著者
金子 洋子 楊川 堯基 林 苑子 張 紅 塚原 知樹 松永 恒明 多留 賀功 石津 隆 小林 正貴 野口 雅之
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.5, pp.999-1006, 2019-05-10 (Released:2020-05-10)
参考文献数
6

53歳,男性.浮腫にて受診.蛋白尿,心肥大,四肢疼痛ならびに腎不全を認め,αガラクトシダーゼA(α-galactosidase A:GLA)酵素活性の低下,腎生検にて糸球体上皮細胞内に高電子密度物質の沈着,責任遺伝子変異を認め,Fabry病と診断した.末期腎不全のため透析導入し,酵素補充療法(enzyme replacement therapy:ERT)を開始したが,心肥大は進行し,心不全のため死亡した.病理解剖にて多臓器に高電子密度沈着物を認めた.近親者3症例にERTを継続している.本疾患は,早期に診断し加療介入することが重要である.
著者
宮下 広大 金井 秀作 長谷川 正哉 積山 和加子 高宮 尚美
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0655, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】患者の動作・運動指導において言語教示の重要性が唱えられている一方で,運動を促す際の指導者と学習者の言語認識の一貫性については,今日のリハビリテーション分野での研究は十分であるとは言えない状況にある。そこで,本研究では異なる言語表現が筋収縮に与える影響と言語を用いた筋収縮感覚を他者と共有可能であるか調査する。【方法】健常男性12名を対象とした。2人1組とし両者をフィットネスチューブの両端を把持した状態で向き合わせ,言語教示を提示し,肘関節屈曲運動を5秒間行う牽引側,閉眼にて開始肢位を保つ受け手側とした。教示内容は形容詞表現「速く・強く」,「遅く・強く」,擬態語表現「びゅんっと」,「ぎゅーっと」,比喩的表現「綱引きでピストルの合図と同時に綱を引くように(以下,綱引き)」,「何とか持ち上がるくらいの重いダンベルを手前に引くように(以下,ダンベル)」の6種類とした。各施行終了後,速度・強度を(Visual analogue scale:VAS)を用いて主観的感覚を調査した。また受け手側には9種類の教示を提示し,筋運動感覚から牽引側の教示内容を予測させた。なお,表面筋電図の測定は右上腕二頭筋,右上腕三頭筋長頭,右上腕三頭筋外側頭とした。統計解析は,各教示間における筋出力の比較にKruskal-Wallis testを用いた。有意差を認めた場合にSteel-Dwass testによる多重比較を行った。比較する際の教示は受け手側の予測に合わせて牽引側,受け手側それぞれ行った。【結果】受け手が回答した予測教示について,一致した正答率は「綱引き」の67%が最も高く,対照的に「びゅんっと」の25%が最も低かった。各教示間のVAS速度,VAS強度,上腕二頭筋平均振幅の牽引側においては,VAS速度で各教示間に多くの有意差が認められたが,VAS強度において,有意差は認められなかった。また,客観的指標である上腕二頭筋平均振幅においては,「遅く強く」「綱引き」間,「ぎゅーっと」「綱引き」間でのみ有意差が認められた(p<0.01,p<0.05)。受け手側においては,VAS速度に,「びゅんっと」「綱引き」間,「びゅんっと」「ダンベル」間を除き,牽引側と同様の有意差が認められた。VAS強度においては,形容詞・擬態語間,擬態語・比喩間に有意差が認められたが,形容詞・比喩間で有意差は認められなかった。上腕二頭筋平均振幅においては,「綱引き」「ダンベル」間で有意差が認められた(p<0.05)。【結論】治療意図による言語の使い分けの必要性が示唆された。また適切な比喩的表現は牽引側,受け手側,両者にとって最も統一した筋収縮活動を起こした。このことから,運動指導を担う理学療法士には他者と共有しうる多彩な比喩表現の必要性が示唆された。

1 0 0 0 OA 洒落哲学

著者
土子金四郎 述
出版者
哲学書院
巻号頁・発行日
1887
著者
園田 潤 木本 智幸 金澤 靖 山本 佳士
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

近年、地震や豪雨などの自然災害、また道路や橋梁など社会インフラ老朽化による被害が増加しており、内部の異常箇所を迅速・高精度に検出することが求められている。数百M~数GHz帯の電波を用いる電磁波レーダは、内部の物体の有無程度は検出できるが、材質・大きさ・形状などの高度な推定や可視化はできていなかった。本研究では、近年急速に発展している人工知能技術を用いて、レーダ画像から内部構造を逆推定し、空洞や亀裂のような異常箇所を3次元可視化する新しい電磁波レーダを開発する。本研究により、地中やコンクリート内部の3次元マップを作成でき、内部物体の材質や大きさとその位置を3次元的かつ高精度に把握可能となる。
著者
畠山 正行 金子 勇
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.2060-2073, 1998-07-15

オブジェクトに基づくシミュレーションシステムは,大きな特長を持ちにもかかわらず,従来のモデリング方法との差異による違和感やプログラミング(実装)の難しさ等の実用技術上の難点のゆえにその普及ははかばかしくない.そこで本研究では,これらを克服すべくUNIXシステム上にオブジェクトシミュレーションシステムを構築する新規な方法論を提唱し,従来のシミュレーションシステムやUNIX環境との整合性が良くプログラム言語に依存しない,実用性の高いシステム構築方法の確立を目指す.そのために,UNIXファイルシステムのディレクトリをオブジェクト単位ととらえ,その構成要素であるファイルへのアクセスを同一ディレクトリ内からのプロセスに制限する.その目的実現のため,我々はオブジェクトの構成とUNIXシステムとの対応関係を見直してわずかなシステムを加えた.それを用いることでカプセル化および情報隠蔽化されたプロトタイプベース・オブジェクトの構成要件を満たし,オブジェクトとしての振舞いや相互作用条件も満たした汎用的なオブジェクトシステムとして再構成した.これに基づいてオブジェクトシミュレーションの実際例を構築・駆動させ,当初の目標をほぼ達成した.著者たち自身の使用経験によれば,従来のシステムと比較しても実装の簡潔性,分かりやすさ,使いやすさ,表現能力は良好である.結論として,すぐにでも実装・実行可能なほどに実用性の優れたオブジェクトシミュレーションシステムがUNIXシステムを再構成することで,実際に構築され,高い有効性や有用性が検証された.
著者
金子勇太 泉隆
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.597-598, 2013-03-06

近年、PCおよび携帯端末の普及率、インターネットの利用者数の増加に伴い時間や場所の条件にとらわれにくいe-Learningが利用されている。先行研究では、PCを利用したe-Learningシステムの開発を行ってきたが、本研究では、PCに加えて携帯端末を利用したe-Learningシステムの開発を行うことで「いつでも、どこでも、どんな端末でも」利用できるシステムを目指す。本稿では、出題問題の分類に着目した利用者評価の検討を行ったので報告する。
著者
畠山 正行 金子 勇
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第46回, no.ソフトウェア, pp.137-138, 1993-03-01

対象世界のモデル化単位として「オブジェクト」の概念を用いてモデル化する方法は「現状では」最も自然なモデリング法の一つであろう。しかし、そのモデル表現を「変換」し続けて、シミュレーションに持ち込むまでの多くの過程において、ずっとオブジェクト単位のまま変換モデリングを続けて行くこと(つまり一貫モデリング)は現在ではまだ殆ど確立されていないといってよいであろう。なぜならそのモデル表現をシミュレーションにまで持ち込む途上において、モデルの本質的変性が生じるからである。つまりデータと操作が完全に分離されたプログラミング言語表現に「置換」されてしまうからである。これはモデリング過程の最終段階としてのシミュレーションには極めて都合が悪い。モデル化単位のオブジェクトがそのモデル化単位のままでシミュレーションに持ち込める方式の方が、人間のモデリングに関する思考との一対一対応の観点からも、精密で一貫したモデリング論の観点からも、シミュレーションプログラムの構築や変更などの観点からなど全てに関して良い結果を生むことが十分合理的に予想出来る。その様なモデリング変換方法が確立されていない理由はデータとプログラムの永続的な共存格納管理の手法が確率されていなかったことにもあると考えられる。シミュレーションに関するこのような基本的要求を満たすソリューションとして、我々はオブジェクト指向データベース(OODBMS)をプラットフォームとして、擬似オブジェクトベースと称する実行支援環境を構成,実装し、これを用いた数値シミュレーションを実現した。今回はその擬似オブジェクトベース機構の実現及び駆動の方法、及びその応用例について述べる。
著者
今村 俊幸 村松 一弘 北端 秀行 金子 勇 山岸 信寛 長谷川 幸弘 武宮 博 平山 俊雄
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.22(2000-ARC-142), pp.49-54, 2001-03-08

世界各国の計算機資源のみならず様々なネットワーク上の装置を有機的に結合し,一つの仮想計算機システムを構築する試みとしてメタコンピューティングが提案されている.日本原子力研究所では,これまで所内LANでの仮想計算機上を構築し数値アプリケーションの実験を行ってきたが,さる2000年11月アメリカ,ダラスにて開催された国際会議SC2000期間中に日独米英4ヶ国のスパコンを結合して世界規模での実験の試みに成功した.本実験では,放射線情報推定システムを題材として世界5機関の並列計算機を利用し最大計510CPUの仮想計算機の構築並びに,仮想計算機上での計算を行った.また,計算と同時に仮想計算機から大気中に放出された放射性物質の拡散過程を可視化することも実施した.本報告では,世界規模での実アプリケーションの実験の概要とその結果についてまとめる.
著者
金子勇太 久津間啓右 泉隆
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.571-572, 2012-03-06

我々は,PCを利用した基本情報技術者試験対策のe-Learningシステムの開発を行ってきた.本研究では,PCに加えて,携帯端末を利用したシステムの検討,開発を行うことでいつでも,どこでも,どんな端末でも利用できるシステムを目指している.本報告では,現状のシステムの問題点について検討した.
著者
金井 靖 中嶋 新一
出版者
新潟工科大学
雑誌
新潟工科大学研究紀要 (ISSN:1342792X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.31-46, 2005-12

This paper describes the magnetic refrigeration at near-room temperature. First, sphere of Gadolinium (Gd), 0.6 mm in diameter, was prepared as a magneto-caloric medium and the temperature change of Gd versus applied field was investigated. It was found that the linear temperature rise/fall was found for applied field. Then, magnetic circuit was designed by the finite-element magnetic field analysis. The magnetic circuit consisted of NdFeB permanent magnet, iron yoke stator, and vessel for Gd sphere, with moving stage was made as a trial. A heat-exchanger circuit using coolant was constructed with water pump and solenoid and the system was tested with regard to heat-exchanging ability. The obtained temperature change was very small due to low magnetic field applied to the Gd sphere and small Gd volume. The future work was also noted.
著者
川島 弘之 古屋 武史 植草 省太 金田 英秀 越永 従道
出版者
日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液・がん学会雑誌 (ISSN:2187011X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.487-490, 2016 (Released:2017-03-18)
参考文献数
13

横紋筋肉腫は間葉系細胞を起源とする悪性腫瘍であり,全身のどの部位にも発生する.鼠径部に発生し,非還納性鼠径ヘルニアとの鑑別を要した横紋筋肉腫の1例を経験したので報告する.症例は2歳女児で鼠径部腫瘤を認め,当院へ紹介受診した.超音波検査の結果,非還納性鼠径ヘルニアが否定できないために同日手術を施行した.手術所見で鼠径ヘルニアは認めず,鼠径部腫瘤は腫瘍性病変であり,腫瘍の部分切除術を施行し手術を終了した.病理結果で胞巣型横紋筋肉腫の診断を得た.日本横紋筋肉腫研究グループのプロトコールに準じて腫瘍全切除術を含めた治療を行い,治療終了後2年で再発は認めていない.非還納性鼠径ヘルニアの診断で手術を施行した際に腫瘍性病変を認めた場合には,術中に腫瘍進展を的確に評価し,腫瘍の全切除が不可能と判断した場合は腫瘍生検術や部分切除術による病理診断を得ることが治療方針を決定していく上で重要であると考えられた.