著者
高橋 宗良
出版者
日本野外教育学会
雑誌
野外教育研究 (ISSN:13439634)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.33-44, 2012 (Released:2018-12-29)
参考文献数
57
被引用文献数
1

The purpose of this study was to review the educational content of water safety by focusing on traditional Japanese swimming. Descriptions of traditional Japanese swimming vary, and a high sensibility against water has been found even from the existence of technique for coping with wave and current. Apart from its several swimming styles, such as standing stroke and resting stroke, which are not observed in competitive swimming, traditional Japanese swimming contains a variety of floating techniques as a basic skill of swimming. Traditional Japanese swimming also contains various techniques and knowledge about dealing with waves and currents and existing at the bottom of water. Hence, providing swimming instructions using this knowledge may help to prevent water accidents and reduce injury. Organizing such knowledge for the educational content of water safety may further contribute to the prevention of water accidents.
著者
下川 哲徳 下川 学 高橋 宗良 小山 泰文 松本 高明 山本 外憲 中治 洋一 井之上 正信 野田 亘 窪田 辰政 徳田 眞三
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1-10, 2000

本研究は,大学柔道部員,その指導者,および警察柔道選手を合わせた220名を対象に,肩鎖関節損傷についてアンケート調査を行った。その目的は,柔道選手における肩鎖関節損傷の発生率と受傷後の影響,そして,その回復を目指した処置としてのリハビリテーションの効果について明らかにするためである。その結果,以下の点が明らかとなった。<br>1)今回調査対象とした220名に起きた全外傷数は,487例であった。全外傷数487例のうち,肩鎖関節損傷は99例あり,それは全体の20.3%であった。<br>2)肩鎖関節損傷を負った99人中の9人の柔道の技は,その後変わった。彼らの得意技は,主に背負い投げから一本背負いへと変わった。また,他のスポーツへの影響については,6人が野球の投球動作に支障をきたした。<br>3)肩鎖関節損傷の損傷程度は,Weaver式診断法を活用し,以下の方法に基づいて3タイプに分類した。それらは,99人に対する整形外科医による肩鎖関節損傷についての過去の外傷ないしは症状の直接質問,およびX線による肩鎖関節損傷部分の正面画像の撮影,さらに肩鎖関節損傷部分に変形がみられる場合は,X線による5kg負荷のストレス撮影である。その結果,type Iが45人,type IIが35人,type IIIが19人であった。<br>4)本研究では,リハビリテーション・プログラムを受けた者はtype IIないしはtype IIIから合計11人であったが,彼らは全員,機能的評価判定について「優」を示した。そして,彼らの回復期間は,リハビリテーション・プログラムを受けなかった者と比べて,短縮した。これらの結果は,肩鎖関節損傷が起きた場合は,可動域や筋力は,適切な診断,ICES処置の徹底,身体面と精神面の両方を考慮して作られたリハビリテーション・プログラムを実行することにより,効果的に回復することを示唆している。リハビリテーション治療の効果は,損傷の程度により差はあるものの,本研究で試みたリハビリテーション・プログラムは,柔道選手が径我をした際,肩鎖関節損傷部分の機能を回復させるための有効な手段の一つになると思われる。
著者
花田収悦 高橋宗雄 長野宏宣 田野実裕之
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.1982, no.44, pp.1-10, 1982-11-30

大規模ソフトウェアシステムを対象とするバグ原因解析自動化方式及びこれに基づく試作経験について述べる。大規模ソフトウェアの運用開始後のバグ原因解析は,その開発に従事した熟練者の知識に依存しているのが現状である。運用サービス中に発生したバグの原因解析のための情報としては,システムが内部矛盾を検出した時点で出力されるメモリ情報のダンプリストが与えられる。その解析の手順はシステムを構成するプログラムのデータ領域の内容から実行の経過や矛盾を生じた原因を推定するものである。この手順のうち,データ内容の検索と値のチェックについては機械化による高速かつ網羅度の高い作業が可能と考えられる。ここでは,プログラム中で使用するデータ構造に対して与えられたデータチェック条件を用いて,バグ発生時,あるいはバグ再現時のメモリ内容を自動チェックする方式について提案し,この方式の試作システムCHASE (CHecking and Analyzing System for program Errors)について述べる。はじめに既存のテストデバッグ自動化方式で採られてきたソースコードへのチェック条件挿入法(アサーション)を大規模システムへ適用する場合の問題点と我々の採った解決法について述べる。次に,チェック条件の記述方法とこれを基にしたデータ診断の実現方法について述べる。更に,チェック対象とするメモリ情報の収集方法を示し,このうちの1つであるバグ再現時の実行履歴の圧縮方法について述べる。最後に,試作したCHASEを2つのコンパイラのバグ解析に適用した結果について述べる。
著者
高橋 宗
出版者
聖泉大学
雑誌
聖隷学園聖泉短期大学人文・社会科学論集
巻号頁・発行日
vol.7, pp.A17-A41, 1991-01-31

商業活動にいろいろな影響を及ぼしている、多様な人間社会について検討することは、商店街の問題を検討する場合にも必要な事である。本研究では、同一次元で実施された購買動向調査と市民意識調査の中から、購買行動と性格特性の関係について分析した。その結果、次のような事が明らかにされた。1. 購買行動における性格特性として、主成分析の結果、4因子を抽出した。第一因子を感覚派タイプ、第二因子を現実派タイプ、第三因子を自己充実派タイプ、第四因子を知性派タイプと意味づけられた。2. これらの各因子群の項目と商店街イメージとの関係を数量化I類でもって検討された。その結果、第一因子では、商店街のファッション性と関係があり、各商店街によって違いが見られた。したがって、この因子特性の高い人は、商店街のファッション性に注目すると考えられた。第二因子では、各商店街の交通やサービスといった実利的側面との関係が見い出された。それに対して第三因子では銀座商店街のサービスや魅力性や大薮の専門店といったように、特定の商店街に対して関係が高く見られた。第四因子では、旧商店街と新商店街との工間に評価の違いがこの特性にあることが推考された。3. 性格特性のタイプは、商業施設や購入先店の選択においても違いが見られた。特に婦人・子ども服の購入先店と紳士服類の購入先店には、タイプの違いによって反転する結果が得られた。以上の結果から、商業活動に影響を与えるものとして、多数の社会的要因があると考えられる。しかし、それを検討するためには、消費活動をする人間自身に焦点をあてることの必要性が大切であることを本研究は明らかにした。特に、社会的要因の影響を受ける人間としての消費者をとらえる時、人間の性格特性を除外しては考えられないと判断された。したがって、購買動向における変動の本質的な要因を考える場合、又、商店街の活性化について考える場合でも、消費者の性格特性との関係で分析するといった試みは、今後とも、重要な課題であると考えられた
著者
高橋 宗一
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.15, pp.A23-A39, 1991-12-20
著者
田辺 郁男 高橋 宗一郎 高橋 智
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.862, pp.18-00171, 2018 (Released:2018-06-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1

The Design of Experiments (DOE) is a method that is widely used due to its effectiveness to select optimum conditions in the design stage of product development. On the other hand, a fast, low cost, labor saving and energy-saving innovative development is also required in industry. In this research, a program for quickly searching the optimum condition using design of experiments is developed and evaluated. Relationships between each parameter and the final property are firstly cleared for each formula by using the design of experiments. Then the optimum conditions for each parameter were decided by using these formulas in a program. The optimum final property with each optimum level value were calculated. In addition, the optimum condition for cooling system using alkaline water mist was investigated for evaluating this program in an experiment. It is concluded from the result that (1) the program using the design of experiments was useful for fast development process, (2) this program could quickly and accurately decide the optimum cooling condition for cooling system using alkaline water mist.
著者
礒村 宜和 木村 梨絵 高橋 宗良
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.14-21, 2011-03-05 (Released:2011-05-20)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

大脳皮質や海馬のような脳領域における局所回路内の信号処理の仕組みを調べるためには,複数の電極をもちいて多数の神経細胞の発火活動を同時に検出できるマルチニューロン記録法が有効である.ここでは同記録法の簡単な具体例を中心にして,動物の手術から,多点電極,プリアンプ,メインアンプ,記録装置,オフラインでの自動スパイク·ソーティングとスパイク·クラスターの修正と選択までの各段階を,順を追って詳細に解説する.
著者
下田 昌弘 高橋 宗雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.221-222, 1999-03-09
被引用文献数
1
著者
浦 雅春 石光 泰夫 小林 康夫 杉橋 陽一 河合 祥一郎 高橋 宗五
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

本研究は既存の国や文化の枠を超えてますますクロスオーバー化する現代の演劇の諸相を歴史的淵源にさかのぼって分析するとともに、近年著しい成果をあげているインターディシプリナリーな分析装置を手がかりに多角的に演劇の表象システムを再検討することを目指したものである。年度ごとの研究成果を記せば、以下の通りである。平成9年度においては、まず研究の端緒として広くヨーロッパ近代演劇の成立にかかわる各国の演劇理論を再検討し、個々の演劇理論が具体的にどのような舞台表象とつながりの中で発展してきたかを解明した。平成10年度には、「身体論」と「空間論」の観点から演劇の表象システムを考究した。おのおの文化に固有な身体観や空間意識がいかなる形式を演劇に与えるか、また逆に演劇という表象システムが演劇固有の身体や空間を形作ってきたか、その相互のダイナミズムを理論化した。平成11年度には、精神分析の立場から演劇に分析を加えた。たんに戯曲というテクストを精神分析的に解剖するのではなく、演劇と精神分析がきわめて類似した表象システムであることを分析し、演劇の中でヒステリー的身体がいかに抑圧され、また解放されてきたを歴史的に解明した。最終年の平成12年度には、これまでの研究成果の取りまとめの段階として、演劇という表象システムの歴史的変遷を総括した上で、演劇と他のメディアの相互作用、個別身体論や空間論との交叉から演劇のインター・カルチャー的本質を抽出し、演劇理論の新しいパラダイムを構築した。
著者
鍛治 哲郎 高橋 宗五 川中子 義勝 臼井 隆一郎 安岡 治子 高田 康成 西中村 浩 柴 宜弘
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

20世紀末に近代の産物である「国民国家」を否定する方向でヨーロッパ統合という試みがなされる一方、旧ソ連・東欧諸国においては、ソ連の解体し、「東欧革命」のあと、逆に「国民国家」として新たな国家統合を試みる動きがはじまり、各地で紛争が生じている。本研究はこうした状況を踏まえ、それ自体多様な歴史的内実を有するドイツ理念とヨーロッパ理念の相関関係という問題を、特に20世紀における展開を中心に、今日的視点で整理することを目的とした。そして、ドイツを中心としつつも、歴史的にはギリシア、ラテン文化・思想の伝統を踏まえ、地域的には周辺諸地域、とりわけ旧東欧、ソ連諸国との関わりのなかで、ヨーロッパ統合の時代における新たなドイツ理念の展開を研究していった。その結果、19世紀のドイツ・ロマン主義や20世紀初頭のドイツにおける民族主義がその周辺諸地域に大きな影響を与えたこと、こうした地域、とりわけバルカン諸国においては、この影響下で作り上げられた民族的な神話と、それに基づく人々の集団的な記憶と強力なナショナリズムが今日に至るまでなお力を持ち続けていることが確認できた。さらに、国法学者カール・シュミットに中心を当てた共同研究も行ない、この思想家が汎カトリックの思想基盤に立つヨーロッパ有数の思想家であると同時に、その活躍した時代がナチズムの時代に当たり、ヒトラーの桂冠法学者としての20世紀におけるドイツとヨーロッパの理念の相関関係を体現する思想家であることが浮かび上がってきた。また、ミュンヒェン・シュヴァービングを震源地とする母権思想はシュミット自信も自覚していたように、彼の男性的父権的政治思想の対極をなしていること、ベルリンを本拠とする男性同盟的ドイツという思想とミュンヒェンの母権思想の対比が20世紀初頭のドイツにおけるヨーロッパ理念の対極であることなども明確になった。