- 著者
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林 品章
- 出版者
- 日本デザイン学会
- 雑誌
- デザイン学研究 (ISSN:09108173)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, no.6, pp.27-36, 2000-03-31
本論文は1970年代以降の台湾視覚伝達デザイン運動について論述したものである。1970年以降, 「運動」と呼ばれる出来事は, 年代順に「アミーバ(変形虫)デザイン協会」, 「広告時代雑誌」, 「中国時報人間コラム」, 「連広会社」, 「時報広告アカデミ賞」, 「外貿協会デザイン推進センター」など, 六つがあげられる。本論文においては, それらの出来事やその動きが, 当時の台湾の視覚伝達デザインの発展に大きな原動力になっていることを明らかにする。また, それら出来事の考察から, 1970年代から現在に至るまで, 台湾の視覚伝達デザインにおいては, 表現技術や表現概念などが次第に複雑になり, 各領域に重視される度合いも大きくなってきたことが分った。それ故, 本論文は, その六つのデザイン運動の考察に加えて「その他」の項に, 視覚伝達テザインの発展に貢献した各々の組織について重点的に述べる。