著者
小窪 浩明 匂坂 芳典 鈴木 紀子 岡田 美智男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.96, no.93, pp.81-88, 1996-06-14
被引用文献数
1

自然な発話における多様な挙動をとらえるために,有機的な振る舞いに基づいたパージングアーキテクチャ,Situated Parserを提案Lた.このSituated Parserは,局所的な制約間での協調/競合作用の中から有機的に創発される秩序によって,次にとる動作が動的に決定されるという特徴をもつ.したがって,従来のパーザのように言語の多様性に合わせた手続き的な記述を必要とせず,より柔軟なパージングを行うことが可能となる.本稿では,このSituated Parserの動作メカニズムを説明するとともに,この特徴として,局所的な制約に基づく有機的な振る舞いと多重ゴールについて述べる.また,実験による動作例を検証し,局所的な制約による自律的な振る舞いによって,複数の仮説の中からいちばん尤もらしい仮説が優先的に生成され,手続き的な制御なしにパージングが行われることを示す.
著者
亀田 純 木村 学 O. A. MELINIKOV 早坂 康隆 橋本 善孝 坂島 隆彦 新井 孝志 芳野 極 鈴木 紀毅
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.109, no.2, pp.235-248, 2000-04-25 (Released:2010-11-18)
参考文献数
21
被引用文献数
4 8

The region from Sakhalin in Russia to the eastern margin of the Japan Sea has been regarded as a convergent plate boundary zone between the Eurasia and the North America Plates because large earthquakes and active crustal movements are prominent in this zone. These activities along the eastern margin of the Japan Sea to southern Sakhalin are almost consistent with the expected relative plate motion deduced from the Euler pole which is estimated from the magnetic anomaly lineations in the Atlantic Ocean, but the modern tectonic aspect in northern Sakhalin is inconsistent; e.g., 1995 Neftegorsk Earthquake is one of the typical events.As a result of a structural and tectonic study in northern Sakhalin, the NE-SW compressive tectonic feature since the Late Miocene was clarified. In the northernmost area of the Schmidt Peninsula, the early Cretaceous ophiolite thrusts upon the Late Cretaceous sedimentary rocks. The ophiolite has an overturned sequence: serpentinites, gabbros, basaltic rocks, and hemipelagic sediments in descending order. The Cretaceous sediments form a map-scale and NW vergent synclinorium. All the deformation structures in outcrop scale, such as micro-folds, minor reverse and normal faults, axial plane cleavages and bedding slips, are consistent with a large scale folding. These structural relationships suggest only one event of deformation, which appears to be linked to overthrusting of the ophiolitic rocks.A structural investigation of the southeastern part of the Schmidt Peninsula revealed that the Middle Miocene sediments composed of siltstone and sandstone are folded with wavelength of several tens to several hundred meters. Their fold axes trend in the NW direction, which indicates that deformation under the NE compression is the same as the deformation in the northernmost area. The thickness of sedimentary layers are constant everywhere in folding. This fact indicates that the timing of the deformation is after sedimentation, that is, after the Middle Miocene. This deformation event is consistent with modern activity in northern Sakhalin. Therefore, the modern tectonic framework might have started in the Late Miocene time.A plate tectonic model indicates that the modern relative motion between the Eurasia and the North America Plate started at about 11 m. y. ago. The Late Miocene onset of the modern tectonic framework in northern Sakhalin occurred at almost the same time. The most reliable model to explain the discrepancy of sense of movement from the Eurasia-North America retative motion, may be the “extrusion” of the Okhotsk Block toward the Pacific Ocean. The dextral extrusion boundary in northern Sakhalin may be traced along theeastern coast of Sakhalin to the northern edge of the Kuril Basin, where active seismicityhas been observed although a detailed study of focal mechanisms and other tectonic aspects is needed in the future.
著者
鈴木 紀子
出版者
錦正社
雑誌
軍事史学 (ISSN:03868877)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.111-126, 2010-09
著者
鈴木 紀子
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.277-280, 1978

The biological economy in the nymph of Locusta migratoria when it feeds on the leaves of the grass Bromus unioloides was studied with special reference to dry matter and phosphorus at a constant temperature of 25℃. The phosphorus contents of the food plant, nymphal body, feces and the exuviae were 0.35%, 0.93%, 0.22% and 0.03%, respectively. The conversion efficiency for dry matter from the plant to the insect body was 16%, while that for phosphorus was 52% ; the latter being thus about three times as much as the former.
著者
宇田川 拓雄 辰己 佳寿子 浜本 篤史 鈴木 紀 佐藤 寛 佐野 麻由子 黒川 清登 RAMPISELA Dorothea Agnes 鯉沼 葉子 島田 めぐみ 片山 浩樹 斎藤 文彦 佐藤 裕 KIM Tae Eun KIM So-young 多田 知幸 MULYO Sumedi Andorono 中嶋 浩介 RUSNADI Padjung YULASWATI Vivi
出版者
北海道教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

開発援助では様々な社会調査が実施され評価に利用されている。参加型調査、民族誌作成、フォーカスグループディスカッションなど標準的な調査法以外の手法も使われている。JICAの評価システムは構造上、広汎な長期的インパクトの把握が難しい。また、質の高い調査データが必ずしも得られていないため、評価団がポジティブな現状追認型評価を行なった例も見られた。調査の倫理をしっかりと踏まえた評価調査法の開発と普及が望まれる。
著者
鈴木 紀明 三宅 正武 西尾 昌治 下村 勝孝 石毛 和弘
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究では互いに関連する3つの課題を取り扱った.(1)熱方程式の平均値の性質,(2)放物型ベルグマン空間の構造,(3)熱方程式の多項式解,である.(1)熱方程式の平均値の性質については,有界な密度関数の存在,ディリクレ正則性との関連などについて考察した.それらの結果はN.A.Watsonとの共著でColloq.Math.98(2003),87-98に発表した.(2)上半空間上の放物型作用素に関するベルグマン空間を定義し,Huygens property,基本解の評価,双対空間の特徴付け,再生核の具体的表示などの基本的結果をまとめた(Osaka Mathematical Journal,42(2005),106-133).また,空間次元が2以上という技術的な条件を調和測度の回転普遍性に注目して取り除くことに成功し,帯状領域におけるベルグマン核の評価を行った.それらの結果は2004年8月に島根大学で開かれたIWPT in Matueで講演発表するとともに,2006年に発行予定のASPMに寄稿した.最終年度は放物型ベルグマン空間におけるGleason問題およびCarleson測度とToeplitz作用素の有界性などについての結果を整理した.(3)熱方程式の境界値問題では多項式の解が常に存在する領域についての考察を進めた.2次元で境界が多項式によって定められている場合に,その多項式の次数が3以下の場合を解決し,次数が4以上の場合に,エルミート多項式の零点の分布との関係を調べた.この結果は2005年8月の第2回International Conference of Applied Mathematics (Plovdiv, Bulgaria)で講演発表し,講義録として出版もした.
著者
西尾 昌治 小松 孝 佐官 謙一 正岡 弘照 鈴木 紀明 下村 勝孝 竹内 敦司 山田 雅博 佐官 謙一 正岡 弘照 鈴木 紀明 下村 勝孝 竹内 敦司
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

熱方程式などの放物型方程式に対し,その解空間の構造および,底空間の幾何学的状況などとの関係を解の積分表示などポテンシャル論的手法を用いた詳細な解析を行った.方程式としては,ラプラシアンの分数ベキを含んだ微分積分方程式などを取り扱い,放物型ベルグマン空間の研究では,時間変数に関する分数ベキ微分を用いる新しい手法によって,トエプリッツ作用素や調和双対に関する結果が得られた.
著者
鈴木 紀明 西尾 昌治 下村 勝孝 山田 雅博 西尾 昌治 下村 勝孝 山田 雅博
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

Laplace作用素と熱作用素を統一的に取り扱う目的で,上半空間に放物型作用素を導入し,その作用素が作るBergman空間を定義した.この空間に作用する様々な線形作用素を解析し,特に,Carleson埋め込みとToeplitz作用素の有界性とコンパクト性を示した.
著者
永広 昌之 鈴木 紀毅 山北 聡
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

北部北上帯は,タウハ帯や渡島帯と南部秩父帯をリンクする重要な位置にある.本研究では,葛巻地域から安家地域にいたる北部北上帯の北部地域の東西地殻断面を作成し,この地域の付加体の構造層序と付加年代を明らかにするために,詳細な野外調査と化石層序学的検討を行った.その結果,葛巻地域に後期石炭紀の海山玄武岩-石灰岩複合体由来の異地性岩体があること,安家地域の大鳥層が後期石炭紀チャートを含むことを明らかにし,北部北上帯付加体を構成する海洋地殻の年代が後期石炭紀に遡ることを確認した.また,大鳥層中に,東北日本では初めて,深海域ペルム紀-三畳紀境界に見られる黒色有機質泥岩層を発見し,初期三畳紀を示すコノドントHindeodus parvusの初産出層準直下の黒色炭質泥岩最下部で炭素同位体組成の急激なマイナスシフトを認めた.付加年代に関しては,大鳥層のそれが中期ジュラ紀Bajocian後期〜Bathonianであること,高屋敷層のそれが後期ジュラ紀Oxfordianであることを明らかにし,安家地域の付加体の地質構造が整然相を主体とするユニットの大規模褶曲構造で特徴づけられ,構造的下位が大局的には若い付加年代を示すことを確認した.これらのデータにもとづき,異地性岩体の年代構成にもとづく,北部北上帯の葛巻-釜石亜帯(西側)と安家-田野畑亜帯(東側)への細区分が北海道渡島帯にも延長できること,岩相や海洋プレート層序の類似から,大鳥層を中心とする安家地域西部の付加体が西南日本の柏木ユニットや大平山ユニットに対比されることを推論した.
著者
馬田 一郎 鈴木 紀子 鳥山 朋二
出版者
独立行政法人情報通信研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

共同作業における作業ミス予測のため、視線検出装置・モーションキャプチャー装置などのセンサによるデータと発話データを用いてミスコミュニケーションが起こりやすい状態を推定することを目標とした。分析の結果、ミス予測については、各作業者が並列で作業を行う状態が続いている状態で共同注視の発生頻度が低い場合、ミスコミュニケーションの発生頻度が高くなる可能性が示唆されたが、共同注視が起こらない場合には必ずミス発生につながるという訳ではないことが観察された。この結果から、現状ではミスを起こしやすい作業チームを共同注視推測データから分類する可能性は有望であるものの、このデータを作業現場でのリアルタイムのミス予防にそのまま応用することは困難であることが示された。