著者
中島 慶人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.285, pp.55-60, 2005-09-08
被引用文献数
2

電気所構内の充電部への不用意な接近は, 人身事故につながるため監視が重要である.しかし, 目視による監視は, コストなどの制約から作業時などの特別な場合に限られる.既に電気所構内には多数の監視カメラが設置されているが, 電気所の無人化などに伴いその数が増える傾向にある.そこで, 既存監視カメラの有効活用の一つとして, 充電部等への人物の接近を実時間で監視する画像処理方式を提案する.機械学習による人物判定を取入れた人物検知は, 一般に画像全体を検索するため高速な処理が困難である.本論文では, 充電部等の監視領域が既知であることに着目し, 処理する画素を限定することで高速に人物検知を実現する方式を示し, 実験結果によりその有効性を示す.
著者
クレイセル ベルネル 瀬崎 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.564, pp.13-18, 2005-01-13

ユーザが保持する端末群によって自律分散的に構築される無線マルチホップネットワーク(モバイルアドホックネットワーク)では, 各端末の移動によりネットワークトポロジの変化が頻繁に発生する. そのため, 各端末が自律分散的に経路制御を行うことが困難となり, 現在まで経路制御手法に関して多くの研究が行われている. そのような背景の下, 近年, 各端末及びその隣接端末の位置情報に基づいてパケットの転送先を決定する, いわゆる地理情報を用いた経路制御手法に注目が集まっている. 従来提案されている多くの地理情報を用いた経路制御手法では各隣接端末の現在地情報を用いるが, 本稿では新たに隣接端末の将来位置を用いた経路制御手法を提案する. 移動軌跡の実データに基づいた予測アルゴリズムによって算出された将来位置を経路制御に利用することにより, 従来に比してさらに信頼性の高い経路制御手法が可能となる. 本稿では, さらに計算機シミュレーションによって, これらの優位性について検証を行う.
著者
田口 誠 濱住 啓之 伊藤 泰宏 渋谷 一彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.579, pp.29-32, 2007-03-02
被引用文献数
3

緊急警報放送とは、これに対応した受信機を自動的に起動し、地震や津波などの災害情報をお知らせする放送システムである。この仕組みは、地上デジタル放送におけるワンセグサービスにも備わっている。緊急警報放送によってワンセグの受信端末を自動的に起動するためには、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号に含まれる緊急警報放送用起動フラグを常時監視する必要があるため、そのための回路の付加によるワンセグ端末のバッテリの消耗を低減することが課題となっていた。今回、従来からOFDM信号の復調に使用されている高速フーリエ変換を使わずに、緊急警報放送用起動フラグが含まれるTMCC信号を簡易な回路で復調およびダイバーシティ合成することで良好な受信特性が得られることを確認した。また、ワンセグのチューナ部を起動フラグの受信タイミングに合わせて間欠的に動作させることで消費電力を低減できる見通しを得た。
著者
釣谷 剛宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.31, pp.33-36, 2009-05-08

2009年3月22日〜26日米国カリフォルニア州サンディエゴで開催されたOFC/NFOEC2009における光ネットワーク関連のトピックスについて報告する.
著者
藤村 誠 今村 弘樹 黒田 英夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.213, pp.15-19, 2008-09-25

近年,デジタルコンテンツ,特に画像および映像コンテンツの普及が急速に進んでいる.これに伴い,デジタルコンテンツの著作権の侵害などが問題となっている.この問題に対して,コンテンツに著作権情報などを埋め込む電子透かしによって対策が図られている.従来の電子透かしは,画像をウェーブレットなどで変換して,周波数空間において電子透かしを埋め込むという方式など,いくつかの方式が提案されていた.しかし,電子透かしを無効化する多種多様な攻撃があり,すべてに耐性をもつ電子透かし方式は,まだ見付かっていない.我々は,透かし情報を埋め込む領域形状によって埋め込み情報を表現することで,拡大,縮小などスケーリング攻撃に対する耐性を向上する方式を提案した.評価実験では,拡大縮小に対する耐性を検証して,良好な結果を得た.
著者
和田 崇雅 高取 祐介 八嶋 弘幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.42, pp.33-37, 2008-05-15
被引用文献数
4

本稿では、インターネット接続機能と2次元コード(QRコード)読み取り機能を持った携帯電話であれば機種を問わず、携帯アプリを導入することなく利用可能な屋内歩行者ナビゲーションシステムを提案している。位置情報を付加したURLを埋め込んだ2次元コードを屋内に配置し、これを利用者が携帯電話で読み取り、埋め込まれたURLへアクセスし目的地を設定することで、ウェブベースでの実画像を用いた直感的な経路案内を実現している。本システムの評価実験を行った結果、多くの利用者が目的地に到着でき、本システムの有効性を確認している。
著者
西野 聰 松田 淳 五十嵐 幸代
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.302, pp.101-106, 2005-09-15

男女識別は大型商業施設やアミューズメント施設等の来客統計をとるためなどに必要である.従来の男女識別方は, 服装や歩き方, 足圧, 髪型および声など人物の外見を利用した方法である.しかしこれらの特徴は人間の意思により恣意的に変えることのできる特徴である.本手法は男女の特徴の相違を赤外線画像の顔または手の熱分布により行う生体的特徴を用いた新しい概念に基づく男女識別方である.したがって, 本手法は従来手法にない強固な男女識別を実現可能な法である.
著者
小林 敬生 馮 〓 佐藤 源之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.300, pp.41-45, 2003-09-04
被引用文献数
6

アフガニスタンにおける地雷除去活動への供与を目的とする地雷探知SAR-GPRシステムの開発を進めている.開発中のSAR-GPRシステムは地中を3次元可視化して地雷の判別を行なう.センサは10基のビバルデイアンテナで構成されたアレイアンテナである.実験によりレこのアレイアンテナのアンテナ間隔と地表面粗さが地中ターゲット画像に及ぼす影響を調べた.その結果、アレイアンテナのアンテナ間隔には地表面粗さに応じた最適値が存在することが分かった.
著者
吉澤 勇気 坂本 雄児
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.611, pp.121-126, 2006-02-14

似顔絵は個人の顔の特徴を端的に表現したものである。よって似顔絵から作成されたアバタは人それぞれ唯一のものとなり他と判別しやすく、また自分の分身のようなものなので愛着がもてる。そして、似顔絵を漫画的にすることにより感情の誇張表現や漫画符号を違和感無く使用できるので、多様な感情表現がアバタを用いたコミュニケーション上で可能となる。似顔絵において髪型は個人の特徴をよく表したものであるが、個人差が大きく形が様々であるため表現が難しい。そこで本研究では、漫画では髪の毛が領域の組み合わせであることが多いことに着目し、領域分割を利用した似顔絵に適した髪型の表現と髪型特徴の強調を行い、その結果について考察した。
著者
李 咏梅 菅原 一孔 尾崎 知幸 小西 亮介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.167, pp.37-42, 2002-06-20

指数減衰信号の周波数推定手法としてR.Kumaresan及びW.Tufts(KT)によって提案されたKT手法がよく知られている.KT手法では線形後ろ向き予測法と特異値分解が重要な役割を果たしている。しかし,信号の中で雑音が増加した場合,KT手法では周波数の推定は困難である.本論文では、雑音が増加した場合においても,良好な周波数推定を行うための手法を提案する.提案手法では、前向きと後ろ向き線形予測法に基づいて,異なった時間信号区間を用いて信号に対する零点グループを抽出ことにより,信号に含まれる周波数を推定する.シミュレーション結果により,提案手法はKT法に比べ良好な推定結果が得られることを示した.
著者
野口 顕嗣 柳井 啓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.470, pp.311-316, 2010-03-08
被引用文献数
1

映像中の動作を認識することは,様々なアプリケーションに応用することが可能で,非常に意義のあることである.動作認識は多くの分野で扱われてきた研究だが,Youtube動画のような制限のない環境における認識を行った研究は少ない.そこで本研究ではMultiple Kernel Learning (MKL)に基づく特徴統合による動作認識フレームワークを提案しWeb動画における動作認識を行った.統合に利用した特徴は時空間特徴,視覚特徴,動き特徴である.時空聞特徴は,点の周辺パターンとその点の微少時問の動きを特徴化したものを利用した.実験にはKTHデータセットと,二種類のYoutubeデータセットの計3種類のデータセットにおける分類を行った.結果としてKTHデータセットで最新手法に匹敵する分類率の94.0%,Youtubeデータで最新手法を大幅に上回る分類率である80.4%という結果が得られた.
著者
趙 延軍 長谷山 美紀 北島 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.631, pp.155-160, 2003-01-27

領域分割を行う手法の一つとして,Watershodアルゴリズムがある.この手法は,マークと呼ばれる領域の中心を隣接画素へと広げていくことによって領域を得るため,領域間における境界線の密閉性と連続性を保証することができる.しかしながら,領域の右分割や過剰分割を生じるという問題がある.そこで,本稿ではエッジ特徴を利用し,Watershedアルゴリズムのマーク設定の改善を行うとともに,領域間の輝度値差分に着目した領域合併を行うことにより,上記問題を解決する手法を提案する.実験では,本提案手法の有効性の検証として,人物正面対象を用いて髪型の抽出を行う.
著者
島田 佳門 山田 哲靖 中村 亮一 須永 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.61, pp.7-12, 1996-05-24
被引用文献数
1

本稿では、ソフトウェアの再利用と効果的なファイル作成を支援するソフトウエア開発環境について述べる この開発環境は、我々のノンストップサービス拡張型プラットフォームの開発の中で提案されたものである ソフトウェアの再利用性を向上するため、我々のプラットフォームは、基本電話、ISDN、ATM、IN等の種々の通信システムに適用できる。プラットフォーム内のソフトウェア部品も、オブジェクト指向設計手法に基づいて開発されており、簡易に再利用可能である。また、ファイル作成のターンアラウンドタイムを短縮するために、種々のファイル化手法を提案している。これらの部分的ファイル変更手法は、定性的かつ定量的に比較評価する。その結果より、我々のプラットフォームおよびソフトウェア開発環境が有用であることが示される。
著者
石津 健太郎 村上 誉 宮本 剛 フィリン スタニスラヴ チャン ハグエン スン チェン アレムスグド ヨハネス 原田 博司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.155, pp.43-50, 2009-07-22
被引用文献数
5

本稿では,NICTが開発したヘテロジニアス型コグニティブ無線システムについて述べる.本システムはIEEE1900.4仕様が規定するシステムアーキテクチャに従って構成されており,コグニティブ無線基地局とネットワーク再構築マネージャの機器から構成される.コグニティブ無線基地局は,設定されたユーザプリファレンスとネットワーク再構築マネージャからの指示に基づいて,具備している複数の無線データ通信デバイスの中から,最適なものを選択して接続する.利用者端末はコグニティブ無線基地局を介して,最適な無線アクセス技術(Radio Access Technology),および,最適な無線アクセスネットワーク(Radio Access Network)により,インターネットに接続することが可能になる.本システムは,2009年3月に開催された電子情報通信学会の移動通信ワークショップにおいて実証実験により動作検証を行い,基本機能について確認を行った.
著者
西本 昌彦 戸村 公亮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.219, pp.1-5, 2009-10-01
被引用文献数
6

地中レーダを用いて浅い埋設物の同定/識別を行う場合,レーダ応答に含まれているターゲットの特徴を精度よく抽出することが必要となる.パルスレーダでは波形の変化が重要な特徴となるが,使用する送受信アンテナの特性により,計測した波形には歪みが生じる.本研究では,金属板による反射応答を用いて構成した逆フィルタにより波形の校正を行い,計測した応答波形から所望の入射波形に対する応答を再構成する.
著者
桑田 修平 上田 修功 山田 武士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.115, pp.81-86, 2007-06-21
被引用文献数
3

本稿では,ノンパラメトリックベイズモデルに基づくグラフクラスタリング手法を提案する.近年Newmanらは,混合多項分布モデルに基づき,リンク先が類似するノードを同一クラスに分類する,という一般的な仮定のみを用いた,クラスタ構造に関する事前情報を必要としない,汎用的かつ効率的なクラスタリング手法を提案した.しかし,予めクラス数を与える必要があるという問題があった.提案手法は,Newmanらのモデルを発展させ,ノンパラメトリックベイズの枠組でクラスの生成過程をデータの生成過程に含めることにより,クラス数を動的に推定しながらより柔軟なクラスタリングを行うことができる.人工データと実データを用いた実験により提案法の有効性を示す.
著者
漁淵 弘樹 軽部 紘典 鈴木 篤人 小森谷 哲哉 森田 登 上野 貴博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.466, pp.57-60, 2009-02-27

電気摺動接触機構は,静止物体から移動物体(回転物体)への電流通電を行なう機構である.そこには機械的に接触する真実接触面が存在し,例えば,モーターの整流子とブラシ間に存在している.しかし,現在においても接触点の解明はされていないのが現状である.そこで本研究では,接触面の発熱および応力による変形に着目し静止状態における実験と解析を行なうことで接触現象解明のアプローチを目的とした.
著者
久保田 将史 斎藤 利通
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.335, pp.15-19, 2010-12-06

基本的な離散型粒子群最適化アルゴリズム(DPSO)を提案する。同アルゴリズムでは、連続値探索空間を格子点によって離散化し、目的関数を標本化する。そして、離散探索空間に候補解基準を設ける。候補解が見つかった場合は、各候補解の近傍に新たな離散探索空間を生成し、それを細分化して、近似解を探索する。複数の最適解を探索する基本的な問題に対する数値実験を行い、アルゴリズムの有効性を検証する。
著者
石井 啓之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.36, pp.29-32, 2011-05-06

2011年3月6日〜10日にロサンゼルス・コンベンション・センターにおいて開催されたOFC/NFOEC2011におけるアクティブモジュール/デバイス関連の発表について報告する。
著者
山口 聖二 伊地知 孝仁 谷本 匡亮 中田 明夫 東野 輝夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.477, pp.1-6, 2004-11-24

本稿では,主に車内通信などに利用されているシリアルバスプロトコルであるCAN(Control Area Network)プロトコルについて,実時間制約検証を効率よく行うことができるよう仕様を抽象化したモデルを提案する.提案モデルでは,メッセージ送信時のバス使用権の取得や通信におけるエラー発生時の処理,クロックサイクル消費の扱いなどの点で抽象化を行う.その結果,実際のシステムでバス上を流れる波形を考慮する必要がなくなるため,検証の高速化を実現できる.`また,静的解析と異なり,具体的なバス通信動作および通信エラー処理をシミュレート可能である.提案する抽象化モデルに基づいて,ユニット毎の動作記述,バスクロック単位での動作確認が可能なシミュレータを試作する.試作したシミュレータを文献[5]の例題に適用し,シミュレーション結果を比較することにより-,提案モデルの有効性を示す.