- 著者
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平田 静子
- 出版者
- 公益社団法人日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.8, pp.T64-T68, 1984-08-05
- 被引用文献数
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4
2
誘導結合プラズマ発光分析法による標準岩石試料(地質調査所JG-1,TB-1,JA-1,JB-2)及び標準たい積物試料(NBS SRM 1645, 1646)中の13元素の同時定量法を検討した.高周波電力1.6kW,プラズマ内測光位置をコイル上16mmとし,ネブライザーはガラス同軸型噴霧器を用いた.検出限界は鉄0.004,マンガン 0.002,リン0.090,銅0.002,ニッケル0.007,クロム0.004,モリブデン0.004,チタン0.001,バナジウム0.003,アルミュウム0.005,コバルト0.001,マグネシウム0.009,亜鉛0.004 ppmであった.分析精度は標準岩石及び標準たい積物試料中の鉄,マンガン,チタン,アルミニウム,マグネシウムについては±1%以下,リン,銅,ニッケル,クロム,モリブデン,バナジウム,コバルト,亜鉛のほとんどについては±5%以下の分析精度で定量できたが,一部JG-1の銅,ニッケル,モリブデンについては存在量が微量であるために分析精度は悪くなった.正確さは共存する主要成分の分光干渉,溶液の粘性の影響を受け,JB-1,JA-1,JB-2では補正を行ってもモリブデンの定量は困難であった.