- 著者
-
李 樹華
- 出版者
- 公益社団法人 日本造園学会
- 雑誌
- ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
- 巻号頁・発行日
- vol.59, no.5, pp.1-4, 1995-03-29 (Released:2011-07-19)
- 参考文献数
- 26
- 被引用文献数
-
1
歴史, 文化および地理的環境などの影響を受けて, 中国庭園と盆景の主な構成材料である石に対して, 独特な鑑賞法が形成された。本文は, 唐宋時代及び唐時代以前の庭石と盆石に関する文献を分析して, その鑑賞法の成立と定着を検討したものである。結論は次のとおりである。秦漢時代には, 庭石が応用され始めた。唐時代には, 太湖石の鑑賞法が形成された。宋時代には, 庭石と盆石は, 近山形石, 遠山形石, 形象石及び紋様石の四種類に分けられ, その鑑賞法がそれぞれ異なる。近山形石の鑑賞法は, 宋時代の米希の石の相石法と一致している。遠山形石の鑑賞法は, 遠山の姿を表現する峰尾根, 崖, 谷及び麓などを重視する。