著者
Lee J. D. Nagatomi T. (Translator) Mizutani G. (Translator) Endo K. (Translation Supervisor)
出版者
Surface Analysis Society of Japan
雑誌
Journal of Surface Analysis (ISSN:13411756)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.36-57, 2011

Novel potentials of photoemission electron spectroscopy have been recently enabled to be explored by an advent of upgraded relevant technology. The enhanced signal-to-noise ratio by an advancement of measurement technology has revived attention to the extrinsic loss beyond the sudden approximation of photoemission spectroscopy. The ultrashort laser pulses and their control by the state-of-the-art laser technologyhave given birth to the time-resolved photoemission spectroscopy. In this issue, we introduce somestudies of the extrinsic loss and the time-resolved mode of the photoemission spectroscopy. : 光電子分光法のもつポテンシャルは,関連技術の発展によってさらに高まっている.測定技術の進歩によって信号雑音(SN)比が向上したことで,従来の突然近似では取り扱えない,光電子分光のエキストリンシックなエネルギー損失に再び注目が集まるようになっている.また,超短レーザーパルスと最新のレーザー技術によって時間分解光電子分光法が実現された.本稿では,エキストリンシックなエネルギー損失と時間分解光電子分光に関するいくつかの研究について紹介する.
著者
T. Nakai
出版者
The Botanical Society of Japan
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.504, pp.556-566, 1928 (Released:2011-01-26)
被引用文献数
2
著者
Osvaldo N. Oliveira Jr. Tácito T. A. T. Neves Fernando V. Paulovich Maria Cristina F. de Oliveira
出版者
(社)日本化学会
雑誌
Chemistry Letters (ISSN:03667022)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.1672-1679, 2014-11-05 (Released:2014-11-05)
参考文献数
46
被引用文献数
17

An overview is presented of the many opportunities and challenges for using “Big Data” concepts to treat data from chemical sensors. Issues discussed include the need to make data machine readable and how to integrate distinct types of data that can be acquired and stored in different places. As a concrete example of possible applications, we propose a framework for an expert system dedicated to clinical diagnosis, where data from various types of sensors can be combined with text to provide better-informed diagnostics.
著者
Hisashi Kada Hiromasa Hojyo Isao T. Tokuda
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
Nonlinear Theory and Its Applications, IEICE (ISSN:21854106)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.466-475, 2014 (Released:2014-10-01)
参考文献数
24
被引用文献数
3

Because of an increasing demand on electric power and limited resources for conventional fuels, highly efficient engine that is capable of converting energy resource to electric power with a small loss is awaited. In this respect, Stirling engine provides a strong potential because of its efficient thermodynamic cycle, which is ideally close to the theoretical limit of the Carnot cycle. Practical use of the Stirling engine, however, has been limited because of its low output power. Towards its wider applicability, simultaneous operation of many individual Stirling engines is indispensable to increase the output power. This paper presents an experimental study of synchronized dynamics of two coupled Stirling engines. It is shown that the synchronized operation of the population of engines provides a key technology to extend the system size so as to produce a large-scale electric energy.
著者
松村 多美子 DORIBAL T. SIMMONS D. ZHAODONG L. RAHMAN M.D. KANAKAMANI T OPENA M. HUNG T.B. BUDIHARDJO U NETTAVONGS K MILNE L. DINH D.N. TORRIJOS D.E 竹内 比呂也 谷口 祥一 永田 治樹 常磐 繁 内藤 衛亮 原田 勝 小野 欽司 猪瀬 博 LAHIRI A. YEE J. NEES J.M. DORJBAL T NETTAVORGS K NEES T.M. DORJBAL T. KANAKAMARI T 根本 彰 緑川 信之 山田 尚勇 CHEVAPRAPANA O ISMAIL M.S. SHRESTHA K. WIJASURIYA D
出版者
図書館情報大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

本研究はアジア・太平洋地域諸国が参加し,ユネスコ総合情報計画/ASTINFOの枠組みにおいて実施する国際共同研究である。これらの諸国は情報インフラストラクチャはもとより経済的発展段階,分化・歴史・社会制度などきわめて多様性にとんでいることから,本研究を効果的に進めて行くために研究分担者が集まり全体的な実施計画並びに方法について討議を行う必要があった。そこで平成6年10月11-14日に図書館情報大学において第1回国際ワークショップを開催した。これには海外から,インドネシア,タイ,フィリピン,ベトナム,オーストラリア,ユネスコ地域アドバイザーが参加し,調査研究の全体計画と方法論を討議し,さらに平成6年度の具体的実施計画を策定した。この結果研究方法としては,1)質問紙による調査を各国の研究分担者を中心とするナショナルチームが実施する。2)質問紙調査データ集計処理は日本チームが行う。3)現地調査は日本からの派遣研究者と当該国の研究分担者及びナショナルチームが共同で実施する。4)このため各国に研究分担者を中心とし,関連情報機関を網羅する組織(ナショナルチーム)を設置する。この研究方法はその後の実施を通じてきわめて有効であることが立証され、成果報告の場においても高く評価された。また,質問紙調査の調査項目についても討議を行い本研究を通じて使用する質問紙(英語)を作成した。平成6年度にはベトナム,インドネシア、フィリピン,タイにおいてそれぞれ研究分担者と共同で主要な情報センター,国立図書館,大学・研究所図書館など中心的な役割をもつ情報機関を対象に訪問調査を実施した。また,情報政策に関連する政府機関で関係者と意見交換を行うことができた。ベトナムでは研究分担者を中心にベトナム研究班を設置し,Information Infrastructure and Servies in Vietnam:Stuational Reportを作成し,わが国の派遣研究者を加えてハノイ市で全国セミナーを開催し,国立情報センター,国立図書館,文書館,通信関係者など情報関係者が集まり活発な討議を行った。平成7年度には8月21-25日に図書館情報大学において,第2回国際ワークショップを開催した。これには海外からバングラデシュ,ニュジーランド,フィジ-,フィリピン,ベトナムが参加した。ここでは1年間の研究実績をレビューし,平成7年度の研究計画について最終討論を行った。また,既にを完了したフィリピンからナショナル シチューション リポートの報告があり,フィジ-,バングラデシュ、ニュージランドからはカントリーレポートの発表が行われた。現地調査はバングラデシュ,フィジ-,ニュージーランド,モンゴルについて実施した。バングラデシュではベトナムと同様にナショナル シチュエ-ショナルレポートがほぼ完成しており,全国セミナーを開催して討議を行った。また,アジア・太平洋地域で情報基盤整備が進んでいるシンガポールについて特にInformation2000の情報政策を中心に調査を行った。平成8年度には,10月8-11日に第3回国際ワークショップを開催し,これまでの各国における調査結果の分析に基づく,クロスカントリー アセスメントリポートの発表と討議を行った。また,3年間の研究実績の評価を行い,本研究の成果を広くアジア・太平洋地域に伝えるために平成9年度に国際シンポジウムを開催することが決議された。本研究の成果の主な点は,-新しい調査研究方法の確立-情報インフラストラクチャの実態と今後の対応をまとめたナショナル リポートの刊行(ベトナク,バングラデシュ,フィリピン,フィジ-などユネスコから出版)-各国の調査結果の分析に基づき地域レベルで考察を加えたクロスカントリー アセスメントリポートの刊行-各国における調査研究能力の開発に貢献-主な出版物・Proceedings of International workshop,11-14 Octoer 1994.ULIS,1994 (SISNAP Report 1)・学術情報ネットワークの基盤構造に関する調査研究-アジア・太平洋地域における- 平成6年度 研究報告 ULIS,1995 (SISNAP Report 2)・Proceedings of the 2rd International workshop,21-25 August 1995.ULIS,1995 (SISNAP Report 3)・Proceedings of the 3rd International workshop,8-11 Octoer 1996.ULIS,1996 (SISNAP Report 4)
著者
池上 高志 FROESE T FROESE T.
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

基本的なテーマである、身体化認知科学の研究を,特に2人以上の社会的なネットワークの中で考察していく、それを進めていくことが出来た。身体性認知科学とは、人の知覚とは外部から勝手にやってくる情報をパッシブに受け止めることではなく、自分で積極的に動くことである。つまり知覚と、自律的な身体運動は等価である。こうした身体性認知科学の視点をさまざまな機会で発表し、また認知実験やモデル実験で示すことができた。例えばAndy ClarkのBehav.Brain Sci.に対するコメント論文、Frontiers in Human Neuroscienceへの論文、あるいは国際会議での招待講演の中で主張してきた。具体的な実験として、知覚交差実験を新たに構築しなおすこともできた。これは、人を被験者としてコンピュータのスクリーン越しに触覚による対話をさせる実験である。仮想空間上の同じところに指があると、指先にはめたデバイスに刺激が生じるが、それは相手じゃなくてその仮想空間上の静止物に触っても生じてしまう。また、あいての本当の指の影に接触しても刺激が生じる。この静止物や影と、本物の相手の指を区別できるかどうか、がここでの実験である。この対話相互作用を繰り返し、この実験を行い、いつどういうタイミングでマウスをクリックするか、それが正しいか、またそのときに相手であることがはっきり知覚できたか(Perceptual Awareness Scale=PASという)、をアンケートで調べたりした。この結果、正しいクリックが高いPASを伴うことなどを発見することができた。これはひき続いて研究中である。この認知実験を説明する力学系モデルの研究は、論文として受理されている。
著者
M. YAMAMOTO T. TAKADA S. NAGAO T. KOIKE K. SHIMADA M. HOSHI K. ZHUMADILOV T. SHIMA M. FUKUOKA T. IMANAKA S. ENDO A. SAKAGUCHI S. KIMURA
出版者
GEOCHEMICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
GEOCHEMICAL JOURNAL (ISSN:00167002)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.341-353, 2012-08-20 (Released:2013-11-08)
参考文献数
11
被引用文献数
59 24

A field survey was carried out soon after the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident. Gamma-ray emitting radionuclides and plutonium isotopes in a series of soil samples collected from the heavily contaminated areas outside the 20-km exclusion zone, as well as from Okuma Town adjacent to the plant, were measured. Volatile radionuclides such as 131I, 134Cs, and 137Cs contributed largely to the released radioactivity. Higher depositions of these nuclides were observed in areas to the northwestern—including Okuma Town and Iitate Village, which is at a distance of 25-45 km from the plant. The results obtained were consistent with the levels and distributions estimated later by the Japan-USA joint-survey (Asahi Shimbun Company, 2011). Trace amounts of plutonium isotopes originating from the accident were detected mainly in soil samples from Iitate Village and in limited soil samples from Okuma Town. The detected levels of 239,240Pu contamination due to the accident were considered to be less than a millionth those of the 137Cs contamination.
著者
鈴木 庄亮 ROBERTS R.E. LEE Eun Sul. ORLANDAR Phi 町山 幸輝 BLACK Thomas 小林 功 山中 英寿 BUJA Maximil SHERWOOD Gue 倉茂 達徳 土屋 純 BURKS T.F. 伊藤 漸 BUTLER Patri 中島 孝 石川 春律 SHERWOOD Gwendolyn BURKS F.thomas THOMAS Burks 森下 靖雄 ROBERTS R. E 鈴木 守 LEE Eun Sul 古屋 健 JUDITH Crave RONALD C. Me GUENDOLYN Sh 大野 絢子 GEORGE Stanc 城所 良明 近藤 洋一 PAUL Darling 三浦 光彦 村田 和彦
出版者
群馬大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

平成5年度に、医学教育全般、基礎医学、看護教育、大学院教育及び病院管理を中心に相互の調査研究を実施した。これをうけて平成6年度は臨床医学教育、臨床病理・検査医学、教育技法を中心に相互訪問し、資料作成提供、説明とヒアリング、見学と討論及びセミナー開催を行なった。(1)日本側大学: 群馬大学及びその医学部、生体調節研究所(前内分泌研究所)、及び医療短期大学部。研究分担者は各部局の長および医学部教務担当教授、内科、外科、臨床病理の教授。(2)相手校: 州立サキサス大学健康科学センターヒューストン校(H校と略す)およびその医学部、公衆衛生学部、看護学部、医療技術学部、及び生物医学大学院。研究分担者は教務担当副医学部長を代表として各部局の教務関係教官。(3)渡米した教官: 中島孝(医学部教務担当、病理学)、小林功(内科学、臨床検査医学、団長)、山中英寿(外科学)、及び倉茂達徳(医短、臨床病理学)の4教授。(4)訪日した教官: 教務担当副医学部長PMバトラ-女史(医、小児精神医学、団長)、Mブヤ(医、病理学主任教授兼医療技術学部教授教授)、PMオルランダー(内科学)、及びCTブラック(外科学)の4教官。(5)研究分担者会議を日米7回開催し、研究の概要説明、研究計画実施手順、資料収集、研究討論、などを行った。(6)前年度のサキサス大学訪日団の報告書の修正、入力、整理、翻訳を行い学内関係者に回覧し、意見を求めた。(7)渡米・訪日期日: それぞれ、6月6-13日と10月22-29日。(8)渡米団の活動: 前年度訪日したH校副学長、医学部長から歓迎の意を表された。目的とする卒前卒後の臨床医学教育訓練を中心テーマとして、予定されたプログラムにそって、資料提供、説明、見学、討論が行われた。すなわち、ヒューストン校の概要、医学部カリキュラム、医学部卒後教育、臨床病理学教育及び施設、学習資源センター、医学総合図書館、教育関連病院、学生相談システム、学生評価、教官採用評価昇進等について見学と討論が行われた。(9)訪日団の活動: 日本の医学教育及び群馬大学医学部における卒前卒後の医学教育訓練について、内科外科臨床教育を中心に各研究分担者が用意した資料にもとづいて説明し、討論した。附属病院内科外科外来病室及び臨床病理中央検査部で詳細な現地見学聴取討論をし、卒後臨床教育の観点から学外の大学関連病院および開業医2ヵ所を見学した。医学教育セミナーを開催し、H校の4教官がそれぞれの立場から具体的な医学教育の方法、内科診断学教育、一般外科の実習、臨床病理学の教育、問題解決型学習および標準患者による臨床実習の方法について説明と話題提供をした。(10)報告会と報告書: 渡米した4教授による調査研究の公開報告会を7月12日に開催し、報告書の提出を得た。今年度訪日した4教官の報告書入手中。(11)本事業の意義について: 双方の教官は、相互訪問し各自の医学教育システムを最大限わかってもらえるよう努めた。相互訪問で視察と討論を行うことにより相互の文化的背景にまで及ぶほど理解が深まった。とくに西欧社会はこれまでわざわざアジアを理解しようとすることは少なかったので、テキサス大学教官にとっては国際理解のいい機会になった。米教官の一人はこのような試みに研究費を出す日本政府は米政府より将来優位に立つかもしれないと述べた。(12)日本にない米医学教育システムの特色: 入学者選抜は約15倍の学士である志願者に対して1.5時間におよぶ面接口頭試問を含む、PhD教官による基礎科学と医師による臨床医学の接続がうまくいかない、カリでは行動科学・プライマリケアが重視されている、問題解決型学習が定着している、カリにゆとりがあり積極的な自己学習を期待している、標準患者による具体的で実際的な診断学教育が行われている、学生当たりの教官の数が5割程度多い、卒後医学教育が「医局」でなく一定のプログラムの下に行われ専門医等の資格に至るようになっている、臨床検査技師教育はより専門分化している、等である。
著者
Kasthuri Venkateswaran Myron T. La Duc Gerda Horneck
出版者
日本微生物生態学会 / 日本土壌微生物学会 / Taiwan Society of Microbial Ecology / 植物微生物研究会
雑誌
Microbes and Environments (ISSN:13426311)
巻号頁・発行日
pp.ME14032, (Released:2014-08-12)
被引用文献数
6 23 1

The National Research Council (NRC) has recently recognized the International Space Station (ISS) as uniquely suitable for furthering the study of microbial species in closed habitats. Answering the NRC’s call for the study, in particular, of uncommon microbial species in the ISS, and/or of those that have significantly increased or decreased in number, space microbiologists have begun capitalizing on the maturity, speed, and cost-effectiveness of molecular/genomic microbiological technologies to elucidate changes in microbial populations in the ISS and other closed habitats. Since investigators can only collect samples infrequently from the ISS itself due to logistical reasons, Earth analogs, such as spacecraft-assembly clean rooms, are used and extensively characterized for the presence of microbes.Microbiologists identify the predominant, problematic, and extremophilic microbial species in these closed habitats and use the ISS as a testbed to study their resistance to extreme extraterrestrial environmental conditions. Investigators monitor the microbes exposed to the real space conditions in order to track their genomic changes in response to the selective pressures present in outer space (external to the ISS) and the spaceflight (in the interior of the ISS). In this review, we discussed the presence of microbes in space research-related closed habitats and the resistance of some microbial species to the extreme environmental conditions of space.
著者
大泰司 紀之 呉 家炎 (W5 J) 余 王群 高 耀亭 揚 慶紅 (Y .′ Y .′ Y O) 彭 基泰 (T%.′ J) 鈴木 正嗣 武田 雅哉 小泉 透 梶 光一 常田 邦彦 高槻 成紀 三浦 慎悟 庄武 孝義 YANG Qing-hong PENG Ji-tai GAO Yao-ting WU Jia-yan YU Yu-qun
出版者
北海道大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1988

《1.形態・系統学的研究》 年齢群別に標本の記載・検討を行う目的で年齢鑑定に関する研究を行い、第1切歯および第1大臼歯のセメント質組織標本により、正確な年齢鑑定ができること、および歯の萌出・交換・磨耗等によって、およその年齢鑑定ができることが判明した。体重は、2.5カ月〜3.5カ月の子鹿7例の平均の43kg、雄の場合1.5歳約70kg、2.5歳約180kg、7〜13歳の成獣は約205kg 、雌の6〜14歳では約124kgであった。胴長の平均は、成獣雄123.8cm、肩高はそれぞれ121.5、117.3cmであった。これまでに報告のない特微として、出生直後の子鹿にはニホンジカと同様の白班があり、生後2カ月、7月中旬頃には消失するることが挙げらでる。頭骨は他のCervus属の鹿に比べて鼻部顔面の幅が広く、眼下線窩が大きく深い。これは乾燥・寒冷地への適応、草原におけるcommunicationとの関係を推測させる。大臼歯のparasrastyle、mesostyleが発達していることは、固い草本を食べる食性に適応した結果と考え得る。角は車較伏の枝分かれをし、1歳で2〜3尖、2歳で3〜4尖、3歳以上で5〜7尖になるものと推定される。以上の結果などから、クチジロジカはアカシカに似るが、ルサジカより進化したものと考えられる。《2.地理的分布および生息環境》 チベット高原東部の海抜3000mから5000mにかけての高山荒漠・高山草甸草原・高山潅木草原に分布している。分布域は北緯29〜40度、東経92〜102度の範囲で、甘粛省中央部の南部、青海省東部、四川省西部、チベット自治区東北部および雲南省北部にまたがる。分布域の年降水量は200〜700mm、年平均気温は-5〜5℃、1月の平均気温は-20〜0℃、7月の平均気温は7〜20℃の間にある。森林限界は3500〜4000m、その上は高山草原であるが、4000〜4500m付近まではヤナギ類などの潅木がまばらに生えている。《3.生態と行動など》 主要な食物は草本類(カヤツリング科・禾本科・豆科)であり、冬期にはヤナギ類などの潅木の芽も食べる。胃内容や糞分析の結果では、クチジロジカはJarmanーBellの原理によると草食(Grazer)である。出産期は5月下旬から6月で、1産1子。初産は2歳または3歳で、毎年また隔年に通常12〜14歳まで出産する。最高寿命は、自然条件下では雄で12歳前後、雌はそれより長いものと推定される。群れは最大で200頭、平均35頭。雌と子および1歳の雄も加った雌群、雄群、および発情期にみられる雌雄の混群の3つの類型に分けられる。性比は2.2、100雌当りの子の数は29頭であった。夏期は標高い高山草原で過ごし、冬期は積雪の多い高山草原を避けて潅木林へ移動する。交尾期の最盛期は10月で、11月中旬に再び雄群・雌群に分かれる。妊娠期間は220〜230日と推定される。交尾期の社会組織はハレム型と交尾群型の2つがあり、ハレム型は雌が25頭以下の時にみられ、大きな角を持つ成獣雄が1頭だけ優位雄となって加わる。雌の個体数がそれより多くなると、複数の優位雄が参加する交尾群となる。音声行動には、うなり声と優位の雄が出す咆哮とがあり、特に咆哮は4〜5音節から構成される連続声で、クチジロジカ独特のものである。《4.保護管理について》 チベット高原のクチジロジカは、ヤク・ヒツジ牧業が同高原へもたらされた2000〜3000年前から、人類の影響を受け、「チベット解放」後は、家畜と人口が増えたこと、自動車道路が発達したこと、兵站が各地に出来て、銃が多数持ち込まれたことなどの直接・間接的な影響によって、分布域・生息数ともに大きく減少した。今後は、有蹄類の保護管理に従って、地域毎の適正頭数(密度)を算定したうえで、その頭数になるまでは哺護を禁止し、一定の密度に保つ必要がある。そのような体制の出来るまでの間は、各地に保護区を設定して減少傾向を止めることが最も現実的と考えられる。
著者
D Haglin R Roiger J Hakkila T Giblin
出版者
CODATA
雑誌
Data Science Journal (ISSN:16831470)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.39-53, 2005 (Released:2006-01-05)
参考文献数
22
被引用文献数
6

The scientific method encourages sharing data with other researchers to independently verify conclusions. Currently, technical barriers impede such public scrutiny. A strategy for offering scientific data for public analysis is described. With this strategy, effectively no requirements of software installation (other than a web browser) or data manipulation are imposed on other researchers to prepare for perusing the scientific data. A prototype showcasing this strategy is described.
著者
Shiraki T.
出版者
社団法人日本動物学会
雑誌
日本動物学彙報
巻号頁・発行日
vol.7, no.5, pp.291-331, 1911-08-30
著者
Yoshimi K Kaneko T Voigt B Mashimo T
出版者
Nature Publishing Group
雑誌
Nature communications (ISSN:20411723)
巻号頁・発行日
vol.5, 2014-06-26
被引用文献数
152

CRISPR/Casシステムを用いたアレル特異的ゲノム編集とラット毛色突然変異の修復!.京都大学プレスリリース. 2014-06-27.
著者
TAKAHASHI T
出版者
桜美林大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究は過去12年間にアジアモンスーン域13箇所から飛揚した200台以上のVideosondeデータを解析し、豪雨をもたらす機構を雲物理学的視点から研究することを目的としている。ビデオゾンデ解析に先立ち、ドップラーレーダ等のデータ解析からモンスーン雨をもたらす雲システムの分類を行った。シノプテックな場の違い、気団の相違から各地でそれぞれ独特な雲システムが発達していた。ビデオゾンデ解析研究は雲内降水粒子の映像を記録したビデオテープの読み込みから始め、143台分の降水粒子型別粒度高度分布を求め、高度500mごとに積算し、質量及び数密度関数値を計算した。これらの基本データをもとに、まずアジアモンスーンの降水機構についての研究を行った。モンスーン雨は降水機構で"すみわけ"があること、即ち中国内陸の"冷たい雨"、熱帯海洋上の"凍結氷雨"、及び多島域での"混合型雨"である。これら降水機構の違いは雲内氷相活動の差を意味しており、雪数空間濃度に大きな地域差が見られ、雷放電頻度地域図と良く符号していた。雷放電の少ない西太平洋上で霰も氷晶も少なく、そこでは多島城と異なる"凍結氷"型で雨が降っていた。解析のハイライトは"Mix"型降雨域で雨水量が急増しているケース群の発見である。ビデオゾンデによる粒度高度分布は0℃層で霰も凍結氷も急成長していた。この原因の解明のため、微物理過程導入の三次元雲モデルを走らせた。温度・湿度場は熱帯型を与え、風には下層に直線シアーを与えている。発達した雲セルからの降水は強い下降気流を形成、下層風上に侵入した流れは次々に前方に小積雲を作る。氷晶成長に伴う潜熱放出で親雲セル内上昇流は強まり、風上側娘小積雲を引き寄せる。親雲セルから降る霰は娘雲セルから供給される十分大きく成長した過冷却水滴を捕捉、0℃層で霰が急成長、降水強度も急増した。即ち豪雨時霰急成長を通して0℃層での水の集積が行われていることが見出された。豪雨形成には霰形成の活発化と0℃層への過冷却水滴の定常的な供給を可能とする特別な力学の場が必要であり、ポラリゼーションレーダ等によるそれらの早期検知が豪雨予報改良に役立つと考えられる。