著者
関 利恵子 安城 泰雄
出版者
公益財団法人 メルコ学術振興財団
雑誌
メルコ管理会計研究 (ISSN:18827225)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.35-47, 2016 (Released:2016-12-08)
参考文献数
22

本稿では,株式会社駒ヶ根電化におけるMFCA 社内研修会でのヒアリング調査及びMFCA 成果発表会での報告をもとにMFCA の継続的導入の要因とMFCA をマネジメントツールとして展開する可能性について検討した。本稿の考察から,MFCA の継続的導入要因としては,MFCA の有用性をトップが認識していた点,従業員が一般的な活動としてMFCA を実施する素地ができていた点などが示された。また,MFCA の継続的な導入が,従業員の作業モチベーションを向上させたり,MFCAの一連の活動が組織の結束力を高めるといった効果があることも明らかになった。こうした効果にも着目し,本稿ではMFCA の新たな展開として,バランスト・スコアカードで記述した戦略マップとMFCA を関連づけて,マネジメントツールとしての可能性を検討した。
著者
宇次原 雅之 関 晴夫 若井 明彦 畠中 優 江口 喜彦 中野 亮
出版者
公益社団法人 日本地すべり学会
雑誌
日本地すべり学会誌 (ISSN:13483986)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.221-232, 2014 (Released:2015-07-30)
参考文献数
17

コンクリート・モルタル吹付工(以下,吹付工)は,のり面保護工として古くより多用されており,現在その老朽化が問題となっている。効率よく維持管理を行うためには,吹付工が適用されたのり面の劣化機構を明らかにし,精度のよい健全度評価や劣化予測を行うことが重要となる。本研究は,これまでに蓄積されてきた維持修繕に関する記録をもとに,吹付のり面の劣化機構を明らかにして,今後,維持管理を行っていく上で有用となる基礎資料を得ることを目的として実施した。吹付のり面の劣化機構は地質や気候条件などにより異なるため,本研究では,群馬県内の中古生層分布地域における道路吹付のり面に研究対象を絞った。その結果をもとに,対象地域の吹付のり面の劣化機構を模式的に示し,劣化予測を含む効率的な維持管理への応用方法について検討を行った。
著者
関口 彰 嶋 暁人 井上 勝雄 伊藤 弘樹
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.49-58, 2007
参考文献数
12
被引用文献数
4

今日の携帯音響機器のデザイン評価構造を明らかにするために、市販ポータブルMD製品を対象に調査分析を行い、その評価構造を定量的に求めた。具体的には、人間の評価における上位の態度からイメージを経由する認知までの階層構造において、上位の態度から中位のイメージへの関係分析を重回帰分析で行い、態度に強く寄与する3つのイメージを抽出した。中位のイメージから下位の認知部位への関係分析をラフ集合と決定ルール分析法で行った。評価用語(態度とイメージ、認知部位)の抽出には評価グリッド法を用いた。これら得られた態度と各イメージに対して、5段階SD尺度で29種製品サンプルを評価した。このラフ集合の計算過程において、決定クラスの絞込み方法についての新提案も行った。これらの分析により、デザイン評価構造が定量的に求められた。さらに、現場デザイナーによる確認実験とデザイン案の再評価の結果、この評価構造の設計知識としての有効性と改良点についても確認した。
著者
鎌田 彩夏 佐々木 丈予 関矢 寛史
出版者
広島大学大学院総合科学研究科
雑誌
広島大学大学院総合科学研究科紀要. I, 人間科学研究 (ISSN:18817688)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.9-15, 2014-12-31

The first purpose of this study was to investigate what motivated spectators to attend games of the Hiroshima Toyo Carp (Carp). The second purpose was to investigate the influence of previous attendance at Carp games in 2012 and seat types on the motivation for attending games. Among the spectators of baseball games that took place on September 18 and 19, 2012 at the Mazda Zoom-Zoom Stadium Hiroshima (Mazda Stadium), 467 completed a questionnaire. The questionnaire included items related to demographic information, the number of times the spectators had watched games at Mazda Stadium that year, the type of seat they occupied on the day, the team they supported that day, their favorite team, and 17 motivation items from a modified version of the Sport Spectator Motivation Scale. The results showed that the spectators were strongly motivated by "pleasure of spectating games," "devotion to the Carp," and "exciting play." Motivation scores for "devotion to the Carp," "attachment to Hiroshima," and "cheering" increased as the number of previous attendance increased. The scores for "being invited by friends or family members" and "spending time with friends or their boyfriend or girlfriend" were higher for spectators occupying group seats than those in individual seats. These results suggest that increasing the number of spectators at Mazda Stadium games demands multiple strategies to match spectators' needs.
著者
尾関 仁志 光永 拓司 藤田 淳史 松本 哲朗
出版者
山口県農業試験場
雑誌
山口県農業試験場研究報告 (ISSN:03889327)
巻号頁・発行日
no.57, pp.59-66, 2009-03

小輪タイプのユリ新品種として、「プチフィーユ」、「プチエトワール」、「プチシュミネ」の3品種を育成した。これらの品種は、山口県において2009年からの普及を目指している。各品種の特性は、以下のとおりである。1.「プチフィーユ」は、花の直径が約12cmと小さく、花色が浅橙で、花弁の斑点が少なく目立たない。2.「プチエトワール」は、花の直径が約11cmと小さく、花色が明緑黄で、花弁の斑点が少なく目立たない。3.「プチシュミネ」は、花の直径が約11cmと小さく、花色が明橙で、花弁の斑点は全くない。4.切り花栽培には、3品種とも球周8cm以上の球根が必要である。5.促成栽培では、10月下旬から11月上旬に定植すると、到花日数は「プチフィーユ」が120〜130日、「プチエトワール」と「プチシュミネ」は140〜150日となる。6.球周10〜12cmの球根を母球として増殖すると、切り花栽培用の球根が「プチフィーユ」と「プチシュミネ」は約5球、「プチエトワール」は約8球増殖される。
著者
稲垣 郁哉 小関 泰一 財前 知典 小関 博久
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101669, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】近年、体幹と下肢の運動連鎖について述べた研究は数多く報告されている。しかし、体幹と上肢の運動連鎖についての研究は少なく、中でも末梢に存在する手部と体幹機能について述べた研究はほとんどみられない。我々は先行研究により、第5 中手骨の外がえし誘導テーピングが荷重位におけるプッシュ動作時の前鋸筋活動を増加させるという報告を行った。この結果から手部と体幹に関係があることが示唆された。この現象は、荷重位のみでなく非荷重位でも観察されることを臨床上経験する。そこで今回は、第5 中手骨外がえし誘導テーピングが非荷重位におけるプッシュ動作時の前鋸筋活動と、前鋸筋作用である肩甲骨外転可動域に及ぼす影響を検証し、荷重位の結果と比較することを目的とした。【方法】対象は整形外科疾患など既往のない健常成人男性15 名(平均年齢23.9 ± 2.9 歳)とした。第5 中手骨誘導は入谷式足底板の評価に用いる第5 列外がえし誘導テーピングに類似させ、第5 中手骨頭と舟状骨間に貼付し、第5 中手骨誘導と誘導なしに分類した。テーピングは長さ8cm、張力200mgに統一し、同一験者が施行した。課題動作は、背臥位にて左肩関節屈曲90°、肘関節伸展位、前腕および手関節中間位、手指伸展位で、脊柱の棘突起が離床しない範囲での最大プッシュ動作とした。また、頭位や体幹の過度な回旋が生じた場合は除外した。被験筋は左前鋸筋とし、表面筋電図は日本光電社製多チャンネルテレメーターシステムWEB7000 を使用、サンプリング周波数は1000Hzにて計測した。肩甲骨外転可動域は肩峰の後角を指標にし、プッシュ動作時の床面からの移動量を定規にて測定した。筋電波形は、プッシュ動作を5 秒間保持してもらい、安定した2 秒間を抽出した。得られた筋電波形をキッセイコムティック社製BIMUTAS−Video for WEBにて積分値(以下IEMG)を求め、被験筋の最大等尺性随意収縮を基に%IEMGを算出した。統計処理にはSPSS Statistics 21 を用いてそれぞれ対応のあるt検定で比較検討した。なお有意水準は1%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】被験者にはヘルシンキ宣言に基づいて研究の主旨を十分に説明し、同意を得た上で計測を実施した。【結果】第5 中手骨外がえし誘導は誘導なしと比較し、前鋸筋活動が有意に増加し(平均値12.5 ± 5.8%、p<0.01)、肩甲骨外転移可動域も有意に増加した(平均値1.5 ± 0.7cm、p<0.01)。このことから、第5 中手骨外がえし誘導テーピングにより荷重位、非荷重位ともにプッシュ動作時の前鋸筋活動が増加する結果となった。【考察】本研究では第5 中手骨外がえし誘導テーピングにて非荷重位でのプッシュ動作により前鋸筋活動と肩甲骨外転可動域が増加した。このことから、第5 中手骨に対する誘導においては荷重位および非荷重位ともに前鋸筋活動に同様な影響を及ぼすことが示された。第5 中手骨は手部における外側の縦アーチに関与し、手部の支持性に寄与することが考えられる。手部の支持性向上は、上肢帯のユニットの安定性を高め、肩甲胸郭関節を安定させる前鋸筋の活動が向上したと考える。足部機能は骨盤を含めた下肢ユニットに影響を与えることが報告されており、足部と同様に、末梢部である手部機能も、上肢ユニットに影響を及ぼすことが考えられる。このことは、発達に伴う上肢の役割が荷重位から非荷重位へと移行していく現象と深く関わるものと推察される。つまり、荷重位における手部と体幹部の間には運動連鎖が存在し、この動きが非荷重位においても反映していると考えられる。【理学療法学研究としての意義】第5 中手骨誘導が荷重位、非荷重位において前鋸筋活動に同様な影響を及ぼすことが示唆された。臨床においては手部を含む上肢に対する理学療法は非荷重位で展開されることが多く、本研究は手部からの運動連鎖を把握するとともに、上肢の理学療法を行う上での新たな展開になるのではないかと考えられる。今後は、第5 中手骨誘導における手関節、肘関節などの各関節機能に着目し、より正確な運動連鎖を検証していく必要があると考える。
著者
飯田陽一 関亜紀子
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.745-746, 2011-03-02

インターネットの高速化や利用範囲の拡大により、音楽、動画などをデジタルコンテンツを、ネットワーク上でやり取りすることが多くなり、それとともに著作権を無視した違法コピー、無断改変なども増加した。これを防止、抑制し、流通を支援する技術としてDRMがある。しかし、DRMには多種多様な種類の技術があり、DRMの導入検討者が自分に適したDRMを選ぶのが難しいという現状がある。そこで本論文ではこの状況を解消し、DRMの導入検討者の支援を行うために、複数の質問から導入検討者のニーズを分析し、権利者のニーズと一致するDRMの組み合わせを推薦するレコメンドシステムを提案する。
著者
関 啓明
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1996

報告番号: 甲11589 ; 学位授与年月日: 1996-03-18 ; 学位の種別: 課程博士 ; 学位の種類: 博士(工学) ; 学位記番号: 博工第3539号 ; 研究科・専攻: 工学系研究科精密機械工学専攻
著者
前川 望 伊藤 由紀 金沢 ユリ 関口 若栄 鈴木 保子
出版者
日本新生児看護学会
雑誌
日本新生児看護学会誌 (ISSN:13439111)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.51-55, 1999-03

発達障害が予測される児に対し,早期からのリハビリテーションが重要といわれているが,児の状態により早期から取り組めないことがある.今回,ポジショニングとリラクゼーションを工夫することにより,リハビリテーション導入が可能となった.本研究で提示する症例は,極低出生体重児で脳性麻痔となった男児である.問題点は,1)啼泣時や不機嫌な時に異常姿勢が強く哺乳ができない.2)物音に敏感で中途覚醒が多く十分な睡眠が得られないであった.問題点1)2)に対して,ポジショニングとリラクゼーションの工夫を行い,児の反応を評価した.その結果,夜間の睡眠時間が平均5時間が7時間となった.1回の哺乳畳も100cc~180ccが160cc~170ccと安定した.哺乳時間は35分~40分が20分となった.本症例において,以下のことが確認でき,リハビリテーション導入が可能となった.1.適切な姿勢は運動や生理機能を促すうえで重要である.2.音楽は気持ちを落ち着かせ,心安らかにする.3.沐浴は筋緊張を緩和する.4.ポジショニングやリラクゼーションの工夫は,異常姿勢の緩和や生活リズムの獲得に有効である.Early introduction of physical therapy is important for infants in who developmental disabilities are predicted. However, conditions of those infants will not allow early application of physical therapy. In this report our experience with a very low birth weight male baby with cerebral palsy is discussed. The major problems in nursing this baby were: 1) difficulty in breast feeding due to spastic posture when he was crying or anxious, 2) dyssomnia due to acoustic irritability. To resolve these problems, we adjusted the position of the baby and the environmental arrangement under which his relaxation could be expected. We evaluated the effect of the adjustments by observing his status. As a result, the average sleeping time at night increased from 5 hours to 7 hours. The amount taken at one feeding stabilized at 160-170cc, previously varying from 100-180cc. The time necessary for feeding decreased from 35-40 minutes to 20 minutes. The reduction of spastic posture and the acquisition of a regular life cycle enabled the introduction of physical therapy. This case suggests that: 1) proper position is important to promote motor function and physiological function, 2) music may calm irritability, 3) bathing may reduce muscle tonicity. Adjustment of positions and environmental arrangements are effective in reduction of spastic posture and acquisition of a regular life cycle.
著者
関尾 史郎
出版者
青木書店
雑誌
歴史学研究 (ISSN:03869237)
巻号頁・発行日
no.488, pp.p12-21,37, 1981-01
著者
圧縮コイルばねのへたりに関する研究委員会
出版者
日本ばね学会
雑誌
ばね論文集 (ISSN:03856917)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.59, pp.47-62, 2014 (Released:2014-12-01)
参考文献数
27
被引用文献数
2

Height reduction of compressive coil springs (height loss) is considered to be the effect of creep phenomenon. Height loss of coil springs made of SWOSC-V behaves 3 different temperature dependency in elevated temperature zone, namely lower region (100-200℃), mid region (250-300℃), and higher region (350-400℃). These behavior are quite different from much elevated temperature region. In lower region, Cottrell effect seems to be the governing factor of creep speed. On the other hand, IS effect has the governing role in higher region. In mid region, the creep speed is governed by a transition mechanism from Cottrell to IS effect.
著者
尾関 基行 野宮 浩揮
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.23-32, 2016-06-20 (Released:2016-06-17)
参考文献数
8

本論文では,近年話題となっている“人工知能”をテーマとした学生実験の設計と実践について述べる.情報工学分野の学生実験でよく実施されている画像処理やシステム制御といったテーマに比べて,人工知能の取り扱う範囲は広く,また各々が独立しているため,トピックを単純に並べただけではその関連性が掴みにくい.そこで我々は,ミンスキーの心的活動の6階層モデルを学生実験の土台に据え,その各階層に一つずつトピックを割り当てることで,トピック間の繋がりを強く意識させる学生実験を設計した.本学生実験では,小型移動ロボットがエネルギーを補給しながらポイントを獲得するタスクを設定し,シミュレータと実機(e-puck)による実験環境を用意した.実際に学生実験として3年間実施し,アンケート評価を行った結果,ミンスキーの心的活動の階層に各トピックが紐付けられたことで相互の関連性がよく理解できたという回答が多く得られた.