著者
小野田 公 金子 純一朗 森田 正治 丸山 仁司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】携帯電話の普及およびソーシャルネットワーキングサービス(以下SNS)の利用者増加に伴い,インターネットワーク上でのコミュニケーションが増加している。総務省における平成24年版 情報通信白書によるとソーシャルメディアの利用者は,スマートフォン等の普及により急速に増加しつつあり,世界的にSNSサービスを提供しているFacebookの利用者は,既に9億人に達していると報告されている。また,平成23年通信利用動向調査では,スマートフォン,タブレット端末の利用者においてソーシャルメディアの利用率がパソコンや携帯電話に比べて高くなる傾向にあることが報告されている。SNSは,コミュニケーションや情報収集ツールとして非常に有用であるが,最近,倫理観を問われる不適切な行為も散在され,画像および発言内容が報道や事件へと発展している。また,SNSを利用した医療系職員や実習生による個人情報保護的観点や職業倫理観にかける記載が問題となっており,利用に関しての医療系大学生への教育やガイドラインの整備が必要となってきている。本研究では,本学理学療法学科学部生のSNSの利用実態及び情報流出に関する対策についてアンケートを作成し調査した。また,実習中のSNSの利用実態についても調査した。【方法】平成25年,本学理学療法学科に在籍している3年生99名(男性47名21.3±2.1歳,女性52名21.0±1.7歳)を対象に,評価実習終了後アンケート調査を実施した。本調査ではSNSの種類として,総務省の「平成23年通信利用動向調査」を参考にSNS:mixi,Facebook,LINE,マイクロブログ:Twitter,ブログ:Amebaブログ,ソーシャルゲーム:Gree,モバゲーのサービスを挙げた。アンケート調査項目は,(1)SNS利用状況,(2)SNS使用頻度,(3)パスワード管理,(4)公開制限の有無,(5)人物画像掲載の経験,(6)撮影人物への掲載許可の有無,(7)拡散機能知識確認,(8)肖像権,著作権侵害の認識確認,(9)ネット詐欺の知識確認,(10)実習中のSNS利用状況,(11)実習中のSNS使用頻度,(12)実習中のSNS使用内容とした。回答形式は2項選択法,自由記載方式を用いた。【倫理的配慮,説明と同意】全対象者には研究の趣旨・方法について事前に説明し,同意を得た上で無記名にて調査を行った。個人や実習施設を特定するような設問はなくし,情報管理には十分留意した。なお,本研究は国際医療福祉大学倫理審査委員会の承諾を得ている(承認番号:13-Io-139)。【結果】対象者99名全員が複数種類のSNSを利用していた。使用しているSNSの種類は,mixi8名(3.4%),Facebook50名(21.3%),LINE97名(41.3%),Twitter72名(30.6%),Ameba5名(2.1%),Gree1名(0.4%),モバゲー2名(0.9%)であった。使用頻度は,1日1回が最も多く47名(47.5%),次いで1日5回以上が28名(28.3%),1日3~4回7名(7.1%),1日2回5名(5.1%)であった。パスワード変更の定期的実施者は1名,無断掲載が肖像権侵害となる知識を持っている者は85名,実際に撮影人物の掲載許可をとっている者は24名であった。評価実習中にSNSを活用した学生は,73名(73.7%)であった。実習中に活用したSNS種類は,Facebook16名(12.9%),LINE69名(55.6%),Twitter38名(30.6%),Ameba1名(0.8%)であった。実習中の使用頻度に変化がなかったのは54名(54.5%),増加9名(9.1%),減少36名(36.4%)であった。実習中の使用頻度は,もっとも多く増加したのが1日5回以上で4名(4.0%)であった。実習中のSNSの活用方法では,実習生同士の情報交換・共有や励まし等の記載が多く見られた。また,少数であるが,実習中の自分の気持ちをTwitterへ書き込んでいた。【考察】今回の結果よりほとんどの学生が日常的に複数のSNSを頻回に利用していることがわかり,個人情報流出に関する対策不足が認められた。また,実習中に半数以上の学生がSNSを利用しており,頻度としては半数の学生は変化がなかった。活用方法としては,実習生の情報交換や共有に使われおり,患者様の検査結果を含んでいることが認められた。このことから本学生のSNS利用でのメディアリテラシーや医療系学生としての守秘義務についての教育及び指導の必要性が示唆された。また,医療系総合大学としてのソーシャルメディア利用のガイドラインの整備が急務である。【理学療法学研究としての意義】現在,SNS利用者の増加により医療系学生実習時の医学的情報の画像や記載が問題となっている。そのため実習前のSNS利用についての対策が急務である。今後,本学でも医療系学生のためのガイドラインの作成や指導などについて具体的な対策を講じていきたい。
著者
金 暉 友添 秀則 小野 雄大
出版者
日本スポーツ教育学会
雑誌
スポーツ教育学研究 (ISSN:09118845)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.1-20, 2019-01-10 (Released:2019-04-01)
参考文献数
47

As the management organization of the Extracurricular Sports Activities and Competition of High School, All Japan High School Athletic Federation (hereinafter referred to as AJHSAF) can be an important research object when considering the ideal way of Extracurricular Sports Activities and Competition of High School.However, there are few researches on AJHSAF. How has it been founded and what kinds of activities have been developed, and how did it establish the competition hosting rights are not clarified. This study focuses on AJHSAF from its inception in 1948 to its establishment of competition hosting rights in 1952, and aims to clarify the founding process of AJHSAF.The following points will be clarified in this paper:1) AJHSAF was founded in 1948 based on [Interscholastic Competition] in order to manage and operate the competition educatively. With the establish of each competition department, the entity as an executing agency was prepared, AJHSAF was organized.2) AJHSAF and High School Athletic Federation in each prefecture was socially considered as a suppression to restrain the overflow of the competition. However, as the immaturation of the organization and the competition hosting rights was not established, AJHSAF and High School Athletic Federation in each prefecture failed to restrain the excessive holding of competition by Japan Amateur Athletic Association, and it seemed like its business was only to hold competitions.3) With the enactment of [About Student Sports (Interscholastic Competition)] in 1952, AJHSAF established the competition hosting rights, which means school officials had equal rights on competition hosting and start to involve in student’s sports.
著者
仲尾 貢二 金子 幸夫
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.290-293, 2019 (Released:2020-02-05)
参考文献数
13
被引用文献数
1

慢性硬膜下血腫(Chronic subdural hematoma : CSDH)術後再発症例に治打撲一方が奏功した症例を報告する。症例は81歳女性,左 CSDH に対して穿頭術を施行した。術後の経時的頭部 CT では血腫は徐々に増大した。再発防止に五苓散,柴苓湯を投与するも再発を防止することができなかった。失語症と右不全片麻痺を認めたため,再手術を行った。術中所見では血腫は粘稠で十分にドレナージできなかった。臨床上および頭部 CT 上の改善に乏しいため,血腫を瘀血ととらえて治打撲一方を投与したところ,投与後3週の時点で右片麻痺が改善,投与後7週の頭部 CT では明らかな血腫の減量を認めた。以上より, CSDH のなかでもドレナージが困難で利水剤に反応しない再発症例に対し,治打撲一方は有用な治療薬になることが示唆された。
著者
手島 一陽 貝瀬 満 高井 一成 石浜 智 鈴木 伸明 中尾 國明 松本 正廣 岩田 滉一郎 太田 裕彦 金井 弘一 飯原 久仁子
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:03899403)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.202-203, 1998-03-06 (Released:2015-01-22)
参考文献数
4

A 31-year-old man was referred to our hospital because of fever, oral and genital ulcers, mild abdominal pain and diarrhea which occured 6 months before admission. Colonoscopic examination disclosed diffuse, discrete round ulcers of the colon, and the intact terminal ileum. The administration of salazosulfapyridine followed by aminosalicylic acid improved pyrexia and colonic lesions. Relapsing oral, genital and colonic ulcers suggested the diagnosis of incomplete-type intestinal Behçet's disease. However, microscopic examination demonstrated non-caseous epithelioid cell granulomas, which are characteristic of Crohn's disease. Therefore, the present case was considered an indeterminate one of inflammatory bowel disease and a long-term follow-up might disclose a definite diagnosis.
著者
金城 やす子
出版者
名桜大学
雑誌
名桜大学紀要 (ISSN:18824412)
巻号頁・発行日
no.13, pp.29-38, 2007

入院児の療養環境について、看護師長を対象に調査を行った。その結果、小児病棟の混合病棟化が進み、混合病棟では子どもにとっての遊びや教育環境が十分な状況にないことが明らかになった。入院している子どもにとって子どもとしての生活、遊びや教育は重要である。そのため、入院児の生活について検討することは、今後の小児看護を検討するうえの重要な視点となる。
著者
水野 卓 金兵 忠雄
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.206-209, 1956 (Released:2008-11-21)
参考文献数
5

The carbohydrates in the petals of Camellia japonica L., camellia, were studied (see Table 2). The following results were obtained. Glucose, fructose, sucrose, maltose, and two unknown spots were detected as the free sugars. Galactose, glucose, rhamnose, arabinose, ribose, fructose, mannose, galacturonic acid (?) and mannuronic acid (?) were detected as the components of glycosides. Glucose, galactose, arabinose, fructose and galacturonic acid were found to be the component sugars of hot ethanol-soluble polysaccharides. Arabinose, galacturonic acid, glucose and galactose as the components of the cold water-soluble polysaccharides, and more, arabinose, ribose, glucose and galacturonic acid were found as those of hot water-soluble polysaccharides, respectively. Arabinose galactose and galacturonic acid were those of the protopectin fraction (hot 0.5% ammonium oxalate aq.-soluble polysaccharides). Xylose, rhamnose, arabinose, ribose, mannose, galactose, galacturonic acid, glucuronic acid, glucose and desoxyribose were the components of hemicellulose. α-Cellulose and a small amount of lignin were found as usual.
著者
金 炳坤
出版者
身延山大学仏教学部
雑誌
身延山大学仏教学部紀要 (ISSN:13464299)
巻号頁・発行日
no.14, pp.23-41, 2013

身延山大学「仏教学部紀要」第14号(二〇一三)を望月先生から頂戴した。その中に望月論文の直後に金炳坤「ウイグル語訳『妙法蓮華経玄賛』の研究状況と課題」という論文がある。これを望月論文、つまりチベット語訳玄賛の研究と合わせて読むとまことに示唆に富んだものとなる。まず同誌30頁11行目以下で、ウイグル訳本が「玄賛」をウイグル語に翻訳するにあたって羅什「妙法蓮華経」を参照し、経文註釈にあたっては窺基本でもはしょっている羅什本の科文を全文記載していることを明らかにする。これは先のチベット註釈本がチベット訳「法華経」を参照しているのとは大違いであり、羅什「妙法蓮華経」がすでにウイグル語に訳されていた可能性すらもうかがわせる。同誌36頁15行目以下では、敦煌の書窟(第17窟)から出てきた漢文「法華経」註釈書類のうち40%は「玄賛」と「玄賛関係のもの」であり、八世紀中葉以後は「法華経」の註釈書のほとんどは「玄賛関係のもの」で占められる、という。なぜそうなったのか。ここで金炳坤さんは曇曠(八世紀前半)という人をクローズアップさせる。敦煌で活躍した学僧であり玄奘三蔵(六〇〇〜六六四)、慈恩大師窺基(六三二~六八二)の流れ、即ち法相宗の流れにある人である、という。法華経の註釈といえば有名な天台大師智顗(五三八~五九七)の玄義、文句、摩訶止観やその他沢山のものがあったのに、敦煌、西域方面ではひとり慈恩大師の「玄賛」が盛行した、という事実は「法華経」の流伝と受容を考える上でとても大事なポイントとなるであろう。西域・シルクロードと言えば人種・異国語の坩堝のようなところである。かつて六〇〇年代玄奘三蔵はその路を西から東へたどってインドの経典をもたらした。そして二〇〇年後今度は東から西へ「法華経」やその註釈が逆流しているのである。先に見たように「玄賛」のチベット訳は不全なしろものである。しかし不全だからと言って切り捨ててはならない。仏教流伝のそのような環境の中にあって、そのレーゾンデートル(raison d'être存在価値)を究明することによって、より精緻な仏教の歴史がひもとかれて行くはずだからである。(及川真介)
著者
山本 聖子 池田 和子 大金 美和 杉野 祐子 谷口 紅 木下 真里 阿部 直美 紅粉 真衣 菊池 嘉 岡 慎一
出版者
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科保健学専攻
雑誌
保健学研究 = Health science research (ISSN:18814441)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.119-127, 2019-09

有効な患者教育の内容について検討することを目的とし,2016年1月~12月にHIV陽性の確定診断を受け,かつA病院のHIV専門外来受診を開始した成人患者20名を対象にアンケートおよびインタビュー調査を行った.内容は保健所等でHIVスクリーニング検査陽性の告知を受けてから外来に初診で来院し患者教育を受けるまでの間に閲覧したネット上の情報の内容,閲覧したサイトの種類,特に印象に残った情報や信憑性に不安を感じた情報は何か,信憑性の確認はどのように行ったか等であった.調査の結果,ネットで情報収集をしたと回答したのは16名であった.閲覧した内容(複数回答)については,「疾病・治療に関する情報」が最多で15名であり,次いで「他のHIV感染者の思い・体験」が14名であった.思いや体験などのようなナラティブ情報は患者の情緒的サポートに有用であるが,時に混乱を招くことがあり,患者の個別性に合わせた情報提供が必要である.またネット上の情報についての真偽を何らかの方法で確認すると回答したのは5名のみで,医療者側から意識的に,患者の持つ情報の内容や根拠の有無を確認していくことが必要であることが明らかになった.
著者
川本 晃平 金澤 浩 白川 泰山
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101846, 2013

【はじめに、目的】 スポーツ選手はスポーツ外傷および障害を予防するために、日々のコンディショニングが必要不可欠であり、その手段の一つとして物理療法が挙げられる。筆者らがコンディショニングに積極的に用いる機器の一つにINDIBA activ(インディバ・ジャパン)がある。この装置の特徴は0.5MHzの周波数を発し、コンデンサーの原理により温熱刺激を発生させるため、皮膚付近にハイパワーの集中照射をせずに、体内深部の組織まで生体刺激を生み出すことができる点である。また骨や腱など抵抗の高い部位に用いるレジスティブモードと軟部組織やレジスティブモードの前処置に用いるキャパシティブモードの2種類のモードがあり、治療目的によってこれらのモードを組み合わせて実施する。筆者らはこの装置を筋緊張の軽減や疼痛の緩和を目的に軟部組織に用いることで、良好な治療成績を得ている。 本研究では、INDIBA activと他の温熱療法とを比較し、軟部組織の筋硬度および筋伸張性への即時効果の有効性を検証することを目的とした。【方法】 対象は、下肢に整形外科疾患のない健常成人男性10名とした。対象の年齢は24.8±1.9歳、身長は170.5±8.7cm、体重は59.8±1.7kgであった。INDIBA activおよびホットパック(Cat-berry、山一株式会社)を用いた2種類の方法と、コントロールを比較した。方法は、ベッド上にて10分間安静腹臥位となり、大腿長の遠位50%部位の大腿二頭筋の筋硬度の評価を軟部組織硬度計 (伊藤超短波株式会社、OE-220)を用いて行った。また大腿二頭筋の伸張性評価として膝関節伸展位における股関節最大屈曲位での他動的股関節屈曲角度(以下SLR)を測定し、その際の大腿二頭筋の伸張痛をVisual Analog Scale(以下VAS)を用いて評価した。評価後、それぞれの方法を20分間実施し、終了後、評価前と同様に3項目の評価を行い、実施前後での各評価項目および各評価項目の変化率の比較を行った。それぞれの方法について、INDIBA activでは始めの10分間はキャパシティブモードを使用し、その後10分間はレジスティブモードを行った。ホットパックでは20分間バンドを用いて大腿部に固定して行い、コントロールは20分間安静腹臥位をとった。実施時の室温および測定時刻を統一し、各施行の間隔は3日以上あけ、順序は無作為にて決定し、1日に1回のみ実施した。また対象には測定2日前より過度な運動は避けさせるようにし、測定時に大腿二頭筋に疲労感がないことを確認した。 統計学的分析にはそれぞれの方法の実施前後の各評価項目の比較に対応のあるt検定を、各評価項目の変化率の比較に一元配置分散分析を用い、危険率5%未満を有意とした。【倫理的配慮、説明と同意】 対象にはあらかじめ本研究の趣旨、および測定時のリスクを十分に説明したうえで同意を得た。本研究は、医療法人エム・エム会マッターホルンリハビリテーション病院倫理委員会の承認を得て行った(承認番号MRH120015)。【結果】 それぞれの方法の実施前後での各評価項目について、ホットパックおよびINDIBA activでは3項目全てにおいて実施前後で有意に改善がみられた(p<0.01)。コントロールでは筋硬度およびVASにて有意に変化がみられ(p<0.05)、SLRは変化がみられなかった。変化率について、筋硬度ではINDIBA activがホットパックおよびコントロールに比べて有意な低下がみられた(p<0.01)。またホットパックがコントロールと比較して有意に低下した(p<0.05)。SLRでも同様にINDIBA activがホットパックおよびコントロールに比べて有意な改善がみられ(p<0.01)、ホットパックがコントロールと比較して改善がみられた(p<0.01)。VASについて、INDIBA activがコントロールと比較して有意に改善がみられたが(p<0.01)、INDIBA activとホットパックおよびホットパックとコントロールでは差はみられなかった。【考察】 本研究では、2種類の方法による筋硬度および筋伸張性の即時効果の比較を行った。温熱療法によって軟部組織の温度が上昇すると粘弾性が低下し、軟部組織の伸張性が増加することから(鳥野、2012)、今回の結果より大腿二頭筋に対して十分な温熱刺激を与えることができたと考える。特にINDIBA activでは筋硬度およびSLRがホットパックとコントロールと比較し、有意に改善した。このことからINDIBA activ は2種類のモードを組み合わせて温熱刺激を加えることで、ホットパックと比較して筋硬度および筋伸張性が改善したことが考えられた。【理学療法学研究としての意義】 臨床で各種物理療法を行う際は、即時的な効果が期待できることが重要である。今回の研究よりINDIBA activが一般的に温熱療法として多用されているホットパックに比べ、筋硬度およびSLRを有意に改善させることが示されたことから、特に筋緊張の軽減やストレッチの前処置などに有用な手段の一つになると考える。
著者
金 銀珠
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.123-137, 2006-04-01 (Released:2017-07-28)

近代文法学における「形容詞」は,江戸時代以来の伝統的な形容詞論をスタートラインにおけば,その規定が最初は名詞修飾機能中心へと移行し,次は叙述機能中心へと移行しながら,成立したものである。このような二度の移行に関わっていたのが西洋語のAdjective解釈である。本稿は,近代文法学における「形容詞」「連体詞」概念がどのように成立したのかを,西洋文法におけるAdjectiveとの関連から考察した。近代文法学の「形容詞」概念がAdjectiveを名詞修飾だけに極度に限定していきながら成立し,その結果として,今日の学校文法における「連体詞」が登場する過程を示した。
著者
沢木 佳弘 成瀬 文和 上田 実 藤内 祝 水谷 英樹 金田 敏郎
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.557-566, 1990-07-10 (Released:2011-09-07)
参考文献数
26
被引用文献数
3

The purpose of this study is to investigate the features of maxillofacial bone fractures due to sports accidents, because few detailed cases in the literature could be found.Sixty patients hospitalized for treatment in the department of oral surgery, Nagoya University Hospital in the period 1967-1988, were analysed.The incidence of this group among all facial bone fractures was 14.7 %, and sex ratio ofonset was 14: 1 with male predominance. By age distribution, the highest occurence was in the 20-29 age group. The incidences of soft tissue traumas complicated with fractures and multiple fractures by sports accidents were less than by other causes.In conclusion it appears that sports-related maxillofacial fractures are less serious than the injuries due to other causes.For prevention of sports injuries it is necessary to investigate the individual factors of every fractures and the concept of “Sports Dentistry” must be established.