著者
前田 達郎 松本 尚之 須藤 昌吉 中原 良樹 上野 邦明 中山 英 森田 啓介 丹羽 雄紀
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.523-524, 2017-03-16

電力システム改革に伴う計画値同時同量制度の導入により、発電事業者は30分毎のゲートクローズ(需給計画の提出締切)やインバランス回避のために、定期点検等の運用上の制約のほか、気温等環境要因による発電能力の補正、燃料ガス導管の流量や燃料在庫管理等の複雑な制約も加味した緻密な発電計画を迅速に作成する必要がある。これらの制約のもとで、最大100台の発電機群の運転状態を決める大規模な最適化計算を、ヒューリスティック計算およびソルバー計算を併用することで、実用的な時間で解くことのできるハイブリッド最適化手法を東京電力フュエル&パワー株式会社と共同開発したので報告する。
著者
冨山 侑子 宇都宮 陽一 奥田 隆史
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.815-816, 2017-03-16

電車において擬似混雑(混雑の偏在)が発生すると,乗客が乗降車できない状況になることがある.この状況を防ぐために,駅員は乗客に車内中央まで移動するように促す.しかし,乗車区間の短い乗客が車内中央まで移動すると,その乗客は降車が困難になる.加えて他の乗客はその乗客のために立ち位置を変更しなければならなくなる.この立ち位置変更は各乗客のストレスを増やすことになる.そこで本研究では,各乗客のストレスを車内での立ち位置に基づいて表し,乗客の最適な立ち位置を明らかにする.そのために,乗客をエージェントとして捉え,混雑時の車内立ち位置選択をエージェントベースドモデルとして表現し,シミュレーションをおこなう.
著者
宮崎 千展 松山 聖路 徳永 雄一 齋藤 正史 清原 良三
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.395-396, 2017-03-16

自動車メーカによる自動運転車両の市場への投入が近いと言われており,多くのメーカで活発な研究開発が行なわれている.また,社会的にも渋滞の緩和,CO2排出量の削減,不注意による事故の防止などの効果が期待されている.車のライフサイクルが10年程度と考えると,今後販売される新車がすべて自動運転車両であるという規制をかけたとしても,その規制後10年以上は自動運転とそうでない車両の混在環境が必ず生じる.混在環境において自動運転の車両が効率的な運転操作を行なうことで渋滞の軽減が期待できる.しかし,人間の感覚に沿わない運転操作を行なえば,人間のドライバが驚いて急ブレーキを踏み渋滞が悪化することにもなりかねないため,自動運転には人間の感覚に沿った安全な運転操作が求められる.本論文では,混在環境における渋滞の削減を目標に,自動運転車両による交差点における合流車両の進入支援方式を提案し,その評価を行なう.
著者
穐本 浩昇 田中 讓 瀧川 一学
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.443-444, 2017-03-16

本研究は、札幌市の凍結防止剤の散布のタイミングと対象エリアの助言サービスとドライバーへの凍結スリップ危険度の警告サービスの実現を目指し、道路凍結の予測システムを構築することを目的としている。札幌市を1kmメッシュ状に分け、各エリアの1時間ごとの路面の摩擦係数を気象データや交通データから予測する。教師データに用いる摩擦係数はエリア内を実際に走った車のABS(アンチロックブレーキシステム)の作動データより得られる。まず凍結路面と圧雪路面に分類してから各々の路面モデルで回帰をする二段階推定により予測精度の向上が見られた。
著者
岡田 一晃 廣井 慧 河口 信夫
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.971-972, 2017-03-16

「ポケモンGO」などに代表されるゲームによる行動変容が注目されている。これらの効果を計測するために、行動変容のあるゲームを考案し、きのこたけのこ対抗スタンプラリーというアプリを作成した。このアプリを用いて、BLEスタンプラリーをG空間EXPO2016というイベントで実施した。スタンプラリーの達成条件を人によって変更し、その際のスタンプの取得時間、取得順を調査した。得られたスタンプの取得時間、取得順よりBLEスタンプラリーの展示閲覧行動への効果を検討する。
著者
久保田 大輝 Naomi Nazar 大久保 友博 斉藤 咲喜子 粟飯原 萌 古市 昌一
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.877-878, 2017-03-16

英語学習において重要なのは文法と語彙力等であるが,特に語彙力の高さは読解及び会話,そしてTOEIC,TOEFL, IELTS等の得点向上のいずれでも重要である.そのため,我が国には語彙力の向上を目的とした学習用教材が多数あり,ゲーム形式で語彙力を向上する英語学習用ゲームも存在する.しかし,学習用ゲームの多くは学習用教材部分の質と量が十分でないとともに,総ての学習者がそのゲームに対して高い興味を持つわけではない,という問題点がある.そこで,本研究では,学習用教材として広く利用されている商用システムを使用して教材としての質と量を確保し,ゲーム部分については学習者に応じて各種のゲームを利用可能とする,複合シリアスゲーム型学習用教材実現方式を提案し,その一例としてFishyFishyを開発したので報告する.
著者
山口 達也 恒川 隆明 澤野 弘明 石井 成郎 鈴木 裕利
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.389-390, 2017-03-16

手話学習において一般的に書籍や映像が用いられる.映像学習の場合,書籍よりも手話動作を理解しやすいが,動作撮影の手間や映像出演に対する抵抗感により,手軽に制作することが難しい.そこで筆者らはWikiのように誰でも情報の共有が可能であり,CGキャラクタを利用して手話映像を生成する,手話CG Wikiの開発を行っている.手話CG Wikiではボタン操作によりCGキャラクタの動作を制御し,全体と手先の映像を提供する.本稿では手話CG Wikiのユーザインタフェースの評価を行う.評価実験では手話経験者に手話CG Wikiを操作して頂き,操作性や手話CGの完成度について考察する.
著者
石田 真也 井上 昂治 中村 静 高梨 克也 河原 達也
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.239-240, 2017-03-16

本稿では,傾聴対話システムにおける多様な応答の種類の選択や内容について述べる.近年,人間がロボットやエージェントと対話する機会が増えており,その中でも人間と自然な雑談を行えるシステムの研究が盛んである.本研究では,より自然な傾聴対話システムを構築するため,音声状態のユーザの発話を入力として,それに対する「掘り下げ質問」,「繰り返し応答」,「語彙的応答」,「自分語り」,「評価応答」の全ての応答を生成し,そのうちから文脈や先行発話の特徴を基に,統計的に適切な応答を1つ選択し,出力するシステムを提案する.
著者
大谷 紀子 岡部 大介 白井 大輔 高田 志麻 沼尾 正行
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.21-22, 2017-03-16

アーティストの潜在的な創造性を刺激し,創作の幅を広げることを目的として,プロのアーティストの作曲活動における自動作曲システムの活用方法を提案する.本研究で使用する自動作曲システムは,個人の感性に即した楽曲の生成を目的として開発されたもので,特定の感性に響く既存楽曲から共通する特徴を抽出し,進化計算アルゴリズムにより抽出した特徴を反映した楽曲を生成する.入力する既存楽曲や,生成楽曲の構成要素の一部をアーティストが指定することで,自身の創作意図を生成楽曲に盛り込む.活用事例として,フォークデュオ「ワライナキ」が共同募金応援ソングを作成した過程を示すとともに,作成された楽曲の印象に関するアンケート調査結果を報告する.
著者
中矢 誠 大川 昌寛 中島 雅弘 富永 浩之
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.517-518, 2017-03-16

Webサービスを提供する企業において,システムの開発者やサーバの管理者には,実践的なセキュリティ教育が求められている.本研究では,ハッキング競技CTFの一種である攻防型のゲームを提案する.題材は,複数人でプレイするWebゲームサイトとする.主催者は,脆弱性を残したサイトを競技環境として用意し,管理権限を防御側に与える.攻撃側は,ゲームのプレイヤとして,サイトにアクセスする.脆弱性に気付いたら,チート行為を行い,サイトの運営を撹乱させる.防御側は,ログを監視し,チート行為への対処を行う.主催者は,両者の状況をポイント化し,勝敗を競う.ゲームの終了後,講評と検討を行い,セキュリティに対する技術と意識を高める.
著者
小山田 圭吾 市川 尚 富澤 浩樹 阿部 昭博
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.647-648, 2017-03-16

本学部は,専門教育として1年次からプログラミングの学習を行っているが,その受講に際して,入学前から不安を抱えている学生が存在する.また,早期合格者に対して,eラーニングによる入学前教育が実施されているが,情報の課題を提示しながらも,そこにプログラミングの内容を含めておらず,高校から大学への円滑な入学のための橋渡しとして十分に機能しているとは言い難い状況であった.そこで本研究では,入学前教育にプログラミングを導入することを検討するための予備的な調査として,入学前教育において対象者に行ったアンケートや,Scratchなどを利用したプログラミング学習の試行の内容について述べる.
著者
大山 まりほ 小林 一郎
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.193-194, 2017-03-16

人の動きは非常に高次元なものでロボットに同じ動きをさせるためには低次元に圧縮する必要がある。本研究では高次元で表される人の動作がガウス過程に従うと仮定し、人の動作を入力として共有する低次元の潜在空間を通じて対応するロボットの動作を出力する手法について考察を行う。2つの時系列データをGaussian Process Dynamical Modelsで表現し、それら二つの時系列データが共有する潜在空間を通じて、双方向にデータを変換できるモデルの構築を検討する。
著者
岸 雅大 石井 康史 孟 林 山崎 勝弘
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.285-286, 2017-03-16

本研究では、甲骨文字原画像の各画素から近傍のベクトルを算出し、それらを合成する事により特徴点の抽出を行う。また、それらを用いて文字に含まれる線の本数を検出する。さらに、1000文字分のテンプレート画像と特徴を保存した甲骨文字データベースから、抽出した特徴を用いて類似するテンプレートの検索を行う。本手法では、甲骨文字の原画像を細線化し、ラスタスキャンを行って各画素の周囲のベクトルを合成する。そのベクトルの向きと大きさを用いて特徴点の抽出を行い、それらの特徴点から、文字に含まれる線の本数を算出する。最後に、抽出した特徴を用いて類似するテンプレート画像を甲骨文字データベースから検索する。
著者
川村 誠護 寺田 英雄 庄野 逸
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.117-118, 2017-03-16

西洋音楽において,楽曲表現にはリズム,メロディー,ハーモニーという三つの要素が存在すると考えられている.これらの三要素は作曲者の個性によって表現方法にばらつきがあり,現代では複雑多様化した表現パターンを持つ楽曲が多く存在している. 本研究では,音楽の三要素から得られる表現パターンのばらつきを統計的に取り扱い,学習することができる生成系フレームを構築することで,楽曲の自動生成を試みる.また,このような生成系フレームを構築することによって,音楽状態表現を変数として評価し,鑑賞者の好みによる自動作曲や伴奏などの生成,音楽推奨システムなどに応用可能か検討していく.
著者
吉崎 翔大 高井 昌彰
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.263-264, 2017-03-16

アニメなどの登場人物を模したキャラクターフィギュアが社会に浸透している.フィギュアの表情は登場作品のシーンやキャラクターの性格付けをよく反映するように固定されているが,現実世界でフィギュアが人に対して表情を変えながら話しかけるようになれば,フィギュアを介した仮想のキャラクターとの新たなコミュニケーションの世界を広げることができる.そこで,本研究ではフィギュアのリアルタイムな表情変化を顔認識とモーフィングを組み合わせた拡張現実で実現するシステムのプロトタイプを開発した.カメラを向けて覗くことで,フィギュアが目の瞬きなどの表情変化や発話内容と同期した口形状変化をする様子が見られる.フィギュアの頭を撫でる動作で表情を変化させるインタラクションも可能である.
著者
對間 昌宏 野中 尚輝 竹内 啓 鎌野 智樹 中間 雅之 小池 束紗
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.433-434, 2017-03-16

日本サッカーにおいてインテンシティが重要な課題となっている.しかし,インテンシティという用語は定義が曖昧であり,未だ具体的な指導方針・トレーニングに落とし込めていない.本研究では,インテンシティを定量的に評価するための指標となる要素を明らかにし,それぞれの要素の向上がもたらす効果を明らかにすることを目的としている.データは,J1開幕戦9試合のトラッキングデータ(ビデオカメラによって試合中の選手の動きを抽出し,選手の位置座標を記録したデータ)を用いる.分析においては,インテンシティを構成する要素,ポジションごとのインテンシティに関わるパフォーマンスの特徴,日本のチームと海外のチーム比較を実施した.
著者
諏訪 重貴
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.305-306, 2017-03-16

近年,様々なソフトウェア開発において「非同期処理」を扱う状況が増加している.非同期処理や並列処理を記述するための既存技術として,「Thread」「Promise」「Channel」「Async/Await」 などが存在する.これらはすべて,特別な予約語や構文を用いたり,非同期処理を意識しながらコードを記述する必要がある.本研究では,このような非同期処理の複雑さを排除することを目的とし,非同期処理に特化したプログラミング言語の処理系を提案する.そして,言語の意味論を定式化し,提案言語で記述されたプログラムを解釈できるインタプリタの実装を行う.
著者
小松 佑人 浜田 宏一 磯田 貴宏 上田 貴郎 神野 憲之
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.5-6, 2017-03-16

エアコンを使用している部屋に長時間在室した場合、暑い、寒いなどの不快さを感じる人が多いことが分かった。また、部屋の中のジメジメ感やカビの発生が気になる声も多く寄せられた。このようなニーズに加え、1年を通じて長時間エアコンを使用するリビングルームには、複数人が在室する場合が多く、それぞれの在室時間や体感が異なることに着目した。そこで、人を識別して見守り続けることで、在室者が不快さを感じる前に空調をコントロールし、快適さと省エネ運転を実現する「くらしカメラ AI(エーアイ)」を開発した。
著者
今村 祐太 上川 先之 工藤 直樹 佐藤 将也 山内 利宏
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.551-552, 2017-03-16

Androidを標的とする悪性なWebコンテンツを利用した攻撃が存在する.攻撃を防止するためには,Webアクセスを観測し,攻撃の特性を調査する必要がある.ここで,AndroidにおけるWebアクセスには,Webブラウザによるもの以外に,WebViewを利用するAndroidアプリケーションによるものが存在する.WebブラウザによるWebアクセスはプラグインを用いて観測可能である.一方,WebViewを利用したWebアクセスを観測する機構は存在しない.そこで,本稿では,AndroidにおけるWebViewのWebアクセス観測機構を提案する.提案手法は,WebViewの改変により,WebViewを利用する全てのAndroidアプリケーションのWebアクセスを観測可能にする.
著者
大橋 翔 廣津 登志夫
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.553-554, 2017-03-16

様々な施設で公共Wi-Fiサービスが運用されるようになった。不正に情報を取得するようなAP(偽装AP)の設置は容易であり、共施設の管理者は偽装APを即時に検出する必要がある。また、公共施設によって監視端末を配置する条件が異なる。既存手法ではイントラネットに監視端末を設置することで偽装APの検出を行っていた。しかし、イントラネットを経由しない偽装APの検出は不可能であった。本研究ではインターネット上に通信経路調査用サーバーを設置し、偽装APの接続形態に依存しない検出手法を提案する。各公共施設の配置条件に対応可能なAP監視網を小型端末で実装し、高密度監視網の実現を目指す。