著者
篠永 正道 鈴木 伸一
雑誌
神経外傷 (ISSN:03895610)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.98-102, 2003-11-28
被引用文献数
8
著者
岡島 純子 谷 晋二 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.201-211, 2014-09-30

本研究では、通常学級に在籍し、仲間との関係がうまくもてない自閉症スペクトラム障害(ASD)児に対して社会的スキル訓練(SST)を実施し、般化効果、維持効果について検討した。その際、(1)機能的アセスメントの実施、(2)標的とされた社会的スキルに関する概念的理解を深めるために、ASDの特性に合わせた教示の実施、(3)標的とした社会的スキルを行動リハーサルする機会を十分に設定するために保護者とリハーサルをするためのホームワークを行った。機能的アセスメントから特定された標的スキルは、働きかけに反応するスキル、エントリースキル、主張性スキル、感情のコントロールスキル、問題解決スキルであり、10セッションからなる個別SSTが行われた。その結果、社会的スキル得点が向上し、放課後に友達と遊びに行く割合が増え、1ヵ月後も維持していた。
著者
小関 俊祐 巣山 晴菜 兼子 唯 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.35-44, 2014

Effects of interpersonal rejection sensitivity and automatic thoughts relating to social phobia, trait anxiety, and depression, in university students in a teacher education course were investigated to determine if these effects differed between pre- and post-practicum students. We administered questionnaires to first year students (<i>n</i>=84; 37 boys and 47 girls) with no practicum experience (no practicum group) and to fourth year students (<i>n</i>=82; 51 boys and 31 girls) with a practicum experience (practicum group). The results showed that in the no practicum group, "Dependence on Evaluation by Others" and "Negative Expectations for the Future" significantly affected interpersonal rejection sensitivity and automatic thoughts related to social phobia, whereas "Negative Expectation for the Future" had a significant effect on these variables in the practicum group. In addition, "Negative Thoughts about the Self" significantly affected trait anxiety. Furthermore, "Fear of Relationship Failure" and "Unassertive Interpersonal Behavior significantly affected the "Fear of Hurting Others" in the no practicum group, whereas there was a significant effect of "Fear of Criticism by Others" on these variables in the practicum group. In both groups, there was a significant effect of "Negative Expectation for the Future" on depression, whereas in the no practicum group, there was a significant effect of "Positive Automatic Thoughts" on depression.
著者
駒澤 敦子 鈴木 伸一 久保 義郎 丸石 正治
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.20-29, 2008-03-31 (Released:2009-04-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

本研究の目的は,社会的行動障害が生活の中でどのような情緒・行動面の問題として現れているかを明らかにする「社会適応障害調査票」を作成し,信頼性と妥当性を検討することであった。外傷性脳損傷者451 名を対象に,その家族に回答を求めた。因子分析および確認的因子分析の結果,本調査票は,自己中心性・感情のコントロール低下,自立性の低下,意思疎通の困難さ,記憶力の低下,抑うつ,状況把握の困難さの6 因子,36 項目からなることが明らかにされた。信頼性はCronbach のα係数によって,妥当性は内容的妥当性,FIM ・FAM との相関によって検討した。その結果,高い信頼性と妥当性を有することが示された。
著者
鈴木 伸一 熊野 宏昭 坂野 雄二
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.38, no.8, pp.597-605, 1998-12-01
被引用文献数
2

本研究の目的は, ストレス対処過程のeffort-distress次元における心理・生理的反応を検討することであった.被験者は男子大学生22名であり, 実験群と統制群に振り分けられ, effort条件とdistress条件の実験に参加した.測定指標は心拍数, 収縮期血圧, 拡散期血圧, 皮膚電気伝導水準, 末梢皮膚温, effort-distress得点, 心理的反応, であった.分散分析と回帰分析の結果, effort状態では心臓血管系の反応が顕著であり, 拡散期血圧がeffort状態の変化に対応して変化すること, distress状態では抑うつ・不安反応が顕著であり, 皮膚電気伝導水準がdistress状態の変化に対応して変化することが明らかにされた.本研究の結果は, ストレス状況における認知・行動的状態とストレス諸反応との対応関係を明らかにするものであると考察された.
著者
巣山 晴菜 横山 知加 小松 智賀 野口 恭子 兼子 唯 鈴木 伸一 貝谷 久宣
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 = Japanese journal of behavior therapy (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.87-97, 2013-05-31
参考文献数
19

本研究の目的は、「不安うつ病尺度(Anxious Depression Scale; ADS)」の開発であった。不安障害にうつ病を併発した患者114名、うつ病を併発していない不安障害患者153名、大うつ病患者80名、大学生97名を対象に質問紙調査を行った。ADSは「行動・情動症状」、「身体症状」、「攻撃的情動(動的情動)」、「非攻撃的情動(静的情動)」の4因子で構成され、内的整合性は高かった(α=0.72〜0.92)。また、ADSは他の対象者と比較して不安うつ病患者において有意に高得点であり、うつ症状評価尺度と中程度の正の相関関係にあった。以上の結果から、ADSは高い信頼性と妥当性を有することが明らかにされた。
著者
鈴木 豪 志賀 剛 木原 貴代子 大熊 あとよ 西山 寿子 小林 清香 鈴木 伸一 西村 勝治 石郷岡 純 萩原 誠久
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.381-381, 2011-10-25

第6回東京女子医科大学メンタルヘルス研究会 平成23年6月23日 東京女子医科大学総合外来センター5F 大会議室
著者
バイアライン オリファ 里村 和秋 鈴木 伸一
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

私たちは、e-LearningソフトのMoodleをベースにして、初心者レベルにある日本の学生のために、「外国語としてのドイツ語」の独習コースをどの程度まで発展させることが可能なのかを調べました。私たちは、試験や観察を通して、特に次のことを見いだしました。つまり学生は、条件つきで独習コースを受講するということです。すなわち、学生にとって、自己学習は、教育的な器具としてのコンピュータとの接触に、あまり慣れていないということです。私たちの研究のもう一つの主要なポイントは、自学自習に適しているフィードバックの方法がどのようなものであるのかという研究でした。これに関して私たちは、仮定に反して、詳細なフィードバックは必ずしも必要ではなく、いくつかの練習形式では学生を混乱さえさせることがわかりました。さらに私たちは、Moodleをベースに会話練習する場合、どのような可能性があるのか研究しました。
著者
鈴木 伸一
出版者
岡山県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2001

1.研究の目的視覚障害者の道路横断に生じる心身のストレス状態を明らかにするとともに,各種ストレスが歩行にどのような影響を及ぼすかを検討することを目的とした.2.対象全盲の視覚障害者6名.被験者の単独歩行歴は20年〜35年であった.3.手続き市街地域の音響式誘導設備が設置された横断歩道(道幅11.6m)を利用し,単独歩行時の生理的反応(心拍率,皮膚電気反射:トーヨーフィジカル社製),心理的反応(POMS不安・緊張尺度),騒音音圧(Rion社製騒音計),横断軌跡,方向見失い(内観)を測定した.各被験者の試行回数は11〜16回であり,総データ数は85であった.4.結果と考察各指標の変化を検討した結果,心拍,皮膚電気反射ともに騒音音圧が上昇する時期と同期して上昇するが,覚醒のピークは皮膚電気反射の方が早い傾向にあった.この結果は昨年度の結果を支持するものであった.また,歩行軌跡のパターンをクラスター分析によって検討すると,歩行軌跡は「離脱無し」,「離脱後復帰」,「離脱」,「後半離脱」の4パターンに分類可能であった.各群における各指標の差異を検討した結果,横断初期(0秒〜5秒)の騒音音圧に顕著な違いが認められ,離脱群の初期騒音は離脱無し群に比べて顕著に高かった.そこで,横断初期の騒音音圧のデータを基準として騒音高群(70db以上)と騒音低群(65db以下)を構成し,ストレス反応の差異を検討した.その結果,騒音高群における横断開始後7〜8秒後の皮膚電気反射は騒音低群にくらべて顕著に高く,横断開始後14〜15秒後の心拍率は騒音低群に比べて顕著に低いことが明らかにされた.これらの結果は,昨年度の研究において示唆された知見を支持していた.以上本研究の結果をまとめると,(1)横断歩道離脱度の高い試行は,初期騒音が高い,横断前半の皮膚電気反射が高い,横断後半の心拍率が低いという特徴がある,(2)横断中の皮膚電気反射の変化は騒音音圧の変化と類似したパターンを示す,(3)横断後半の心拍率は,離脱度の高い試行ほど低い,(4)皮膚電気活動は情緒的反応成分を反映し,心拍率は方向定位に伴う認知的反応成分を反映している,と言うことができる.これらのことから視覚障害者の単独歩行による横断歩道離脱に及ぼすストレスの影響性を考察すると,視覚障害者が横断初期に高い騒音を経験することによって情緒的なストレス反応が高まり,それによって方向定位に関連する認知的活動が妨害され,離脱が生じると考えることができる.
著者
軽部 義久 井元 清隆 鈴木 伸一 内田 敬二 伊達 康一郎 郷田 素彦 初音 俊樹 南 智行 橋山 直樹 坂本 哲
出版者
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
雑誌
日本血管外科学会雑誌 (ISSN:09186778)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.645-651, 2007-08-25 (Released:2007-08-28)
参考文献数
16
被引用文献数
1 3

感染性大動脈瘤はきわめて重篤な疾患であり, 診断, 治療等問題点が多い. われわれの経験例について検討した. 対象は2000年 1 月から2005年12月に当院で経験した 7 例の感染性大動脈瘤. 年齢は59~76歳, 男性 5 例, 女性 2 例. 病変大動脈は胸部(TAA)3 例, 胸腹部(TAAA)2 例, 腹部(AAA)2 例で, 仮性瘤形成を含む破裂例は 4 例であった. 細菌培養では術前血液から 1 例にKlebsiella pneumoniaを, 術前心嚢水から 1 例にStaphylococcus aureusを, 術中検体からStaphylococcus aureus, Staphylococcus capitisを 1 例ずつ, 術後血液から 1 例にSalmonellaを検出した. 前述の術後診断 1 例を除き術前より抗生剤投与を開始した. 手術は入院11.7 ± 8.2(0~21)日で施行した. TAA 2 例に自己動脈パッチによる大動脈形成術, 1 例に瘤切除・人工血管置換 + 大網充填術, TAAA 2 例に対して瘤切除・大伏在静脈グラフトによる腹部分枝再建・腋窩-大腿動脈間バイパス術, AAAには 1 例に瘤切除・人工血管置換, 腹部大動脈閉塞をきたした 1 例に腋窩-大腿動脈間バイパス術を施行した. 術後に白血球数やCRPが正常化した後も抗生剤を長期投与した. 合併症はTAAA症例 1 例に肺炎, 下行結腸穿孔を認めた. 在院死亡はTAAA症例で術後脊髄麻痺, 肝膿瘍, 敗血症を合併した 1 例のみであった. 自己組織による大動脈再建, 大網充填法等部位や形態に応じた術式選択と術前後の十分な抗生剤投与という基本戦略で感染性大動脈瘤治療を行い, 7 例中 6 例を救命した.