著者
緒方 幸代 藤田 孝輝 石神 博 原 耕三 寺田 厚 原 宏佳 藤森 勲 光岡 知足
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.317-323, 1993 (Released:2010-02-22)
参考文献数
26
被引用文献数
5 21 18

健常成人8名に4G-β-D-Galactosylsucrose (ラクトスクロース: LS) をはじめの1週間1g/日, 次いで1週間は2g/日, さらに, 2週後の1週間は3g/日を摂取させ, 少量LS摂取の腸内フローラおよび糞便の性状に及ぼす影響について検討した。その結果, LSの1g/日, 2g/日および3g/日の摂取のいずれにおいても, Bifidobacteriumが有意に増加し, C. perfringensを含むレシチナーゼ陽性ClostridiumおよびBacteroidaceaeの減少が認められた。糞便中のアンモニアおよび硫化物はLS 2g/日, 3g/日摂取で有意に減少した。糞便pHはLS 3g/摂取で低下し, 糞便重量および水分量はわずかな増加をした。以上の成績から, LSの最小有効摂取量は健康成人において1日当り1~2gと判断された。
著者
小出 欽一郎 柳沢 郁子 小沢 昭夫 佐竹 幹雄 藤田 孝夫
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.1925-1930, 1992 (Released:2008-02-29)
参考文献数
25
被引用文献数
1 4

In this report, we investigated microbiologically the cause of the kerosene-like off-flavour in “surimi-based products” (chikuwa) kept at 10°C for 7 days. The results are as follows. From the kerosene-like off-flavoured “surimi-based products”, the appearance is the same as normal, while no swelling, softening, or discoloration was recognized. We isolated bacteria and yeasts, but molds could not be isolated. As the result of a kerosene-like off-flavour reproduction test using these isolates, all yeasts but not all bacteria produced this odor. Among the raw materials (15 kinds) for “surimi-based products”, only natural food preservative produc-ed this odor. Yeast that produced a kerosene-like off-flavour was identified as Debaryomyces hansenii, and the component of this odor was confirmed by GC-MS to be styrene.
著者
内田 浩司 高山 洋一郎 藤田 孝之 前中 一介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.536, pp.39-44, 2004-12-13
被引用文献数
2

マイクロ浚帯で使用する1トランジスタ集中定数化2周波整合GaAsFET電力増幅器の設計・試作を行った.本電力増幅器はスイッチを使用せず,集中定数素子による簡単な回路構成により同時に2周波の整合を行うデュアルバンド増幅器である.整合目路の基本設計にはチェビシェフ・フィルタ形インピーダンス変換回路の設計理論を用いた.ドレインバイアス回路には複数の並列共振回路を用いたマルチバンド増幅器用のものを新たに提案した.試作した電力増幅器の特性から,マルチバンド増幅器の小型化・高性能化に有用な回路構成および設計方法であることを確認できた.
著者
緒方 幸代 藤田 孝輝 石神 博 原 耕三 寺田 厚 原 宏佳 藤森 勲 光岡 知足
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.317-323, 1993
被引用文献数
16 21

健常成人8名に4<SUP>G</SUP>-β-D-Galactosylsucrose (ラクトスクロース: LS) をはじめの1週間1g/日, 次いで1週間は2g/日, さらに, 2週後の1週間は3g/日を摂取させ, 少量LS摂取の腸内フローラおよび糞便の性状に及ぼす影響について検討した。その結果, LSの1g/日, 2g/日および3g/日の摂取のいずれにおいても, <I>Bifidobacterium</I>が有意に増加し, <I>C. perfringens</I>を含むレシチナーゼ陽性<I>Clostridium</I>およびBacteroidaceaeの減少が認められた。糞便中のアンモニアおよび硫化物はLS 2g/日, 3g/日摂取で有意に減少した。糞便pHはLS 3g/摂取で低下し, 糞便重量および水分量はわずかな増加をした。<BR>以上の成績から, LSの最小有効摂取量は健康成人において1日当り1~2gと判断された。
著者
三村 務 前田 和宏 辻坊 裕 佐竹 幹雄 藤田 孝夫
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.1508-1512, 1982-04-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
11
被引用文献数
5 5

Octopus melanin obtained from ink bags of Octopus vulgaris CUVIER was found to inhibit gastric secretion in rats in the same way as that from Ommastrephes bartrami LESUEL. The molecular weight of this melanin fraction (which has an indole skeleton) was estimated to be over 200000 by gel filtration on Sephadex G-200, and the Octopus melanin fraction (Fr. OM) released several kinds of proteins in the presence of SDS. The chemical composition of Fr. OM was melanin pigment 79%, protein 17.5% and sugar 1.7%, so Fr. OM was considered to be a melanoprotein. Fr. OM significantly reduced gastric secretion in rats at the dose of 1 mg/kg, i.p., and also prevented both ulcer formation in pylorusligated rats and aspirin-induced ulcer.
著者
藤田 孝康 平山 泉 松岡 達郎 川村 軍蔵
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.145-151, 1997-03-15 (Released:2008-02-29)
参考文献数
19
被引用文献数
5 6

In order to elucidate the selection of spawning substrate by female cuttlefish Sepia esculenta, their behavior and trigger stimulus during a spawning sequence were examined in indoor tanks. Female approaches substrate, spurts water towards substrate, takes sediment in arms, covers eggs with sediment, spurts water towards substrate again, and undergoes egg deposition on substrate to complete one spawning. Females which finished copulation were visually attracted to more visible substrate. The height of a substrate was not an important factor for the attraction. Substrates which swung by the spurting water were not accepted by females. Females exhibited taking sediment even though there was no sediment on the tank bottom. It was concluded that female cuttlefish prefer long, fine, and immobile materials as spawning substrates.
著者
小沢 昭夫 青木 滋 鈴木 香都子 杉本 昌明 藤田 孝夫 辻 啓介
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.561-567, 1984 (Released:2009-11-16)
参考文献数
26
被引用文献数
7 9

水産物の体内におけるタウリンの分布を知る目的で, 10種の魚介類につき, 組織別にタウリン含量を分析した。 あわせて, トロール船が各地の漁場で漁獲した各種魚介類の筋肉部について分析し, つぎの結果を得た。1) クロマグロおよびマサバの普通肉には低含量であるのに対し, マガレイおよびスケトウダラの普通肉にはかなり多く, また, いずれの魚類においても血合肉には多量に含まれていた。2) 魚類の臓器における分布状態は魚種により若干異なってはいるが, 全般的に見て, 心臓, 脾臓に多く, 鰓に少ない傾向にあった。3) スルメイカ, マダコ, ハマグリおよびナンキョクオキアミには全体にかなり高含量であり, とくに卵巣に多いのが目立った。4) トロール船にて漁獲した魚類筋肉部の分析結果はアカウオ, キレンコダイ, メヌケおよびシマメヌケに多かった。
著者
藤田 孝久
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.860, pp.18-20, 2020-11
著者
幹 渉 藤田 孝夫
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.10, pp.640-648, 1985-10-10 (Released:2009-05-25)
参考文献数
34
被引用文献数
1 1
著者
橋本 博之 山下 亜希子 藤田 孝輝 岡田 正通 森 茂治 園山 慶 北畑 寿美雄
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
Journal of Applied Glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.169-176, 2004 (Released:2008-03-24)
参考文献数
42

Oligosaccharides with α-D-galactosidic linkages, especially the positional isomers of α-galactobiose (α-Gal 2), participate in such biological processes as immunity and pathogen-to-cell adhesion on the basis of molecular mechanisms for ligand-receptor interaction. α-Linked galactooligosaccharide (α-GOS) containing positional isomers of α-Gal 2 produced from galactose by the reverse reaction of α-galactosidase, is a potential food for the prevention of infections by pathogens, neutralization of toxins, and regulation of immune system. α-GOS (7.5 kg) was produced from galactose (18 kg; prepared from lactose hydrolyzate) by the reverse reaction of α-galactosidase from Aspergillus niger APC-9319. α-GOS contained 58% disaccharide, 28% trisaccharide and 14% oligosaccharides larger than trisaccharide. The disaccharide in α-GOS consisted largely of α-1,6-galactobiose (73%). α-GOS was stable at neutral and acidic pHs, and high temperatures. The sweetness of α-GOS was 25% of that of sucrose. The taste of α-GOS was mild and mellow. α-GOS reduced acid taste, bitterness, astringency, and harsh taste without spoiling the original taste in various fruit juices, and emphasized the original flavor of food materials in various cooked foods. α-GOS was not hydrolyzed in an in vitro digestion method. In oral tolerance tests of α-GOS, the blood glucose level did not change at all. α-GOS had a strong selective growth activity for Bifidobacterium sp. and Clostridium butyricum. An α-GOS intake in rats made the contents of lactate and n-butyrate in the cecum higher, and pH in the cecum lower than for a control intake. The viable count of Candida albicans in cecum and colon of mouse was decreased by an α-GOS intake more than by a raffinose intake. Therapeutic oral treatment with α-GOS had a potent inhibitory effect on adjuvant arthritis in Wister rats and on type II collagen-induced arthritis in DBA/1 J mice. Dietary α-GOS ameliorated allergic airway eosinophilia at least partly via post-absorptive mechanisms in Brown Norway rats.
著者
前中 一介 高山 洋一郎 藤田 孝之
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究では、本質的に高精度・高安定度を持つリングレーザジャイロ(RLG)をMEMS技術によって実現するための要素技術とそれらの融合技術を確立し、MEMS RLGの技術的基盤を構築した。まず、RLGで重要な光周回路についてはシリコン(110)面の異方性ウエットエッチングによって発現する垂直(111)壁面をミラーとして周回光路が実現できることを見いだし、この壁面の光学的特性をエッチング条件、アライメント条件等をパラメータとして調査し、これらに最適値が存在しかつ最適条件下ではRLGとして十分な質を持つミラー面となることを確認した。また、レンズ、プリズムなどのRLGで必要とされる透過光学素子を感光性樹脂を用いて実現し、集光特性、可干渉性など光学素子としての特性を明らかにした。また、この樹脂で可動構造体を形成し、レーザ媒体(レーザダイオード)のアライメント機構として用いることも示した。さらに、ミラー及び樹脂形成をバッチプロセスで一括構成するプロセスを確立し、MEMS RLGが大量生産・低価格化可能であることを明らかにしている。シリコンミラー面の反射率向上のための薄膜形成については、新たにシリコン上への金の直接めっき法を提案、その条件を確立し、従来必要であったそれぞれのミラー面に対する複数回の薄膜蒸着または特殊プラネタリの使用、および不要部分のエッチング工程を完全に排除することができた。これら、本MEMS RLGに関する研究で確立した数多くの基本技術は、ジャイロのみならず光関連MEMS一般に広く応用できる。今後、上記の成果に基づいて、複数の企業との協同で研究会を発足し、市場に投入しうるデバイス・システムの開発を行うことが予定されている。
著者
内藤 文子 青山 葉子 藤田 孝輝 高橋 節子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.253-259, 1994-11-20
被引用文献数
1

ラクトスクロースは乳糖とショ糖を原料としたビフィズス菌増殖活性の強い難消化性の糖質である。このラクトスクロースがマシュマロの物性や食味に及ぼす影響を知る目的で、ショ糖を対照としてラクトスクロースを25、50および100%置換して調製したマシュマロについて、クリープメーターによる破断強度測定、レオロメーターによるテクスチャーおよび官能評価による食味特性から検討し次のような結果を得た。1)ラクトスクロールの粉末品(LS-55P)を用いたマシュマロの硬さ、破断エネルギーはショ糖100%に比べて大きい値となり、こしや歯ごたえのあるテクスチャーを与えることが明らかとなった。2)ラクトスクロールをショ糖の25%置換したマシュマロは対照と近似の物性を示した。50%以上の置換では硬さの増加が顕著となったが破断歪や凝集性に与える影響は僅少であった。3)市販マシュマロ3種の硬さは1.44〜2.75(×10^5N/m^2)と試料間の差が大きく、実験室調整品4種はそれらの中間の値であった。4)官能評価の結果からラクトスクロール25%置換のマシュマロは対照のショ糖100%と似た食味特性を示し、歯切れや口どけが良く、対照と同様に好まれる製品といえる。ラクトスクロース100%置換は硬さが大であり甘味が低いためか嗜好性は低い傾向を示した。5)ラクトスクロール100%置換のマシュマロは硬くボディーのしっかりした製品が得られることから、ゲル化剤としてのゼラチンの使用量を1.0%減ずることが可能であった。このことは起泡時の作業性を良くし、経済性につながると考えられる。6)マシュマロの物性と官能評価との相関関係は硬さと口どけ、破断エネルギーと甘さ、歯切れとの間に負の相関が認められ、物性測定中硬さ、破断エネルギーはマシュマロの食味の一つの指標となると考えられた。また、官能評価の各項目と総合評価との間では、甘さ、歯切れの良さ、口どけの良さの3項目において、特性評価および嗜好ともにそれぞれ正の相関が認められた。7)ラクトスクロールの粉末品を用いたマシュマロは甘味度が低いことから、菓子としてのみでなくサラダやデザート菓子などの調理素材としても即席に幅広く利用できると考えられた。