著者
澤田 政道 岡本 途也 真鍋 敏毅 井上 鉄三
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.589-598, 1983-10-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
6

Hearing acuity of 103 tank crews of the Self Defence Forces in the Fuji Educational Division were measured by pure tone audiometry and Békésy audiometry fixed frequency tracing at 4000 Hz. The crews were asked by questionnaire if they had any otologic symptoms, eg. tinnitus, stuffy feeling, autophonia, and hearing difficulty.All examinees were male and their age distribution was between 19 to 49 years. All of them have been exposed to tank-machine noise at the level of 80-95 dBSPL (C), and bombardment sounds 500 times a year at the peak level of 150 dBSPL (C) since they enlisted at 18 years of age.Stuffy feeing was reported by 8.2%, of them, autophonia by 8.2%, continuous tinnitus by 38.5% and 44.9% complained of being hard of hearing c5 dip of more than 30 dB was seen in 26 subjects and a sharp decline of more than 40 dB at 8000 Hz appeared in 17 ears of 12 subjects.A combination of c5 dip in one ear and sharp decline on the other was seen in 2 subjects.After subtracting the level of the aging component of hearing loss, the percentage of occurrence of hearing loss at 4000 Hz became extremely high when their employment period exceeded five years. In spite of their marked hearing loss at 4000 Hz, the fluctuation in continuous traceing in Békésy audiometry narrowed only in a few examinees.

45 0 0 0 OA 側頭骨の外傷

著者
小池 正人
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.570-572, 2000-12-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
5
著者
井上 なつき 穐山 直太郎 柳原 健一 竹ノ谷 亜希子 久保田 俊輝 山口 宗太 森脇 宏人 吉川 衛
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.189-195, 2017-08-15 (Released:2018-08-15)
参考文献数
27

咽頭異物は耳鼻咽喉科疾患でも日常的に遭遇する疾患であり, 本邦では魚骨異物が多い。 異物の介在部位や大きさにより異物の確認が困難な場合があり, 治療に難渋することも少なくない。 今回, 当科での3年間の咽頭異物60症例のうち, 魚骨異物54例について臨床的特徴を検討した。 年齢は40歳代が最多で, 性別は30歳代と50歳代で女性にやや多い傾向にあった。 検出方法としては, 口腔内からの視診および喉頭内視鏡検査により異物を確認, 同時に摘出可能な症例が多かった。 視診と喉頭内視鏡検査で異物を確認できなかった症例が3例認められ, そのうち1例は初診時の頸部単純 CT 検査でも検出が困難であったが, 後日異物を確認し摘出できた。 その症例の魚骨を用いて CT 検査撮影条件の検討を行ったところ, 通常の CT で行うスクリーニングの撮影条件では検出できない魚骨異物が存在する可能性が示唆された。 したがって, 魚骨異物が疑われた場合は, 一度の CT 検査で異物が検出されなくても注意深く経過を追うことが必要である。 異物の存在が否定されない場合は積極的に CT 再検査を行い, 異物周囲の炎症性変化や膿瘍形成などの随伴する所見も参考に再検出を行うことが重要と思われた。
著者
南波 広行 和田 靖之
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.456-461, 2008 (Released:2010-01-21)
参考文献数
12
被引用文献数
1

アデノウイルスは, 咽頭結膜熱や流行性角結膜炎などの原因ウイルスで, こうした感染症以外にも, 肺炎, 肝炎, 胃腸炎, 脳炎など多彩な病態をとることが特徴である。呼吸器感染症の病因として, アデノウイルスは全体の10%程度を占める。現在51の血清型が明らかになっている。国立感染症研究所が行っているサーベイランスからは, 3型の分離頻度が高く, 夏季に流行する咽頭結膜熱を除けば, 明らかな季節的偏りは認められず, 日常しばしば遭遇するウイルス感染症である。自然軽快する疾患がほとんどであるが, 1990年代後半には乳幼児におけるアデノウイルス7型による致死的な重症肺炎が多発した。幸いにも, 現在のところその流行は終息しているが, 14型や30型など他の血清型による重症肺炎の報告も散見される。迅速診断キットの改良により, その診断精度も向上しており, 一般外来での診断も容易になった。また, 比較的感染力が強く, 感染対策においても重要なウイルスである。
著者
間島 雄一 坂倉 康夫 まじま ゆういち さかくら やすお Majima Yuichi Sakakura Yasuo
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.38, no.suppl. 2, pp.134-138, 1995-06-01

慢性副鼻腔炎患者の約半数に鼻粘膜粘液線毛輸送機能の低下が認められることが知られている。本研究では生理的食塩水エアロゾルが慢性副鼻腔炎患者の低下した鼻粘膜粘液繊毛機能にどのような影響を及ぼすか検討した。生理的食塩水0.7mlをジェットネビュライザーで鼻腔に投与し、投与前後のサッカリン時間(ST)粘液繊毛機能の指標として測定した。23名の正常人では生理的食塩水投与前後のSTに有意の変化は認められなかったが、慢性副鼻腔患者19名では生理的食塩水投与後に投与前に比し有意にSTが改善した。慢性副鼻腔炎患者の低下した鼻粘膜粘液繊毛機能に及ぼす生理的食塩水のこのような効果を本症における鼻粘膜粘液繊毛機能低あのメカニズムと併せて考察した。
著者
尾尻 博也
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.468-470, 2009 (Released:2010-12-15)
参考文献数
4
著者
立川 隆治 平田 したう 福島 典之 平川 勝洋 夜陣 紘治
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.396-408, 1999-08-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
16

広島大学耳鼻咽喉科および関連施設耳鼻咽喉科外来を受診した慢性副鼻腔炎患者106例を対象として, 無作為にE群 (エリスロマイシン単独群) とEC群 (エリスロマイシン, カルボシステイン併用群) の2群に分けて8週間治療を行い, 臨床効果を検討するとともに投与前と投与8週後に後鼻漏を採取し, その成分の変化を検討した。1) エリスロマイシン単独およびカルボシステインとの併用投与により, いずれにおいても自覚症状, 他覚所見およびX線所見の改善が認められた。全般改善度において中等度以上の改善を認めた症例はE群で48.1%, EC群では42.3%であった。軽度改善以上で比較すると, E群の77.8%に対しEC群では92.3%とやや高い改善率であった。2) 慢性副鼻腔炎治療前の後鼻漏成分では, 重症例ほどシアル酸 (S), フコース (F) の濃度は高く, 治療後の改善度の高かった症例では, S/F値の低下, フコースの上昇が認められた。3) エリスロマイシン単独およびカルボシステイン併用投与による慢性副鼻腔炎の治療効果にはS/F値の低下が密接に関与することが示され, 慢性副鼻腔炎の治癒過程においてS/F値がその指標となりうることが示唆された。
著者
山口 展正
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.353-390, 1986-08-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
101
被引用文献数
1 3
著者
小林 俊樹 平澤 良征 宇田川 友克 歌橋 弘哉 飯田 誠
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.49-51, 2008 (Released:2009-08-06)
参考文献数
11

今回我々は喉頭浮腫を合併したムンプス感染症の1症例を経験したので報告する。症例は23歳女性で, 発熱, 頸部腫脹, 呼吸困難を主訴に近医耳鼻咽喉科を受診し, 喉頭浮腫を指摘され, 当科紹介受診となった。初診時, 触診にて両側耳下腺, 顎下腺の腫脹を認めた。また喉頭ファイバースコープにて喉頭浮腫による上気道狭窄を認めたため, 即日入院とし, ステロイド点滴およびエピネフリン吸入を施行した。入院後, 喉頭浮腫の改善がみられたため, 気管切開は施行しなかった。血液検査でムンプス抗体価の上昇を認めムンプス感染症と診断した。耳下腺, 顎下腺の腫脹が軽減し, 全身状態も改善したため退院となった。ムンプス感染症に喉頭浮腫を合併する例は多くはないが, ムンプス感染症で顎下腺腫脹を認めた場合は, 喉頭ファイバースコープにて上気道の状態を評価することは極めて重要であると考えた。

9 0 0 0 OA 鼻内所見

著者
上出 洋介
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.168-169, 2016-08-15 (Released:2017-08-15)
著者
大本 周作
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.182-186, 2020-08-15 (Released:2021-08-15)
参考文献数
31
著者
間島 雄一 坂倉 康夫
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.38, no.Supplement2, pp.134-138, 1995-06-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
13

慢性副鼻腔炎患者の約半数に鼻粘膜粘液繊毛輸送機能の低下が認められることが知られている。本研究では生理的食塩水エアロゾルが慢性副鼻腔炎患者の低下した鼻粘膜粘液繊毛機能にどのような影響を及ぼすかを検討した。生理的食塩水0.7mlをジェットネビュライザーで鼻腔に投与し, 投与前後のサッカリン時間 (ST) を粘液繊毛機能の指標として測定した。23名の正常人では生理的食塩水投与前後のSTに有意の変化は認められなかったが, 慢性副鼻腔炎患者19名では生理的食塩水投与後に投与前に比し有意にSTが改善した。慢性副鼻腔炎患者の低下した鼻粘膜粘液繊毛機能に及ぼす生理的食塩水のこのような効果を本症における鼻粘膜粘液繊毛機能低下のメカニズムと併せて考察した。
著者
若山 仁久 池田 拓 中島 逸男 平林 秀樹 春名 眞一
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.19-23, 2011 (Released:2012-02-15)
参考文献数
13

鼻腔異物は小児を中心とし, 日常診療でしばしば遭遇する疾患である。2005年1月から2010年8月までの過去5年8ヵ月間に当科を受診した小児の鼻腔異物症例は281症例であった。今回我々は年齢, 性別, 受診年, 受診月, 異物の形状・性質・大きさ, 合併症の有無などを検討した。症例の平均年齢は3.6歳 (SD±1.5歳) であり, 性差は認めなかった。異物の直径は平均8.6mm (SD±2.3mm) であった。気管異物や鼻中隔穿孔などの重篤な合併症を認める例はなかった。学童期以前の幼児には直径が6~12mmのものは鼻腔異物となる可能性が高く, 注意を要すると考えた。
著者
洲崎 春海 野村 恭也 水野 正浩 川端 五十鈴 田部 浩生 宮川 晃一 坪井 洋 鳥山 稔 飯野 ゆき子 中井 淳仁 市村 恵一 土田 みね子 中村 直也 山口 宏也 深谷 卓 安部 治彦 井上 都子 杉本 正弘 鈴木 康司 佐藤 恒正 大西 信治郎 小林 恵子 伊藤 依子 井上 憲文 小林 武夫 室伏 利久 水野 信一 鳥山 寧二 飯塚 啓介 市川 朝也 森田 守 石井 哲夫 鍋島 みどり 船井 洋光 浅野 恵美子 矢野 純 吉見 健二郎 横川 友久
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.34, no.Supplement7, pp.575-581, 1991-10-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
9

12歳以上のスギ花粉症患者118例 (男55例, 女63例) にトラニラスト (リザベン ®) を投与し, 予防効果と治療効果について比較, 検討した。投与方法はトラニラストとして1日300mgを原則としてスギ花粉飛散 (20個/cm2/日以上の飛散) の2週間以前から投与し (予防投与), 飛散後4週間継続投与した (治療投与)。改善度判定は,「効果あり」以上は予防投与群32例 (57%), 治療投与群28例 (45%) で,「やや効果あり」以上は予防投与群42例 (75%), 治療投与群49例 (79%) であった。花粉飛散初期において鼻症状, 鼻鏡所見, 眼症状のいずれの程度も治療投与群に比べて予防投与群の方が有意に改善しており, 自覚症状, 他覚所見のいずれもトラニラストの予防効果が認められた。治療投与群においてはくしゃみ, 鼻汁, 鼻鏡所見, 眼のかゆみの程度が投与終了時に有意に改善した。副作用は予防投与群4例 (7.1%) 治療投与群5例 (8.1%) にみられたがいずれも投与中または投与中止により軽快した。以上より, トラニラストの予防投与は有用でかつ合理的な治療法と考えられる。また, 治療投与も有用であることが確認された
著者
石井 彩子 宇田川 友克 柳 清 今井 透
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.279-283, 2003-08-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
14

スギ花粉症の患者は年々増加傾向で, 現在では国民の10%以上が罹患しており, スギ花粉症は日本人の国民病といわれている。その影響は, 在日外国人にも及んでいる模様で, 花粉症症状を訴えて来院する外国人も年々増加傾向にあると考えられる。その実態を調査するため, 平成14年1月から4月までの期間に鼻汁, 鼻閉, くしゃみ等のアレルギー症状を主訴に聖路加国際病院耳鼻咽喉科を受診した在日外国人患者38人のうち, 血清スギ特異的IgE抗体測定にてスギ花粉症が確認された20人 (男性 : 12人女性8人) を対象にアンケート調査を施行した。来日後発症までの期間は平均約4年であった。在日外国人のスギ花粉症に対する認知度は低い傾向にあり, スギ花粉情報の提供も含めた啓蒙活動が必要であると考えられた。
著者
北村 正樹
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.381-384, 2002-10-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
10
被引用文献数
1
著者
平出 文久
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.65-66,4, 1981-02-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
5

A patient with an animate foreign body in the external auditory canal obviously needs immediate help. Before removal of insects from the external auditory canal the author has used 8% Xylocaine spray against them for several years. Most insects were paralyzed in a few seconds after two or three sprays of 8% Xylocaine. It is clinically confirmed that Xylocaine is insecticidal to most insects, but harmless to stato-acoustic organs of patients.An application of Xylocaine to an animate foreign body in the external auditory canal is strongly recommended.