著者
鈴木 智哉 金井 敬 蝋山 敏之 若林 憲章 江口 秀一郎 多田 桂一 江口 甲一郎
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.99-103, 1999-07-25 (Released:2009-10-29)
参考文献数
9

小児の調節麻痺下での屈折検査には、サイプレジン®の有用性が重要視されているが、何歳までサイプレジン®を用いた屈折検査が必要かについて検討した報告はまだみられない。そこで今回我々は、無作為に抽出した器質的疾患がない1032例を対象に、ハーティンガー合致式レフラクトメーターを用いてサイプレジン®点眼後と点眼前の他覚的屈折度の差(以下、戻り値とする)を各年齢ごとに検討した。戻り値の平均は成長とともに減少し、10歳以上では0.4D程度で推移した。重回帰分析により戻り値は屈折度よりも年齢に強く関連した。今回調査した戻り値の平均が10歳以上では0.4D程度で安定する事から、回帰式により戻り値0.4Dの年齢を求めると全症例14.3歳、近視群14.4歳、遠視群14.8歳となった。このことから、現代の繁忙な中高校生がサイプレジン®点眼下での精密検査を難しいと訴えるときは、これらの事を念頭において、眼鏡やコンタクトレンズの度数決定に際し、慎重に対処する必要があると考える。
著者
東泉 裕子 金田 恭江 下村 千史 黒谷 佳代 西平 順 瀧本 秀美
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.229-237, 2022 (Released:2022-10-19)
参考文献数
27

日本食品標準成分表2010 (六訂) と日本食品標準成分表2015年版 (七訂) 追補2018年を用いて算出した栄養素等摂取量推定値とを比較し, 食品成分表改訂が栄養素等摂取量推定に与える影響を分析した。北海道在住の地域住民および東京都に勤務する者625名の食物摂取量について, 食事記録法により食事調査を行い, 栄養素等摂取量を算出した。炭水化物以外のすべての栄養素等で成分表の違いにより摂取量に有意な差が認められ, とくに分析方法が更新された総食物繊維摂取量への影響が大きく, 七訂値では六訂値より平均で3.0 g (23.2%) 高値であった。また, 日本人の食事摂取基準 (2020年版) を適用した場合の集団の総食物繊維摂取量の評価にも, 成分表の違いによる影響が認められた。以上より, 食事調査から食物繊維摂取状況を評価する際は, 計算に用いられた食品成分表の正式名称および分析方法を考慮した検討が必要であることが示唆された。
著者
大川 猛 菅田 悠平 木戸 剛正 若槻 泰迪 大津 金光 横田 隆史
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2018-EMB-48, no.3, pp.1-2, 2018-06-22

ROS2 (Robot Operating System version 2) は,知的ロボットの分散ソフトウェア開発プラットフォームとして普及が期待されている.ROS2 における通信レイヤとして用いられる DDS (Data Distribution Service) は,分散ソフトウェアにおいて,通信するトピックごとに細かな QoS (Quality of Service) ポリシーが設定可能であることが特徴である.一方,FPGA (Field Programmable Gate Array) は,知的ロボットの実現に必要な画像認識処理を,高い電力効率での並列処理が可能であるが,高性能な回路の設計が難しいという課題がある.本稿では,FPGA を用いて DDS に準拠した Publish / Subscribe 通信を行うための調査および初期検討結果について報告する.
著者
村岡 伸哉 上野 豊 佐藤 哲大 小野 直亮 杉浦 忠男 金谷 重彦
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第37回情報化学討論会 豊橋
巻号頁・発行日
pp.O04, 2014 (Released:2014-11-20)
参考文献数
4

生体内高分子の反応を可視化する分子アニメーション作成には、静的な分子モデルが採用され、分子の動的な特性を考慮しにくいのが現状である。本研究では、高分子の基準振動解析の結果を用い、熱揺らぎを考慮した動的なモデルを構築する手法を考案したので、その結果について議論したい。
著者
力丸 真美 谷野 功典 福原 敦朗 佐藤 俊 二階堂 雄文 佐藤 佑樹 東川 隆一 福原 奈緒子 河俣 貴也 梅田 隆志 森本 樹里亜 小泉 達彦 鈴木 康仁 平井 健一郎 植松 学 峯村 浩之 斎藤 純平 金沢 賢也 柴田 陽光
出版者
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
雑誌
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌 (ISSN:18831273)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1_2, pp.85-88, 2018-10-25 (Released:2019-04-02)
参考文献数
15

キノコの屋内栽培では大気中に大量の胞子が浮遊しており,高濃度のキノコ胞子を繰り返し吸入することで感作され,Ⅲ型,Ⅳ型アレルギーの機序により過敏性肺炎を発症する.診断には臨床経過や画像検査所見,環境誘発試験,沈降抗体反応やリンパ球刺激試験など免疫学的所見と病理学的所見の結果を総合的に判断することが重要である.今回我々はナメコ,シイタケ栽培者に発症した過敏性肺炎の2症例を経験したので報告する.
著者
金田 真一 千葉 達朗
出版者
一般社団法人 日本リモートセンシング学会
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.196-198, 2022-08-10 (Released:2022-11-26)
参考文献数
5

On August 13, 2021, there was an eruption of Fukutoku-Oka-no-Ba submarine volcano, located between Iwo Jima and Minami Iwo Jima in the southernmost part of the Ogasawara Islands, approximately 1,300 km from Tokyo. The volcanic plume reached a height of 16 km and ejected a large amount of pumice, which floated over the Pacific Ocean.Some of the floating pumice drifted to the Ryukyu Islands, reaching the main island of Okinawa and Amami-Oshima in early October 2021. As of June 2022, floating pumice was still affecting marine traffic, fishing, and tourism in the area. This article presents satellite images of the eruption and the drifting floating pumice stone.
著者
金井延著
出版者
金港堂
巻号頁・発行日
1902
著者
林 基哉 金 勲 開原 典子 小林 健一 鍵 直樹 柳 宇 東 賢一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.84, no.765, pp.1011-1018, 2019 (Released:2019-11-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2

The state of the increase in the nonconformity rates of air environment in specific buildings was investigated using local government survey reports. The factors in the increase of carbon dioxide concentration were analyzed in consideration of the increase of ambient concentration, the characteristics of indoor concentrations and the characteristics of the government reports. The results were as follows. 1 The nonconformity rates of humidity, temperature and carbon dioxide concentration have increased with the number of specific buildings since 1999. And reports made by the owners of specific buildings are substituted for inspections by government officials in most prefectures. 2 One of the factors in the increase of nonconformity rates of temperature, humidity and carbon dioxide concentration is the increase of reports using measurement data by building maintenance suppliers. The nonconformity rates of humidity and carbon dioxide concentration were higher in northern prefectures. 3 The frequency of indoor carbon dioxide concentration in specific buildings in Tokyo was similar to that in Osaka. The frequency distribution of the differences between indoor concentration and outdoor concentration in Tokyo follows Weibull frequency distribution. 4 The ambient concentration of carbon dioxide has increased especially in urban areas. The increase of ambient concentration is thought to increase the indoor concentrations in specific buildings. 5 The nonconformity rates of carbon dioxide concentration depend on not only ambient concentration but also the rates of ventilation reduction and survey methods by governments. The nonconformity rates were calculated using an equation composed on the basis of Weibull frequency. The coefficients of these factors were calculated using the equation and the survey data on all Japan. 6 The increase of ambient concentration made the nonconformity rate of indoor concentration 3.1% higher and ventilation reduction made it 7.2% higher and the change of survey method made it 11.6% higher in these nineteen years. These results showed that the increase of nonconformity rates depends on several factors. Therefore it is necessary to design integrated countermeasures in order to decrease these nonconformity rates.
著者
鍵 直樹 柳 宇 東 賢一 金 勲 大澤 元毅
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成27年度大会(大阪)学術講演論文集 第7巻 空気質 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.101-104, 2015 (Released:2017-11-15)

建築物における基準値との適合状況については,全国の情報が毎年公開されている。そこで本研究では,公表された全国の建築物の維持管理に関するデータを用いて,基準値に適合しなかった建物の割合,不適率の最新動向の解析を行うことにより,建築物における環境衛生の実態について把握することを目的とする。以前にも同様の調査を行っているが2),平成23年の東日本大震災以降のデータを加えた。更には,東京都における立ち入り測定のデータを用いた室内空気環境の詳細な解析を行った。
著者
金 勲 小林 健一 開原 典子 柳 宇 鍵 直樹 東 賢一 長谷川 兼一 中野 淳太 李 時桓 林 基哉
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 令和2年度大会(オンライン)学術講演論文集 第8巻 性能検証・実態調査 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.293-296, 2020 (Released:2021-10-28)

特定建築物及び中小規模建築24件を対象に、2019年度の冷暖房期に行った温度・湿度・CO2の2週間の連続測定からCO2濃度に関する結果を報告する。平均値としては1000ppmを超える建物は2割程度であったが、1回でも1000ppmを超える割合はほぼ7割あった。また、昨年度とは異なり期間中ずっと1000ppmを下回らない、3000ppmを超える高濃度を示すなど、著しく悪い環境にある物件はなかった。
著者
有地 亨 三島 とみ子 緒方 直人 南方 暁 清山 洋子 生野 正剛 大原 長和 金山 直樹 久塚 純一 小野 義美 川田 昇 丸山 茂 松川 正毅 河内 宏 二宮 孝富 伊藤 昌司 UEKI Tomiko MISHIMA Tomi HISATSHUKA Junichi
出版者
九州大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1989

われわれは、1990年秋と91年秋の2度に分けて、第1年目には英国第2年目には仏国および独国において、離婚、児童福祉、老人の3領域における各種相談・援助機関に関する実態調査を行なった。離婚の領域では、英国において、公私2つの研究機関と12の各種相談・援助機関のスタッフに対する面接調査を行い、質問票配布の方法による補足的調査をも行った。仏国では3つの公的機関と22の民間機関のスタッフならびに7人の研究者との面接調査を行い、同様の補足調査を併用した。独国では、民間機関である結婚生活相談所スタッフを調査対象に選んだ。英国では、離婚問題を抱えた当事者への相談・援助活動は、民間機関中心に行われており、夫婦関係の和合調整より、クリ-ン・ブレイクを目指す傾向が顕著であったが、仏国でも民間機関が中心であって、その活動にも同様の傾向が見られ、ここでの合意形成援助活動を司法手続の前段階として制度化する動きも確認できる。独国の上記相談機関は、法的問題と心理的問題を区別し、活動分野を後者に限定しているのが特徴であり、これが独国の一般的傾向を代表する。児童福祉の領域では、英国の公的機関13と民間機関4、仏国の政府機関をはじめとする公的機関8および民間機関11の、それぞれのスタッフと面接調査し、独国においては民間機関1および少年係検事1人を対象に調査した。英仏両国ともに民間機関に活動が顕著であり、各個に特色ある諸機関がその特色を活かしてキメ細かな援助を行なっていることが分かったが、特に、英国においては、公的機関と民間機関との連携が良く、総合的機関の確立も追求されている。独国でも、民間の青少年援助機関が、広義の社会的不適応者に対する社会化のための援助を行っているのが注目される。老人の領域では、英国では、研究者3、地方行政における福祉担当官や公的機関のスタッフや民間の営利・非営利の老人施設のスタッフに面接調査した他に、施設利用者15人に対しても面接調査し、さらに、質問票による補足調査からも多くの情報を得た。同様に、仏国でも高齡者施策に関与する諸機関を訪問してスタッフの面接調査をした(30件)後、福祉諸施設の現場を訪問した。独国では民間の老人ホ-ム経営体を訪問したにとどまる。この領域でも、英仏両国では、やはり民間機関が高齡者個々のニ-ドに応じた多様な援助を広範に提供しており、公的機関の役割はむしろ限定的であるが、両者の連携が重視されている。仏国でも、民間機関による援助が、質・量ともに顕著である。英国では、高齡者は総じて家族とは独立した生活を送っており、相談・援助は、家族との人間関係調整よりも実際的(経済的)援助中心であるが、仏国では、高齡者の自己決定の尊重を眼目としつつ、家族による精神的サポ-トのための民間機関の活動も重視されている。独国調査でも家族によるサポ-トのための民間機関の活動が重視されている。総じて、これらの海外調査の結果は、日本調査の結論としての「家族問題総合センタ-」の構想において、ともすれば公的機関中心に考える日本的発想への反省を迫るものがある。つまり、今回われわれが調査した国々では、家族問題への公的機関の関与は抑制的であり、その役割は財政的支援の範囲に限定されているようである。主導的な役割は、むしろ多様な民間機関が果たしているが、それを可能にしている背景には、その活動の担い手であるソ-シャル・ワ-カ-の専門性の高さとその社会的認知が存在することを見失ってはならない。多様な機関に所属しつつも、活動の担い手相互間には専門性という共通項があって、それが、わが国には見られないような機関相互間の良好な連携を生み出しているという点も、特記すべきことである。
著者
難波 敦子 宮川 金二郎 大森 正司 加藤 みゆき 田村 朝子 斎藤 ひろみ
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.907-915, 1998-08-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
25

This report continues our study of post-heated and fermented tea which are produced in the northern area of South-East Asia and Japan. A search of Chinese literature for Suancha (a sour, non-salted pickled tea) reported it to be produced by hill tribes in the south-west of Yunnan province in China by a two-step fermentation process (under aerobic and anaerobic conditions) like Goishi-cha in Japan. Our study, however, clarifies that the present Suanchas are produced by a one-step fermentation process under anaerobic conditions like Lepet-so in Myanmar, Miang in Thailand and Laos, and Awa-bancha in Japan. Suancha is now produced by the Bulangzu living near Mt. Bulang in Xysanbanna and by the Daizu in Dehong province of Yunnan. Edible pickled teas, including Liangpan-tea and Yancha that is the other kinds of pickled tea in Yunnan are also discussed.
著者
金野 健人 Samuel Chibwana 高田 雄一
出版者
保健医療学学会
雑誌
保健医療学雑誌 (ISSN:21850399)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.105-111, 2018-10-01 (Released:2018-10-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1

〔目的〕マラウイ共和国の僻地に生活する脳性麻痺児に対する集中理学療法とCommunity Based Rehabilitation がもたらす効果について検討することを目的とした. 〔対象と方法〕脳性麻痺両麻痺GMFCS レベルⅢである5歳男児1 名を対象とした.運動機能評価にはGMFM−88 を使用し,減点項目である立位と歩行を中心に訓練プログラムを作成し,母親とコミュニティのボランティアが中心となって訓練を行った. 〔結果〕GMFM−88 の立位項目のみ変化を認めた.集中理学療法開始時と終了時では8%増加,2 ヶ月後には26%,合計34%増加した.また,CBR マトリックスについても改善を認めた. 〔結語〕2 週間の集中理学療法と家族・ボランティア指導を併用することで,運動機能の向上だけでなく,参加した家族・ボランティアが共同し理想的なCBR 介入を促した.
著者
國谷 貴司 須部 明香 金村 典哉 渡辺 直之
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.137-141, 2014-02-20 (Released:2014-03-20)
参考文献数
27

後肢の不全麻痺を呈し,CT検査において大動脈血栓塞栓症(ATE)と診断した犬4例の臨床症状と臨床病理学的所見の特徴について検討した.初診時に跛行を呈した11~14(13.0±1.4)歳齢の高齢犬が,14~30(18.0±8.0)日の慢性経過で不全麻痺あるいは全麻痺への臨床症状の悪化を認めた.血液検査ではD-ダイマーの上昇(4例),AST,CK及びALTの上昇(3例),血小板減少(3例)を認めた.慢性進行性の跛行を呈する高齢犬において,D-ダイマーの高値がATEと関連性が高いことが示唆された.D-ダイマーと他の臨床検査の組み合わせにより犬のATEの診断に有用であることが示された.