著者
鈴木 恒男
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.120-123, 2012-07-01
著者
大寺 亮 堀内 隆彦 富永 昌治
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.27-38, 2010-03-01

本論文では、単眼カメラによって入力された眼球周辺の画像からユーザの視線を自動検出し、ディスプレイ上の視点の周辺領域の画質を実時間で改善するシステムを提案する。一般に、ディジタル画像の画質改善は、画像全体に対して処理を施すため、処理時間が画像サイズや解像度に依存する。そのため、サイズの大きな高解像度画像の画質改善結果を、実時間で得ることは困難であった。本システムは、視点周辺のみの画質を高速に改善することによって、この課題を解決する。本論文では、高精度で高速な視線の検出を、パラメトリックテンプレートを利用した虹彩マッチングによって実現する。画質改善は、Retinexモデルを改良し、これを時系列処理することによって実現する。さらに、これらの処理をGPU上に実装することによって、一般の画像観測環境における実時間処理を実現した。画質と演算時間に関する評価実験によって、提案システムの有効性を検証する。
著者
矢野 正 下村 容子 橋本 健次郎 金谷 末子
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.107-118, 1993-08-01
被引用文献数
12

照度レベル, および, 光源の光色が高齢者と若年齢者の色識別性に与える影響を調べるために100hueテストを用いて実験検討した。実験条件は, 照度レベルが10, 100, 1000lxの3条件で, 相関色温度が3000, 5000, 6700Kの3段階で, 光源として3波長域発光形蛍光ランプを用いた。その結果, (1)照度レベルが1000lxの場合は, 高齢者, 若年齢者ともに光源の光色によって色識別性に差はなかったが, 照度レベルが100lxの場合は, 高齢者のみで, その識別性が3000Kと6700Kとで差がみられ, 照度レベルが10lxでは, 高齢者, 若年齢者ともに光源の光色によって色識別性に差が生じた。(2)高齢者は若年齢者の色識別能カよつどの色相でも劣り, 特に紫赤色系で劣った。(3)各色票に対するエラースコアは, 隣合う色票の色相差と関係があった。(4)高齢者が若年齢者と同等に色識別を有するためには約1.5倍の色相差が必要であった。
著者
伊藤 久美子
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.100-101, 2001-05-01
被引用文献数
4
著者
中川 正宣 富家 直 柳瀬 徹夫
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.147-158, 1985-03-30
被引用文献数
8

本研究において, 我々は与えられた表色系から一意的に色彩感情得点が計算できるようなシステムの構成を行なった。まずEvaluation, Potency, Activityという3つの色彩感情因子を得るため, 色刺激のSD法の結果に因子分析(キャロル・チャン法)を行ない, 次にスプライン関数による平滑化を用いてそれらの感情因子得点と与えられた表色系指標(マンセルの明度, 彩度)との関数を構築した。最後に, 各因子とマンセル指標(明度, 彩度)との関数関係を表わす曲面を描くため, 得られた関数を用いて理論得点を算出した。将来はこの曲面の数学的特徴を探ることによって色彩感情系の一般的メカニズムに迫りたいと考えている。
著者
田中 法博 梶本 めぐみ 富永 昌治
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.92-101, 2001-06-01
被引用文献数
8

本論文では、自然環境下における光源の全方位分布をカラーカメラがら推定する方法を提案する。全方位計測系として、鏡面の金属球を用いて、それに写りこんだ画像を解析することにより光源の方向と輝度を求める。鏡面球の使用は、いくつかの全方位計測方式の中では一度に計測できる視野範囲が最も広いという利点がある。鏡面球のほぼ全周囲360度の範囲に存在する光源の空間分布を知ることが可能である。光源推定のおおよその原理は以下のようである。光源からのビームが太陽光のように平行と仮定すると、カメラから鏡面球への視線方向ベクトルが球表面で正反射する方向がわかれば、球への入射光ビームの色度、輝度、方向を推定できる。これを画像として観測できる球面全体について調べれば、全方位の光源分布がわかる。光源の空間分布を表示する画像として、我々は2種類の画像を求める。まず、球中心から全周囲を観測した画像で、光源の空間分布は球中心を原点とする極座標系として求める。次に、人間が見る写真と同様な画像として、画像の射影方式を平行投影法で変換する。最後に、自然環境下で実験を行い、提案手法の妥当性を示す。
著者
日本色彩学会 ISO TC/187色表示国内委員会
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.209-217, 1993-11-01
被引用文献数
8

Natural Color System (NCS) は代表的な表色系の1つであり, その原理は心理測定に基づいて構成されている。この表色系は長所も多く, 世界の各地で用いられているが, 日本語では系統だった解説書がまだないのが実状である。そこで本委員会では会員の便に供するため, この表色系の解説書であるSwedish Standard SS01 91 00Eを日本語に翻訳した。
著者
佐藤 千穂
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.74-81, 1997-05-01
参考文献数
8
被引用文献数
2

肌色に関する研究は数多く報告されているが, 実空間での顔色の見えについての研究は少ない。顔色の見えは照明や背景色などの様々な環境要因や, 洋服の色や化粧などに影響される。さらに色の見えは, その面積や形, 配置によっても変化するだろう。本研究では形の議論は今後の課題として, 洋服の色によって影響される顔色の見えに着目した。それは洋服が人の顔を見る視野の中で多くの面積を占めることと, 面積効果を考慮して, まずは顔と同じくらいの面積での色の比較を行いたかったためである。実験では胸にかけられる長方形の色のついた綿の布を洋服のかわりに使用した。布の色にはマンセル表色系で規則的な43色と, 洋服の色や化粧品の色を考慮した22色からなる65色を選定した。モデル(38名の女性)は色のついた布を胸にかけて着席し, 5名の観察者はこの時のモデルの顔色の見えを評価した。この評価を各モデルに対して65回実施した。評価構造の解析と各布の色での顔色の見えの違いを検討したところ, 顔色は明るい色や赤みのある布ではきれいで健康的であり, 一方暗い色や青みのある布ではくすんで不健康に見える結果が得られた。
著者
小町谷 朝生
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, 1998-07-01
著者
呂 清夫
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.155-161, 1992-01-01
被引用文献数
1

文字の海の中に, 伝統色名セツ卜をどのように選定すれば, 代表性や普遍性のあるものになるのか。本研究では, 「中国色名綜覧」^<1)>および「中国の伝統色」^<2)>を, 英語の「色の標準と命名法」および「色彩辞典」と比較研究を行い, 調べた数字でその相違をはっきり比較させると共に, その色名選定の基準についての相違までも比較をする。そして, 英語の2種類の権威的な著作の間には, その選定の基準が比較的近いため, それぞれの選定した色名が重なるものが多いのに対して, 中国色名に関する2種類の著作の間には, その基準ががなり離れているため, それぞれの選定した色名が, 全く別なもののように見える。そればかりでなく, 中国語並びに英語の色名が代表する色彩についても, ほぼ同じ現象が存在している。つまり, 中国語と英語のそれぞれの両種類の著作にある色名の代表色を, 別々にNickersonの退色指数で表示すると, 英語の二つの著作にある色名の代表色は, 中国色名の二つの著作にある色彩より, その安定性が比較的高い。以上の現象の探求とその原因の究明とが本研究の要旨である。それは伝統色名セットの選定のキー・ポイントであろう。
著者
稲垣 卓造
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.148-156, 1989-02-10
被引用文献数
2

この研究は, 景観設計への応用を目的とし, 建築外部色彩と広告塔の色彩の視覚効果を定量化するために行ったものである。実験では, コンピュータグラフィックスにより作成された150の刺激を, カラースライドで被験者に提示した。まずファサードの色彩が異なった建築のスライドを, 17の形容詞対によりSD法で評価させた (実験1)。次に150の広告塔 (3つの規模, 10色の広告塔, 5色の下層建築の組合せ) に対する評価を「効果点」, 「不快さ」の2つの尺度で評定させた (実験2)。1) 因子分析により4因子が抽出された。第I因子は建築外観の快さに関係し, 「評価」因子と名付けた。第II因子は外観の活気の程度に関係するため, 「活動」因子とした。第III因子は「暖かい-冷たい」の尺度だけに関与し, 「暖かさ」因子と命名した。そして第IV因子は, 「明確さ」因子とした。2) 数量化I類により, 第I因子「評価」は他の要因よりも明度の影響を強く受けていることが明らかになった。また「活動」は彩度に, 「暖かさ」は色相に影響されている。すなわち, 明度が高くなるほど建築は快く感じられ, 彩度が高くなるほど活気が出てくる。3) 広告塔の「効果点」は主として, 建築との明度差に依存し, ついで広告塔の色彩自体が影響力をもつ。「不快さ」もまた, 明度差に最も大きく影響を受ける。