著者
広井 勝
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.243-246, 1977
被引用文献数
3

キノコ脂質の脂肪酸組成をガスクロマトグラフィーにより測定し, 以下のことを明らかにした.<BR>1) キノコ脂質を構成する脂肪酸は, リノール酸, オレイン酸, パルミチン酸, ステアリン酸が主であり, 特殊なものを除いては脂肪酸の種類は比較的限られている.<BR>2) キノコ脂質を脂肪酸組成の特徴から分けると次の5つのタイプに分類される. (1) リノール酸が主体を占めるタイプ, (2) オレイン酸が主体を占めるタイプ, (3) ステアリン酸含量の多いタイプ, (4) リノレン酸含量の多いタイプ, (5) 特殊な脂肪酸を含むタイプ.<BR>3) 脂肪酸組成の特徴と分類との関連では, 同一傾向を示すもの (テングタケ科) と, 種々のタイプが入り混っているもの (ベニタケ科) があることが示される.
著者
飯盛 キヨ 飯盛 喜代春
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.393-398, 1962-12-15 (Released:2010-03-09)
参考文献数
3
被引用文献数
1
著者
小林 雅美 福島 潤子 野口 駿
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.24, no.7, pp.511-515, 1973-11-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
9
被引用文献数
1

The variation of fatty acid composition of oils at various parts in an individual was investigated with 19 kinds of commercially available fishes. A fish body was divided into five parts, namely, back, abdomen, tail, skin and dark-colored flesh (if any), and the lipid from each part was extracted with ether and converted into the corresponding methyl esters in an usual manner and thereafter analysed by gas chromatography.While the oil content varied considerably from part to part and generally decreased in the following order : skin, dark-colored flesh, abdomen, back, and tail, the fatty acid composition was not found to be appreciably different from each other in our examination using a pattern vector analysis, where the vector sum of the segments, which is obtainable by plotting the concentration of each component on the corresponding independent axis, is assumed to represent the pattern of the composition. Thus, the angle between two vector sums or cos θ is considered to be a measure of the degree of resemblance between the two patterns.Furthermore, on some fishes obtainable in all year round, the variations of the content and fatty acid composition of their oils at four seasons were found to be considerable, but the relationship between the variations mentioned above and the taste was found to be rather obscure and at random.
著者
田中 伸子 岡村 浩
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.13-19, 1983-01-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
35

以上の実験結果より, 食事がα-アミラーゼ活性の変動因子であることは明らかである.また, その構成要因の一つである咀嚼という口腔内の直接的機械的刺激がごく短時間に終了するという事実より考えると, α-アミラーゼ活性の変動は, 食物摂取による直接的な, あるいは生体内における代謝の機序を含めた間接的刺激が作用していると推察される.唾液中α-アミラーゼ活性の変動要因につき検討を加えた結果をまとめると次のようになった.1) 唾液中α-アミラーゼ活性の変動は, 生活のパターンと密接な関連性をもっており, 食事は大きな変動因子であることが認められた.2) 咀嚼という直接的機械的刺激を口腔内に与えると, ただちに唾液量, pHおよびα-アミラーゼ活性が増加する.また, 咀嚼終了とともに, 咀嚼時間の長短に関係なく, 唾液量, pHおよびα-アミラーゼ活性は減少し, ほとんど咀嚼開始前のレベルにもどり以後大きな変動は示さない.したがって, たんなる咀嚼という機械的刺激は, α-アミラーゼ活性に一過性の変動を与える因子であることが認められた.3) 唾液中α-アミラーゼ活性は個人差が大きく, 332名の女子大生の起床時における活性は271mg/ml salivaであったと同時に行ったアンケート調査より, 食物を口に入れてから嚥下するまでの平均咀嚼回数の多い者のほうが, 少ない者よりα-アミラーゼ活性が高いこと, 澱粉性食品を好む者のほうが, 普通もしくは好まない者より高いことに有意差が認められた.この結果より, 食生活における個人の習慣が唾液中α-アミラーゼ活性と関連があるものと考えられた.
著者
吉野 梅夫 増野 亮子 柴田 宏子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.30, no.8, pp.736-739, 1979-09-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
7

1) 市販焙煎コーヒー6品種について, 水分, 水抽出物量, 酸度, カフェイン, 全褐色色素およびクロロゲン酸を定量した.水分と全褐色色素についてはコーヒー会社間に差があり, 焙煎程度の相違によるものと思われる.2) 粗挽き, 中挽き, 細挽きのどの試料についても粒度分布には会社により, また同一店でも購入の度にかなりの変動が見られた.3) ペーパーフィルター, ネルフィルターおよびサイフォンでは細挽きまたは中挽きを用いると抽出量が多い.パーコレーターでは抽出量は粗挽きを用いると多く, 細挽きでは減少した.
著者
久保田 紀久枝 桐渕 壽子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.144-147, 1978
被引用文献数
1

甘藷を加熱調理し, その際のVCの変化をしらべた.<BR>1) 蒸し加熱, 電子レンジ加熱の場合にはVCはほとんど変化せず, 焙焼加熱の場合にのみVCの減少がみられ総VCの残存率は約40~60%であった.<BR>2) 蒸し加熱および焙焼加熱の場合, 長時間加熱を続けた場合でもVC量にはほとんど変化がみられなかった.<BR>3) 焙焼加熱の場合, 器内温度170℃で40分焼いた場合より140℃で100分焼いた場合の方がVCの著しい損失がみられた.これらの結果, 高温, 長時間加熱がVC分解の要因になっているのてはないことを示している.<BR>4) 焙焼加熱の場合, 中心部の温度が60~70℃付近に長く保たれる条件で加熱されたとぎVCの減少が著しかった.この場合, 酸化型ビタミンCはいったん増加し, 次いで減少していき還元型ビタミンCが酸化型ビタミンCを経て分解されていくことを示している.<BR>5) 以上のことから, 加熱調理の際のVCの減少は, 高温による熱分解ではなく, ビタミンC酸化酵素が作用していることが示唆された.
著者
吉田 花美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.284-291, 1960

明治より現代までの和裁書25冊の中から、大裁ひとえ長着の寸法を一覧表にしたところ、和服寸法は、明治より現代まで殆ど変化していないことを確認した。<BR>しかるに我国民の体位向上は最近特に目覚ましく、明治33年から昭和31年までの成年男女の体格の推移を見ると、男子においては身長4cm胸囲3.7cm、女子においては身長8.2cm胸囲3.2cmの増加がある。和服寸法もこれに伴って変化しなければ正しい着装は望めない。しかるに現代の和裁書の中には、明治・大正時代のそのままの標準寸法を示しているものが多い。そこで私は、和服製作にあたって誰もが、直ちに自分の体格に基づいて適正な寸法を見出すことができる基準を決めたかと考え、これについて検討した。和服に関する寸法は、体型を基にすることは勿論着装の仕方や社会の動きなどによって決められるべきであるが、先づ今回は身長と胸囲の面から考察した。今後諸賢の御批判と御意見を俟って、更に適正な方法を決めてゆきたいと念願するものである。
著者
浜島 教子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.282-286, 1977-07-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
6

In many instances a food stuff has both sweet and sour tastes and proper combination of sweetness and sourness is one of the factors in making the taste good.An experimental study has been carried out to find out the relationship between sweetness and sourness in a food stuff.The results of the experiments are as follows : Sweetness became less by the addition of only a small amount of acetic acid, and the rate of the sweetness lessened was directly proportional to the amount of acetic acid added.Sourness became less by the addition of sucrose. The rate of the sourness lessened was not directly proportional to the sucrose added, but it seemed that the rate of sourness lessened was in proportion to pH of the acetic acid solution. Namely, acetic acid solutions stronger than 0.3% in concentration were not masked by adding even a large amount of sucrose.
著者
山本 鈴子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.75-80, 1957-05-31 (Released:2010-03-09)
参考文献数
2

1. きうりやだいこんなどの浅漬では漬物を出してからのビタミンCの損失は、漬物の種類をとわずすべて時間の経過とともに減少していく。従つて出したてを食べる方がよい。2.だいこんでは糠味噌漬と塩漬ではそれ程の差は認められないがきうりの糠味噌漬は塩漬に比し出しておくと色も味も悪くなりまたビタミンCの損失の割合も大きい、3.長時間漬けておいたもの程出してからのビタミンCの減り方は大きい。4.漬物の形から見ると丸漬より半月漬の方が出してからのビタミンCの損失が大きい。5.生野菜を庖丁して5時間位おいてもビタミンCはあまり減らなかつた。6.水分の減少。7~8月頃のような気温の高い折には5時間後に生野菜でも漬物でも15%前後目方が失われる。7.野菜のビタミンCは長く漬ける程損失が多いようだ。詳細については目下研究中である。
著者
松元 文子 向山 りつ子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.115-120, 1956-12-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
4
被引用文献数
1

1) 鶏卵は、産卵日から日数経過にしたがつて、卵白の濃厚部分は水様化す。市販卵の卵白の水様、濃厚の割合は、約半々のものが多いことから産卵後の経過日数を推定することが出来る。2) 電力撹拌と手動撹拌では、水様卵白と濃厚卵白の泡だちにおいて逆の結果をみるが、これは撹拌程度のちがいとみてよく、同一撹拌程度では新鮮卵より古卵の方が泡だちはよい。このことから普通卵白を泡だてる際に、先ず充分に濃厚卵白を均一にする為、即ち機械的に水様化をおこさせるための予備的撹拌(切る操作)を行つた後に、泡だてる方がたやすく泡を得ることが出來る。3) 撹拌時間の増加に従い、或る範囲迄はその卵白泡の比重は小となるが、卵白泡の成績は必ずしもよいとは云えない。それ故に、泡の状態(均一度、緻密度・艶など)を主にして最もよい攪拌時間を捉える必要がある.それは卵の新古, 温度, 撹拌器, 撹拌方法などによつて異るものである。4) 凝固しない程度において、卵白温度は高いほど泡だちはよいが、安定度は気温に関係すること大で、気温と大差をもたせると安定度は低下し、起泡力と安定度及び泡の状態からみて、卵白温度は30℃前後が適当である。メレンゲにおいては、冷却した泡の方が、起泡は困難であるが卵白泡そのものの光沢が良い。5) 電力撹拌器使用の場合、起泡を容易にするための添加物は普通に考えられる食品の中にはないようである。
著者
富安 郁子 浦上 智子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.451-457, 1977

極度に加熱した油とその揮発生成物中に毒性物質が存在するという最近の報告より, 揮発生成物の分析によって天ぷら油の安全使用の指標を得ることができるか試みた.<BR>大豆油を継続的に180℃で30時間加熱し, その間にじゃがいも, 鶏肉, 豆腐, 鯨肉, 鯖, ピーマンと水を添加した綿球 (対照) をおのおののたねものからでる水分量を一定になるように調節しながらフライした.このように調整した試料油の揮発物を直接に二硫化炭素中へ導く窒素気流で蒸留し, その濃縮物をガスクロマトグラフィー (GC) とガスクロトグラフィー-質量分析計 (GC-MS) で分析した.<BR>GCによるピーク数および相対的量には試料油間にはっきりした違いはなかった.低沸点部ではアルカナール, カプロン酸1-オクテン-3-オールが, 高沸点部ではデカナール, デカジエナール, 7-フェニールヘプタノイック酸が検出された.7-フェニールヘプタノイック酸は毒性があると考えられる.<BR>加熱時間が増加するに従い低沸点部は減少し高沸点部は増加の傾向を示した.<BR>揮発物のTLC分析 (ベンゼン, ヘキサン, 酢酸, 70 : 30 : 2) の結果3つのスポットを得たが, <I>Rf</I>値0.4のスポットは上に述べたフェニール化合物を含み278nmに強い吸収を示すことがわかった.
著者
渋川 祥子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.92-99, 1976-04-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
3
被引用文献数
1

圧力鍋による白米の炊飯について検討し次の点が明かになった.1) 予備浸水した米に126%の水を加え, 内鍋を使用し外鍋に180ccの水を加え, ノズルから蒸気が出はじめるまで強火, それ以後弱火で5分程度加熱し, むらし時間15分程度で炊飯できる.2) 圧力鍋炊飯は, ガス自動炊飯器による場合と比較しガス消費量, 所要時間とも, 特に利点はなかったが, 電気釜炊飯に比較し所要時間は短い.3) 圧力鍋による飯は, 粘りが強く黄味をおびている.圧力鍋は高温加熱のため, でんぷんのα化が十分に進み老化も起りにくい. また, 飯粒周囲部の組織が崩壊し付着するでんぷん量も多いため, これらが粘りの原因と考えられる.4) 内鍋を使用しない場合は, より粘りの強い, 飯粒中の水分のより不均一な飯になり炊飯方法として適当でない.5) 圧力鍋による炊飯の特長は, 硬質米よりも軟質米でより現れる. 粘りの強い米の圧力鍋炊飯は, ねばりが強すぎて好まれないため, 圧力鍋炊飯はねばりの少ない古米や硬質米の炊飯に適する.
著者
木村 友子 小川 安子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.36, no.11, pp.851-860, 1985-11-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
6
被引用文献数
1

肝臓を調理し食べやすくする目的で, 女子大学生210名にレパーに関する意識調査ならびに調理操作上の前処理として, 超音波照射処理による適当な血抜きと, 煮熟後の鶏肝臓の脱臭効果について調べ, さらに洗浄処理後の肝臓を調理し, 官能検査を行い検討し, 次の結果を得た.1) 意識調査では肝臓の喫食率は65.2%であり, 喫食者の肝臓の調理法は, 焼く>炒める>煮る>揚げる>ペースト>その他 (茄でる, 和える) の順位で喫食頻度が高く, また好まれない理由は, 味が悪い>臭み>外観>食べず嫌い>感触>その他 (体質的に合わない) の順位であった.2) 鶏肝臓の血抜き効果においては, 超音波洗浄処理法は, 単なる水洗い処理法よりも効果が著しかった.超音波照射処理時間数は一般的な若鶏肝臓は10分間, 老鶏 (メス, 品種 : ピルチ) の肝臓は5分間が適当と思われた.また洗浄洗液には0.5~1.5%の食塩水が有効で, 洗浄液のpHの影響 (0.2Mリン酸-0.1Mクエン酸の緩衝液を用いた場合) は, pH5.6, 7.0より, pH 3.4, 4.4, 8.0の場合, やや効果的であったが, 嗜好面や外見上, 食用には供しにくくなるものと思われた.3) 鶏肝臓の脱臭効果については, 超音波洗浄処理した肝臓は, 対照の単なる水洗い処理した肝臓より臭みが緩和されることを認めた.4) 官能検査においては, 一般的な若鶏肝臓を用い, 調理法として煮る, 茄でる場合に, 下処理として超音波10分間照射処理したものが, 対照の単なる水洗い処理のものよりおいしく, 臭気が少なく, 総合評価にも, 有意に好まれ, 効果的であった.しかし炒め焼きの調理法では両者間に有意差なしの判定で, 強いて超音波照射の必要はないものと判断される.またパネル者間では老鶏 (メス, 品種 : ピルチ) の肝臓は, においが少ないが, 外観 (色) ・感触・総合に, 一般的な若鶏 (100日生育鶏) の肝臓に比すれば, 好まれない傾向であった.
著者
田口 秀子 河本 美智子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.603-613, 1986

乳児の適切な衣服着装を考えるための資料とすることを望み, 乳児を対象として, その衣服着装状態を母親に対するアンケート方法により回答を得て, 母親からみた乳児の衣服着装状態を検討した.<BR>乳児における衣服着装状態は, 各季節を通じて「ちょうどよさそうである」と思っている母親が室内では82~100%あり, 戸外では46~70%であった.しかし, 快適感では春, 冬に室内で11~12%の母親が「不快」ではないかと感じており, 戸外では20~49%の高い割合を示した.秋には室内, 戸外とも「快適である」と思っている母親は100%であり, 秋の戸外で14%の母親が「涼しそうである」とする傾向は快適感としてとらえているようである.また, 季節別にみて夏では蒸暑感を, 春と冬には冷感を感じていると回答した母親の割合が高い.しかし, 母親からみた乳児の厚着および薄着感は, 室内と戸外での傾向が似ており, 春, 夏, 冬においては「普通である」と思っている母親が, 室内で50~89%, 戸外は64~83%と多く, 秋では室内で41%, 戸外で36%の母親が「やや厚着である」と思っており, 全体的に春, 夏は薄着, 秋, 冬はやや厚着の傾向であった.<BR>母親からみた乳児の身体局部における冷感は, 春, 秋, 冬にあり, 室内, 戸外とも衣服で被覆されていない, 手, 足, 首, 顔, 頭にあると思う母親が多い.<BR>乳児の衣服着装の特徴としては, おむつカバーを除くすべての衣服が, 月齢よりも大きく, おむつカバーのように, その衣服の機能上フィット性をより望むもの以外は, 乳児の成長度を加味して大きなサイズの衣服を選択しているようである.それらの材質は, 肌着, ブラウス, Tシャツ, ベビードレス, カバーオール, ショートパンツ, おむつ, よだれかけ等, 直接肌に触れる割合の多い衣服がほとんどであるために, 取り扱いやすい綿が選ばれている.しかし, 乳児の月齢が増すにしたがって, 耐久性や耐洗濯性のある材質を着装させている.<BR>乳児の衣服着装パターンの特徴は, 各季節ともロンパース, カバーオールが主体で, ベビードレスは春に着装させる割合が比較的多く, 他の季節での着装は少ない.夏には肌着を着装させないで, Tシャツ+ズボンまたはロンパースのみという薄着の着装もあるが, 春, 秋, 冬では, おむつ+おむつカバー+肌着+カバー・オールまたはロンパース・ブラウス+ズボン+よだれかけが代表的なパターンである.なお, くつ下は夏, 秋に用いることは少ない.また, 家族構成別に乳児の着装パターンの特徴をみると, 祖母同居の家庭では父母のみの家庭にくらべ, 春, 冬に乳児の衣服着装枚数が多く厚着であり, 夏は薄着の傾向である.また, 授乳の方法別にみた乳児の着装パターンは, 秋, 冬の母乳児では薄着, 混合乳児ではやや厚着の傾向がみられた.
著者
岡村 益 壁谷沢 万里子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.217-221, 1973

1) 調査対象は主として中高年齢層で8年から10年の長期間勤続した例が多い.このことは, 対象地に主婦労働を必要とする企業が誘致されるとすぐに就職した生活困難な低所得層であると解される.夫もブルーカラーが大半で2人で働いてもなおかつ生活は楽でない.したがって夫は妻の就労に賛成であり, 経済的期待がかなり大きい.<BR>2) 生活に余裕がないことは, 勤めに出ている理由のうち経済的理由の占める率が高いこと, 生計費が県平均よりかなり低いこと, 住居に持家が少なく狭いこと, 貯蓄の仕方が不定期で安定性がないなどに表われている.<BR>3) 主婦の家事労働を助ける機器が必要であるのにあまり使われていない.家事労働軽減のための機器の使用は娯楽的耐久消費財よりむしろおくれている.これは生活水準の低いためと低い生活意識によるものと考えられる.<BR>4) 家庭内における役割構造については概して夫より妻の役割が大きいが, これは家族周期がやや後期段階にわたることと妻の就労によって妻の地位が高められたものと考えられる.また, 家事の役割を分担するという家族習慣が形成されていないことが明らかになった.<BR>5) 対象の多くは結婚後初めて就職したので働く意識は全般に低いが, これからの女性の就労観について「家事と職業両立型」に賛成しており, 職業志向を示しているのは長い間の就労により養われたものかと考えられる.<BR>なお, 労務系の共稼ぎ主婦の生活構造の全般的把握は機会を改めて行なう予定である.
著者
渡辺 紀子 矢部 章彦
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.376-380, 1976

家庭洗濯において, 海水を洗濯用水として用いた場合の洗浄性を人工汚染布および天然汚染布を用いて検討した. 主な結果は次の通りである.<BR>1) 非イオン活性剤を用いた海水洗浄は脱イオン水と同様の洗浄効果が認められた.<BR>2) SDSを用いた場合は, 脱イオン水より, 海水洗浄の方が洗浄効果が認められた.<BR>3) Na-LASを用いた場合は, 海水を20%含む洗濯用水において脱イオン水より洗浄効果が認められたが海水の濃度が高くなると洗浄効果は低下した.<BR>4) Na-LASを含む配合洗剤を用いての海水洗濯は5°DHの水よりやや洗浄力は低下したが, 利用可能であると考えられる.
著者
平野 雅子 谷口 富貴子 松元 文子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.24-28, 1971-02-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
5

実験結果を要約すると1) 生クリームの起泡性はその外観、泡立て時間、オーバーラン、粘稠度、乳清分離量などにより評価できる。2) 生クリームの温度履歴は起泡性に大きく関与する。したがって、貯蔵および起泡は低温 (10℃以下) で行なわなければならない。3) 攪伴速度は速いほど泡立てに要する時間は短縮されるが、起泡性は落ちる。反対に速度を下げすぎてもオーバーランは低くなる。4) 一般に砂糖の添加はオーバーランを低下させる。砂糖は生クリームをある程度起泡してから添加する方がよい。5) 粉末生クリームは便利ではあるが、生クリームに比べ、起泡性や嗜好性は劣っている。
著者
菊沢 康子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.467-472, 1968-12-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
10

5~6名の成年女子に、種々の作業位を指示して皿ふき作業を課し、その時の心搏数、筋活動量、エネルギー代謝量より生体負荷を測定した。結果は次の通りである。1. 心搏数は作業位が、肘位、肩位、額位の順に高い位置になるほど増加する。各高さにおいては、作業点が身体前面より10、20、30、40cmと前方に離れるほど心搏数は増加する。しかし、低い高さの場合でも、身体前面より離れすぎた場合は、高い高さで身体に近い位置よりも負荷はむしろ大きくなる。2. 筋活動量は、一般に作業点の高さが高くなるほど増し、身体前方向では各高さとも、身体から離れるほど筋活動量は増加する。特に額の高さにおいて、その増加が著しい。又、肩や額の高さでは、身体前面より40cmの位置で筋活動が急増する。3. エネルギー代謝量は、高さの違いによる差はみられなかったが、各高さにおいては、身体前面よりの距離が大きくなるほど増加する値向がみられた。4. 一般に皿ふき作業のような空中位で行なう作業は作業台上で行なう作業よりやや高い位置で行なう方が、生体負荷が少なく、その高さは約90cmであり、身体より10~20cm離れた位置が最もやり易いことがわかった。
著者
平山 静子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.309-312, 1970

1. 電子レンジ加熱の苺ジャムは、本実験の条件では、電熱器加熱のものに対して約1/2の加熱時間で仕上がった。加熱前にさとうによって果汁を浸出させる必要もなく、火力調節の手数もないが、原料の分量に対して、目的の砂糖濃度に仕上げるための加熱時間については、注意を払う必要がある。<BR>2. 電子レンジ加熱によるものは、官能テストの結果、電熱器によるものより好ましいという結果が得られた。<BR>3. 電子レンジ加熱によるものは、香りが良く、色調も美しい。<BR>4. 電子レンジ加熱によるものは、ゼリー化が少ない。しかしレモン汁を添加することにより、両加熱法とも、ゼリー化を高め、両加熱間の差は少なくなる。<BR>5. 電子レンジ加熱によるものは、やや酸性が強い。<BR>6. 電子レンジ加熱によるものは、蔗糖の転化率が少ない。