in the rat vas deferens. The potency order was (-)IQ>YO>DHC>β-YO. Furthermore, the alpha-2 blocking activities of the four analogs were assessed in experiments of pressor responses to clonidine and inhibition of electrically driven cardioacceleration by clonidine, in pithed rats. The potency order was YO>β-YO>(-)IQ>DHC. Based on the potency ratio between alpha-1 and alpha-2 blocking activities, DHC or YO was most selective for alpha-1 or alpha-2 subtype, respectively, among the four YO analogs. These results suggest that the A, B, C and D rings of YO analogs and their planarity are necessary for the affinity to alpha-adrenoceptors and that the predominant conformation of the carboxymethyl or hydroxy group on the E ring of YO structure determines the selectivity for alpha-1 and alpha-2 blocking activities.
著者
伊藤 豊 矢野 真吾 渡辺 和夫 山中 悦二 相見 則郎 坂井 進一郎
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chem Pharm Bull (Tokyo) (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1702-1706, 1990
被引用文献数
2

We investigated the selectivities and structure requirements for alpha-1 and alpha-2 adrenoceptor blocking activities of yohimbine (YO) and its 12 related analogs, such as β-yohimbine (β-YO), dihydrocorynantheine (DHC) and (-)indoloquinolizidine ((-)IQ). The affinity of YO analogs to alpha-adrenoceptor was assessed by measuring their blockade of pressor responses to epinephrine in pithed rats. Among YO structure groups, the potency order was YO>DHC=β-YO>geissoschizine methylether>14β-hydroxy YO>14β-benzoyloxy YO (inactive). (-)IQ was slightly less potent than YO, but much stronger than (+)IQ. Among (±)IQ structure groups, the potency order was (±)IQ>(±)1,12b-trans-1-hydroxy IQ≫(±)1,12b-cis-1-hydroxy IQ (imactive). (±)Borrerine was active, but (±)desmethylborrerine was inactive. The alpha-1 blocking activities of the four compounds YO, β-YO, DHC and (-)IQ, were assessed in experiments of pressor responses to methoxamine in pithed rats and contractile responses to methoxamine in the rat vas deferens. The potency order was (-)IQ>YO>DHC>β-YO. Furthermore, the alpha-2 blocking activities of the four analogs were assessed in experiments of pressor responses to clonidine and inhibition of electrically driven cardioacceleration by clonidine, in pithed rats. The potency order was YO>β-YO>(-)IQ>DHC. Based on the potency ratio between alpha-1 and alpha-2 blocking activities, DHC or YO was most selective for alpha-1 or alpha-2 subtype, respectively, among the four YO analogs. These results suggest that the A, B, C and D rings of YO analogs and their planarity are necessary for the affinity to alpha-adrenoceptors and that the predominant conformation of the carboxymethyl or hydroxy group on the E ring of YO structure determines the selectivity for alpha-1 and alpha-2 blocking activities.
著者
伊藤 豊 矢野 真吾 渡辺 和夫 山中 悦二 相見 則郎 坂井 進一郎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
CHEMICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.1702-1706, 1990
被引用文献数
19

We investigated the selectivities and structure requirements for alpha-1 and alpha-2 adrenoceptor blocking activities of yohimbine (YO) and its 12 related analogs, such as &beta;-yohimbine (&beta;-YO), dihydrocorynantheine (DHC) and (-)indoloquinolizidine ((-)IQ). The affinity of YO analogs to alpha-adrenoceptor was assessed by measuring their blockade of pressor responses to epinephrine in pithed rats. Among YO structure groups, the potency order was YO>DHC=&beta;-YO>geissoschizine methylether>14&beta;-hydroxy YO>14&beta;-benzoyloxy YO (inactive). (-)IQ was slightly less potent than YO, but much stronger than (+)IQ. Among (&plusmn;)IQ structure groups, the potency order was (&plusmn;)IQ>(&plusmn;)1, 12b-trans-1-hydroxy IQ&raquo;(&plusmn;)1, 12b-cis-1-hydroxy IQ (imactive). (&plusmn;)Borrerine was active, but (&plusmn;)desmethylborrerine was inactive. The alpha-1 blocking activities of the four compounds YO, &beta;-YO, DHC and (-)IQ, were assessed in experiments of pressor responses to methoxamine in pithed rats and contractile responses to methoxamine in the rat vas deferens. The potency order was (-)IQ>YO>DHC>&beta;-YO. Furthermore, the alpha-2 blocking activities of the four analogs were assessed in experiments of pressor responses to clonidine and inhibition of electrically driven cardioacceleration by clonidine, in pithed rats. The potency order was YO>&beta;-YO>(-)IQ>DHC. Based on the potency ratio between alpha-1 and alpha-2 blocking activities, DHC or YO was most selective for alpha-1 or alpha-2 subtype, respectively, among the four YO analogs. These results suggest that the A, B, C and D rings of YO analogs and their planarity are necessary for the affinity to alpha-adrenoceptors and that the predominant conformation of the carboxymethyl or hydroxy group on the E ring of YO structure determines the selectivity for alpha-1 and alpha-2 blocking activities.
著者
矢野 真一郎 北川 洋平 谷口 弘明 西村 圭右 堂薗 俊多
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_721-I_726, 2015 (Released:2016-01-29)
参考文献数
10
被引用文献数
2

The Northern Kyushu Heavy Rain in July, 2012 caused very serious damages. The event also caused many drift woods disasters in river basins and coastal areas. This research focuses on transport of drift woods in the Ariake Sea due to the rain event. Numerical simulation of their transport by 3D hydrodynamic model (DELFT3D) combined with assumed drift woods tracking model and comparison between the calculation result and collection data by Ministry of Land, Infrastructure Transport and Tourism were conducted. From the result, the followings were clarified: 1) total drift woods volume of discharged from all rivers into the sea was estimated as 17,500m3; 2) volume of discharged drift woods from each A-class river was estimated; 3) relationship between the volume and specific maximum river discharge was evaluated.