著者
好井 久雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.43-49, 1967-01-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
83
被引用文献数
2 1

微生物に限らず広く植物や動物など, 生物というものは塩類がなければ生活できない。そしてその生活に対する最適の塩類の濃度というものは, 生物の種類でちがっているが, 一般的にいえば2%以下であるといえる。この綜説では味噌, 醤油などのように食塩の濃度が高い環境で生育し, そして発酵作用を営み, 製品の熟成にあづかっている特殊な細菌の一群をとりあげて, その解説を試みている。わが国で伝統的に行なわれた醸造技術では, こういう細菌の一群が作用していることが今から50年ぐらい前から判っているが, それらの細菌の組織的な微生物学的研究は最近緒についたばかりである。この新しい分野は微生物細胞学者などによっても着々進められているが, 筆者は刻明にそれらの研究をしらべあげて, 醸造技術研究者という立場からこれをまとめている。発酵微生物一般に対する考えかた, またその応用の面に示唆を与えるものが多いであろう。
著者
藤本 義一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.511-514, 1976-07-15 (Released:2011-11-04)

洋酒ブームといわれてからすでに久しい。どこの家庭にも洋酒のボトルが見られるようになった。しかし, その伝来の歴史となると, 知る人は意外に少いように思われる。ここに洋酒界に著名な筆者に, 洋酒伝来をお書き願った。筆者は憶測で物事を晒ることを好まないという。氏の史観は, 資料を丹念にあたリ, 資料からうらづけられた事実を曲げることなく記すことだという。その理詰めに展開される洋酒伝来の歴史の中に, 読者は自然に魅きこまれていくことだろう。まずはご一読を
著者
伊藤 清
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.144-148, 1987-03-15 (Released:2011-11-29)
参考文献数
6

酒類のみならず食品全般がソフトでフルーティーな嗜好になってきている昨今, 吟醸酒の評価がますます高くなろうとしている。吟醸酒の研究はともすると吟醸香をいかに多く出すかという傾向にあった。著者は, 発想の転換をはかり, 生成した吟醸香がどのような条件で散逸するかを徹底的に究明した。吟醸香を逃さない製造管理について, そのポイントを平易に解説していただいた。
著者
村上 英也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.117-121, 1971-02-15 (Released:2011-11-04)

我々日本の醸造屋は「コウジカビ」の大きな恩恵をうけている。明治9年に発見, 報告されてから現在までに多数の菌株が分離, 利用されているが, 筆者は長年, コウジカビの研究をし, 最近コンピュータを用いて, これがアスペルギルス・オリゼーという大集団で, フラブスとはちがうこと, 標準株と-致する株が50年来醸試に保存されていたことなどのいきさつを述べている。正しいコウジカビの知識のためにも, また研究者の喜びを理解していただく上にもぜひ一読を願いたい。
著者
窪田 譲 伊藤 公雄 望月 務
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.12, pp.821-826, 1981-12-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
7

昔から味噌によって起きた食中毒事故の報告はなく, この面から安全な食品として高く評価され親しまれてきたが, 最近消費者の嗜好が多様化したこと, また保建上のことなどから味噌の食塩濃度が低くなる傾向にあるために, 一部の人々の間から味噌の菌学的安全性について心配する声は聞くようになった。食塩が安全匪保持のために果たしている意義は大きいとはいえ, 食塩によることが総べてではなく他に抑制因子の存在することが考えられるので検討した結果, 水素イオン濃度 (pH), 生成アルコール (量), 水分活性値 (Aw)の3事項が重要な鍵を握り, 単独か, また一部か全部が組合わされて, 衛生細菌の増殖抑制に働くものであって更にこれらに食塩が加わればその濃度に比例して抑制力が増強されることが明らかになった。稿を終るにあたり所員の皆様のご援助に感謝します。
著者
田中 利雄
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.9, pp.629-630, 1984

日本酒のオンザロックがかなり普及してきた。果して, このオンザロックが, 一体, いつ頃から行われたのであろうか。左党ならずとも興味あるところである。
著者
鈴木 昌治 小川 明宏 高橋 力也 米山 平 小泉 武夫
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.575-580, 1984-08-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
21

紹興酒もろみ及び麦麹より分離した発酵性酵母12株の同定試験を行ない, 形態学的性質および生理学的性質の結果よりSacch. cerevisiaeと同定した。また, これら酵母はメレジトーズの資化性 (-), ビオチン欠培地での増殖 (+), イーストサイジンの抵抗性 (-), カリ欠培地での増殖 (+), 高泡形成能 (-), L.caseiによる凝集性 (+Weak), 対5番抗原活性 (-) であり, 本邦の焼酎酵母に類似していた。本研究の遂行にあたり, 試料の提供とともに有意義な御助言を賜わった鈴木明治博士ならびに懇切なる御指導をいただいた竹田正久博士, 中田久保氏に深謝する.

4 0 0 0 OA ビールの色

著者
橋本 直樹
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.128-132, 1980-02-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
28
著者
神保 五彌
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.76-80, 1973

江戸時代後期の庶民の生活のなかにとけこんだ酒の姿を, 早稲田大学の神保先生の流麗な筆をおかりしておとどけする。上酒1升が夜鷹蕎麦20杯分, 下酒1升が同じく5杯分とあるから2,000円から500円位にあたるだろうか, 今にくらべて酒の値段はそれほどかわらない時代の話である。

4 0 0 0 OA 味噌のにおい

著者
伊藤 寛
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.500-504, 1976-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
37

われわれ日本人は味噌のにおいに郷愁を覚え, これを香りとして受容する。外国人は味噌のにおいを嫌うようだが, においのない味噌はその名に価しないものであろう。しかし,「味噌の臭きは喰われず」という諺にも注意しなければなるまい。それはともかく, 味噌のにおいの究明は本質的な研究課題の一つであり, 最近は新しい機器分析法によって追々成果をあげている。本稿は著者らの研究を基にして化学成分の面から味噌のにおいについて解説していただいた。香味の醸成技術に役立てて欲しいと思う。