著者
坂本 義光 多田 幸恵 福森 信隆 田山 邦昭 安藤 弘 高橋 博 久保 喜一 長澤 明道 矢野 範男 湯澤 勝廣 小縣 昭夫
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.272-282, 2008-08-30 (Released:2008-09-11)
参考文献数
27
被引用文献数
12 18

除草剤グリホサート耐性の性質を有する遺伝子組換え大豆(GM大豆)の安全性を確かめる目的で,ラットを用い,GM大豆および非遺伝子組換え大豆(Non-GM大豆)を30%の割合で添加した飼料による104週間摂取試験を行った.また大豆に特異的な作用を観察する目的で,一般飼料(CE-2)を大豆と同様の期間摂取させた.GMおよびNon-GM大豆群とCE-2群間には,検査項目の一部に差が見られたが,GM大豆群の体重,摂餌量,血液学的および血清生化学検査結果,臓器重量には,いずれもNon-GM大豆群と比べて顕著な差は認められなかった.組織学的にもGM大豆に特徴的な非腫瘍性病変や腫瘍性病変の発現や自然発生病変の発現率の増加は認められなかった.GM大豆の性状はNon-GM大豆と顕著な差はなく,飼料に30%まで添加し,104週間摂取させても障害作用はないものと考えられた.
著者
坂本 義光 多田 幸恵 福森 信隆 田山 邦昭 安藤 弘 高橋 博 久保 喜一 長澤 明道 矢野 範男 湯澤 勝廣 小縣 昭夫 上村 尚
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.41-50, 2007-06-25 (Released:2008-04-28)
参考文献数
13
被引用文献数
14 13

除草剤グリホサート耐性の性質を有する遺伝子組換え大豆(GM大豆)の安全性を確かめる目的で,ラットを用い,GM大豆および非遺伝子組換え大豆(Non-GM大豆)を30%の割合で添加した飼料による52週間摂取試験を行った.また大豆に特異的な作用を観察する目的で,一般飼料(CE-2)を大豆と同様の期間摂取させた.GM大豆群の投与期間中の体重,摂餌量はNon-GM群と比べて差はなかった.投与開始後26週目と終了時のGM大豆群の血液学的および血清生化学検査,臓器重量測定および組織学的検査結果は,いずれもNon-GM大豆群と比べて有意な差は認められなかった.GM大豆の性状はNon-GM大豆と同等であり,飼料に30%まで添加し,52週間摂取させても障害作用はないものと考えられた.
著者
千葉 隆司 貞升 健志 長島 真美 熊谷 遼太 河上 麻美代 浅倉 弘幸 内田 悠太 加來 英美子 糟谷 文 北村 有里恵 小杉 知宏 鈴木 愛 永野 美由紀 長谷川 道弥 林 真輝 林 志直 原田 幸子 藤原 卓士 森 功次 矢尾板 優 山崎 貴子 有吉 司 安中 めぐみ 内谷 友美 神門 幸大 小林 甲斐 長谷川 乃映瑠 水戸部 森歌 三宅 啓文 横山 敬子 吉田 勲 浅山 睦子 井田 美樹 上原 さとみ 小野 明日香 河村 真保 小西 典子 小林 真紀子 齊木 大 下島 優香子 鈴木 淳 西野 由香里 村上 昴 森田 加奈 吉丸 祥平 木本 佳那 新藤 哲也 堀田 彩乃 小林 千種 大塚 健治 吉川 聡一 笹本 剛生 稲葉 涼太 小峯 宏之 佐伯 祐樹 坂本 美穂 塩田 寛子 鈴木 淳子 鈴木 俊也 高久 靖弘 寺岡 大輔 中村 絢 成瀬 敦子 西山 麗 吉田 正雄 茂木 友里 飯田 春香 伊賀 千紘 大久保 智子 木下 輝昭 小杉 有希 斎藤 育江 高橋 久美子 立石 恭也 田中 優 田部井 由紀子 角田 徳子 三関 詞久 渡邊 喜美代 生嶋 清美 雑賀 絢 鈴木 仁 田中 豊人 長澤 明道 中村 麻里 平松 恭子 北條 幹 守安 貴子 石川 貴敏 石川 智子 江田 稔 岡田 麻友 草深 明子 篠原 由起子 新開 敬行 宗村 佳子 中坪 直樹 浜島 知子 野口 俊久 新井 英人 後藤 克己 吉原 俊文 廣瀬 豊 吉村 和久
出版者
東京都健康安全研究センター
雑誌
東京都健康安全研究センター研究年報 (ISSN:13489046)
巻号頁・発行日
no.71, pp.39-46, 2020
著者
福森 信隆 安藤 弘 久保 喜一 湯澤 勝廣 長澤 明道 高橋 博 矢野 範男 不破 達 大橋 則雄 小縣 昭夫
出版者
特定非営利活動法人 化学生物総合管理学会
雑誌
化学生物総合管理 (ISSN:13499041)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.58-65, 2010 (Released:2010-05-28)
参考文献数
9

東京都によるいわゆる脱法ドラッグ条例の制定と国による追随の結果、未規制薬物市場においては化学系違法ドラッグが減少する代わりに、植物系ドラッグが増加している。今回、リゼルグ酸アルカロイドの含有が疑われる市販品のハワイアンウッドローズ種子からの抽出液をマウスに経口投与して、行動及び神経症状に対する影響について我々が開発したスクリーニング試験法を用いて調べた。高用量群で、首振り運動や鎮静作用、音に対する外界反応の亢進、痛反応及び払いのけ反射の増強等がみられた。これらの変化には、脳内セロトニンの消長が関与するものと示唆された。
著者
田山 邦昭 藤谷 知子 坂本 義光 安藤 弘 久保 喜一 高橋 博 長澤 明道 矢野 範男 湯澤 勝廣 大橋 則雄 中江 大 小縣 昭夫
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第36回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.4034, 2009 (Released:2009-07-17)

【目的】蔓延する違法(脱法)ドラッグについて、行動・中枢神経系以外への影響はあまり調べられていない.今回、違法ドラッグの雄性生殖器系への障害性をみるためにスクリーニング的に施行した投与試験において、薬事法指定薬物となったtryptamine系薬剤が、精巣・精子への障害性を認めたので報告する. 【方法】薬物:5-methoxy-N,N-dimethyltryptamine(5MeO-DMT). 投与法:薬物はプロピレングリコールに溶解し、0(対照), 100, 250 mg/kg/day投与量で11週齢の雄性マウス(Crlj:CD-1)5匹に5日間連続経口投与後、1, 5週目で剖検し、生殖器系の臓器重量計測後, 機器による精子ハ゜ラメータ検査をし、さらに固定標本の組織学的検討を行った.機器:精子数計測および形態異常検出(粒度分布曲線係数MODALの比較)にはCDA-500を、運動性計測にはSQA-IICを用いた.測定法:既報(Repro Toxicol, 2006)により行った. 【結果・考察】臓器重量:1, 5週共に、いずれの用量も対照群と差はなかったが、精巣・精巣上体などで低下傾向がみられた.精子ハ゜ラメータ:精子数・運動性は、1週目の250 mg/kg群では、有意に低下し、形態異常マーカーのMODALは低下傾向を示した.5週目では両用量共に精子数・MODALで低下傾向を示した.組織学的観察:1週目の250 mg/kg群で、精巣では精上皮の変性・壊死、精巣上体では、管腔内の精子数が減少し、細胞残屑が認められ、体部で管腔が拡張していた.5週目ではこれらの変化の回復がみられた.以上より、5Meo-DMTは、精巣・精子障害性を有することが明らかとなり、本薬物連用の危険性が示された.現在、投与量を4用量設定し再度実験を実施しており、この結果と合わせて報告する.
著者
猪又 明子 小縣 昭夫 多田 幸恵 長澤 明道 湯澤 勝廣 安藤 弘 久保 喜一 高橋 博 海鉾 藤文 田中 和良 中嶋 順一 鈴木 淳子 植村 望美 守安 貴子 渡辺 大介 石原 恵 宇佐美 孝 亀井 学 河野 安昭
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.137, no.8, pp.1005-1015, 2017-08-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

We developed a new inhalation exposure method to evaluate effects of synthetic cannabimimetics that are being distributed as new, unregulated drugs in the Tokyo area. We selected the commercial product “SOUTOU” containing AB-CHMINACA and 5F-AMB as the test drug and dried marshmallow (Althaea officinalis) leaves as the negative control. A half cigarette packed with dried marshmallow leaves or SOUTOU was ignited, then mainstream smoke from each was delivered to five mice in an exposure box. After the cigarettes were fully consumed, neurobehavioral observations and a catalepsy test were performed at 15, 30 and 60 min after exposure. The effluent air from the exposure box was poured into impingers containing acetonitrile (first impinger) and dimethyl sulfoxide (second impinger). The resulting solutions were analyzed to assess decomposition of the synthetic cannabimimetics. Mice exposed to SOUTOU smoke showed many excitement behaviors and some suppressive behaviors at 15, 30 and 60 min. These clearly included cannabimimetic specific pharmacological actions. Negative control mice also showed some suppressive behaviors at 15 min but these were attenuated at later times, nearly disappearing at 60 min. In addition, the behavioral effects observed in controls were less pronounced than those in SOUTOU exposed mice. The inhalation exposure method developed in our study would be effective for determining cannabinoid specific pharmacological effects of illegal drugs, as well as for assessing the presence of active compound(s) by comparing the test substance with a negative control.
著者
長澤明範
雑誌
BMTh
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.247-249, 1995
被引用文献数
2
著者
福森 信隆 小縣 昭夫 安藤 弘 久保 喜一 湯澤 勝廣 長澤 明道 高橋 博 矢野 範男 不破 達 大橋 則雄
出版者
特定非営利活動法人 化学生物総合管理学会
雑誌
化学生物総合管理
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.58-65, 2010

東京都によるいわゆる脱法ドラッグ条例の制定と国による追随の結果、未規制薬物市場においては化学系違法ドラッグが減少する代わりに、植物系ドラッグが増加している。今回、リゼルグ酸アルカロイドの含有が疑われる市販品のハワイアンウッドローズ種子からの抽出液をマウスに経口投与して、行動及び神経症状に対する影響について我々が開発したスクリーニング試験法を用いて調べた。高用量群で、首振り運動や鎮静作用、音に対する外界反応の亢進、痛反応及び払いのけ反射の増強等がみられた。これらの変化には、脳内セロトニンの消長が関与するものと示唆された。
著者
長澤明範
雑誌
BMTh
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.85-87, 1985
被引用文献数
1
著者
山田 多津人 長澤 明 西野 朝生
出版者
公益社団法人 日本航海学会
雑誌
日本航海学会論文集 (ISSN:03887405)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.77-83, 2000
被引用文献数
2

A large number of studies have been made on the evasive area which a navigator would like to keep free with respect to other ships as defined by Ms. Goodwin. Only few studies, however, have so far been made on the evasive area for crossing situation. In this paper authors examined the evasive area for crossing on passage routes. According to studies until now, the distribution of ship's tracks was a normal distribution and its σ could be expressed by a regression equation of width of these paths and marine traffic capacity. Furthermore, the boundary of the evasive area was an ellipse around a certain ship. As to the distribution character of the relative positions between vessels that proceed in the crossing traffic lanes, we assume the following : (a) When two vessels are independent each other, the density distribution of the relative positions between these vessels is the uniform distribution. (b) When two vessels have the relations of the give-way vessel and the stand-on vessel, the density distribution of the relative positions between these vessels is the distribution with two peaks on the boundary of the evasive area. From both of the above theoretical considerations for the distribution character and the radar observations in the KURUSHIMA Strait, it was confirmed that the density distribution of the relative positions of the give-way vessels changed from the distribution with two peaks to the uniform distribution. Furthermore, it became clear that the give-way vessels passed through the neighborhood of the stern of the stand-on vessels.
著者
長澤 明範 加藤 一一
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 開発工学部 (ISSN:09177612)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.165-176, 1994-03-30
被引用文献数
3

赤外線サーモグラフィは体表温度分布の受動的検査法で,その医学的意義,安全性から見て極めて理想的な臨床検査法である。医用サーモグラフィでもっとも重要なことは,身体各部の温度分布を正確に比較することである。しかし,従来の面走査方式のサーモカメラではカメラに面した身体の1側面を平面視した熱画像しか撮影されないため,種々の問題があった。とくに臨床応用においては異なる対象面毎に複数の撮影を余儀なくされていた。そこで著者らは身体各面の熱画像を1回の操作で撮影することのできる新たな展開サーモグラフィ法を3種考案した。(1)3面サーモグラフィ(TAT):側面用の赤外反射鏡を用いて身体3側面の熱画像を同時に撮影する方法。(2)多面サーモグラフィ(MAT):身体を回転しながら高速サーモカメラで体表のリアルタイムサーモグラムを撮影,記録し,1回転後任意の対象面の熱画像をマルチ表示するほか,身体全周域の熱分布を回転面の実時間サーモグラム上で観察することのできる方法。(3)パノラミックサーモグラフィ(PT):身体を中心軸の回りに回転しながら,回転軸上の体表面をサーモカメラで線走査して,体表全域までの連続的な熱画像を撮影する方法。展開サーモグラフィ法は次のような利点がある。(1)身体各面の温度分布を同時に記録,観察,分析することができる。(2)身体全域の温度分布を連続的に記録,観察することができ,異常部の検出エラーがない(PT,MAT)。(3)PT法では面走査法に見られる測定対象の周辺部における温度低下の現象を伴なわず,すべての範囲で正確な測定値が得られるため,誤診の危険性がない。(4)PT法では像拡大に伴なって分解能が向上し,精査に利用できる。(5)本法は操作が簡単で,規格的検査ができる。以上のように,本法は従来のサーモグラフィ法の欠点を改善した画期的な技術で,診断学上(とくに癌の診断などに)大きな成果が期待される。