著者
孫 立 大西 隆 城所 哲夫
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.469-474, 2011-10-25 (Released:2011-11-01)
参考文献数
5

21世紀に入り、1980年代後半から生まれてきた中国の特色的な低所得者地域である城中村に対する再開発事業が各地において次々と行われ始めた。本研究は現行の城中村再開発の政策・手法のモデルの解明、ケーススタディを通じて改造効果などを把握した上で、現行事業の到達点の解明に試みた。調査・分析の結果、再開発事業における制度改革(無形改造)は、形式的なものであり、名称上の変更に止まってしまい、福祉、社会保障などの実質的な問題の抜本的な解決には及ばなかった。物的再開発(有形改造)は、物的住環境の抜本的な改善を通じ、村民の生計維持・向上の問題を解決した。一方、低所得な借家人は住み続けることが困難となっており、社会的公平性や都市経済発展の鈍化等の問題をもたらす恐れがある。
著者
村田 眞哉 永野 秀尚 川西 隆仁 平松 薫 柏野 邦夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.521, pp.245-249, 2015-03-12

本論文では特定物体が映る画像をクエリとして,映像中からその特定物体を探索するタスクに対する我々の探索法を説明する.その際画像クエリ内の特定物体の領域を示す注目領域情報(region-of-interest, ROI)も同時に入力されることを想定し,その効果的な使用法を提案する.提案法は検索結果のリランキングになっており,ROI内の画像特徴のみを使用した検索結果ランキングの上位K件を,ROI外の特徴でリランキングする.これにより特定物体の背景情報(ROI外の特徴)によるトピックドリフトをある程度防ぐことができ,背景情報を特定物体の情報と同時に使用する従来法と比べて探索精度の改善が期待できる.実際、TRECVIDのインスタンスサーチタスクのデータセットを使用した実験により、提案法の探索精度が従来法の探索精度より高いことを確認した。
著者
西村 好晴 竹中 博昭 岩瀬 和裕 矢倉 明彦 吉留 克英 大西 隆仁 高垣 元秀 石坂 透 別所 俊哉 大畑 俊裕 井上 匡美 大嶋 仙哉 田中 智之 片井 敦雄
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.2569-2573, 1992-11-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
11

術後MRSA腸炎の重症化に影響を及ぼす因子と補助診断法につき検索した.対象症例12例を重症群6例,軽症群6例に分けた.重症群とは腎機能障害を併発した症例, 39℃以上の発熱を認めた症例,あるいは維持輸液以外に1日2,000ml以上の輸液負荷を要した症例とした.術前,術中の諸因子に有意な(p<0.05)差はなかった.腸炎発症までの術後日数は重症群が3.7±1.1日と軽症群の7.1±2.7日に比し有意に短かった.腸炎発症時の白血球数は両群間で有意差はなかったが,核左方移動係数は重症群が72±26%であり,軽症群の6±4%に比し有意に高値であった. Toxic Shock Syndrome Toxin-1 (TSST-1)の最高希釈倍数は重症群が27.4±0.4倍であり,軽症群の26.6±0.5倍に比し有意に高値を示した.腸炎発症までの期間が4日以内であること,腸炎発症時の核左方移動係数が高値であること, TSST-1の最高希釈倍数が高値であることは重症化を示唆すると考えられた.
著者
小橋 吉博 沖本 二郎 松島 敏春 重藤 えり子 倉岡 敏彦 竹山 博泰 江田 良輔 矢野 修一 小林 賀奈子 大西 隆行 森 健一 上田 暢男 森高 智典 西村 一孝 阿部 聖裕
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.435-441, 2002-06-15
被引用文献数
8

MAC症に対して, ATSおよび日本結核病学会が提言した治療ガイドラインが臨床上適切かどうか, 過去の治療法との比較も併せ検討した。対象は, 1995年4月から2001年3月までに6カ月以上治療がなされ, 治療開始から12カ月以上経過観察を施行できた肺MAC症159例とした。治療状況は, 抗結核薬。CAM102例, 抗結核薬のみ33例, その他24例であった。治療効果は, 抗結核薬.CAMが菌陰性化率45.1%, 再排菌率39.1%, 臨床的改善率29.4%であった。一方, 抗結核薬のみは菌陰性化率30.3%, 再排菌率70.0%, 臨床的改善率12.1%と不良で, CAMが含まれた治療法で優れた成績が得られていた。次に, 抗結核薬.CAMの治療が行われた102例ではガイドラインに一致した RFP, EB, SM, CAMの治療が41例に施行され, 菌陰性化率58.5%, 再排菌率37.5%, 臨床的改善率36.6%であった。一方, 他の抗結核薬.CAMは61例に施行され, 菌陰性化率36.1%, 再排菌率40.9%, 臨床的改善率24.6%と, ガイドラインに沿った治療法が最も優れた成績であった。<BR>しかし, いまだ肺結核に対する治療効果と比較すると不十分であり, 今後新しい非定型抗酸菌に有効な治療薬の開発が望まれる。
著者
河野 暢之 勝見 正治 谷口 勝俊 福永 裕充 山本 達夫 岡 統三 尾野 光市 淺江 正純 三木 保史 小西 隆蔵 遠藤 悟 植阪 和修 玉置 英人 児玉 悦男
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.18, no.12, pp.2436-2440, 1985-12-01

食道静脈癌に食道離断, 血行遮断, 脾適除, 胃瘻造設術を施行した症例に^<99m>Tc Sulfer-Colloid 混入試験食のによる gastroscintigram により術後の胃排出動態をみた, 幽門形成術付加群5例, 非付加群9例の2群の胃排出時間 (T1/2) を経時的に測定したところ, 術後3ヵ月までは幽門形成術付加群に胃排出時間のばらつきがみられたが, 以後は排出遅延例はみられず, 経時的に短縮する傾向がみられた. 3ヵ月以後両群は分時胃排出率もほぼ等しく, 同じ胃排出動態を示し, 幽門形成術の有無による差を認めなかった. また胃形態よりみて術後は牛角胃を呈していた. 胃瘻造設により術直後の胃拡張, 過度の胃内圧上昇を防ぎさえすれば, 幽門形成術は必要でないと思われた.
著者
村田 拓司 福島 智 中野 泰志 伊福部 達 大西 隆 苅田 知則
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

1.選挙のアクセシビリティの研究平成16年度:電子投票と選挙に関する新見での選管担当者と障害有権者への聞取調査の結果、有権者は同システムの有用性に満足するもそのアクセシビリティ配慮がより広範には活用できていないこと等が明らかになった。17年度:新見調査を踏まえ、都市部の四日市での同様の調査の結果、(1)高齢者の筆記の不安解消、点字の書けない全盲者や知的障害者が独自に投票できたが、(2)両市とも電子投票導入時や機種選定時の障害者の参加機会がなく、引きこもりがちな障害者向け啓発が困難で、配慮とニーズの齟齬があり、(3)電子投票の信頼性への要求が高く、(4)投票機も改良の余地があり、(5)第三者認証、最低限アクセシビリティの法文化も必要なこと等が明らかになった。2.総合支援システムの研究16年度:(1)模擬電子投票後アンケートの分析やバリアフリー専門家討論会による電子投票のアクセシビリティ調査、(2)上記の新見調査の結果、電子投票機の最低限アクセシビリティの確認と、より多様な障害者向けユーザビリティに残る課題、アクセシビリティ等の客観的評価手法やその配慮保障のための法制整備の必要性等が明らかになった。17年度:四日市調査等の結果、(1)点訳選挙公報等の情報入手が困難で、(2)知的障害者も支援次第で参加可能なこと等、選挙参加促進の総合支援策の必要性が明らかになった。3.選挙とまちづくりの研究16年度:バリアフリーのまちづくりのための当事者参加型ワークショップの分析の結果、投票環境整備にはまちの日々のあり方が重要で、障害者のバリアを、彼らを交えたワークショップを通して体験的に理解する必要性が明らかになった。17年度:四日市調査の結果、公共施設の投票所のバリアフリー化が進むも最寄りの小規模集会所等を投票所にするのに難があること等が明らかになった。
著者
坂輪 光弘 今西 隆男
出版者
高知工科大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2002

従来の木炭に比して、4から5倍の気孔を有する超多孔質の炭を製造できることを見出した。この原料として、古紙やダンボールなどの廃材も使えることを明らかにした。これらの木質系資源を粉砕し、圧密後、炭素化することで超多孔質の炭を造る。この圧密の過程での圧密の程度で気孔を制御できる。この気孔には、マクロな気孔とミクロな気孔が存在することが判った。マクロな気孔は、圧密の程度に比例する。ミクロな気孔は原料の炭素化過程での揮発分に因る。このためマクロ気孔は制御が可能であるが、ミクロ気孔は原料依存性が大きく、制御は簡単ではない。このマクロ気孔は、植物の根や菌糸の大きさに適合するので、植物と菌糸の生育には欠かせない。一方、ミクロ気孔は水分や空気の流通の経路として大切であり、やはり植物や菌糸の生育には欠かせない。植物や菌糸の生育を試みた結果、松などの樹木の生育も可能である。またトマトやきゅうりなどの野菜類の生育も可能である。特に炭素化過程で1000℃程度まで加熱してあるので、雑菌に犯される確率が少ないため、野菜類の苗の生育する割合が通常の苗床に比較して高いことも見出された。また、芝などの生育も可能である。ビルの屋上やベランダでの利用が可能であり、炭が軽量であるので土の栽培床に比してメリットが大きい。このためヒートアイランドへの対応や都市でのビル街の緑化にも使える可能性がある。また、炭は吸着性があるので植物や菌糸類の栄養剤を吸収するのではないかと懸念される。窒素、燐酸、カリの3要素について炭の吸着特性を調べたところ、一部は吸着するがすぐに飽和し、ある量以上は吸着しないことも判った。このことは過剰に栄養剤を与えた場合でも、緩和してくれる可能性もある。以上の結果か従来の炭では全く栽培することの出来なかった樹木や野菜などの植物と菌糸類が生育することが判り、実用化の可能性を見出すことができた。