著者
岡田 勇 山本 仁志 諏訪 博彦
出版者
創価大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

今年度(第二年度)は、初年度に行った理論研究で明らかとなった協力を維持しうる規範が、実際の人間の規範意識として受容されているのかどうかを実証的に検討した。具体的には前半(2018.4-9)において、実験システムの仕様設計・構築・実装(外注)を行い、後半(2018.10-3)において、実際に被験者実験を行い規範意識の測定を行う。実施機関は創価大学と立正大学であり、それぞれの大学において研究倫理委員会などに実施の申請を行い承認を求めた。実証研究では、本研究で独自に開発した専用の経済実験システムを用いて行った。このシステムでは理論研究で明らかになった点、すなわち、行為者を評価する際にどのような情報に注目するかを測定する必要がある。従来知られていた規範では、行為者を評価する際に、一次情報(当該行為者が過去どのような行為をしたか)にまず着目し必要に応じて二次情報(当該行為者の行為が誰に対してなされたのか)に着目するという形態が主流であった。しかし本研究の理論研究では二次情報にまず着目し次に一次情報に着目するような評価ルールをもつ規範を新たな発見することができたため、この点を識別することが実験の大きな目的となる。被験者実験ではまずは大学生をサンプルとして実施した。実験は予備実験で実施の段取りを確認したのちに本実験として7回実施し、140名余りのサンプルを確保できた。この分析の結果、確かに理論として発見された規範が人間にも観察されることが確認できた。この結果は直ちに論文化して発表した。第三年度では理論と実験結果を統合して新たな理論仮説と分析に挑戦する。
著者
北村 太一 小川 祐樹 諏訪 博彦 太田 敏澄
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回全国大会(2012)
巻号頁・発行日
pp.3E1R65, 2012 (Released:2018-07-30)

本研究は,コミュニケーションに着目したTwitterフォローユーザ推薦手法を提案し,その有効性を検証することを目的としている.既存研究では,フォロー情報に基づく推薦手法を用いており,各ユーザ間のコミュニケーションを考慮していない.そこで本研究では,コミュニケーションに基づくフォローユーザ推薦手法を3つ提案する.評価実験の結果,関与・フォロー型推薦の有効性を確認している.
著者
千住 琴音 諏訪 博彦 水本 旭洋 荒川 豊 安本 慶一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.1818-1828, 2019-10-15

ワンウェイカーシェアリングにおいて車両偏在問題の解決は重要な課題である.これまで,運営会社による効率的な車両移動による解決などが試みられてきたが,コスト面でのデメリットは無視できない.そこで我々は,新たなアプローチとして,潜在的利用者へ車両移動を依頼する手法を提案する.本提案は,依頼トリップの数を少なくしながら,要求トリップの成立数を最大化する問題として設定できる.提案手法の効果を検証するためにシミュレーションによる評価を実施した結果,依頼トリップの受託率が20%であったとしても,要求トリップの受託率を17%向上できることを確認した.また,依頼すべき潜在的利用者について検討するために,実証実験を実施しているパーク24株式会社から提供された利用実績データの分析を行った.その結果,利用行動パターンとして5パターン(常連,2way,分散,局所,1ルート)が存在することを明らかにした.また,そのなかでも依頼すべき利用者の利用パターンが,分散型,局所型であることを考察した.本研究の貢献は,車両偏在問題を解決するための新たなアプローチを提案し,シミュレーションだけでなく,実データの分析と合わせて議論していることである.
著者
山本 仁志 諏訪 博彦 岡田 勇 鳥海 不二夫 和泉 潔 橋本 康弘
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会学会誌 (ISSN:13440896)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.33-43, 2011-09

本研究の目的は,ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)サイトにおけるコミュニケーション構造の推移に着目し,SNSのライフサイクルにある種の法則性を見出すことである。我々は,SNSにおけるコミュニケーションのされ方の移り変わりに着目し,コミュニケーション関係は固定的に維持されるのか,推移していくのか,コミュニケーション関係はフレンドネットワークと近いのか,無関係なのかといったコミュニケーションの性質を表す因子を抽出している。これらの指標から,コミュニケーション構造の推移を明らかにし,その推移をライフサイクルとみなしSNSを分類している。分類したSNSのネットワーク構造や活性化の度合いを比較し,さらに特徴を分析している。その結果,現実の人間関係がベースとなるSNSは規模が小さく密なコミュニケーションがなされていることを確認している。また,ファンサイトのような対象物を中心としたSNSは,初期に開拓的であるものがより活性化することを確認している。
著者
岩本 茂子 小川 祐樹 諏訪 博彦 太田 敏澄
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.1-15, 2019-03-31 (Released:2019-05-01)
参考文献数
24

本研究は,組織内つぶやきシステムがもたらす効用を仮説構築的なモデルとして提示することを目的とする。ある企業において導入された企業内つぶやきシステムは,インフォーマルコミュニケーションの一手段として長期間利用されている。ソーシャルメディアなどでつぶやくことによる効用として,自己効用や関係効用など,様々な効用が指摘されているが,企業内に特化したつぶやきシステムに関する研究は見当たらない。労働者のストレスや不安の解消は,企業内の課題であるとともに,大きな社会問題であり,つぶやきシステムがもたらす効用を明らかにすることは意義がある。我々は,対象の企業内つぶやきシステムのユーザに対し,半構造化インタビュー調査を行い,つぶやきシステムがもたらす効用を仮説構築的なモデルとして提示した。具体的には,半構造化インタビューに基づいて得られた内容を,KJ法を用いて整理し,8個の要因に集約した。さらに,先行研究の知見に基づいてそれらの要因の関連付けを行うことで効用-課題-効果モデルを仮説構築的なモデルとして提示した。その結果,企業内つぶやきシステムがつぶやきの受発信を促進する場を構築し,その場の上で関係構築,社会的スキル向上,ストレス軽減の効用をもたらすことが期待できることを示した。また,企業内つぶやきシステムが情報共有促進,没個人の抑制,モチベーション低下の抑制の効果をもたらすことが期待できることを示した。
著者
平澤 真大 小川 祐樹 諏訪 博彦 太田 敏澄
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2011-DBS-153, no.13, pp.1-8, 2011-10-27

インターネットの普及によって,ニコニコ動画のような動画共有サイトの需要が高まり,結果多くの動画コンテンツが蓄積されている.これら蓄積された動画コンテンツの中には多くの人には知られていないが,視聴した際に多くの人の興味・関心が湧くコンテンツが多く埋もれていると考える.我々はソーシャルノベルティのある動画を 「社会的には知られていないが,より多くの人が興味・関心を持つコンテンツ」 と定義し,ソーシャルノベルティのある動画を発見するため 「もっと評価されるべき」 タグに注目した.本稿ではソーシャルノベルティのある動画発見のため,「もっと評価されるべき」 タグの分析と,それを用いた機械学習の精度分析の結果を報告する.
著者
和泉 潔 池田 竜一 山本 仁志 諏訪 博彦 岡田 勇 磯崎 直樹 服部 進
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J96-D, no.12, pp.2877-2887, 2013-12-01

本研究では,構成論的なアプローチに基づくエージェントベースの社会シミュレーション研究の新たな方法論,可能世界ブラウザを提唱した.更に,実際の購買データに基づいたシミュレーションによる購買ターゲットの特定を題材にして,可能世界ブラウザを応用した結果を紹介した.顧客の購買行動をエージェントベースモデルに組み込んだシミュレーションモデルを作成した.そしてユーザが目的となるようなケースを作り出す.特定ケースでのエージェントの購買行動パターンの特徴を分析することで,目的の達成に大きく関係している購買行動パターンを特定し,更にその成分の組合せから具体的な消費者像の推定を行うことで顧客ターゲティングにつなげることができた.
著者
和泉 潔 池田 竜一 山本 仁志 諏訪 博彦 岡田 勇 磯崎 直樹 服部 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.12, pp.2877-2887, 2013-12-01

本研究では,構成論的なアプローチに基づくエージェントベースの社会シミュレーション研究の新たな方法論,可能世界ブラウザを提唱した.更に,実際の購買データに基づいたシミュレーションによる購買ターゲットの特定を題材にして,可能世界ブラウザを応用した結果を紹介した.顧客の購買行動をエージェントベースモデルに組み込んだシミュレーションモデルを作成した.そしてユーザが目的となるようなケースを作り出す.特定ケースでのエージェントの購買行動パターンの特徴を分析することで,目的の達成に大きく関係している購買行動パターンを特定し,更にその成分の組合せから具体的な消費者像の推定を行うことで顧客ターゲティングにつなげることができた.
著者
北村 太一 小川 祐樹 諏訪 博彦 太田 敏澄
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

本研究は,コミュニケーションに着目したTwitterフォローユーザ推薦手法を提案し,その有効性を検証することを目的としている.既存研究では,フォロー情報に基づく推薦手法を用いており,各ユーザ間のコミュニケーションを考慮していない.そこで本研究では,コミュニケーションに基づくフォローユーザ推薦手法を3つ提案する.評価実験の結果,関与・フォロー型推薦の有効性を確認している.
著者
加藤 菜美絵 小川 祐樹 諏訪 博彦 太田 敏澄
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会学会誌 (ISSN:09151249)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.19-32, 2009-09-30
被引用文献数
2

本研究は,企業内SNS導入の有効性を明らかにすることを目的とする。具体的には,有効性を問題解決に着目し,組織の意思決定モデルであるサイモン-松田モデルとゴミ箱モデルに基づき,問題解決の過程と構造の面から明らかにすることにより,企業内SNSが企業の問題解決において果たす役割を考察する。まず,企業内SNSの利用に関する文献の調査に基づき,調査仮説を設定する。そして,調査仮説の検証および企業内SNSの有効性をより明確にするために,企業への構造化インタビュー調査と質問紙調査を行う。その結果,企業内SNSが,導入以前は関与することのなかった多様な参加者の気軽な情報発信や議論を可能にすること,個々が抱える既存の問題と多様な参加者により提示される有効な情報を結びつけること,選択肢の候補を得る洞察段階や解決策を得る選択段階において効果があり素早い問題解決を可能にすることを確認している。さらに,日記機能やQ&A機能,コミュニティ機能といった気軽な情報発信をサポートする機能が,「この場で相談してみよう」と思わせる親和の整った場を構築することに役立っていることを確認している。
著者
諏訪 博彦 梅原 英一 太田敏澄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.117-125, 2012-01-15

Yahoo!株式掲示板には,人々の意見・気持ちが大量に投稿されている.我々は,この意見・気持ちをコラボレーション技術を用いて取り込むことによって,投資判断を支援することが可能になると考える.本論文では,Yahoo!株式掲示板の投稿数および投稿内容が株式リターンと関係しているか明らかにする.そのために,東証1部における投稿数および強気指数によるポートフォリオを構築しFama-Frenchの3ファクターモデルが成立しているかを検証している.その結果,投稿数が最も多いポートフォリオおよび最も少ないポートフォリオ,強気指数が最も強気なポートフォリオおよび最も弱気なポートフォリオでは,超過リターンが存在することを確認している.そこで,投稿数の最上位ポートフォリオと最下位ポートフォリオのリターンの差および強気指数の最強気ポートフォリオと最弱気ポートフォリオのリターンの差をファクターとして追加している.その結果,強気指数ファクターを追加した場合には超過リターンは検出されなかった.これにより強気指数は株価リターンと関係している可能性があると考える.
著者
梅原 英一 諏訪 博彦 小川 裕樹
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究ではYahoo!株式掲示版と株式市場の関係を分析した。第1に株式リターンを説明する新たなファクターを発見した。自然言語処理を用いて単語出現頻度(TF/IDF)を計算し、上位700単語の主成分分析でファクターを抽出した。その結果、投資戦略・株式保有・金融経済の3ファクターを抽出した。第2に日経平均VI指数(恐怖指数)との関係を分析した。掲示板にトピック分析(LDA)を行った。トピック投稿率とVI指数に相関があることが分かった。本研究で開発した手法を用いてTwitterとTV深夜アニメ番組の次週視聴率を分析し、投稿数・実況ツイートのネガティブ単語数と有意な相関があることが分かった。
著者
栗原 聡 諏訪 博彦 篠田 孝祐
出版者
電気通信大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

早急な開発と運用が求められるスマートグリッドやアンビエント情報基盤,そしてビッグデータを背景とする次世代情報社会インフラシステム等の構築に際しては「多段創発型階層構造」に基づく設計が重要である.そこで,多段創発型階層構造における「下層が上層をボトムアップ的に多段階に創発するしくみ」を本研究の主目的とした.そして,群知能型手法の代表であるACOを土台とする方法を提案した.この方法により,階層性のある時系列パタンが含まれるデータからの階層構造抽出を可能とした.多数の自律エージェントが簡潔なルールに基づき他のエージェントと協調することで,データに隠された階層構造を抽出することができる.
著者
諏訪 博彦 山本 仁志 岡田 勇 太田 敏澄
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会学会誌 (ISSN:09151249)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.59-70, 2006-03-31
被引用文献数
6

持続可能な社会の実現のために、様々な方法で環境問題の解決が試みられている。しかし現状では、環境教育プログラムによって環境に対する態度は変化させられるものの、環境配慮行動を促す効果的なプログラムの開発は不十分である。我々は、どのような「環境に配慮する態度」をもっている個人が、「環境に配慮する行動」を実行しているのかを明らかにしたい。このために、既存の環境教育力リキュラムの順序性と心理的プロセスを援用し、人々が環境に対してどのような関心や動機を持ち、行動を行っているのかに関して質問紙調査を行った。調査結果を基に環境配慮行動を促す環境教育プログラム開発のための関心・動機・行動間のパスモデルを構築した。その結果、意識的環境配慮行動を規定する要因として、費用負担意思がもっとも高い影響を及ぼしていることがわかった。
著者
池田圭佑 岡田佳之 榊剛史 鳥海不二夫 篠田孝祐 風間一洋 野田五十樹 諏訪博彦 栗原聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.7, pp.1-7, 2014-01-16

2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災後,Twitter 等ソーシャルメディアの果たした役割はとても大きく,今後起こるであろう各種災害においても重要な役割を担うことが予想される.しかし,誤った情報 (流言・デマ) が広がったことも事実であり,大きな社会問題となった.災害時には,必要な情報をいち早く拡散させるだけでなく,誤った情報の拡散を早期に収束させることが重要である.これまで,我々は情報拡散モデルとして,感染症の拡散モデルとして有名な SIR モデルを拡張させたモデルを提案しているが,この手法では情報を伝搬させるかどうかを確率的状態遷移モデルで表現している.しかし,実際には人は情報に対する興昧度や,情報発信元の信頼,また日常生活パタン等に基づいて情報を伝搬させるかどうかの判断を決定していると考えられる.本研究では,マルチエージェント型拡張 SIR モデルを提案すると共に,それを用いた情報拡散シミュレーションの定量的な評価手法を考案し,評価を行った.
著者
石原 裕規 諏訪 博彦 鳥海 不二夫 太田 敏澄
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.14, pp.1-6, 2012-12-05

東日本大震災時に,人々は, Twitter により様々な情報収集や,情報交換を行い震災に対処した.この際,情報発信や拡散の起点となるアカウントや,情報を仲介するアカウントが重要となる.ネットワーク分析においてこれらのアカウントは次数中心性と媒介中心性で表現できると考える.本研究では,二つの中心性を算出し,アカウントを特定し,コミュニケーション形態により分類した.今後このアカウントがどのような役割を果たしていたか理解し,今後の震災時における Twitter 利用に繋げられると考える.Using tweets extracted from Twitter during the Great East Japan Earthquake 2011, social network analysis techniques were used to generate and analysis the online networks that emerged at that time. People attempted to collect information about earthquakes and to communicate with friends through the twitter, and it is coping with the earthquake disaster. The aim was to identify active players for the Great East Earthquake on twitter. We construct a communication network and calculate two centrality measures(degree and betweenness) on twitter. As a result, Important players during the Great East Japan Earthquake were found to be: media reporters, people from not-for-profit, social media volunteers, newspaper publishing company, celebrity, and autonomous computer program.
著者
石原 裕規 諏訪 博彦 鳥海 不二夫 太田 敏澄
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

東日本大震災では,Twitterに多くのツイートが投稿された.この際,震災に関する情報は人々のコミュニケーション(リプライ,リツイート)により流通している.この情報流通においては,情報拡散の起点となるアカウントや,情報を仲介するアカウントが重要となる.本研究では,東日本大震災前後のツイートデータからコミュニケーションネットワークを1日毎に生成し,次数中心性と媒介中心性を求めることで重要なアカウントの特定を行っている。震災前後の変化を観察するために,重要アカウントがどのように時系列変化するのかを確認している.また,抽出した重要アカウントのコミュニケーション形態を分類し,震災前後で比較している.
著者
和泉 潔 橋本 康弘 鳥海 不二夫 山本 仁志 諏訪 博彦 岡田 勇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.211, pp.13-18, 2009-09-18

So-net SNS(β版)において,アクティブに稼動するSNSの中からのべ約1,200個のSNSを抽出し,決定木分析を用いて成長するSNSの判別を行なった.その結果,高い精度で判別可能であることが明らかとなった.決定木を生成する際に用いる変数に,ネットワーク構造に関する変数を導入したところ,判別能力が向上することが確認された.この結果より,ネットワーク構造がSNSの成長に影響を与えていることが示唆された.さらに,高成長したSNSの特徴分析を行ない,4つのパターンに分類しそれぞれの特徴を明らかにした.代表的な二つのSNSについてコミュニティ構造の推移を分析することによって,SNSのより詳細な違いが分析できる可能性が示唆された.