著者
神間 唯 丸谷 宜史 梶田 将司 間瀬 健二
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2011-HCI-142, no.26, pp.1-7, 2011-03-10

毎日衣服を着ることは必須であるが,ファッションに関して興味がない人やコーディネートに関して悩みのある人がいる.そこで良いコーディネートを推薦することでコーディネートに関する 「気づき」 を促して,悩みを解決し積極性を持たせることが必要だと考えられる.本研究ではファッションにあまり積極的ではない人たちにコーディネートを推薦し,気づきを促すシステムを提案する.コーディネートを決める基準として,ファッションを記述する感性語として定義されているイメージキーワードを用いた.イメージキーワードと気づきの関係を調べるための実験を行い,イメージキーワードがコーディネート推薦に有用であることを示した.
著者
丹羽 宏介 間瀬 健二 東海 彰吾 川本 哲也 藤井 俊彰 梶田 将司 平野 靖
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.3C41, 2010

<p>ものづくり技術の過程の訓練映像や、スポーツ映像において、多視点映像技術は有力視されているが、視聴者は 自由な視点から興味深い映像を探す事が困難である。本稿では、多視点視聴が可能なツール(Peg-Scope Viewer)上での利用者の視聴ログから、重要映像を抽出する手法を提案し、抽出した重要映像を繋いでビデオを作成した。それを、他の方法で抽出したビデオと比較し、評価する方法を検討する。</p>
著者
森田 純哉 平山 高嗣 間瀬 健二 山田 和範
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:21888698)
巻号頁・発行日
vol.2015-UBI-47, no.16, pp.1-6, 2015-07-20

これまで発表者らは,パーソナルデータを用いた自伝的記憶のモデル構築,およびそれを組み入れた写真スライドショーアプリの開発に取り組んできた.本発表では,アプリの背景にあるモデルベース回想法のコンセプトを議論する.モデルベース回想法は,(1) 認知アーキテクチャによるユーザモデリング,(2) ユーザフィードバックによるモデル学習,(3) モデルによるユーザの働きかけを要素とする.個人化された認知モデルによって,ユーザに写真が提示され,ユーザからのフィードバックによってモデルがチューニングされる.その結果として,人間とモデルの同調,あるいはモデルによる人間の連想の引き込みが生じる.こういったモデルベース回想法の方法論を完成させることで,ユーザの記憶想起をポジティブな方向へ導き,建設的な未来展望へつなげるシステムが構築されると考えている.
著者
伊藤 禎宣 角 康之 間瀬 健二 國藤 進
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.301-312, 2002-05-01
被引用文献数
2

SmartCourier is a Web-based system for browsing electronic documents shared in a group of people. It allows users to annotate on the documents with a pen interface, and share the annotations among the users having similar interests on the documents. Also, the system recommends a user unread documents inferred interesting to the user by using a collaborative filtering method. We prototyped two versions of SmartCourier. The first version used a method to matchmake users according to agreement of annotated area on the same documents without any semantic processing of the annotations and the base documents. The second version employed a method to extract keywords from the annotated area of the base documents and find other related documents sharing the keywords. The experimented evaluation shows the second version of SmartCourier was accepted by the users as more efficient system for facilitating knowledge interaction among them.
著者
小関 悠 角 康之 西田 豊明 間瀬 健二
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.3_41-3_50, 2007 (Released:2007-09-30)

本稿では研究発表会や博物館見学といったイベント空間において取得可能な体験データを,ユーザーが閲覧・編集するためのシステムを提案・実装する.種々のカメラやセンサー機器の発達により大量の取得が可能となった体験データを,ユーザーの扱いやすい形にすることで,その編集や共有を促すことが狙いである.システムは大きく二つの部分に分けられる.一つは体験データを自動的に要約してユーザーに提示するシステムであり,特にセンサー情報を用いることで映像データを「ぱらぱらアニメ」,すなわち,シーンを表現する複数枚の特徴的なスナップショットのセットへと変換する手法について述べる.もう一つは要約された体験データの鑑賞・編集システムであり,こちらでは「ぱらぱらアニメ」の特性を生かし漫画的なレイアウトを組むことで体験データを好みの観点で観賞・編集が出来ることを中心に述べる.本システムは体験データの閲覧や編集へのアクセシビリティを高めるため,Webアプリケーションとして実装した.
著者
前田 篤彦 杉山 公造 間瀬 健二
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.111, pp.41-48, 2002-11-23

玩具が持つ豊かな世界をインタフェースに応用するための系統的なアプローチの一環として、ライツアウト、ルービック、クロックなどの"巡回パズル"を一般的に表す抽象モデルを作成し、新しい表現メディアを試作した。このジェネレータにより巡回パズルの多くのバリエーションを生成することを通して、メディア変換の得失についての知見をまとめた。また、置換パズルと巡回パズルへの適応結果に関し、全体的考察を行う。As a systematic approach to utilize toy worlds for human interfaces, "cyclic pullzes" such as Lights-out, Rubik's clock are expressed as an abstract model. Then, new media called graph media and sound media is devised for converting the puzzles on the media and a cyclic pullzes generator is developed. Merits and demerits in introducing the new medial obtained through generating variation of the pullzes are summarized.
著者
米澤 朋子 クラークソンブライアン 安村 通晃 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.3, pp.17-24, 2001-01-17
参考文献数
11
被引用文献数
10

我々は,ぬいぐるみとのインタラクションが音楽を生み出すシステムを,新しい音楽コミュニケーションとして提案し,"Com-music"を実装した.ぬいぐるみに様々なセンサを埋め込んだ"Com-music"は,隠れマルコフモデルにより予めラベル付けされたジェスチャー認識を用い,ユーザとぬいぐるみとの間に行われるインタラクションのレベルを判断する機構を持っている.本稿では,インタラクションの頻度・強度が音楽マッピングを変更し,状況や文脈によって異なる音楽を作る新しいタイプのコミュニケーションについて考察する.We propose a music expression system which generates music by interaction between the user and a sensor-equipped doll named "Com-music." Since the sensor-doll includes various sensors and a PC, it can detect not only raw data but also pre-defined gestures and contexts using HMMs (Hidden Markov Models). The doll has five levels of interaction as pre-defined contexts, that correspond to the strength and the frequency of the interaction with theuser. Each interaction level has different set of music control mappings, so the doll reacts with music expressions correspondent to context. In this paper, we consider the sensor-doll system as a device of the new type of communication, which uses music expressions as the communication media.
著者
坂本竜基 角康之 中尾恵子 間瀬健二 國藤進
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3582-3595, 2002-12

本稿では、コミックダイアリシステムと呼ばれる、個人の日記を漫画形式で自動生成するシステムを提案する。このシステムは、博物館見学や学術会議参加において個人化されたガイドを行う展示ガイドシステムの一環として開発した。このシステムにより自動生成された漫画は、個人の記憶補助のみならず記憶の伝達のためのカジュアルな媒体として利用されることを期待されている。システムは、会場閲覧の個人的なエピソードを展示ガイドシステム(C-MAP)から収集したデータと社会的イベントなどの周辺情報を元にストーリ化し、漫画というスタイルで表現する。また、漫画の生成機能以外にも、複数の漫画間をブラウジングする機能や個人の漫画の伝達を支援する機能も有している。本稿では、プロトタイプシステムに関する説明と、これまで行った学術会議における運用実験の結果について述べる。 : This paper describes a system, called ComicDiary, which automatically creates a personal diary in comic style. ComicDiary is built as a sub-system of our ongoing project of a personal guidance system for exhibition touring at museums, trade shows, academic conferences, cities, and so on. We intend for ComicDiary to be used as a casual tool for augmenting each individual user’s memory as well as encouraging users to exchange their personal memories. ComicDiary is to allegorize individual episodes during touring exhibitions by creating a comic from a user’s touring records, accumulated by his/her personal guidance system, and environmental facts, e.g., social events. Addtion to its basic representation in comics style, ComicDiary has two novel functions as computational media. One is to support browsing over many ComicDiary and the other is to support sending user own ComicDiary to him or her friends. In this paper, we present the implementations and user evaluation of ComicDiary deployed at academic conferences.
著者
丸谷 宜史 間瀬 健二 平山 高嗣
出版者
人工知能学会
雑誌
研究報告 ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.4, pp.1-4, 2011-05-20

多視点スポーツ映像はスポーツ映像を自由な視点から見ることを可能にする一方で,視聴者にとっては視点やシーン選択の自由度が増えるため,見たいシーンの選択に負担がかかる.このため,ハイライトシーンを提示することで視聴を支援することは重要である.本研究ではスポーツ映像としてフィギュアスケートを対象とし,選手の演技内容をタグとして付加することでハイライトシーンを提示することを目指す.その実現のため,撮影と同期してリンク上の選手の状態をレンジスキャナにより計測し,獲得したレンジデータに対して演技に応じた処理を行うことで選手の演技を検出する手法について検討を行った.It is necessary to support viewing multiple view sports videos because there are so many view points and scenes in the multiple view sports videos.We aim to tag scenes on the multiple view sports videos according to players' actions in order to support viewing the multiple view sports videos. To achieve this goal, we use range scan camera to capture player's position data without using wearable sensors. By processing the range data according to the players' actions, we segment the multiple view sports videos into scenes.
著者
臼井 翔平 鳥海 不二夫 松尾 真人 平山 高嗣 間瀬 健二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

ソーシャルメディアは2011年3月11日に発生した東日本大震災時に,非常に有力なツールとして,情報の拡散や収集に用いられた.現在ソーシャルメディアを新たな情報源として確立するため,ソーシャルメディア内に構築される友人ネットワーク上での情報拡散を対象とした研究が数多く行われている.本研究では,友人ネットワークの構造に着目し,構造の違いが情報拡散に及ぼす影響を分析する.
著者
梶田 将司 内藤久資 小尻智子 平野 靖 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.39, pp.35-40, 2005-05-13
被引用文献数
7 3

本報告では、学内の様々な情報システムが共通に利用できるセキュアな全学認証基盤の実現の1つの方法として、Yale大学で開発されたCentral Authentication Service(CAS)を用いて構築した全学認証基盤について述べる。CAS認証では、ユーザ認証に必要な認証情報をCASサーバにしか送信しないため、よりセキュアな環境でユーザ認証基盤およびシングルサインオン環境を実現できる。また、HTTPリダイレクション、Cookieなどの標準的なWeb技術しか用いられていないため、簡単で軽いシステムである。さらに、LDAP属性などど併用することにより、強力なCentral Authorization Serviceも容易に実現可能である。本稿では、CAS認証とその権限管理機能の強化について述べるとともに、平成17年度前期開講科目からはじまった全学的なWeb履修申請手続きを対象とした実運用結果について述べる。This paper describes a university-wide authentication and authorization information infrastructure using Central Authentication Service Service developed by Yale University and its extention to Central Authorization Service. CAS server is only the server used in authentication so that more secure Single Sign On environment can be attained. Also,CAS is implemented on typical Web standard technology like HTTP redirection and Cookie so that it can be used by quite simple configuration but powerful authentication. Furthermore,CAS can provide not only Central Authentication Service but also Central Authorization Service by using in conjunction with LDAP attributes and so on. In this report,we explain the deployment of CASified Nagoya University Portal for 2005 Web-based registration application,and summarize our experiences.
著者
前田 篤彦 杉山 公造 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.33-40, 2002-11-23
被引用文献数
1

玩具が持つ豊かな世界をインタフェースに応用するための系統的なアプローチの一環として、ルービック・キューブ、メガリンクス、ピラミンクスなどの"置換パズル"を一般的に表す抽象モデルを作成し、CGを利用した新しい表現メディア(ラバー・バンド表現など)への変換方式を考案し、置換パズルのジェネレータを試作した。このジェネレータにより置換パズルの多くのバリエーションを生成することを通して、メディア変換の得失についての知見をまとめた。
著者
湯浅 辰丸 鳥海 不二夫 石井 健一郎 間瀬 健二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

GARCH効果は金融市場の混乱要因を説明する重要な要素であるが,発生メカニズムに関する決定的な理論や実証結果は未だに示されてはいない.それは市場参加者の情報構造が発生要因であることが示唆されているが,発生のメカニズムを特定するための充分な検証には至っていない.本研究では,人工市場を用いて市場参加や市場の条件をコントロールし分析することにより,その発生メカニズムの特定を目指す.
著者
間瀬 健二 クラークソンブライアン 米澤 朋子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.3, pp.1-8, 2001-01-17
被引用文献数
9

ウェアラブルコンピュータがもつ,常時on,ハンズフリーという特徴は,日常生活のなかで起こるイベントや経験を自動記録したり,ジェスチャなどのノンバーバルな手段による自己表現の支援に適している.一方,これらの特徴が生かせるタスクに幼児期の監視,エピソード記録,自己表現補助,情操教育などがある.そこで幼児期から生涯を共にするウェアラブルシステムを指向して,幼児むけに,装着するのではなく,つかず離れずに存在できる,センサーを多数組み込んだセンサー人形を試作した.これをもとにintimacy-orientedなインタフェースを議論する.The well-known characteristics of wearable computers are "always on" and "hands free," which are suitable as an automatic recording system of events and experiences and a self expression supporting system through non-verbal languages. Those systems are plausible for the use of infants and children at keeping a watch on, recording episodes, educating sentiment, and providing self expressive tools. We have prototyped a sensor-equipped doll as a semi-wearable device for children, which is oriented toward a part of the life-time wearable system. This paper also discusses the intimacy-oriented interface.
著者
リヒティ・オリビエ 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.61, pp.29-36, 2000-07-06
参考文献数
18

インターネットの家庭内での利用を促進して親密な関係をもったユーザ間での相互のアウェアネスを高めることを目的とした,手軽な個人間コミュニケーションを支援する,Gribouiliメッセージシステムを提案する.送り手は,Gribouilliパッドと呼ぶ装置を使って,紙の上にはしり書き(フランス語でgribouilli)をすることで,メモを家族や友人に手軽に送ることができる.また,受け取った側は,電子メール(push型)や個人WWWサイト(pull型)を使って,メッセージを非同期に読める.さらに,携帯電話インタフェースを提供することで,いつでもどこでもメッセージを受け取ることが可能である.本稿では,利用シナリオとシステム構成について詳細に報告する.This paper describes the Gribouilli Messaging System, developed to support lightweight interpersonal communication. Focusing on domestic settings, the system aims to increase mutual awareness within "intimate" social networks. One system component, the Gribouilli Pad, allows its users to initiate communication by quickly scribbling notes (gribouillis) on real paper. It thus enables an immediate flexible and very natural interaction. The notes captured by the Gribouilli Pad can be shared asynchronously with relatives and friends, via either email messages (push) or personal Web sites (pull). Additionally, the system is interfaced with mobile phone systems - it is therefore very easy to access and takes advantage of users idle time. A simple scenario first gives an overview of the Gribouilli Messaging System. Its hardware and software components are then described in more details.
著者
小関 悠 角 康之 西田 豊明 間瀬 健二
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.41-50, 2007-07-26
被引用文献数
2

本稿では研究発表会や博物館見学といったイベント空間において取得可能な体験データを,ユーザーが閲覧・編集するためのシステムを提案・実装する.種々のカメラやセンサー機器の発達により大量の取得が可能となった体験データを,ユーザーの扱いやすい形にすることで,その編集や共有を促すことが狙いである.システムは大きく二つの部分に分けられる.一つは体験データを自動的に要約してユーザーに提示するシステムであり,特にセンサー情報を用いることで映像データを「ぱらぱらアニメ」,すなわち,シーンを表現する複数枚の特徴的なスナップショットのセットへと変換する手法について述べる.もう一つは要約された体験データの鑑賞・編集システムであり,こちらでは「ぱらぱらアニメ」の特性を生かし漫画的なレイアウトを組むことで体験データを好みの観点で観賞・編集が出来ることを中心に述べる.本システムは体験データの閲覧や編集へのアクセシビリティを高めるため,Webアプリケーションとして実装した.
著者
梶田 将司 太田 芳博 若松 進 林 能成 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.38, pp.65-70, 2007-05-10
被引用文献数
4

現在,我々は,巨大地震などの大規模災害時において,大学構成員の安否確認を信憑性高くかつ迅速に行うためのシステム開発を行っている.特に,災害発生直後の人命救助等を目的とした安否確認ではなく,講義の再開など,大学における教育研究活動等の事業活動の再開を判断するための安否情報の取得を目指している.そのための必要な要件としては,(1)ユーザ認証を必須とすることで信憑性の高い安否情報の収集が可能であること,(2)使用する情報システムの稼働が災害時においても保証されること,(3)災害時にしか使用しないシステムではなく,継続的にいつでも利用できるシステムであること,(4)学務などの他の情報サービスとの連携も可能であること,が重要であると考えている.そこで,我々は,情報・サービスの統合的な提供を目指し構築している名古屋大学ポータルを利用した安否確認システムを構築し,2006年10月の地震防災訓練から試験運用を開始した.本報告では,構築した安否確認システムについて述べるとともに,安否確認訓練を通じて得られた知見・経験を述べる.This paper describes a Survivor Confirmation and Management Services through Nagoya University Portal (MyNU), which is intended to confirm who is alive after a major disaster crisis like a large-scale earthquake, and manages the data for recovery planning. In the area of central Japan, a periodical large-scale earthquake with a magnitude of 8 could happen anytime within 10 years, and a huge damages including from 9,200 to 4,500 deaths is estimated in the area. After initial search and rescue activities, it is crucial for Nagoya University to make a recovery plan that determines when and how our teaching, learning and research activities are going to be resumed. Getting the latest and reliable status from individuals like faculty, staff and students is the base line for the recovery planning. In our proto system development, we realized that (1) survivors can input their latest status using PC-based Web browser and Cellular phone-based Web browser with LDAP based-user authentication through HTTPS, (2) administrative staff can manage the latest status and make the list in Excel format, (3) MyNU servers are load-balanced between Nagoya and Kyoto by DNS Round Robin to attain fault tolerant in a wide area.
著者
多田 幸生 西本 一志 前川 督雌 間瀬 健二 中津 良平
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.94, pp.1-8, 2000-10-12

本稿では、無線通信機能を持ち、かつ身につけて移動しながら演奏できるような装着型の楽器を提案する。これは、複数の楽器を通信機能を用いて接続することで、場所や相手に囚われない自由なセッションを可能にし、新しい楽器演奏のシチュエーションを生成するものである。また、装着した楽器から自分の音楽の嗜好や気に入ったフレーズを発信する事で、セッション相手を自動的に探すことはもちろん、音楽による自分自身の演出をも行うことができる。さらに、本楽器から発信されるフレーズを蓄積するサーバーを町中に設置し、その町に訪れる人が無意識のうちにその町の音楽を創造することで、その町自体を演出することも可能とする。In this paper, we propose a novel wearable and mobile musical instrument that is equipped with communication facility. This instrument allows people to perform a session anywhere and with anyone. This instrument also can scatter information of the performer's taste of music as well as his/her favorite phrases within the restricetd area around her/him. Thus, this instrument automatically looks for performers with whom s/he can perform a session on street. Additionally, the performer can direct himself/herself with the scattering music like dress. Furthermore, a town can be directed by putting a server that collects phrases scattered by the instruments and scatters the collected phrases at a square. We believe that this instrument creates a new musical culture.
著者
佐藤 絵里 間瀬 健二 平野 靖 梶田 将司
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

システム相手の会話では、人間味を感じさせることが課題となっている。そこで我々は比喩表現に着目した。比喩は読み手に、例えられる物事を生き生きと実感させる効果を持つ。また比喩のような高度な修辞をシステムが使用することで、人間らしい印象を与えると期待できる。 本研究では、簡単な対話システムに比喩表現を組み込み、人に与える印象の変化をアンケートにより調べた。比喩生成には寺井・中川の比喩モデルを利用した。
著者
岡田 昌也 鳥山 朋二 角 康之 間瀬 健二 小暮 潔 萩田 紀博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.534, pp.77-82, 2006-01-13

目に見えない発見にあふれる現実世界での体験学習は, 人々を社会的な不思議に気付かせるための重要な教育領域である.人間の注意は限られているが, 学習者が体験時に重要性を認識できずに見落とした体験の中にも, 気付きのきっかけになるものは潜在的に多くある.現実世界における知的活動を通した気付き, 特に, 無意識的な気付きは抽象度が高く計算機では扱いにくかった.本研究は, 実世界学習における無意識的な気付きの顕在化を目的として, 発見の土台となり得る体験をウェアラブル体験記録装置によって網羅的に記録し, その中から気付きの可能性のある体験を時空間的に可視化する手法を提案する.