著者
上仲 亮 鍬田 泰子 竹田 周平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.I_171-I_181, 2013 (Released:2013-06-19)
参考文献数
19
被引用文献数
1 2

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では,地震動や津波による水管橋の被害が複数報告されている.本研究は,地震動で被災した水管橋の中で最も口径が大きい,茨城県水戸市那珂川を横断する那珂川水管橋に着目し,その被害メカニズムの解明を試みた.本水管橋の微動観測により振動特性を明らかにし,これらを固有値解析で検証するとともに,推定された地震波形に基づく3次元時刻歴応答解析を行った.水戸市周辺では,高振動数成分が卓越した強震動が観測・推測され,本水管橋の固有振動数での応答値はレベル2地震動の設計値を下回っていたが,高振動数成分で設計値を上回る地震動であった.本解析では,推定地震動を用いることで橋軸直角方向の支承の損傷状況を再現した.
著者
三神 厚 辻野 典子 齊藤 剛彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.I_1034-I_1048, 2013 (Released:2013-06-19)
参考文献数
30

昭和南海地震において,高知市に襲来した津波波高はさほど高くなかったにもかかわらず,河川堤防が決壊し,高知市は長期にわたり甚大な浸水被害に苦しめられた.当時の地震被害調査報告によれば,高知市内の11箇所で堤防が決壊したと報告されているが,著者らの知る限り,断片的な被害情報はあるものの,それらが1つにまとめられた資料はない.著者らは利用可能な様々な資料をもとに,昭和南海地震による高知市の堤防被害箇所の推定を行ってきた.最近になり「高知市震災復旧工事箇所」なる資料を見出し,また高知大学地震観測所より被害写真の提供を受けたので,著者らの推定結果との比較を行ったところ,概ね整合した.「高知市震災復旧工事箇所」等,新たな情報をもとに堤防被害の要因について再検討したところ,1600年以降の埋立地や地形分類,Vs30の値が被害の程度を左右していることなどがわかった.
著者
秦 康範 原田 悠平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.I_1107-I_1117, 2014 (Released:2014-07-15)
参考文献数
42

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では,330件に及ぶ多数の火災が発生した.津波被害の大きい東北地方だけでなく,関東地方においても多くの火災が発生した.本研究では,消防本部から提供された火災データに基づき,出火点の推定地震動を付加した火災データベースを構築し,地震動に起因する火災(地震型火災)の出火原因の内訳を明らかにした.出火原因別に出火日時と累積出火割合の関係を明らかにするとともに,非停電地域における電気火災を取り上げ電力が供給されていれば停電に関係なく電気火災が発生することを示した.推定した震度曝露人口から,出火原因ごとに震度別出火率を算出した.
著者
石原 孟 榎木 康太 高原 景滋 荒川 洋
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.360-373, 2011 (Released:2011-08-19)
参考文献数
23
被引用文献数
1

本研究では電柱損傷度曲線,台風ハザード曲線および期待総建設費最小化原則に基づく配電設備のリスクマネジメント手法を提案した.台風0314号による被害データ分析および数値流体解析に基づく宮古島全域の瞬間風速の推定を行うことにより,1度の台風被害データから電柱の損傷度曲線の作成を可能とした.また台風シミュレーションと気流解析を組み合わせることにより,宮古島に設置されたすべての電柱位置における台風ハザード曲線を作成することを可能とした.最後に期待総建設費最小化原則に基づく最適設計風速を電柱の損傷度曲線と台風ハザード曲線を用いて求めた.その結果,全ての電柱に各々の最適設計風速を用いた場合では現状の設計風速を用いた場合の期待総建設費用に比べて,13%のコストを削減できることを明らかにした.
著者
片岡 正次郎 白戸 智 牛島 由美子 高宮 進
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.1-19, 2013 (Released:2013-01-18)
参考文献数
44
被引用文献数
2

地震等の災害によりインフラに被害が発生すると,被害がインフラ相互に,さらには社会・経済活動にも波及し,損失が拡大する場合がある.本研究ではシステムダイナミクスに基づいて,インフラが災害により被災した場合の復旧過程をモデル化し,首都直下地震を対象とする震災復旧シミュレーションを実施した.各インフラの復旧速度が電力,情報通信,交通インフラに依存するモデルを構築し,これらの被災によってインフラの復旧がどの程度遅れるかを定量的に算出した.
著者
月岡 桂吾 山田 聖治 室野 剛隆
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.I_123-I_132, 2019 (Released:2019-09-24)
参考文献数
18

本研究では,インピーダンスの周波数依存性および上部構造物の非線形性を考慮した非線形時刻歴応答解析手法である佐藤の方法を対象として,その適用性の拡張を図った.具体的には,佐藤の方法では,インピーダンス虚部が低周波数域において一定値をとるような問題に対して適用性が担保されていなかったため,これを改善するような方法を提案した.その上で,SRモデルを対象として,インピーダンスの周波数依存性と上部構造物の非線形性を考慮した数値解析を実施し,低周波数域におけるインピーダンス虚部の再現性が上部構造物の非線形応答特性に与える影響に関して検討を行った.その結果,上部構造物の履歴減衰の影響が比較的小さい場合において,インピーダンス虚部の再現性の影響が顕著に表れることが示された.
著者
鍬田 泰子 山村 優
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.I_1-I_9, 2019 (Released:2019-09-24)
参考文献数
11

2018年6月18日に発生した大阪府北部の地震では,平日朝の通勤時間帯に地震が発生したため多くの通勤・通学の鉄道利用客に影響が出た.当日午後に一部の鉄道は運転を再開したが,関西の鉄道システムは運転見合わせや間引き運転により終日ダイヤが乱れた.本稿では,神戸大学の学生を対象に地震当日の行動についてアンケート調査を行い,帰宅困難の実態把握を試みた.本調査で通学中であった回答者の多くは大阪や阪神間の鉄道沿線にいた学生であり,列車に乗車していた学生の約3割は駅間停車した列車に1時間以上閉じ込められていた.徒歩帰宅の意思決定に自宅までの距離だけでなく,自宅が震源近くにあることが要因になっていることがわかった.
著者
本田 利器
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_1078-I_1086, 2018 (Released:2018-11-01)
参考文献数
32
被引用文献数
2

耐震設計での想定を越える状況における性能を考える「危機耐性」という概念が議論されるようになっているが,定義が曖昧な面もある.危機耐性を指向した設計の実装に向けては,概念を理論的に整理したうえで具体化することが求められる.本稿では,情報という観点を設けて,危機耐性を指向した設計の考え方について考察した.親和性の高いレジリエンスの研究との比較などから,コミュニティ(社会)との連携の重要性等を示した.また,設計手順についても述べ,ストレステストのための仮想的外力としての地震動や,コミュニティと技術者の情報共有を促す体系の重要性について考察した.共有情報のマネジメントとしてリスクガバナンスが重要であること,および,設計指針ではなく認証制度として実装することの妥当性を示した.
著者
羽深 裕希 丸山 喜久
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_257-I_264, 2015

本研究ではグラフ理論の一つであるスペースシンタックス理論を用いて緊急輸送道路をグラフ化,統合値を算出し,災害時に物資を集積する拠点の配置場所を提案することを目的とした.東日本大震災の際に行われた「くしの歯作戦」および岩手県の後方支援拠点の選定の事例をスペースシンタックス理論により評価した.この結果を南海トラフ巨大地震の危険性が高い四国地方および高知県に対して適用し,高知県において後方支援拠点と同様の性質を持つ広域物資拠点の設置場所に関する検討を行った.
著者
高橋 和也 本田 敦 野澤 剛二郎 土肥 哲也 小川 隆申
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.167-172, 2015 (Released:2015-05-20)
参考文献数
8
被引用文献数
3

列車速度500km/h領域の超高速鉄道のトンネルでは,微気圧波の低減対策として坑口にトンネルより大きな断面積を持つ角型の緩衝工が設置されている.緩衝工をトンネル断面と同じ円型にすると,建設コスト低減などの利点がある一方で,緩衝工の効果が減少したり,突入時の空気振動が発生する恐れがある.本報告では,超高速鉄道における微気圧波の低減効果を確保し,かつ空気振動を十分なレベル以下とする円型緩衝工の可能性を検証することを目的とする.そのために,1) 緩衝工の断面形状をパラメータとした1/31スケールの模型試験と,2) 山梨実験線に設置した円型緩衝工の現地計測を行い,これらの結果より円型化による微気圧波ならびに空気振動への影響を確認することで,その有効性を明らかにした.
著者
佐藤 忠信
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.463-473, 2014 (Released:2014-11-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1

地震動位相を線形位相遅れとそれからの変動部に分解したときに,波動が伝播する媒質の不均質性に内在する自己相似性が,位相変動部における低振動数側での位相の増加傾向と高振動数側でのそれとの間に相似性を発現させるという仮説を立て,それから必然的に導出される位相の確率特性を数理的に明らかにし,最も単純な場合に,それが非整数ブラウン運動過程としてモデル化できることを示す.この結果が,実地震動位相の解析を通してこれまで得られている知見と一致していることを述べた上で,地震動位相の不確定性が地震動振幅の減衰特性として評価できること,さらに,単純な断層破壊過程と局所的地盤伝達関数を用いた強震動模擬モデルを利用して,位相の不確定性が強震動の振幅特性に及ぼす影響をHurst指数により定量的に評価できることを示す.
著者
大角 恒雄 福島 康宏
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_69-I_78, 2015 (Released:2015-09-25)
参考文献数
26

西アジアに甚大な地震・津波被害を及ぼしたAD 365年クレタ(Crete)沖地震は,M8.5クラスであったことが言われている.この地震による津波はギリシャ沿岸のみならず,古代都市であるアレキサンドリア(Alexandria),シリア地域に大きな被害を及ぼしたことが伝えられている.AD 365年の地震は,東部地中海地域の代表的地震であるが,Pirazzoli(1986)は東地中海周辺の海岸線の隆起地形に着目し,AD 350-550年が過去2000年に遡ってこの地域で最も顕著な地震の活動期の一つであったことを記述している.当時の痕跡である現地の地盤隆起は今でもクレタ島には存在し,その特徴と数多くの研究者のAD365年クレタ沖地震のパラメータを検証し,統計的グリーン関数法を用いて当時の地震動を推定した.
著者
池田 隆明 小長井 一男 清田 隆
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_970-I_980, 2017

2016年熊本地震では2日間に震度7の地震が2度発生するという特徴的な地震であった.地震の活動域は熊本県熊本地方から阿蘇地域,そして大分県の大分・別府地域に広範囲に拡大した.震度7の地震のうち最初のM<sub>j</sub>6.5の地震は日奈久断層,二番目のM<sub>j</sub>7.3の地震は布田川断層が起震断層と考えられ,ほぼ従来指摘されていた活断層の周辺で地表変位が確認された.震源近傍では強震動と断層変位に伴う地盤変形に起因すると考えられる構造物の被害が発生した.M<sub>j</sub>7.3の地震を対象に被害地域の強震動を再現するための震源モデルを経験的グリーン関数法を用いたフォワードモデリングにより構築した.
著者
五十嵐 翼 丸山 喜久
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_258-I_266, 2018 (Released:2018-11-01)
参考文献数
19

本研究では地震時の高速道路の復旧日数の予測モデルを高精度化することを目的とし,多重ロジスティック回帰分析を用いて復旧予測モデルを再構築した.2004年新潟県中越地震,2007年新潟県中越沖地震,2008年岩手・宮城内陸地震,2011年東北地方太平洋沖地震,2016年熊本地震の際の高速道路の開通までに要した日数をもとに,復旧予測モデルの構築に関する検討を行った.また,復旧日数の予測値の高精度化を図るため,道路構造の違いが復旧期間に与える影響を考慮した復旧予測モデルの検討も行った.さらに,構築した復旧予測モデルを南海トラフ巨大地震に適用し,復旧日数の推定を行った.
著者
徳永 宗正 曽我部 正道 後藤 恵一 山東 徹生 玉井 真一 小野 潔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.392-409, 2013 (Released:2013-08-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1

近年高速鉄道で採用の多い背の高い防音壁は,固有振動数が低く,従来支配的な設計要因とはならなかった列車風圧との共振による動的増幅が懸念された.本論文では,動的応答増幅を考慮した防音壁の設計法の提案を目的に,測定・数値解析に基づく検討を行った.列車通過時の防音壁の応答において,200km/h以下では列車荷重による応答が支配的となる一方,列車速度200km/h以上では列車風圧による応答が90%以上を占め,設計においては列車風圧のみを考慮すればよいこと,列車風圧による防音壁の応答は,列車風圧パルスと固有振動モードによる共振効果,後尾部パルスの重畳効果により増幅されること等を解明した.さらに,列車通過時の防音壁の動的応答を一般化し,防音壁の設計法として,シミュレーションによる手法と簡易法を提案した.
著者
坂井 晃
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.673-682, 2012
被引用文献数
2

日本における震度は,周波数補正を施した3成分合成加速度から算出される計測震度が用いられ,10階級の気象庁震度階級として公表されている.このとき用いられる加速度振幅は,その値以上の継続時間の合計が0.3秒となるときの値であるために,それ以外の時間帯における加速度振幅の大小に依存しないことになる.本研究は,震度の時系列表示法について検討を加え,移動実効値法を用いた震度の最大値と計測震度の関係について比較検討した.また,地震時間帯全体の加速度変動量を考慮した震度の評価法として,移動実効値法による震度の時系列表示を利用した修正震度の算定法を提案した.
著者
齊藤 剛彦 三神 厚 中野 晋
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.I_861-I_871, 2013

著者らはこれまで南海地震の揺れの体験談を多数集めて,震源特性の推定を行ってきた.その際,常に問題となるのが体験談の解釈の不確実性の問題であった.本研究は,南海地震と同じく海溝型巨大地震である東北地方太平洋沖地震の強震観測記録とそれから推測される揺れの体感,さらに実際の体験談を併せて用いることで,昭和南海地震の体験談の解釈の方法について検討を行うものである.例えば昭和南海地震では「揺れが水平動から上下動に変化した」や「揺れが段々激しくなった」という体験談が複数得られ,著者らは多重震源理論に基づき解釈を試みていた.今回,東北地方太平洋沖地震で得られた強震記録を用いて標準的な体感を表す振動レベルを算出したところ,水平動から上下動への変化や揺れが段々激しくなったと体感したと思われる強震記録が複数の観測点で得られていることが明らかになり,これまで著者らが行ってきた体験談の解釈法がある程度確からしいことが確認された.
著者
常田 賢一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.811-820, 2009 (Released:2011-04-30)
参考文献数
13

2008年岩手・宮城内陸地震では,地震時の地すべりや斜面崩壊を誘因とする天然ダムおよび土石流が地震災害の主要な特徴として着目された.いずれの現象も地震時の災害形態として認識されているが,既往地震での事例が少ないことから,当該地震の事例は貴重であり,それらの特性を吟味する意義は高い.本研究は,2008年岩手・宮城地震および既往地震における天然ダムおよび土石流の事例に基づいて,それぞれの形成特性および発生特性の検討を行った.そして,2008年岩手・宮城内陸地震(14事例)と既往地震(11事例)の天然ダムおよび土石流(2事例)の要因分析および要因間の関係の考察から,地震に起因する天然ダムの形成特性および土石流の発生特性に関する幾つかの知見を得た.
著者
藤木 昂 秦 吉弥 村田 晶 古川 愛子 一井 康二 常田 賢一 湊 文博 吉川 登代子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.I_984-I_992, 2016 (Released:2016-05-20)
参考文献数
35

本稿では,2014年長野県神城断層地震による強震動の作用によって深刻な住家被害等が発生した白馬村神城地区を対象に,高密度常時微動計測を実施した結果について報告する.具体的には,同地区内において232地点に及ぶ常時微動計測を行い,H/Vスペクトルのピーク周波数などに着目することで,神城地区における地盤震動特性を明らかにした.さらに,常時微動H/Vスペクトルとサイト増幅特性の経験的関係に基づき,微動計測地点(232地点)でのサイト増幅特性をそれぞれ評価し,サイト増幅特性の値に対する住家被害の関係について基礎的検討を行った.
著者
野上 雄太 坂井 公俊 室野 剛隆 盛川 仁
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.191-202, 2012 (Released:2012-04-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1 5

本研究は,広範囲の被害の概略をマクロに予測して危険箇所を抽出する1次スクリーニングを目的として,想定される工学的基盤の地震動に対して表層地盤の絶対加速度増幅率および絶対速度増幅率を推定する式を提案したものである.この推定式は,(1)表層地盤の固有周期だけでなく,入力地震動の卓越周期も考慮できること,(2)幅広い地震動レベルに対して適用可能であることが特徴である.増幅率の推定に必要な情報は,入力地震動に関しては,工学的基盤における地震動の最大加速度PBAと最大速度PBVの2つのみ,表層地盤に関しては,固有周期Tgのみである.また,提案した推定式の妥当性を地表と地中の両者で得られた実地震記録を用いて検証した.