著者
横井 公紀 青山 幹雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.449, pp.347-352, 2011-02-24

現在,個人の情報発信,個人間のコミュニティ形成のツールとしてSNS (Social Network Service)の利用が拡大している.しかし,各SNSが基礎とするソーシャルグラフの構造は異なる.SNS間でソーシャルグラフの相互運用性が保証されないため,異なるSNSにまたがるユーザ間の関係構築,ソーシャルアプリケーション開発が困難である.本稿では,Web上の人物とその間の関係を表現するモデルである FOAF (Friend Of A Friend)に基づき,複数のソーシャルグラフの構造の差異を吸収するための統一ソーシャルグラフモデルGSGM(General Social Graph Model)を提案する.GSGMでは,FOAFの人物間の関係構造モデルをSNSのユーザ間のモデル化に適用し,異なるSNSのユーザとその間の関係を統一的に表現する.GSGMにより,異なる構造のソーシャルグラフを持つSNS間で相互運用可能なソーシャルグラフを実現する.Facebook, TwitterなどのSNSに適用し,GSGMの有効性を評価する.
著者
江島 一樹 梅林 健太 水谷 克也 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.28, pp.41-48, 2001-04-20
被引用文献数
16 5

新しい形のスペクトル拡散システムとして、Ultra Wide Bandwidth-Impulse Radio(UWB-IR)が高速無線通信方式として注目され始めている。ここでは、そのなかでもTH(Time Hopping)方式について注目し、その他局間干渉を低減するために、M-aryの考えを用いて多値化して、伝送速度を落すことなく他局間干渉が低減できる方式を提案する。この提案方式について計算機シミュレーションを行ない、E_b/N_oでBERを比較した所、BERが10^<-3>の時、3.125Mbpsで1ユーザの時約3dB、30ユーザの時約4dBの利得が得られた。
著者
パブロ サンチャゴ エンリケ コナント 池内 克史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.47, pp.53-60, 1999-05-13
参考文献数
8

ロボット組み立て作業のためのビジュアルフィードバック戦略を生成する手法について述べる。モデルから与えられる動作の許容範囲とタスクの分析から得られるセンサーの不確定領域の大きさに基づいて、視覚と力覚を選択的に使用するメカニズムを提案する。視覚と力覚の選択は操作物体と環境物体との接触を認識する能力に基づいて決定される。この戦略により成功確率を最大化するセンシング方式が決定出来る。
著者
小澤 賢司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.333, pp.83-88, 2008-11-27
被引用文献数
11

音を聴取した際に知覚する臨場感は,録音再生の対象となる音によって,またその録音再生系の特性によって異なる.本報告では,それぞれをコンテンツ臨場感とシステム臨場感と称し,基本特性を実験的に検討した結果を紹介する.シェッフェの一対比較法による聴取実験の結果,音源が移動する音などについてコンテンツ臨場感が高いことが示された.また,システム臨場感については,良好な音像定位が得られることが高臨場感に必須であることが示された.さらに,コンテンツ臨場感とシステム臨場感を比較した結果から,両者は同等に重要であることが示された.その他に,視覚情報や再生音圧レベルが臨場感に及ぼす影響についても検討したので紹介する.
著者
西野 正行 河原 秀紀 守屋 有人 加藤 智巳 速水 賀雅 土井 雅之 赤塚 真幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.93, no.256, pp.49-55, 1993-09-30
被引用文献数
4

当社で近年導入を進めてきた技術部門での研究開発用FDDI光ネットワークは利用端末台数を始めネットワークの規模としても世界最大規模になった。しかし、ネットワーク構成の見直しを行うなど障害時の影響範囲を最小限に押さえる信頼性向上対策が急務であり、ネットワーク利用時間の24時間化に対応するため、ネットワーク側で通信障害時に自動迂回できる機能を持たせるなどの信頼性向上対策が必要になっている。そこで技術的動向を見据えながら、新しく信頼性の高いネットワーク構成を考案し、その機能確認を行った。本論文では種々の検討項目に対する評価結果および実験結果をまとめ報告する。
著者
菅原 俊継 海老川 慎 木村 浩一 木村 主幸 三澤 顕次 有澤 準二 五十嵐 治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.350, pp.67-72, 2000-10-06
被引用文献数
4

本報では, 遺伝子診断において最も重要とされている遺伝子抽出の全く新しい方法を提案した.まず, 中空糸膜の表面に金属を被覆した導電性中空糸膜を用いてウイルスの濃縮を行った.その後, 化学的にウイルス被膜を溶解し, 中空糸膜を負の電極として電気泳動を行うことによって電気的にウイルス遺伝子を抽出した.その結果, 濃度が5×10^4個/mlであるウイルス浮遊液から標的遺伝子が抽出された.この抽出法の最大の特長は, 膜によってウイルスの濃縮が迅速にできることである.また本遺伝子抽出法では, 膜の他に必要な装置は電源とポンプのみで, 人手による操作や処理が少ないことから, 自動化の可能性も有している.
著者
泉川 晴紀 甲藤 二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.440, pp.43-48, 2002-11-07
被引用文献数
1

インターネットの普及に伴い、移動しながらインターネットへ接続することへの要求が高まってきており、現在Mobile IPがモバイルユーザをサポートするプロトコルとして提案されている。本稿では、地理的位置情報を用いることで地理的に最適なローカルドメインを形成し、ハンドオーバ遅延によるデータ損失やインターネットへのシグナリングを減少させるとともに、Fast Handoverに必要な、ARが隣接AR群の情報を保持することのできる提案を行う。さらに計算機シミュレーションによる性能評価を行い、提案手法の有効性を定量的に評価する。
著者
植松 友彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.384, pp.15-24, 2006-11-21

シャノン理論とは、情報理論における各種の符号化問題に対して、符号化の限界について研究する分野である。シャノン理論の主要な研究分野は、情報源符号化、通信路符号化、乱数生成、予測、検定などであり、時代と共に広がっている。小文では、通信路符号化問題を例に挙げ、シャノン理論の研究対象となった問題の見所について解説し、他の分野と関係を持ちながらシャノン理論がどのように発展しきたかについて概説する。
著者
風戸 広史 林 晋平 岡田 敏 宮田 俊介 星野 隆 佐伯 元司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.165, pp.91-96, 2012-07-20

プログラムを変更する前に,開発者はまずFeature Locationにより機能に対応するソースコード上の実装箇所を特定し,続いてその箇所に関する静的構造や振る舞いを理解する.本稿では,実行トレースに系列マイニング,形式概念分析を組み合わせて適用することによって,機能の実装箇所を特定するだけではなく,その箇所の構造を半自動的に特定する手法を提案する.提案手法の支援ツールを試作し,Webアプリケーションの例題に適用した結果,提案手法が実現可能であり,また単に機能の実装箇所を特定するよりも理解に役立つことを確認した.
著者
YAMADA Makoto SIGAL Leonid RAPTIS Michalis
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.279, pp.1-8, 2012-10-31

Discriminative, or (structured) prediction, methods have proved effective for variety of problems in computer vision; a notable example is 3D monocular pose estimation. All methods to date, however, relied on an assumption that training (source) and test (target) data come from the same underlying joint distribution. In many real cases, including standard datasets, this assumption is flawed. In presence of training set bias, the learning results in a biased model whose performance degrades on the (target) test set. Under the assumption of covariate shift we propose an unsupervised domain adaptation approach to address this problem. The approach takes the form of training instance re-weighting, where the weights are assigned based on the ratio of training and test marginals evaluated at the samples. Learning with the resulting weighted training samples, alleviates the bias in the learned models. We show the efficacy of our approach by proposing weighted variants of Kernel Regression (KR) and Twin Gaussian Processes (TGP). We show that our weighted variants outperform their un-weighted counterparts and improve on the state-of-the-art performance in the public (HUMANEVA) dataset.
著者
定塚 敏嗣 松野 宏己 八重沢 隼 新井 宏之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.148, pp.201-206, 2008-07-16

本報告では,アレーアンテナを用いた到来方向推定における推定精度と計算量の2つの観点から,信号相関行列の固有値分解や角度サーチを用いないプロパゲータ法の優位性を確認するために,Beamformer法,Root-MUSIC法,TLS-ESPRIT法の3つのアルゴリズムとの比較を行う.推定精度は,シミュレーションと電波暗室内での実験結果を用いて評価し,計算量は各アルゴリズムにおいて受信信号から到来方向推定結果導出までに要する乗算回数の検討を行い定量的に評価する.シミュレーションと実験から推定精度がおおよそ等しくなる場合,プロパゲータ法の推定結果導出までに要する乗算回数は他のアルゴリズムの数十%となり,プロパゲータ法は所望の精度に対し,高速なアルゴリズムであることを示す.
著者
中西 恒夫 グリーペントローク ハンス・ヴェルナー イェーガー・ハンセン クラエス 久住 憲嗣 福田 晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.23, pp.1-6, 2012-05-03
参考文献数
10

製品をまたがってソフトウェア資産を再利用するソフトウェアプロダクトライン開発方法論(SPL: Software Product Line)はその導入障壁の高さが常に問題となる。近年, SPL同様,派生製品の開発を容易にする開発プロセスとして,派生開発プロセスXDDP (eXtreme Derivative Development Process)が注目され,産業界での事例が多く報告されている。SPLはプロダクトラインの大域的かつ将来的な製品計画,システムの全体理解,コア資産の開発と保守を要する計画駆動の全体最適化的パラダイムである。一方, XDDPは派生製品において生じる追加・変更部分の分析に集中し,追加・変更部分の改変手順を明示的に与える変更駆動の部分最適化的プロセスである。XDDPは導入障壁の低さではSPLに勝るが,派生製品導出にかかるコストや複雑さの削減の面ではアプリケーションエンジニアリングでの派生製品開発の自動化を図るSPLが有利である。本稿では,導入障壁の低いXDDPから派生製品の開発を始め,派生製品開発のたびにSPLへの漸次的移行を進めるプロセス, XDDP4SPLを提案し,自律走行車両での試験的実施例を示す。
著者
今村 浩一郎 竹内 知明 横畑 和典 成清 善一 濱住 啓之 渋谷 一彦 石井 真 安藤 嘉高 江口 直孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.643, pp.27-30, 2006-03-02
被引用文献数
4

地上デジタル放送を円滑かつ低コストで全国展開していくために,NHKでは,SFN放送波中継で問題となる送受アンテナ間での電波の回り込みによる干渉妨害を除去する回り込みキャンセラの研究開発を続けてきた.今回,開発した回り込みキャンセラを岐阜県の長良中継局に導入し,2005年12月26日の本放送開始日に実際に運用を行った.本報告では,本放送開始前の試験電波発射期間中に測定したSFN放送波中継の伝送特性について述べる.
著者
梅比良 正弘 大友 洋平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.254, pp.69-75, 2009-10-22

近年、地上ネットワークと衛星ネットワークがお互いに補完し、ユビキタスな通信環境を経済的に実現する衛星/地上統合移動通信システム(STICS)が注目されている。STICSでは、同一の小型携帯端末で、衛星ネットワークと地上ネットワークの双方を利用できることから、災害時や地上ネットワークのサービスエリア外である山間部や海上など、いつでもどこでも通信サービスを確保することができる。衛星/地上統合移動通信システムの特徴の一つは、衛星/地上共用携帯端末の実装を容易にするとともに周波数の有効利用を図るため、衛星移動通信に割当てられた周波数を衛星/地上システムで共用する点にある。本報告では、STICSにおいて、衛星/地上システムの周波数共用の検討を行うための拡張システムモデルを示す。また、本モデルに基づき、衛星セルで使用する周波数を地上セルで再利用する場合のノーマルモードとリバースモードの周波数運用方法を比較した結果を述べ、周波数共用においては、地上ネットワークのアップリンクにおけるトラヒックコントロールが必要であることを示す。
著者
鈴木 慎一 中川 孝之 池田 哲臣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.464, pp.1-6, 2010-03-05
被引用文献数
2

ハイビジョン映像を低圧縮・低遅延で無線伝送する高性能なワイヤレスハイビジョンカメラの研究を進めている.これまで,伝送容量の増大と回線信頼性の向上を目的として,ミリ波帯(42GHz帯,55GHz帯)の電波とを受信ダイバーシティ技術含むMIMO-OFDM伝送技術を用いたワイヤレスハイビジョンカメラ「ミリ波モバイルカメラ」の開発を行ってきた.そして,屋内撮影用・屋外撮影用のミリ波モバイルカメラを試作し,複数の番組撮影で使用した.今回,使用された番組の中からオープンゴルフ選手権,第60回NHK紅白歌合戦,ジャンプスキー競技の撮影で使用したミリ波モバイルカメラのシステム構成と運用方法について報告する.
著者
安部 素嗣 西口 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.569, pp.25-30, 2002-01-11
被引用文献数
5

本稿では, オーディオ検索のための自己最適化スペクトル相関法を提案する.これは未知の入力信号から既知の参照信号と一致する部分を同定する, いわゆる一致検索のための方法であるが, 入力信号に他の妨害音が強く混入していても, 背景で共通する信号間の類似性を評価し, 類似部分を同定する.例えば音声の背景にある音楽の同定などに用いられる.本手法は, まず参照信号を時間周波数領域で多数の小領域に分解し, 各小領域の成分と入力信号との間の類似度を計算する.続いて各小領域の類似度を投票法により統合し, 参照信号と入力信号が類似しているか否かを判定し, 類似している場合にはその位置を同定する.背景音楽の同定実験では, 音声に対するS/N比が-10dBの音楽で100%, -20dBの音楽でも90%が同定できることが確認された.
著者
黒沢 由明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.467, pp.93-98, 2011-03-03

文字認識や音声認識で良く用いられるLVQは確率降下法の考え方でも説明することができ,これによればLVQを最急降下法による最適解探索問題として定式化することができる.この考え方に立てば,LVQを構成する辞書ベクトル全体を認識パラメータと考え,LVQの学習時に,そのパラメータがパラメータ空間の中をどう動くのかを観察することができる.この手法を使って,ある手書数字認識のケースでたまたま見つかった誤読急減の部位において学習の観測を行なった.その結果,学習パラメータの系列がパラメータ空間内に複数存在する評価関数の渓流状の地形に捕まっていたこと,長い学習の後に渓流が無くなる位置で評価関数の坂を下り落ち始めた事が分かった.それが誤読急減少の原因だったのである.
著者
石川 悠司 Kang SeongWoon 李 蓮福 PARK GiLark 渡邊 翔太 瀬戸 謙修 小松 聡 浜村 博史 藤田 昌宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.550, pp.43-48, 2007-02-28

電子機器設計の分野では、新製品を市場に早く投入するため設計期間の短縮が強く求められる。この要求に対して、既存の設計を再利用する設計手法は極めて有効である。設計再利用の中で既存設計データベースの果たす役割は大きく、既存設計の仕様を表現する方式は非常に重要である。本研究で提案する仕様表現手法は、XMLベースの表による情報の列挙とUMLベースの直感的な図示を組み合わせることで、設計者が回路ブロックの仕様を理解するのを助ける。さらに、ルールベースの検証手法を導入することで、仕様記述に誤りが入り込む可能性を減らす。また、ケーススタディとして、ロボットの制御回路から取り出した回路ブロックに対して仕様記述を作成した。
著者
石川 悠司 Kang SeongWoon 李 蓮福 PARK GiLark 渡邊 翔太 瀬戸 謙修 小松 聡 浜村 博史 藤田 昌宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.547, pp.43-48, 2007-02-28
被引用文献数
3

電子機器設計の分野では、新製品を市場に早く投入するため設計期間の短縮が強く求められる。この要求に対して、既存の設計を再利用する設計手法は極めて有効である。設計再利用の中で既存設計データベースの果たす役割は大きく、既存設計の仕様を表現する方式は非常に重要である。本研究で提案する仕様表現手法は、XMLベースの表による情報の列挙とUMLベースの直感的な図示を組み合わせることで、設計者が回路ブロックの仕様を理解するのを助ける。さらに、ルールベースの検証手法を導入することで、仕様記述に誤りが入り込む可能性を減らす。また、ケーススタディとして、ロボットの制御回路から取り出した回路ブロックに対して仕様記述を作成した。
著者
原田 邦彦 山本 博資
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.185, pp.31-36, 2006-07-21
被引用文献数
2

線形ネットワーク符号化において,有限体IF_q上のメッセージX^h=(X_1,X_2,...,X_h),(X_i ∈IF_q)が伝送されるとき,各辺にはh個のX_iの線形結合が伝送される.本稿では必ずしも安全とは限らない線形ネットワーク符号を用いて秘密情報S^r(r&le;h)を伝送するとき,これに乱数情報R^<h-r>を付加した入力メッセージX^h=(S^r,R^<h-r>)に線形変換を行うことで,任意のl本の辺の盗聴に対して,h-rをしきい値とする強いランプ型秘密保護特性を実現する手法を提案する.すなわち,l&le;h-rならば,S^rは完全に安全であり,h-r<l<hならば,の秘密情報S^rのうち,任意のh-l個のシンボルが完全に安全である.さらに,実現のために十分な有限体サイズqの評価を行う.