著者
清水 正勝 清水 由美子 赤間 啓之
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.107(2003-CH-060), pp.9-16, 2003-10-24

フランス語の人称代名詞である"on"と"l'on"は,意味的に等価なものとされている.17世紀の文法学者Vaugelasは,両者の使い分けを「音」の観点から整理した.彼の解釈を後世の文法書も踏襲しているが,今回我々が行った新聞コーパスの調査によって,両者の使い分けは,彼の言う「音」という要素よりも,「単語そのもの」に依存する可能性が高いことを示す.
著者
牛根 靖裕 白須 裕之 山田 崇仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.9, pp.57-64, 2007-01-27
被引用文献数
2

「唐代行政地理の概念モデル」に基づき、実際の史料から概念モデルに即したデータモデルを提示する事を目的とする。内容は、以下の三つに分かれる。(')「唐代行政地理情報」についての問題を整理。(Ⅱ)関連史料の紹介とデータモデルの基本方針の提示。(、)『新唐脅 $地理志・『元和郡縣圃志』の二つの史料を対象としたデータモデルの提示。このモデルにより、単なるテキスト全文検索では実現不可能な「時間によって変化する行政鷺の状態遷移情報」「史料の内容に則した情報(異説を含めた)」の検索が可能となる。The purpose of this report is a thing to present the data model from actual historical materials according to "Conceptual model of the Tang Administrative Geography". The content, divides into three kinds of the following. (0 The problem of "Tang Administrative Geography" is arranged, (n) A basic policy of the data model is presented as the introduction of related historical materials. (m)The data model is presented intended for two historical materials of "XinTangShu DiLiZhi (『新唐書』地理志) " and "YuanHeJun-XianTuZhi (元和郡縣園志) ". Retrieving information on "Life cycle of an administrative district" that cannot be achieved in the model presented by this text by a mere text full-text search becomes possible.
著者
横山 詔一 高田 智和 當山 日出夫 米田 純子
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.4(2009-CH-081), pp.33-40, 2009-01-16

日本規格協会・国立国語研究所・情報処理学会の3者連合体が経済産業省の委託を受けて制作した平成明朝体グリフ約6万字種のうち,字形デザインにおける変異が顕著で,かつデザイナーから学術的な検討を要請されることが多いデザイン差をいくつか取り上げ,認知科学と社会言語学の手法を援用しながら分析をおこなった。社会言語学的な調査データは,東京の下町と山の手,京都のほか,海外の台湾においても収集された。その結果,非伝統的な新しいデザインが好まれる傾向にあることが明らかになった。
著者
飯田 弘之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.48, pp.7-12, 1997-05-23
被引用文献数
1

本稿は日本将棋の起源をその変遷も含めて明らかにする研究の試みである。本研究では、日本将棋の起源および変遷に関与したと思われる、インドのチャッツランガ、西欧チェス、タイ将棋マークルック、中国象棋、日本将棋などを計算機上にプログラミングする。それによって、文献調査に基づく従来研究では明らかにされていない、日本将棋の起源に関する新しい情報論的な知見を得る。すなわち、ゲーム論的な戦略の変遷からみた将棋の起源/変遷に関する調査研究を論じる。すでに筆者が行なってきた、チェスと日本将棋のプログラミングを通して得た知見について述べる。本稿はまだ研究提案の段階であるが、本研究を通して情報論的な新たな知見が得て、人文科学とコンピュータの領域研究の一事例となることを期待する。This paper describes an approach to determine the origin and transition of SHOGI (Japanese Chess). The main idea is to make computer programs of chess-like games (CHATURANGA, CHESS, MAKRUK, XIANG-QI, SHOGI and so on) which may have respect to the origin and transition of SHOGI, based on historical literatures. This paper also considers several factors to be keypoints for the discussion of the SHOGI origin, based on the previsou work on a computer shogi and computer chess. The approach is a research proposal so far, it however will be able to know something important on the SHOGI origin from the viewpoint of game strategy programming.
著者
土井 裕人
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.85(2006-CH-071), pp.17-23, 2006-07-28

本報告が試みるのは,UML(Unified Modeling Language 統一モデリング言語)という手法により宗教思想のテキストをモデリングして図示し,比較研究に応用することである.UMLには不十分な点も少なくないが 統一的な表記法に基づく図示によって概念を共有し,違った立場の人々の円滑なコミュニケーションと問題解決を計る趣旨を持つ.これは思想研究などへの応用を考えた場合,興味深いものとなろう.
著者
小沢 一雅
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.107, pp.17-24, 2003-10-24
被引用文献数
1 3

絵画は、それを鑑賞する人 ?観察者? に3次元世界を想起させる。これを仮想3次元世界とよぶことにする。本論文は、絵画とそれが惹起する仮想3次元世界をめぐる認知連関モデルを導入し、絵画における遠近法表現の意味を考察する。認知連関モデルで重要な役割を果たすのは、仮想3次元世界を正確な遠近法表現にもとづいて射影した仮想写真(=仮想カメラによる撮影像)である。仮想写真を軸としながら仮想3次元世界と実世界との関係などについて認知連関モデルにもとづいた考察を行う。また、絵画の実例(浮世絵の風景画)をとりあげ、本モデルの観点から遠近法表現について考察を加える。A painting is associated with a virtual 3-dimensional world, termed V3D-world. In this paper, a cognitive correlation model involving a painting and its corresponding V3D-world is introduced for consideration on perspective drawing. In our model, the virtual photographic image plays a key role in understanding of perspective drawing, relation between V3D-World and real world, or artistic impression given by a painting. Taking an Ukiyoe landscape for example, it is discussed whether our correlation model can offer good understanding of problems in perception or cognition of paintings.
著者
安岡 孝一 安岡 素子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.80, pp.49-54, 1997-08-29
被引用文献数
1

JIS X 0221 の漢字は、中国・台湾・日本・韓国の漢字コード規格から集められたものである。このうち、中国の GB 8565 からの採録とされている漢字は290字ある。しかし調査の結果、これら290字のうち87字は、実際には GB 8565 には含まれていないことがわかった。本稿では、これらの漢字が一体どのような経緯で JIS X 0221 に採録されることになったのかを、さまざまな漢字表を歴史順に追うことによって明らかにする。CJK characters of JIS X 0221 are gathered from domestic standards of China, Taiwan, Japan, and Korea. And JIS X 0221 insists that 290 characters are from GB 8565 of China. However, in fact, 87 characters of the 290 are not included in GB 8565. In this paper, we reveal why and how these 87 characters are stuffed into JIS X 0221.
著者
當山 日出夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.91, pp.21-28, 1995-09-15

1.漢字の属性(意味・字形・音)などを、一義的に決定することは不可能である。2.漢字の属性の決定には、漢字辞典の利用が有効である。3.最近の漢字辞典は、JIS漢字を中心に編纂される傾向がある。そのため、JIS漢字を批判するための根拠とはなりにくい。4.漢字の属性の整理のためには、JIS漢字以外の漢字をふくめた総合的な視点からの考察と調査が必要である。1. It is impossible to decide principally the attribute etc. of the kanji (The meaning, the letterform and the sound). 2. The use of the kanji dictionary is effective for the decision of the attribute of the kanji. 3. Recent kanji dictionary tends to be edited in the JIS kanji. Therefore, it is difficult to become the foundation to criticize JIS kanji. 4. For the arrangement of the attribute of the kanji, the consideration and the survey from the synthetic perspective are necessary including kanji other than JIS kanji.
著者
宗森 純 吉野 孝 湯ノ口 万友
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.67, pp.15-22, 2000-07-21
被引用文献数
4

発想支援グループウェアGUNGEN-Spiralを開発した.GUNGEN-Spiralは,アイディアの収集,アイディアの保存,アイディアの共有,発想支援,アイディアの再利用を支援する.本システムは,PDA(Personal Digital Assistant)上で動作するGMemo,マルチメディアデータベースWadaman (Whole mediA DAta MANagement system),アイディア共有システムWWWW (World Wide Web Wadaman,以下W4)および発想支援グループウェア郡元で構成されている.利用者はGMemoを利用した手書き文字入力で,いつでもどこでもアイディアを収集できる.収集されたアイディアは,Wadamanを経由し,W4を利用して,インターネットを介してメンバー全員で共有される.また,それらの手書きのアイディアは郡元で直接利用することできる.郡元の結果のアイディアは,次のアイディアとしてさらに再利用することができる.本稿では,GUNGEN-Spiralの開発とその試用について述べる.We have developed an idea generation support system, called GUNGEN-Spiral. GUNGEN-Spiral supports collecting ideas, saving ideas, sharing ideas, getting their ideas in shape and reusing ideas. The system consists of GMemo running on a Personal Digital Assistant (IBM WorkPad), Wadaman (Whole mediA DAta MANagement system), WWWW (World Wide Web Wadaman, W4) and GUNGEN (GroUpware for a New idea GENeration support system). Users can collect and input ideas in free handwriting using GMemo immediately anytime and anywhere, and the ideas are saved in Wadaman and shared all together using W4 on the Internet. Moreover, participants use those ideas as data for GUNGEN directly. We can reuse the results of GUNGEN as topics for further ideas. We have applied this system on a trial basis.
著者
中村 美奈子 山川 誠 八村広三郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.51, pp.33-40, 2001-05-25
被引用文献数
4

舞踊記譜法Lavanotationは、欧米では舞踊の分析や振り付けの手法および舞踊教育のツールとして広く用いられているが、日本においては、まだあまり普及していない。一方、モーションキャプチャ技術は、舞踊学の分野においても舞踊の動作分析手法の一つとして注目されてきている。本研究では、モーションキャプチャシステム、3DCG、ビデオ映像、VRMLおよび、八村研究室でこれまでに開発してきた舞踊譜作成エディタLabanEditorを統合した形での、舞踊教育のための効果的なマルチメディア教材を開発することを目的とする。Labanotation is now widely used as dance notation in Western countries. If we use hypermedia in teaching dance with Labanotation, we can expect good results in choreography and dance education. In this paper, we report on a development of multimedia teaching materials for dance by using motion capture system and Labanotation, integrating with 3DCG, VRML, video, and LabanEditor which had been developed by our laboratory.
著者
岡墻裕剛 石塚晴通 斎木 正直
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.47, pp.69-76, 2008-05-16
参考文献数
13

「漢字字体規範データベース」(略称 HNG ) は,2004 年度よりオンラインで公開中のデータベースである。2008 年 4 月現在,各時代・各地域の標準的な文献 62 点に出現する 4 554 字種 432 596 字について,漢字の字種・字体・字形や字体規範に関する情報が検索可能である。この 62 文献について,各文献における字種数.字体数.総字数・異体字率を集計した。異体字率は文献の性質を示す指針となり,IDIG で取り扱っている文献の多く力轤準的な文献であることが確認できる。また,lDlG では複数の文献間での字体整理は行われていないが,その方法には一定の基準が必要であり,本稿では部首が「心」となる漢字を取り上げ,実例を交え報告を行う。Database of the normative glyphs in Hanzi script (abbreviation HNG) is a big data base, which is opening to the public online from 2005. Now HNG shows information of 4,554 character type 432,596 characters that appear in 62 standard documents. To use HNG, we can get the information of Chinese character, for example Zitai (standard of writing), Zikei (shape itsetf), and so much. We research the number of characters and character types, Zitai, and the rate of Itaizi (another from). We also report about the way to an adjustment of HNG, by the point of Zitai, giving an example of radical of 心.
著者
山田 奨治 早川 聞多
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.100, pp.25-32, 2000-10-27
被引用文献数
1

本論文では,ディジタル画像の利点を生かした浮世絵美人画研究について,(1)モルフィング技術によって作成された平均顔からの仮説設定,(2)顔の人類学的計測特徴による難判別作者の判別,(3)美人画の3次元CG化作業を通した表現の考察について報告する.(1)では,代表的浮世絵作者の平均的な美人面貌表現像を作成し,さらには歌麿の前期と後期との表現上の変化についての仮説を導いた.(2)では,清長・歌麿・豊国,広重・国貞・英泉・国芳,歌麿前期・後期という,一見判別の難しい作者の判別についての,面貌表現上の判別指針を示しえた.(3)では,歌麿作「高島おひさ」の3次元CGモデルを作成し,従来実像からの誇張ばかりに着目されていた歌麿の面貌表現について,意外と写実的である可能性が示唆された.これらの結果は,ディジタル画像を使用することによってはじめて得られた,浮世絵研究のあたらしい視点である.In this article, we discuss about an Ukiyo-e face research method using some merits of digitized image. Our study was conducted from three view points: (1) a hypothesis from averaged faces by morphing technology; (2) discriminations of very similar faces using antholopometric features; (3) a hypothesis through 3D CG model construction of a female's face. As for (1), some averaged faces of famous Utamaro's early period and his latter period, we reduced a hypothesis that the difference would come from the view angle. As for (2), we suggested some discrimination criterias for very similar painters; Kiyonaga, Utamaro and Toyokuni; Hiroshige, Kunisada, Eisen, and Kuniyoshi; Utamaro's early period and latter period. As for (3), we built a 3D CG model of "Takashima Ohisa" by Utamaro. Through the modeling, we have got a hypothesis that Utamaro could have been a realistic artist, in contrast to his image of exaggerated expression.
著者
清水 宏一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.73, pp.1-8, 2002-07-26
被引用文献数
1

京都市が「京都デジタルアーカイブ構想」を策定したのは、1997年4月のことである。その後1998年8月に京都デジタルアーカイブ推進機構を立ち上げ、さらに2000年8月には京都デジタルアーカイブ研究センターを設立して今に至っている。京都が何をめざし、何をどのようにアーカイブし、また今後にどういかしていくのか。また、京都デジタルアーカイブ研究センターなどが中心となり全国に呼びかけた地域デジタルアーカイブ全国協議会は急激にメンバーを増やしつつあり、政府のデジタルアーカイブ研究会、自民党のデジタルアーカイブ小委員会などの動きも目が離せなくなってきている。こうした状況につき、実践に基づく解説と見解、さらには将来見通しを述べたい。Kyoto City Government developed the "Kyoto Digital Archives Concept" in April, 1997.In the promotion of the Kyoto Digital Archives Project, the Kyoto Digital Archives Promotion Organization was established in 1998, then as a succeeding body of this organization, we started the Kyoto Digital Archives Research Center in August 2000.Now, I would like to describe what Kyoto aims for and how Kyoto develop toward the future with the use of "Digital Archives.We takes the lead "the national local digital archives conference" for which it appealed all over the country is increasing a member rapidly, and it is becoming impossible moreover, for a motion of governmental digital-archives study group, the digital-archives subcommittee of the Liberal Democratic Party, etc. to also look aside. I want to describe the description and view based on practice, and also a future prospect about such a situation.
著者
三好 聡 神山 文子 西島 恵介 藤田 米春
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.12, pp.25-30, 1997-01-24

推理小説理解を行うためには、登場人物の思考過程の解析が必要である。本報告では、感情シミュレーション・システムの手法を適用した解析法について提案する。感情シミュレーション・システムは人間の思考過程を3つの処理部に分けることにより構成している。主人公が感情を発生した時に、これらの処理部がどのような処理を行うかについて考察する。具体的には、どのような時感情が発生するか、感情がその後の思考にどのような影響を与えるかについて述べる。This paper proposes an application of a simulation method of emotion to analysis of hum processes of thought and behavior in understanding a detective story. The simulation system is composed of three modules, a situation processing module, emotion processing and a planning module. Based on this system, we describe generati〓 processes of emotions of a protagonist in various situations of a story and several influences 〓 generated emotion on his later thoughts and behaviors.
著者
鈴木 庸子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.51, pp.87-94, 1998-05-28

日本語教育のためのデータベースCASTEL/Jに収録されている新書の文章を素材として、上級の日本語学習者のための読解教材「読書支援システム「新書ライブラリー」」をコンピュータを利用して開発した。本研究ではこの読書素材力田本語教材としてどのような性格を持つか、学習項目として抽出できる言語要素は何かを明らかにするために、文章に含まれる機能表現の調査を試みた。使用頻度の高い表現33項目を抽出し、また異なった文章の間における表現の使用状況の違いを考察した。この調査の結果を別の角度から検討し、中・上級の日本語教育の学習項目を考えるうえで有用な情報を提供しうることを示した。We have developed a reading support system called "SHISHO library" for advanced Japanese language students. This system, consisting of eight sections, was created using the Computer Assisted System for Teaching and Learning Japanese (CASTEL/J). In this article we report on a survey of expressions used in the "SHINSHO library". The frequency of expressions and their usage in the eight sections are measured and discussed. The results from this study provide useful information about the learning items relevant to the intermediate and advanced Japanese education levels.
著者
加藤常員
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.49, pp.73-80, 2007-05-25
被引用文献数
2

『輯製20万分1図』(輯製図)(1)は日本全国をほぼ同じ精度で作成されたわが国最初の地勢図群である。現代の地勢図や地形図と近世の古地図とをつなげる地図群と考えられている。歴史研究の地図利用において、この地図群の電子化、活用は意義深いと考えられる。輯製図の図郭は現行の20万分の1地勢図と同じであるが、その編纂がどのようされたか詳細はわかっていない。一方、国土数値情報等の電子化された空間情報は、現行2万5千分の1地形図を基盤に作られている。縮尺や図法の異なる地図から作成された空間データは、緯度経度のもとで一元的に扱うことができるが、逆に地図画像上に空間データを描画しようとすると地図の図法等の解析が必要となる。地図画像からの空間情報の電子化と電子化された空間情報の地図画像への描画は双対の関係であると言える。本稿では輯製図および20万分の1地勢図について検討と考察を行い、国土地理院・数値地図25000(行政界・海岸線)を用いて両者の地図画像上への行政界・海岸線を描画する実践的方法について報告する。Syusei maps are the first modern set of regional maps in Japan, which is 1/200000-scaled and published in 1884-1893. The maps are situated between the modern maps and those of Edo period. When maps are used in historical studies, spatial data contained in maps are very important. A Syusei map covers the same area as the present regional map, 1/200000-scaled. However, the drawing method of Syusei maps is unknown. Spatial data of modern digital maps in Japan are based on topographical maps, 1/25000-scaled. Spatial data extracted from maps with different scales or with different drawing methods can be uniformly treated under the latitude and the longitude. But when we draw spatial data on the map image, its drawing method should be analyzed. In this paper, we consider the spatial data of Syusei maps. We also present experimental mapping of spatial data onto an existing map image.
著者
長谷川 隆行 飯野 浩一 宮原 健吾 加茂 竜一 大橋康二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.57, pp.9-16, 2006-05-26
被引用文献数
1

文化財の画像アーカイブにおいては,色の正確な保存,再現が重要となる.画像の取得にはデジタルカメラが広く用いられているが,カメラの信号値は人間の知覚色を表すものではないため,正確な色再現のためには色変換が必要となる.従来の手法では,カラーチャートの撮影画像に基づいた色変換を行うのに対し,分光データベースを利用した色再現手法では,被写体の分光反射率特性を反映した色変換を行うため,被写体に応じた最適な色再現を行うことができる.本手法の精度を主観的に検証するため,陶磁器とその再現画像を用いた評価実験を実施した.実験の結果,従来の手法と比較して,本手法では,より高精度な被写体の色再現が可能であることが確認された.Accurate color preservation and reproduction are important factors of cultural heritage image archives. Since color signals recorded by digital cameras, which are widely used for digital image acquisition, are not equivalent to the human perception, color conversion is necessary for accurate color reproduction. Conventional methods utilize a color chart image for color conversion, whereas a color reproduction method using spectra databases realizes superior color reproduction accuracy by incorporating spectral properties corresponding to real objects. An experiment using porcelain samples and their reproductions was carried out in order to visually evaluate the performance of the method. Results show the method is able to achieve more accurate color reproduction than the conventional method.
著者
永崎 研宣 鈴木 隆泰 下田 正弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.57, pp.33-40, 2006-05-26
参考文献数
9
被引用文献数
2

大正新脩大蔵經テキストデータベースは、すでにすぺてのテキストの入力を終了し、その正確性を高めるという次の段階に入っている。これを効率的に行っていくためには、より効率的かつユーザフレンドリーなコラボレーションシステムの開発が有効である。コラボレーションシステムは、それまでの作業のルーティンを損なうことなく、その問題点を解消できるものでなければならない。そのため、Webベースのシステムを基本としつつ、コア部分では、作業者のスキルの格差を考慮し、ローカル側での作業に比重を置くインターフェイスと、Web上ですべての作業を行うインターフェイスの二種類を併用する形とした。The text-database of the Taisho Tripitaka has entered a correction phase since inputting of all texts has been finished. It is useful to develop a more efficient and user-friendly collaboration system to solve previously experienced problems without disturbing the routine of the work. Therefore,we developed a Web-based collaboration system which has two interfaces accomodating the differences of workers,skill levels. One is based on the work done on the local computers and the other is carried out entirely on the Web.
著者
坂毛 宏彰 深野 淳 板倉誠也 長谷川美和 辻田忠弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.105, pp.1-8, 2005-10-28

本論文は、謎の浮世絵師、東洲斎写楽が一体誰であるかを解明する一つの手法として、写楽の役者絵で特徴的な目に着目し、写楽と葛飾北斎、歌川豊国、喜多川歌麿の特徴をモレリアン・メソッド(顔の場合は目や鼻、口の様に画面を細かく解剖し、その細部の形や構図、技法、色使いなどから絵画を分析する方法)による判別分析を行った。また、SD法(Semantic Differential Method)を用いた心理的な分析を行い、結果を比較することで写楽の浮世絵における目の特徴の分析する事によって写楽のなぞについての研究を行った。This research focused on the characteristic eyes of Sharaku's pictures of actors as one technique for clarifying just who was this mysterious ukiyoe master Sharaku Toshusai. Eye features in works of Katsushika Hokusai, Toyokumi Utagawa, and Utamaro Kitagawa were analyzed by distinction analysis using the Morerian method, and the SD method. We researched Sharaku's pictures based on these results.
著者
三宅 真紀 佐藤研 赤間 啓之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.85, pp.25-30, 1999-10-15
参考文献数
8

本論文では、聖書学の分野に、コーパス言語学的な統計的解析を用いた方法論を導入をすることを目的としている。そこで、新約聖書学において、福音書の成立上の相互関係を整合的に説明しようとする「共観福音書問題」に着目し、その最も説得的な解決法と考えられている「二資料説」について、数量化モデルを立てた。統計処理については、特異値分解(Singular Value Decomposition SVD)を基盤とするLSA (Latent Semantic Analysis)を用いて仮説を検証し、数量化モデルを用いて「二資料説」を実証した。LSAは、膨大な量のテクストを扱うのに非常に適している。また、解析ソフトウェアの開発も同時に行い、将来的に聖書学研究者の統計的研究をサポートすることを目的としている。In this paper, it is our aim to use a statistical analysis for the study of Bible. We deal with the "synoptic problem" in New Testament Studies. For the first step, a statistical model is created for the "two sources theory" which plays a important part in this problem. Then, the hypothesis is explored by a mathematical technique called Latent Semantic Analysis (LSA). This thechnique uses Singular Value Decomposition (SVD), a mathematical generalisation of factor analysis. And also it is applied to a large corpus of text. Finally the hepothesis is proved by the satistical model. In addition we develop a application applied to the statistical analysis for the study of Bible.