著者
尾﨑 研一郎 馬場 尊 中村 智之 稲葉 貴恵 川島 広明 中島 明日佳 福井 友美 間々田 浩明 黒後 祐美 中里 圭佑 堀越 悦代 寺中 智 加藤 敦子 亀山 登代子 川﨑 つま子 水口 俊介
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.225-236, 2018-12-31 (Released:2019-04-30)
参考文献数
37

【目的】今回,病棟専属の常勤歯科医師,歯科衛生士が急性期病棟の看護師とリハビリテーション科が参加する肺炎予防システムを構築した.本研究では,急性期脳卒中患者に対する本システムの効果について,入院中の肺炎発症と退院時の経口摂取不能の観点から調査した.【方法】肺炎予防システムは病棟の全患者に対する看護師による口腔アセスメントと口腔衛生管理の標準化,歯科依頼手順,リハビリテーション科による摂食嚥下評価の情報共有からなる.対象は,当院に入院した脳卒中患者のうち,肺炎予防システム導入前の2012年4月から2013年3月に関わった234人(男性127人,女性107人,平均年齢72±13歳)と肺炎予防システム定着後の2014年4月から2015年3月に関わった203人(男性107人,女性96人,平均年齢74±11歳)とした . 診療録とThe Japanese Diagnosis Procedure Combinationデータベース,リハビリテーション科と歯科内で運用している患者臨床データベースより入院時の属性と帰結について調査し,導入前と定着後について解析を行った.【結果】定着後群は,導入前群よりも重度な症例が多かった.肺炎発症は,導入前群15%,定着後群8%であった.ロジスティック回帰分析において,導入前群の肺炎発症は定着後群の肺炎発症と比較してオッズ比2.70(95% CI 1.17―6.21, p=0.020)であった.肺炎予防システムのほかに肺炎発症と有意に関連したのは,入院時の意識レベルと,初回評価時の摂食嚥下障害の重症度であった.退院時の経口摂取可能例の割合については導入前群と定着後群の間で変化を認めなかったが,導入前群より重度であった定着後群に対し経口摂取の割合を減らさなかった.【結論】肺炎予防システムは,肺炎予防と経口摂取維持に効果が認められた.これは,急性期病棟の看護師,歯科,リハビリテーション科が,患者の状態を共有したうえで専門的介入ができたことによる結果と考えられる.
著者
野地 貴弘 綾 史郎 馬場 葵
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.I_1447-I_1452, 2011 (Released:2012-03-14)
参考文献数
8

This paper deals with the hydraulic and hydrologic properties of the habitat of fish in a river and surrounding area. It especially focuses on the habitat of the Acheilognathus Longipinnis in the lower reach of the Yodo River, because the restoration of its habitat is the most important and urgent work for the Yodo River eco-system. The estimation of flood disturbance required for the life history of the fish was examined in the Akagawa sand bar and Shirokita Embayments, where both areas were its most important habitat 40 years ago, through the return period of the magnitude of the flood discharge, the frequency of the water surface elevation, which were obtained by the statistics of the water surface elevation records, and the magnitude of the order of the velocity and the shear velocity and their distributions, which were obtained through the 2-D numerical simulation. The results will be usable for the selection of the location of the newly constructed habitat, and its design.
著者
野地 貴弘 綾 史郎 馬場 葵
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.I_1447-I_1452, 2011

This paper deals with the hydraulic and hydrologic properties of the habitat of fish in a river and surrounding area. It especially focuses on the habitat of the <i>Acheilognathus Longipinnis</i> in the lower reach of the Yodo River, because the restoration of its habitat is the most important and urgent work for the Yodo River eco-system. The estimation of flood disturbance required for the life history of the fish was examined in the Akagawa sand bar and Shirokita Embayments, where both areas were its most important habitat 40 years ago, through the return period of the magnitude of the flood discharge, the frequency of the water surface elevation, which were obtained by the statistics of the water surface elevation records, and the magnitude of the order of the velocity and the shear velocity and their distributions, which were obtained through the 2-D numerical simulation. The results will be usable for the selection of the location of the newly constructed habitat, and its design.
著者
星 郁雄 天野 洋 橋本 大志 田中 大智 下馬場 朋禄 角江 崇 伊藤 智義
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J103-D, no.11, pp.808-816, 2020-11-01

近年,深層学習についての研究が盛んに行われている.その中でも,再帰型ニューラルネットワークはネットワーク内に再帰構造をもつ深層学習の一種で,時系列データの扱いに優れていることから音声認識や自然言語処理の分野で高い成績を残している.再帰型ニューラルネットワークに限らず深層学習では,高い性能の反面,計算コストが多い.そのため,クラウドコンピューティングやGraphics Processing Unitを用いて計算する研究が進められている.しかし近年では,応答性の観点から,この計算をクラウドコンピューティングのように別の場所に送信し計算するのではなく,エッジ側での処理が求められるようになってきている.そこで本論文では,回路を自由に書き換えることができるField Programmable Gate ArrayにRNNの推論器と学習器を実装し,回路の評価と,実際に音声識別を行った結果を評価した.
著者
伊藤 智義 杉江 崇繁 赤松 孝則 木村 祐哉 川口 梨紗花 角江 崇 下馬場 朋禄
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.1-2, 2017-03-16

3次元情報を記録再生できるホログラフィは次世代映像システムを創出する可能性を持っている。しかし、計算コストが膨大なため、実用化のめどは立っていない。本研究室ではハードウェアによる高速化を進めている。8番目の試作となるHORN-8システムの研究プロジェクトでは、ザイリンクス社製Virtex-5を8個搭載した大規模FPGAボードを独自に開発した。使用したFPGAは旧式になりつつあるものの市販品にはない回路規模のボードとなっている。HORN-8ボード単体でPCの100倍、10枚並列化して1000倍程度の高速化が達成できる見込みになってきており、報告を行う。
著者
馬場 秀夫 寺本 司 乗松 敏晴 藤田 雅章 松坂 誠應 岩崎 勝郎
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.1667-1672, 1991-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
19

The initial treatment that is usually recommended for symptomatic talocalcaneal coalition is nonoperative. But this time the operative treatment has been applied for those patients who fail to respond to the nonoperative treatment. Recently we treated five such cases by excision of the coalition because nonoperative treatment was not successful. Three cases were talocalcaneal coalition and two cases were calcaneonavicular coalition. The age of the patients at the time of surgery ranged from nine years to fortysix years. After the operation, we didn't use immobilization in a cast but started active exercises. Thus, operative treatment is a viable option if nonoperative treatment is unsuccessful; excision treatment, in addition to starting active exercise as soon as possible after the operation, is effective for tarsal coalition.We must suspect tarsal coalition for patients with limitation in subtalar joint and pain in the area of the coalition.We diagnose talocalcaneal coalition with radiography, tomoraphy, computed tomography and arthrography. Calcaneonavicular coalition is best seen on an oblique radiography.
著者
木村 純子 野田 恵子 楠田 康子 林原 礼子 近藤 泰子 白川 孝子 桜井 宏子 横手 香代 細澤 仁 中田 裕久 馬場 久光
出版者
神戸大学保健管理センター
雑誌
神戸大学保健管理センター年報 (ISSN:09157417)
巻号頁・発行日
no.23, pp.83-88, 2003-04

神戸大学で,2年次学生を発端者とする結核集団感染が発生した。その後の調査により,この学生が神戸大学に入学する2ヶ月前に,高校3年次の同級生が'排菌'を伴う結核で入院していた事が判明した。また,他の大学に進学した当時の同級生2名と副担任1名も,神戸大学における発端者とほぼ同時期に結核を発病していた。結核菌のDNA分析により,神戸大学における結核集団感染の発儒者と同級生2名および副担任1名の起炎菌は同一株と判明し,これら4名の者は全て,高校3年次の患者から感染し,約1年~1年半を経て発病したものと考えられた。翌春,新入生全員 (3,871名)に「入学以前の結核感染の機会」など'結核'に関する質問項目を含む健康調査を実施した。調査用紙を提出した3,797名(回収率 98.1%)の中に,「結核治療中の者」はいなかったが,「過去に結核の治療を受けた者」が14名(0.4%)存在した。また,「結核で入院したり,入院している人が周囲にいる者」が118名(3.1%)〔(1)現在5名,(2)過去1年以内36名,(3)過去1~2年16名,(4)3年以上前61名〕存在した。神戸大学における事例や,結核菌感染から発病までの一般的な期間に鑑み,(1)~(3)の計57名は,新入生健康診断時の胸部X線撮影では異常がなくても,在学中に結核を発病する可能性の高い集団と考えられた。以上のことから,新入生に対して「入学以前の結核感染の機会」について調査することは, 発病の可能性の高い学生を予め把握し,結核集団感染を未然に防ぐ上で極めて有用であると考えられた。
著者
馬場 光子
出版者
駒澤大学
雑誌
駒沢短大国文 (ISSN:02866684)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.81-84, 1998-03
著者
馬場 貴成 長岡 晴子 小川 秀人
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, 2020-10-15

Society 5.0時代の社会課題解決には多様な主体の知見をデジタル技術で統合する価値協創型DXが求められる.価値協創には協創方法論,知識ベース,デジタルプラットフォームなどを要する.Lumadaは協創方法論NEXPERICE,ソリューションを蓄積するLumada Solution Hub,新たなソリューションを実現するNode-RED等からなり他社ソリューションとも連携し顧客協創DXを実現する.
著者
塩盛 弘一郎 馬場 由成 河野 恵宣 羽野 忠
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.453-458, 1994-05-15 (Released:2009-11-12)
参考文献数
11

283-323Kで, 活性炭に対する酢酸, プロピオン酸, クロトン酸, シュウ酸, コハク酸, イタコン酸, マレイン酸, 乳酸, クエン酸の吸着平衡を広い濃度範囲で測定した.脂肪酸の吸着量は温度と共に減少した.吸着挙動は, 低濃度域ではLangmuir型単分子吸着式, 高濃度までの広い濃度域ではB.E.T.型多分子層吸着式で説明された.B.E.T.式中の相対濃度として, 脂肪酸の液体状態における純物質濃度に対する平衡濃度の割合を用いて, 全濃度域での吸着平衡結果を説明することができた.単分子層および多分子層吸着平衡定数は温度が高くなると減少し, 脂肪酸の疎水性と相関される傾向を示した.
著者
熊倉 真理 馬場 隆行 堂園 浩一朗 苅安 誠
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.165-173, 2011-08-31 (Released:2020-06-25)
参考文献数
16

【目的】舌位置の咽頭期嚥下に対する関与を知るため,健常成人で舌位置変化による舌骨・喉頭運動と食道入口部PES 開大の違いを調べた.【方法】健常男性13 名に,① いつものように,② 舌尖を上顎前歯口蓋側面に押しあて(上方固定),③ 下顎前歯舌側面に押しあて,④ どこにもあてずに,トロミ水を嚥下させた.透視側面像をもとに舌骨・喉頭変位量(直線・水平垂直距離)とPES 開大距離・持続時間を測定した.【結果】舌骨変位量は,舌位置が上方固定2 条件のほうが非上方2 条件より大きく,非上方 2 条件で10 cc のほうが3 cc より大きかった.喉頭変位量は,舌位置と摂取量にかかわらず同程度であった.PES 開大距離は,上方固定2 条件のほうが他の2 条件よりも大きく,10 cc のほうが3 cc よりも大きかった.舌の上方固定では,PES 開大距離と舌骨・喉頭の水平変位量との間に中等度の正の相関があった.【結論】舌の上方固定で舌骨変位量は大きくなり,PES 開大も促進される.
著者
三浦 理 磯貝 佐知子 吉野 真樹 馬場 順子 梶原 大季 小山 建一 竹之内 辰也 谷 長行 田中 洋史
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.231-237, 2019-06-20 (Released:2019-07-02)
参考文献数
28

PD-1/PD-L1阻害剤に代表される免疫チェックポイント阻害剤を用いるがん免疫療法の開発は,肺がんの治療に大きな影響を与えた.これらの薬剤は,非小細胞肺がん患者の初回治療,2次治療さらには化学放射線治療後の維持療法において,標準治療と比較して生存期間延長効果が示されている.安全性と忍容性は非常に良好だが,これらの薬剤は免疫関連有害事象(irAE)を起こし得る.その頻度は稀であるものの,時に致死的となる重篤な事例に直面することがある.さらにirAEはいつ,どの臓器が罹患するかを予測することができず,未だ適切な管理方法は確立していない.未だ多くの医師は,irAEの管理に精通しているとは言いがたい状況である.これらの問題を克服するために,irAE発症のバイオマーカーを予測する検討や,集学的チームアプローチによる管理が試みられつつある.これらの検討は,患者教育を通したirAEの早期発見,管理に繋がる可能性がある.この総説では,肺がん治療におけるirAEに関わる現在のデータとコンセンサスをまとめた.
著者
馬場 美華 西田 真弓 後明 郁男
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.332-337, 2010 (Released:2010-12-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1

緩和医療では, 全身倦怠感, 食欲不振, 疲労感, 疼痛などのさまざまな苦痛症状の緩和目的にベタメタゾンが広く用いられている. ステロイド投与中は, その身体的副作用だけでなく, 精神的副作用も注意が必要である. profile of mood states (POMS)は, 対象者がおかれた条件により変化する一時的な気分, 感情の状態を測定できるという特徴を有している. その短縮版は, 質問項目を削減することにより測定時間を短縮し, 対象者の負担を軽減することができる. 今回, 消化管閉塞による消化器症状の緩和目的にベタメタゾン3mg/日を投与し, 症状緩和が可能であったが, 投与開始から4カ月後, 不安, 焦燥感, 不眠をきたしたので, ベタメタゾンから等力価のプレドニゾロンに変更, 変更後3日目より, 消化器症状を悪化させることなく精神症状が改善した症例を経験した. また, 薬剤変更前後での気分, 感情の状態を, POMS短縮版を用いて評価したので報告する. Palliat Care Res 2010; 5(2): 332-337
著者
馬場,菊太郎
出版者
東京動物學會
雑誌
動物学雑誌
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, 1952-10-15

Paraplysia geographica scripta (BERGH)(Text-figs. 1-2). A conspicuous animal in that the rhinophores are conic, colse together and standing far back between the anterior ends of the parapodial lobes. Length of body about 10cm. Cephalic tentacles large, auriculate, widely separated. Parapodia broad and united behind; mantle with a produced siphon behind; mantle-aperture much reduced to a microscopic pore. No purple gland. Pores of hypobranchial gland diffuse. Common genital orifice just in front of the mantle-shield. Foot very large and without a posterior sucking disk. A shell as in Aplysias. General body-colour a yellowish green (olive), but the whole surface of the body except the sole is covered with a fine and extremely complicated network of black. Jaw-plates formed of fibrous rods as usual. Radula formula 50×23-25.1.23-25. Central tooth trapezoid, with 3-4 denticles on either side of the median cusp. Lateral teeth denticulated on both sides. Penis unarmed. Loc.: Hayama, Sagami Bay, by a fishing net from the bottom (Ang. 1949, 2 sps.). Dist.: Amboina, East Indies. According to ENGEL (1936), all the forms of Paraplysia hitherto described must be united as a single species, geographica, which may conveniently be divided into a number of local subspecies. I think the specimens in hand most closely agree with the East Indian subspecies scripta in the possession of the exquisite pencil-drawings on all the surface of the body.