著者
掘 敦史 手塚 宏史 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.2072-2083, 1999-05-15
参考文献数
36
被引用文献数
2

本稿の貢献は2つある. 1つはギャングスケジューリングの高速化技法の提案である. もう1つはギャングスケジューリングの実践的なアプリケーションによる評価である. 提案された高速化技法により クラスタ並列計算機上でギャングスケジューリングによる時分割スケジューリングが実用になりうることを示すことが本稿の目的である. ネットワークプリエンプションによるギャングスケジューリングの実現は ユーザレベル通信による高性能な通信と 時分割スケジューリングによるマルチプログラミング環境を同時に実現する. 本稿では ネットワークプリエンプション方式におけるスケジューリングオーバヘッドの大半が ネットワークコンテキストのメモリへの退避およびメモリからの復帰にあることを示すと同時に 複数のネットワークコンテキストを単に切り替えることでネットワークコンテキストの切替え時間を短縮する方式を提案する. この高速化技法の効果は NAS並列ベンチマークプログラムを用いて評価され その結果 高速化技法によりスケジューリングオーバヘッドが半減され 同時に2次キャッシュのヒット率も向上することが確認された. 評価の結果では 64ノード 100 msecの時分割間隔において スケジューリングオーバヘッドは4%以下であった.There are two contributions in this paper. One is to propose an efficient gang scheduling implementation technique, and the other is to evaluate gang scheduling overhead using some practical application programs. The purpose of this paper is to demonstrate that the overhead of gang scheduling on a cluster using commodity computers can be low enough for its practical use. Network preemption technique for implementing gang scheduling realizes high-performance communication and multi-programming environment with time-sharing scheduling. In this paper, it is shown that the most of the scheduling overhead comes from saving and restoring network contexts when preempting network. And then, it is proposed to switch network contexts to avoid high-cost saving and restoring network contexts. This proposed technique is evaluated using NAS parallel benchmarks. The results show that the scheduling overhead is almost halved and secondary cache miss ratios are decreased. The evaluated gang scheduling overhead is less than 4% on 64 nodes with a 100 msec time slice.
著者
堀 敦史 手塚 宏史 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.9, pp.2705-2717, 1998-09-15
参考文献数
25

我々はシステムコールのオーバヘッドを削除したユーザレベル通信と,並列処理に有効とされるギャングスケジューリングに着目し,時分割多重並列プログラミング環境を構築した.本稿では,そのような並列プログラミング環境を構築する際の問題点を明らかにし,ユーザレベル通信とギャングスケジューリングという両者の利点を最大限に活かす手法として,「ネットワークプリエンプション」を提案する.ネットワークプリエンプションとは,並列プロセス切替え時に,プロセスのコンテキストのみならずネットワークのコンテキストをも退避/復帰しようとするものである.PCクラスタ上の評価結果では,500msecの時分割間隔において約2%のスケジューリングオーバヘッドであることが判明した.本稿で提案されたネットワークプリエンプションは,ギャングスケジューリングだけでなく,分散プロセスの大域状態検出などへの応用が考えられる.The goal of this research is the implementation of high-performance and easy-to-use parallel programming environment. We focus on the user-level communication technique and gang scheduling.In this paper,first we clarify some problems when implementing the user-level communication and gang scheduling,and then we propose network preemption that can extract the both benefits of the user-level communication and gang-scheduling.The network preemption is to save and restore network context when switching parallel processes.The proposed scheme is implemented on our PC cluster.On our evaluation on the PC cluster,gang-scheduling overhead is about 2% when the time slice interval is 500 msec.The proposed network preemption can be applied for not only gang scheduling,but also global state detection.
著者
福地 健太郎 松岡 聡 堀 敦史 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.18, pp.43-48, 1998-03-05
参考文献数
10

Implicit co?schedulingはBerkeley NOWプロジェクトで提案された、大域スケジューラーを持たず、オーバーヘッドが少い・実装が容易である等の利点を持つ並列ジョブスケジューリング技法である。これまでの性能評価では実行時間の対ギャングスケジューリング比にして0.6?1.6程度の性能が出るとされているが、実用的なアプリケーションでの性能評価はなされていない。本研究では、大規模高性能クラスター上で、NAS並列ベンチマークを用いる事で、implicit co?schedulingの実践的な性能を測定した。その結果、FT,CGにおいて実行時間の対ギャングスケジューリング比にして最大2.3倍という結果を得ており、Berkeleyの評価が再現しなかった。これは、ネットワークの混雑等が原因と予測され、現在追試中である。Implicit co-scheduling is a parallel job scheduling methodology proposed by the UC Berkeley NOW project, and embodies favorable characterlistics such as lack of global schedulers, low overhead, and easy implementation. Previous literatures have claimed that overhead versus traditional gang schedulers was about a factor or 0.6 to 1.6; however, evaluations were not performed using real-life workloads. We have implemented an implicit co-scheduler on a large-scale, high-performance cluster, and used NAS parallel benchmarks to measure effective performance. There, we found that for FT and CG, the overhead versus gang scheduling can be as high as factor of 2.3, negating the Berkeley results. We conjecture that this is due to excessive network traffic, but are still in the process of perforoming additional experiments.
著者
堀 敦史 手塚 宏史 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.75, pp.79-84, 1997-08-19
参考文献数
13
被引用文献数
4

我々は,メッセージ通信型のプログラミングを対象としたギャングスケジューラを開発した.本稿は,開発したギャングスケジューラのスケジューリングオーバヘッドについて,PCクラスタ上で評価した結果について報告するものである.評価の目的は,アプリケーションの通信特性の違いがギャングスケジューリングのオーバヘッドに与える影響,実装された方式のスケーラビリティ,および co?scheduling skewの3点に注目した.今回の評価の結果,通信の量による違いよりも.co?scheduling skewの影響が大きいことが判明した.スケーラビリティの面においては,2プロセッサで動作する並列アプリケーションで比較的大きなオーバヘッドが見られたが,多くの場合,100 msecの量子時間でオーバヘッドは10%以下であり,4台以上の場合では,スケーラビリティに問題は見られなかった.We have developed a gang-scheduler for message passing programs. This paper reports on evaluation results of our gang-scheduler running on a PC cluster. We focus on, i) how communication patterns affects gang scheduling overhead, ii) scalability, and iii) co-scheduling skew. Through the evaluation, we found that effect of co-scheduling skew can be larger than effect of the amount of messages communicating. Also we found larger overhead with applications running on two processors, however, we could not find any scalability problem with applications running more than two processors. In most cases, implemented gang scheduling overhead is less than 10% with 100 msec time quantum.
著者
石川 裕彦 京都大学防災研究所
雑誌
天気 = Tenki (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.597, 2015-07-31
著者
堀内 洋平 岡野 めぐみ 石川 裕貴 植田 浩史 高良 真佑子 松田 すみれ 千田 海帆 竹本 雅則 藤井 太基 桜谷 保之
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
no.46, pp.309-323, 2013

私達はいろいろな場面で,「かわいい」という言葉を耳にしたり,口にする機会が多い。その対象は動植物やそれをモデルにしたグッズ類,キャラクターである場合が多い(アニマ,1987;桜谷・初宿;2009)。近年こうしたグッズ類やアニメ等に関する産業はかなり盛んである(アニマ,1978;島村,1991;真壁他,2009)。しかし,「かわいらしさ」に関する生物学的考察はかなり少ない(たとえば,アニマ,1987;桜谷,1996;島村,1991;古賀,2009など)。「かわいらしさ」とはもともと,各人の好みや感じ方の問題であって,科学的分析には向かなく,あるいは困難な面を持っていると考えられる傾向があるが,人気のある生物にはいくつかの特徴があるように思われる。本研究では主に里山に生息する生物の「かわいらしさ」について調査し,その特性について考察する。一般に里山は生物多様性に富み,かわいらしい生物を調査することによって,その新たな効果(癒し効果等)やグッズ等におけるモデルとしての活用が期待される。
著者
石川 裕 坪根 斉
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.180-188, 2001-08-15 (Released:2017-11-01)
参考文献数
11

本研究は, 同一の製造設備を用いて見込品と注文品を生産する見込・注文複合生産システムを対象に, 見込品と注文品の製品設計の違いが製造のパフォーマンスにどのような影響を与えるかについて研究している.まず, 複数の機械が連結する多段階製造工程において2階層からなる階層型生産計画システムを構築し, 上位計画では能力余力を設定するための政策変数を, 下位計画では見込品と注文品の生産量を決定するための政策変数を導入する.様々な製品設計の違いが条件として与えられたとき, これらの政策変数が見込品の品切れ率および注文品の平均リードタイムに与える影響を明らかにし, 見込・注文複合生産システムを設計するためのガイドを提供している.
著者
石川 裕彦 横川 三津夫 浅井 清
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.158-163, 1987-02-28 (Released:2010-01-08)
参考文献数
14

This paper describes the reduction of computation time of a large sparse linear equations obtained by discretization of a three-dimensional Poisson's equation using the finite difference method. The equation is induced from wind field calculations, which are needed for evaluation of environmental consequences due to radioactive effluents.Various iterative methods, such aS ICCG, MICCG, ILUCR and MILUCR methods, are applied to solving linear equations and are compared with SOR method. The optimum value of the acceleration factor of SOR method can be obtained numerically according to atmospheric stability for each nuclear site, and the iterations are minimized by using this optimum value.The computation time for MICCG or MILUCR method is a half of that for SOR method. The ILUCR method is better than SOR method, because it does not use acceleration factor and the computation time is shorter. The use of vector computer drastically reduces the computation time, and all the iterative methods are applicable. A scalar computer, however, favors the use of MILUCR or MICCG methods because of a half of the computation time for SOR method.
著者
中島 正人 石川 裕 奥村 俊彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.121-124, 2001

本論文では, 亀田・石川により提案されている「確率論的想定地震」の概念のうち「地震活動域の貢献度」という独自の指標を用いて作成した二種類のハザードマップを示す。加えて, マップ作成時の計算格子大きさがマップの精度に与える影響について検討した結果を示す。活断層が密に存在する地域に対して計算したケーススタディーより, 著者らが提案するハザードマップと地震動強度の再現期待値分布図を用いることで, 地震動強度の再現期待値が等しいサイトでも, 地震動周期, ハザードレベルにより支配的な地震が複雑に変化する様子およびその順位が定量的に表現把握できることが分った。
著者
石川 裕子 米澤 大輔 葭原 明弘 齊藤 一誠 早崎 治明
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.338-343, 2016 (Released:2016-06-10)
参考文献数
13

本研究の目的は,知的障害者施設における利用者に対して,在所期間から知的障害者の口腔および支援の状態について検討することである.歯科診療室が併設されている「N知的障害者総合援護施設」利用者77名を対象とし,利用者の口腔内状態および口腔管理の支援状態を調査した. その結果,利用者の平均年齢は47.0 ± 12.7歳(無回答2名),在所期間は0~9年が24名,10~19年が41名,20年以上が12名であった.在所期間10~19年では,0 ~9年より障害支援区分の重い人が多く統計的に有意な差があった.口腔内状態は,未処置歯所有率が在所期間20年以上で8.3%と低く有意な差がみられた.施設には歯科の設備があるにも関わらず,在所期間0~9年および10~19年で未処置歯所有率が高く,今後,フッ化物塗布などのう蝕予防の実施が必要と考えられた.食事形態,食事時間については在所期間別で有意な差はみられなかった.嚥下および歯磨き支援については,支援必要者と不要者では在所期間別で有意な差があり,在所期間が長くなると支援の必要者の割合が多く,支援の必要性が高いと考えられた.また,現在,特に嚥下検査を行っていないことから,今後,専門医による検査を在所期間に関係なく全員に実施するとともに,食事介助の見直しが必要と考えられた.
著者
松田 元彦 石川 裕 工藤 知宏 手塚 宏史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.83, pp.101-106, 2003-08-04
被引用文献数
1

大規模クラスタ計算機やグリッドに向けたMPIを実装するための通信機構としてO2Gドライバの設計・実装を行なった.O2Gは通信レイヤ自体を変更することなく,オーバーヘッドが大きいと考えられるソケットAPIをバイバスする.それにより性能問題が懸念されるselect&readによるポーリングを排除し非同期通信処理の効率化を狙う.そのためO2GではMPIで必要になる受信キュー操作をすべてプロトコル処理ハンドラ内で実装する.O2Gは現在Linuxのローダブル・ドライバとして提供される.評価として,NAS並列ベンチマークを用いたMPICHとの比較を行なう.非同期通信が重要となるISベンチマークではO2Gを用いた実装はMPICHの2.8倍の性能を示す.他のベンチマークの結果も互角の性能であり,O2Gを用いる実装に無駄なオーバーヘッドがないことを示す.O2G is a messaging kernel interface designed to implement MPI for large-scale clusters and networks in the Grid environment. O2G cares asynchronous communication primitives, and totally avoids the select&read system call loops. For this purpose, O2G provides the message queue management of MPI in the driver, where all message processing is completed in the protocol handler. Currently, O2G is provided as a loadable driver module of the Linux kernel. Evaluation using NAS Parallel Benchmarks shows that an MPI implementation with O2G performs better than MPICH for all benchmarks. Especially, it performs 2.8 times faster than MPICH for the IS benchmark. The results show that the O2G's approach is efficient and has no excessive overheads.
著者
石川 裕之
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育學研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.214-226, 2014-06-30

本稿では韓国における国家カリキュラムの革新に焦点をあて、グローバル化に対応するための教育内容の改革の特徴と課題について考察した。その結果、グローバル化が韓国の国家カリキュラム革新に与えている影響は大きく、経済発展のための人的資源開発を中心的な目標に据えつつ、新自由主義的な手法を随所に用いて改革が進められていることが明らかになった。一方で、頻繁な改訂や教育環境の未整備が教育現場の疲弊・混乱を招いている側面もみられた。
著者
石川 裕之
出版者
日本比較教育学会
雑誌
比較教育学研究 (ISSN:09166785)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.31, pp.83-100, 2005
被引用文献数
1

This article examines the factors which have made Science High Schools in South Korea into prestige schools for entering top-level universities, by focusing on the equalization system of high schools.Science High Schools are not only the first school for the gifted and talented but have also played a primary role in the gifted education system in South Korea.
著者
松田 元彦 石川 裕 工藤 知宏 手塚 宏史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.14-23, 2004-10-15

大規模クラスタ計算機に向けたMPIを実装するための通信機構であるO2Gドライバの設計・実装を行っている.O2Gでは,TCP/IPプロトコル通信レイヤ自体は変更せず,MPIの実装に必要となる受信キュー操作をプロトコル処理ハンドラに組み込んでいる.割込みで起動されるプロトコル処理ハンドラ内で,TCP受信バッファから受信データを読み出しユーザ空間にコピーする.これによって,TCP受信バッファの溢れにともなう通信フローの停滞が抑制され,通信性能を劣化させることがなくなる.さらに,従来のソケットAPIで必要だったポーリングが不要になり,システムコール・オーバヘッドが低減される.NAS 並列ベンチマークのISベンチマークでは,O2Gを使用することで従来のMPI実装に比べて3倍の性能が得られる.さらに,ソケットによるMPI実装ではコネクション数が増大すると通信バンド幅が低下するが,O2Gではコネクション数に関係なく高性能なデータ受信を達成していることが示される.In order to implement an efficient MPI communication library for large-scale commoditybased clusters, a new communication mechanism, called O2G, is designed and implemented. O2G introduces receive queue management of MPI into a TCP/IP protocol handler without modifying the protocol stacks. Received data is extracted from the TCP receive buffer and copied into the user space within the TCP/IP protocol handler invoked by interrupts. This avoids message flow disruption due to the shortage of the receive buffer and keeps the bandwidth high. In addition, it totally avoids polling of sockets and reduces system call overheads. An evaluation using the NAS Parallel Benchmark IS shows that an MPI implementation with O2G performed three times faster than other MPI implementations. An evaluation on bandwidth also shows that an MPI implementation with O2G was not affected by the number of connections while an MPI implementation with sockets was affected.
著者
平井 浩一 小田和 友仁 岡本 高幸 二宮 温 住元 真司 高木 将通 Balazs Gerofi 山口 訓央 小倉 崇浩 亀山 豊久 堀 敦史 石川 裕
雑誌
研究報告システム・アーキテクチャ(ARC) (ISSN:21888574)
巻号頁・発行日
vol.2015-ARC-215, no.2, pp.1-8, 2015-05-19

将来の HPC 向けの OS としては,メニーコアへの最適化が必須となってきており,それを実現するための OS として McKernel を選択し,計算センターにおけるバッチジョブ運用への適応を進めている.本論文では,将来のスーパーコンピュータ上で,McKernel に適応したバッチジョブ運用を実現する場合の課題を述べ,現状の検討状況について述べる.
著者
石川 裕一 宮城 匡彦 松本 知子 渡邊 奈津子 東條 靖 廣井 直樹 久保木 幸司 芳野 原 坪田 貴也 吉原 克則
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.10, pp.2552-2554, 2008 (Released:2012-08-02)
参考文献数
4
被引用文献数
1

34歳,女性,7月に起立困難で入院.心エコーにて著明な右心不全を認め,急激に呼吸状態の増悪を来たした.スワンガンツカテーテルにて全身血管抵抗低下を伴った高心拍出性心不全の所見を呈し衝心脚気と診断.フルスルチアミン投与したところ24時間以内に循環動態の改善が認められた.衝心脚気の原因として本人が2月から始めた健康食品ダイエットが原因と考えられた.現在では稀な疾患ではあるが,短期間で重症化し致命的な経過を辿る事がある為,注意が必要であると考える.
著者
山本 和典 石川 裕
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.142-152, 2009-09-18
被引用文献数
3

64 ビットコモディティアーキテクチャ上で,効率的に大容量仮想メモリを提供する遠隔スワップシステム Teramem を提案する.Teramem は,次の特徴を持つ. i) Linux カーネルのローダブルモジュールとして実装されている.カーネルレベルで実装することにより,従来のユーザレベル遠隔スワップシステムと違い,メモリ管理情報に基づく擬似 LRU などのスワップアウトアルゴリズムを実装可能となった.ii) Linux のスワップ機構と独立に実装することにより,遠隔メモリへのページ転送が最適化されている.本システムの評価の結果,GNU sort ベンチマークにおいて,ディスクへのスワップに比べて 40 倍以上の性能を達成していることを確かめた.また,1MB のメモリブロックが約 1.2 msec の遅延でスワップインされることを確認した.The Teramem remote swapping system is proposed in order to provide a large virtual memory space efficiently in 64-bit commodity architectures. Teramem has mainly two advantages: i) It is implemented as a Linux kernel module so that swap-out algorithms, such as pseudo LRU, are realized based on memory management information unlike traditional user-level remote swapping systems. ii) It is independent of the Linux swap mechanism, and thus, remote memory transfer is optimized. The evaluation results show that the GNU sort benchmark program runs 40 times faster on Teramem than using disk swapping. It is also confirmed that it takes about 1.2 msec to swap in a 1MB memory block.