著者
冨田 寛 石井 泰平 青柳 充雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.141-145, 1976-03-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
12

酒の効能の1つに食欲増進作用があることはよく経験するところである。また料理を美味にするために酒が使用されることも多い。それではこの酒の主成分であるエチルアルコール自体の味は, またそれが人間の味覚受容器にどのように働くであろうか, 生理学の立場から解説していただいた。
著者
入江 経明
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.846-851, 1987-12-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
2

昭和60年にお燗機能付き酒類容器が新発売され, いつでもどこでも手軽に燗酒が飲めるようになり話題となった。しかし, 製品開発の過程では解決しなければならない多くの技術的問題があり, 製品設計から発売までに2年を要したという。|本稿では, 新製品開発に伴う諸問題の解決手法やその苦労について詳細に解説していただいた。新製品開発の代表例として大いに参考になるケースである。お燗機能付き酒類容器は “話題性・遊び心” のある商品であり, 今後の普及・発展を期待したい。

9 0 0 0 OA II. 精米

著者
野白 喜久雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.89-93, 1975-02-15 (Released:2011-11-04)

今回は酒造りではややもすると見過ごされやすい「精米」について, 広範な文献をもとに今昔を解説して頂いた。「昔と今の酒造法の最大の相違は精米歩合の差である」という結語までの論の展開に魅せられてしまうであろう。
著者
大隅 良典 安楽 泰宏 北本 勝ひこ
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.11-16, 1985-01-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
23
被引用文献数
1

液胞は酵母を始め植物細胞に存在し, 古くから細胞内の古くなった蛋白の再処理工場として, またアミノ酸などの貯蔵庫としての役割に関与していると言われながら, その単離が困難であったため不明な点が多かった。著者らの研究室では, 世界で初めて酵母液胞膜小胞の調製に成功し, それを用いて液胞膜ATPaseの精製, アミノ酸輸送系の解析等の液胞機能の解明が進んでいる。 本稿では, 最近の液胞に関する研究の現状と, それらと清酒醸造との関わりについて解説していただいた。

8 0 0 0 OA 味噌・醤油

著者
二瓶 孝夫
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.7, pp.542-549, 1978-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
16
被引用文献数
1
著者
菅間 誠之助
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.11, pp.765-770, 1975-11-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
20

焼酎はどこから来たか。南の島沖縄を経て南九州に上陸し, ほとんどそこに定着した感がある。すなわち焼酎の製造, 消費は鹿児島, 宮崎, 熊本の三県にかたよっているが, その歴史は古く, 近代に至って自家製造から企業へと, 済酒業界に似た種々の試練を経て今日に至っている。民族の蒸溜酒たる焼酎は最近識者間にブームを呼び起こし, 年々県外移出数量も50%前後の伸びを示している。
著者
越後 多嘉志
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.244-249, 1977-04-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
11

古い時代から甘味料として親しまれ, また近年着実な需要の伸びを見せている蜂蜜。その化学組成は蜜源の影響をあまり受けないという。蜂蜜生成過程でみられる各種糖類および有機酸類の生成, 蜂蜜の細菌生育抑制作用等についての解説は, 直接蜂蜜を取り扱うことのない者にとっても興味深い。
著者
村上 英也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.117-121, 1971-02-15 (Released:2011-11-04)
被引用文献数
1

我々日本の醸造屋は「コウジカビ」の大きな恩恵をうけている。明治9年に発見, 報告されてから現在までに多数の菌株が分離, 利用されているが, 筆者は長年, コウジカビの研究をし, 最近コンピュータを用いて, これがアスペルギルス・オリゼーという大集団で, フラブスとはちがうこと, 標準株と-致する株が50年来醸試に保存されていたことなどのいきさつを述べている。正しいコウジカビの知識のためにも, また研究者の喜びを理解していただく上にもぜひ一読を願いたい。
著者
中川 七三郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.680-683, 1987-10-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
3

佐渡を代表するものといえば, おけさ, 金山, トキとともに佐渡味噌がある。この佐渡味噌は, 味噌の種類からいっても, 仙台味噌, 信州味噌とともに日本の代表的米 (辛) 味噌の一つである。佐渡が対島暖流の影響で比較的暖かく, 味噌の原材料の自給は勿論, 桶・樽材の生産, そして製品味噌の船便移出など, 味噌産業の興隆に好条件に恵まれていた。本稿では, その佐渡味噌発展のバックグランドについて解説していただいた。
著者
大西 邦男
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.848-853, 1983-11-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
30
被引用文献数
1

味噌の熟成に関する研究は, これまでタンパク質の加水分解や炭水化物の加水分解と分解産物の発酵などの面から進められたものが多い。ところが, 味噌の固形物中に10%以上も含まれる脂質の変化と熟成との関係についてはなお不明の点が多い。この点に関して, 著者の研究成果を中心に纏めて頂いた。
著者
黒田 武
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.84-88, 1975-02-15 (Released:2011-11-04)

清酒の表示問題は, すでに1月1日より製造年月日の表示が実施されており, 生産者各位には十分な通知, 情報が入っていることであろう。しかし問題はさらに公正競争規約へと移行するのであって, ここでもう一度表示問題を根本的に考えてみたいものである。直接指導に当られた公取側からの解説をお願いした次第である。

5 0 0 0 OA 飲酒の生理

著者
額田 粲
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.10, pp.960-963, 1971-10-15 (Released:2011-11-04)

近年わが国は飲酒量においても先進国の仲間入りをしたが, それにともなって過度の飲酒による保健の問題, 社会問題の解決という文明国に共通な悩みをかかえるに至った。もちろん, それは酒そのものの罪ではない。しかし酒の功罪はともかく, 飲酒の生理について知っておくことは, 酒を愛し, 酒を商売とする者の常識として当然必要なことであろう。本稿では酒類の主役たるアルコールの体内における消長, その間の種々の生理作用について詳しく解説していただいた。
著者
小片 重男
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.488-495, 1976-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
67
被引用文献数
2 1

柿の実が酒酔いを軽減したり, 悪酔い, 二日酔いに効果のあることは昔から知られていたが, 今回著者は科学的にそれを実証された。さらにアルコールの体内での吸収と代謝機構, 悪酔いと二日酔いの違いとそれの発現機序などについて, 医学, 生化学の立場から最新の知見を述べておられる。是非一読をおすすめしたい。

5 0 0 0 OA 嗅覚の生理学

著者
高木 貞敬
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.346-351, 1973-05-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
4
被引用文献数
1

食品とニオイの関連性については今さら云々するまでもないが, 醸造の分野におけるニオイの研究は, 主にニオイ物質の解明に重点がおかれている。そこで本稿では視線をガラリと変えて, ニオイを感じる主体, すなわち嗅覚の側から最新の解説をお願いした。筆者は, わが国の嗅覚生理の領域における指導者的立場にあリ, 現在群馬大学医学部の生理挙教授として御活躍中である。特に最近, 悪臭公害防止法による規制基準の作成にあたって委員長として貢献され, また日本人の嗅覚力測定のために, 全国各大学耳鼻科の研究活動をとりまとめるという大変な労をとられている最中である。