著者
松原 宏之
出版者
横浜国立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

1930年代に成立するとされるアメリカ型福祉国家の起源を探るには、国内史だけでなく、網の目をなすトランス・ナショナルな人と情報の流通を1900年代から1910年代に遡って視野に入れねばならない。
著者
熊ノ郷 直人
出版者
工学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

区分的に陪特性な経路を用いた時間分割近似法により、相空間(ハミルトン型)経路積分の理論を構成した。厳密に言えば、時間分割近似法が、運動量の始点と位置の終点に関して広義一様収束する、かなり一般的な汎関数のクラスを与えた。このクラスは不確定性原理にかかわらないように一部の汎関数を除外しているため、和や積という演算が自由にできる。応用として、ハミルトン型の摂動展開や準古典近似を証明した。
著者
高島 裕臣
出版者
県立広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

語彙情報処理の母語話者-学習者連続性を検証するため日本人学習者の英語語彙判定・音読実験を行い,結果を母語話者と比較した。語彙判定・音読潜時ともに母語話者と学習者との間で有意な相関があり,さらには,語彙判定・音読潜時への寄与が有意な変数の多くが母語話者-学習者間で重なることを見出した。学習者の語彙判定が音読よりも早く母語話者と逆であることなど相違の例も見出したが,総じて,英語語彙情報処理の母語話者-学習者連続性を支持する結果が得られた。
著者
三浦 泰之
出版者
北海道開拓記念館
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究課題では、近世中後期から近世近代移行期における北海道・東北・北陸(以下、北日本と呼ぶ)の各地域で行われた芸能興行について基礎的なデータを集積し、芸能者・芸能集団の移動とそれぞれの地域における興行主の動向や存在形態及び興行主間のネットワークに着目することで、当該期の北日本に展開した芸能興行をめぐる政治的・社会的・文化的な状況を明らかにすることを目的としている。本年度は、前年度までの調査で重要性を把握した青森県内に重点を置いて調査を進めた。具体的な内容は以下の通りである。1、前年度に引き続いて、弘前藩庁の日記である『弘前藩御国日記』(弘前市立弘前図書館所蔵)の記載から、弘前藩領内における芸能興行に関わる内容を抽出し、データベース化を実施した。具体的には、城下町弘前や青森・鰺ケ沢などの地方都市における芸能興行の実態や興行主の動向、弘前藩領を往来した、松前・秋田・仙台・江戸・大坂などに出自をもつ旅芸人の存在形態を具体的に示す史料を収集した。同日記は、寛文元年(1661)から元治元年(1864)の間、全3300冊余が残されているが、芸能興行に関わる主な記事は抽出することが出来たと考えている。2、青森県立図書館所蔵の菊池家文書(南部藩の給人で代々、下北半島の田名部代官所下役)と西谷家文書(弘前藩の支藩、黒石藩領内の商人)の調査も行い、芸能興行に関わる記述を抽出した。今後は、本研究課題で集積した史料をもとに、松前・蝦夷地に視座を置きつつ、当該期の北日本社会における芸能興行の様相、北日本社会を往来した芸能者・芸能集団の動向、興行主間のネットワークなどについて考察を深め、北日本社会の構造や文化的特質の解明を進めていきたいと考えている。
著者
丸山 真央
出版者
滋賀県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

「平成の大合併」で基礎自治体が合併して大規模化した地域では、自治体内分権や地域自治区制度を活用した新しい地域自治が試みられている。本研究ではこうした試みが効果的なローカルガバナンスにつながる条件を探った。地域自治区の全国的な動向調査や事例調査を通じて明らかになったのは次の 2 点である。第一に、地域自治区制度を活用した先進事例においては、法律上の地域協議会だけでなく、地域の公共サービス供給を担うNPOなどの新しい住民組織が必要とされ、実際に設立が進んでいるところがみられた。第二に、こうした新しい制度や組織が有効に機能するうえで、町内会・自治会等の既存の地域住民組織が、公共サービス供給でも地域の公共的な意思決定でも、またガバナンスのシステム自体の正統性の確保においても必要不可欠な役割を果たしているということである。
著者
植村 誠
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

矮新星のアウトバーストを可視光と近赤外線で同時に観測することによって、降着円盤の最外縁に起因する変動現象の機構を研究した。その結果、アウトバースト極大時に最外縁の低温部分が一部、縦方向に膨張し、非軸対称な形状に変化することがわかった。この変形は、おそらく伴星からの強い潮汐効果が原因と考えられる。また、アウトバースト終了後、円盤は即座には静穏状態に戻らず、中間的な状態が存在することも判明した。
著者
菅原 透 瀬戸 雅博
出版者
秋田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

マグマの形成メカニズムの理解やガラス材料の製造工程を最適化する上で重要となる,リケイトメルトの熱力学的性質について調べた.本研究ではメルトの起電力を測定してNa2O成分の活量を算出し,SiO_2-Na_2O-CaOの3成分からなるメルトの高温下での熱力学的性質を明らかにした.シリケイトメルトの性質をより精密に理解するために,本研究で得られた熱力学量を化学結合力や原子の配置と関連づけて考察した.
著者
小野 新平
出版者
(財)電力中央研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

イオン液体の電気二重層を利用した新しい電界効果トランジスタを作製した。電気二重層の作り出す強電界を利用することで、様々な材料に高密度キャリア注入を行う事に成功した。有機半導体では、低電圧駆動が可能で高速応答を実現する有機電界効果トランジスタの作製に成功した。また遷移金属酸化物薄膜では、高密度キャリア注入を行う事で、金属-絶縁体転移の観測に成功した。
著者
小塚 匡文
出版者
岡山商科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、(1)マクロの消費行動に関する研究、(2)量的緩和政策と時間軸政策についての検証、(3)為替レートを考慮した政策反応関数の推定、を進めた。(1)は、総需要の推計に関連するものである。ここには日米比較のためのアメリカのデータによる推計も含まれる。(2)は先行研究のサーベイと実証分析である。実証研究では、量的緩和政策は長期の経済成長に対して、効果が十分になかったことが示された。(3)は、為替レート予測やインフレ率予測などを考慮した政策反応関数を推定である(共同研究・共著者が第1執筆者)。分析の結果、円安期待とインフレ抑制の関係が示された。
著者
森 真理
出版者
(財)生産開発科学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

昨年の我々の報告では、感染症等にかかり易い小児、特に重症心身障害者施設入所者ではカスピ海ヨーグルト(クレモリス乳酸球菌<LCFC>)の摂取により、栄養改善効果やインフルエンザワクチンの抗体価並びに免疫賦活効果を確認した。その他、元気に活躍しているお年よりの集団で同検討を行ったところ、免疫能と関係が深い好中球貪食能でカスピ海ヨーグルト群の有意の増加を認めるなど、ヨーグルト摂取と免疫能には関係があると考えられた。そこで食の乱れから慢性的な野菜不足や極端なダイエットなどで便秘気味な女性が増加傾向にあり、腸内環境が良好でないことが推測され、充分な栄養素を体に取り込みにくい状態が考えられる若い世代で検討を行った。充分な説明に対して同意の得られたS大学在学中の学生77名を対象にカスピ海ヨーグルト200gを毎日摂取してもらった。摂取前後には空腹時採血を含む健康診断、摂取中3回の採便回収と毎日、食事日誌と採便記録を付けてもらった。血液データの所見に特に問題はなく、8週間後の健診でも特に変化はなかった。免疫賦活効果に関わる貪食能もプラセボとの差はみられなかった。採便調査や日誌から「記入漏れ」や、「摂取率70%以下」の者を対象外とした30名(試験群15、プラセボ群15)の検討では、排便日数、排便回数では改善傾向がみられ、排便量で摂取前と比較し有意(p<0.01)な改善がみられた。さらに、便秘傾向者18名(試験群8名、プラセボ群10名)では、同じく排便日数、排便回数では改善傾向がみられ、排便量で摂取前と比較し有意な改善、プラセボ群と比較し3-4週目と7-8週目で有意(p<0.05)の群間差を認めた。回収した便の状態を示すPHではプラセボ群で有意(p<0.05)の悪化を確認し、アンモニア量では試験群の状態が良くプラセボ群と比較し有意なの群間差(p<0.05)を認めた。
著者
マッケナ キースパトリック
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

プロジェクトの提案課題(1-3)に則して、以下に個別の結果をまとめる。1.手法の開発:HfO_2におけるカチオン欠陥と正孔との相互作用をモデル化するために、CONによるアプローチを拡張した。この手法は自由電荷キャリアの生成につながるカチオン欠陥からの正孔の熱的解放を記述することができる。そのような効果をモデル化できることは、光エレクトロニクスや光触媒への応用を伴うp型酸化物の性質を理解する上で重要である。本研究はNature Materialsへの投稿を準備中である。2.酸化物表面における電子-正孔捕獲:MgOの表面らせん転移による電子捕獲を、水素との相互作用を含めてモデル化してきた。これまでにない数の原子をフルに量子力学レベルで取り扱うために、埋め込みクラスタ法によるアプローチを用いた。これにより、転移が強力な表面電子トラップとして働くだけでなく、表面の水素が転移と出会うことによってプロトンと電子に解離することが示された。この予測はFritz-Haber研究所のH-J.Freund教授のグループによって最近行われた実験と一致する。3.酸化物界面における電子-正孔捕獲:正孔ドープされた条件でのHfO_2粒界の非平衡融解を分子動力学法によってシミュレーションした。このアプローチにより電気的なバイアス下でのHfO_2多結晶膜を突きぬける漏れ電流の効果をシミュレートできる。電流は温度上昇を引き起こし、酸素欠陥の拡散や、粒界の電気抵抗のスイッチングを引き起こす。これは不揮発性でエネルギー消費の少ない情報記憶デバイスへの応用に結びつく重要なテクノロジーである、酸化膜における抵抗スイッチングに対する直接的なモデルを与える。このように、本研究プロジェクトでは応用面と手法面の両方において多くの重要な結果を生み出すことに成功した。WPI-AIMRの職を辞するためプロジェクトを早期に終了することになったが、むこう数ヶ月のうちに本課題を謝辞に引いたインパクトの高い論文を多く出せると期待される。
著者
程島 奈緒
出版者
東海大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

雑音下で発話の特性が変化することを応用し、駅など残響がある公共空間で高齢者や非母語話者に聞きやすい音声案内の作成を目的とした。若年者と高齢者に対する聴取実験の結果、白色雑音/残響を聞きながら発話した音声は、静かな環境で発話した音声(現在の音声案内)よりも、雑音/残響下(信号対雑音比=-2, 0 dB、残響時間1.4~3.6 s)で明瞭度が有意に上昇した。これらの音声を公共空間に拡声することで明瞭な音声案内を提供し、「音声によるバリアフリー」を実現できる可能性を示した。
著者
藤森 祥一
出版者
岡山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ワイエルストラス型表現公式をもつ曲面の性質を調べた. 3次元ユークリッド空間の極小曲面と3次元双曲空間の平均曲率1曲面について今まで知られていなかった高種数の例を構成した. また, 3次元ミンコフスキー空間の空間的極大曲面と3次元ド・ジッター空間の空間的平均曲率1曲面についてある種の特異点を許容し, その特異点や無限遠方における挙動を解析した。さらに3次元ミンコフスキー空間の平均曲率0曲面の性質を調べ, 特異点を持たない非自明な埋め込みを構成した.
著者
藤森 伸一
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究課題では、ウランを構成元素として含む化合物において観測されている磁性状態、および物性物理学における25年来の謎であるUru_2Si_2における「隠れた秩序状態」の機構を明らかにするため、物質の電子状態を明らかにすることができる角度分解光電子分光を用いてその電子状態を解明した。その結果、「隠れた秩序状態」を担っている「5f電子」は結晶内を自由に動き回ることができる「遍歴状態」にあることが明らかとなった。これは「隠れた秩序状態」を解明する上において最も基礎的な情報であり、その解明に向けて大きく前進することができた。
著者
重田 勝介
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、初中等・高等教育初任者教員の不安・孤独感やバーンアウトの緩和を目指すハイブリッド型対話支援システムを開発し評価するものである。そのために、初任者教員が日頃の教育研究の活動状況をオンラインで共有するSNSを活用し、オフラインでも情報交換や交流を行った。初中等教育初任者教員に対して、聞き取り調査やワークショップを実施し、教員用SNSの導入を行った。高等教育初任者教員について、平成21年度に実施した実践の評価を継続して行い、成果をまとめた論文が論文誌に掲載された。
著者
深澤 まどか
出版者
京都府立医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

THP-1細胞、及びマウス単球-マクロファージを用いて、グレリン受容体(GHS-R),レプチン受容体(Leptin-R)の遺伝子ノックダウンにてグレリン、レプチン各々の作用が抑制され、また細胞内シグナリングにおいて、ERK1 のノックダウンで炎症-凝固に関するシグナリングが抑制され、AKTのノックダウンで炎症-凝固系のシグナリング(具体的にはトロンビン刺激に対して組織因子の発現)の活性化が抑制された。また、薬剤及び抗体によりマウス血中の単球と好中球数を抑制後、Vitroで遺伝子ノックダウンした単球及び好中球をマウスに静注後の実験的肺梗塞の生存率、塞栓率の変化を観察したところTissue Factorの発現が抑制されることで、生存率、塞栓率の改善を見た。詳細に関しては、更なる検討を予定している。
著者
竹内 修
出版者
(社)北里研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

Yersinia enterocolitica(エルシニア)の感染成立と宿主免疫応答には、病原性プラスミドが深く関与する。さらには、プラスミドにコードされ分泌される種々のYersinia Outermembrane Protein(Yop)は、宿主側に病原性をおこす因子であると同時に、Interferon-γ(IFN-γ)等のサイトカインを産生し、I型helper T細胞(Th1細胞)への分化、誘導する因子も担っていることが予想される。本研究は、エルシニアに対する宿主免疫応答と病原性プラスミドの関係についてサイトカイン誘導能、感染抵抗性の観点から研究を行うことを目的とした。本研究によって得られた新たな知見をまとめると、1、病原性プラスミド保有株(P+株)をマウスに生菌免疫(10^3 cfu)を行うと強いTh1が誘導される(死菌免疫では誘導されない)。2、プラスミドを保有していない株(P-株)をP+株と同じ菌数で生菌免疫した場合は、Th1の誘導は弱い。3、P+株もしくはP-株で生菌免疫したマウス脾細胞をin vitroにおいて加熱死菌抗原を用いて刺激し、培養上清中に分泌されるIFN-γの産生量と産生細胞数を測定すると、P+株で免疫した場合に大量の産生量と産生細胞数が見られた。4、3においての主要な免疫担当細胞を検討するため、フローサイトメトリーによる細胞内サイトカインの検出を行ったところ、P+株において誘導されるTh1は抗原特異的なCD4^+T細胞とNKもしくはNKT細胞が産生していることが明らかとなった。しかし、その他にも多数のIFN-γ産生陽性細胞の集団が確認された。最近、樹状細胞やマクロファージなどの抗原提示細胞(APC)が大量のIFN-γを産生するとの知見が得られているため、この陽性細胞集団もAPCの可能性が考えられ、今後明らかにしていく必要があると思われた。
著者
長藤 かおり
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

バンド構造の本質的スペクトルを持つ1次元シュレディンガー作用素の固有値非存在範囲を精度保証付きで求める手法を開発し,検証数値例を与えた。本質的スペクトルのギャップにおける離散スペクトル(固有値)の存在・非存在は,半導体理論とも密接に関連する重要な問題である。本研究では,線形常微分方程式の基本解を計算機援用解析により厳密に求める手法をもとに,固有値が存在しない範囲を数学的に厳密に保証する方法を提案した。
著者
菅原 敏
出版者
宮城教育大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

16年度には、前年度に完成した測定装置を用いて水素濃度の広域分布を明らかにするための観測を拡充した。さらに、標準ガスの整備や、極域雪氷中のフィルン空気などの解析を同時に進め、以下の項目が明らかとなった。★高精度分析の結果、これまでに用いてきた一次標準ガスが、長期的に濃度変化する現象が確認された。このため、比較的濃度が安定する体積の大きなシリンダーを用いて製造された作業用標準ガスを基準にして、一次標準ガスの濃度変動を推定しすると同時に、今後新たなシリンダー内面処理を施した標準ガス製造方法が必要であることがわかった。★航空機や船舶を用いた全球的な定期観測を継続し、観測領域を拡充した。その結果、水素濃度の季節変動や緯度方向の南北勾配などが見られた。また、北極や南極などでの空気採集を行っている国立極地研究所、東北大学と協力し、その試料空気を分析した結果、さらに広域的な緯度帯での分布が明らかになった。★南極や北極の極域表層のフィルン層で採取された過去の空気を分析した結果、金属容器内面における長期間にわたるサンプル空気の変質の影響のために、正しい過去の水素濃度の変遷の推定が難しいことが判明した。このため、フィルン空気のサンプリングをガラス容器で実施することや、サンプリングサイトにおいてフィルン空気の吸引中にリアルタイムで測定するなどの改善が必要であることがわかった。
著者
新井 正康
出版者
北里大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2001

今年度、表記の研究課題について以下のことを明らかにした。1.全国の麻酔指導病院を対象とした、術中心停止時のマニュアルに関するアンケートを配付し、マニュアルの有無、PCPSを使用した蘇生の経験の有無、臨床工学技師のレベル、院内の協力体制の有無、PCPSを扱えるかという問題、PCPSの適応に関する意見を調査した。2.PCPS開始決定時の循環器外科、内科、臨床工学部門への連絡経路を作成した。3.手術室内で行われる術式、体位で分類した、送血管、脱血管挿入部位の決定、手順を作成した。4.モニタリングの部位と内容として、パルスオキシメーター、呼気終末炭酸ガスモニタリング、観血的動脈圧モニタリング、中心静脈圧モニタリング、スワンガンツカテーテル挿入、経食道心エコーの施行、各種カテーテルの挿入部位をマニュアル化した。5.手術内容、部位、時期による抗凝固療法(ヘパリン)の量の決定、抗凝固のモニタリングの間隔(開頭手術、開胸手術、開腹手術、四肢体表手術)(手術開始前、中、止血後、終了後)(ACT200秒3時間毎)などをマニュアル化した。6.PCPS開始後の鎮静薬、筋弛緩薬の量(midazolam. Propofol, thiopental, vecuronium, pancuronium)をマニュアル化した。7.脳保護法とそれに関するモニタリング(midazolam. Propofol, thiopental,ステロイド、低体温、過換気)(脳圧モニタリング、内径静脈酸素飽和度モニタリング、脳波モニタリング)の方法をマニュアル化した。8.体温を決定した。(常温管理、軽度低体温管理、中等度低体温管理)9.手術室内にPCPS回路およびPCPS装置を常備できるかという問題、コスト的な検討を行なった。