著者
大柴 小枝子 小舘 亮之 荒川 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp."SSS-4"-"SSS-5", 2010-03-02

ブロードバンド環境の構築など電子情報通信分野における急速な技術進歩は、競争のグローバル化を進展させている。そのため経済の持続的な繁栄や市民生活の安定、ざらには、社会を取り巻く環境、エネルギー問題対策など、未来を切り開くためには科学・技術の一層の発展と研究成果からの絶えざるイノベーションの創出が求められている。そのようなイノベーションを創出できる研究開発人材の確保が重要となるが、一方で、将来を担う研究者となるはずの博士号取得者が就く常勤職が少ないなど、その就職が社会問題化している。本企画では、企業・研究所のトップ・経営層、第一線で活躍する大学教育者の視点から、「今必要とされている理工系人材」および、「将来のイノベーションシステムのあり方」について課題を提議する。さらにパネルディスカッションにおいては、産業界において博士号取得者を有効に活用するにはどうしたらいいのか、大学でどのような人材教育をすべきであるか、未来を切り開く理工系人材にはどのようなことが求められているか、などの課題を参加者とともに考える。
著者
武岡 雅則 大槻 知明 岩橋 榮治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-03-11

光符号分割多元接続(CDMA)方式では,各ユーザーが同じ周波数帯を利用するためチャネル間干渉雑音が太きくなり,誤り率特性が劣化するという問題点がある.これを改善する一手法として拡張prime系列を用いたキャンセラが提案され,ナンバーステートモデルによるビット誤り率特性が穀告されている.本稿では,キャンセラシステムの光検出器にアバランシェフォトダイオード(APD)を用い,その出力電圧をガウス分布で近似した解析により,素数pが増加すると干渉除去能力が高くなり収容可能ユーザー数が増加すること,及び受信信号パワーが大きい時はナンバーステートモデルによる解析結果に一致することを定量的に示す.
著者
横田 誠 武子 政信 薦田 幸一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

情報的感性対応のシステムの入力系としての線路的パタンの基本系として,抽象画の基礎系としたモンドリアンパタン:MP系を考えている。絵画的パタンは,それぞれ表情をもっている。又一般に絵画的パタンには,そのイメージの元になる実体像があり,その内,人間の,特にその顔の表情が典型的パタンとして問題となる。今回は,与えられた3次元の実体像を源系(ここでは原型)として,これから誘導される3次元モンドリアンパタン系:3DMPの為の基礎系について考える。3DMP系は立方体を素体とする。(n×n×n)の立方体型系を基礎系としている。ここで,その外面の様相によって,表情が変わるとして,一定の外ワクである輪郭を仮定した場合,その表面の凸凹が,その決定要因と考える。一般には複雑な連続的な凸凹となるが,今回は,その最も基礎的系として,埴輪(ハニワ)的な2値パタン系について考える。正面を向いた顔的表情パタンの基幹系は対称型系であるので,又,MP系は,対称系であるタータン・パタンから虫食いパタン系でもあり,一般に非対称系である。今回は,これ等の系の基礎系としてハニワ的対称系パタンの基礎系について考えた。
著者
今井 哲朗 藤井 輝也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06
被引用文献数
2

移動通信の伝搬推定法の有力な方法としてレイトレース法がある. レイトレース法にはイメージング法とレイランチング法があり, 推定精度と計算処理量には大きな差がある. そのためどちらの方法を選択するかは伝搬推定システムを構築する上で大きな課題となっている. 本稿ではイメージング法とレイランチング法の推定精度と計算処理量を比較した結果について述べる.
著者
山村 清隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, pp.533-534, 1997-03-06
被引用文献数
1

今回, パネル討論「ポストSPICEシミュレータ」のパネリストとしてご指名頂いたが, 光栄に思う反面, 何を話したらよいのか大変困惑してしまった. というのも, 私自身は企業の設計現場に身を置いたことがなく, 大学という環境下で新しい数値解法の開発を楽しんでいる, どちらかというと理論派の研究者のひとりだからである. シミュレータの中の数値解法には関心をもっているが、仕事としてシミュレータを使ったことは一度もない. そのため無知ゆえの思い込みや偏見が入ることを最初にお詫び申し上げたい. 回路は基本的に非線形であり, 非線形は理論と実用の間に大きなギャップの存在する世界である. 理論的に優れたものが実用に結びつくとは限らないし, 理論なしの対処療法だけでは新しいものを産み出すことは不可能である. この両輪のバランスなり架け橋なりが重要な役割を果たす世界と考えてよいだろう. 特にポストSPICEというからには, 新しい理論の導入とそれを実用に結びつける強力な推進力ならびに架け橋が必要となる. 私は大学院時代はあまり実用を意識しない基礎的な研究を行っていたが, 恩師からのたび重なるアドバイスにより, 次第に実用化されるところまでやりたいという意識が強くなっていった. 幸いなことにこの10年間, 企業で実際にLSIの設計に携わっている方々との交流から貴重な刺激を受け, 様々な協力者のお蔭で実用化に成功した研究に接することができた. 本稿では, 理論が実用に結び付いたいくつかの事例と体験談を私が直接 接してきた範囲で紹介し, あわせて大学の立場からポストSPICEに対する雑感を述べさせて頂く.
著者
中山 明 福浦 篤臣 西村 道明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, pp.488-489, 1997-03-06
被引用文献数
9

ミリ波用電子部品やICパケージの開発のため, 誘電体材料のミリ波複素誘電率測定技術が求められている。すでに導波管励起誘電体平板共振器法, NRDガイドを入出力線路とするTE_<02δ>誘電体共振器を用いた測定法, ガウシアンビーム共振器を利用した方法が報告されている。文献(2)ではtanδ測定の前提として, 導体板の導電率を, 誘電体リング共振器と誘電体円柱共振器を同軸状に配置した共振器によって測定している。本研究ではNRDガイド励起TE_<0m1>誘電体共振器と支持台のないTE_<0mδ>誘電体共振器の組み合わせによる高精度なミリ波導電率測定法と, TE_<0m1>共振器による複素誘電率測定法について検討する。
著者
平松 勝彦 二木 貞樹 上杉 充 本間 光一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, 1996-03-11
被引用文献数
2

移動通信における周波数選択性フエージングの影響を軽減する技術として等化器が研究されている。しかし、遅延波を考慮しない同期方式では、シンボル同期が先行波と遅延波の間でタイミングがロックされ、等化器の性能を十分に発揮できない。今回、遅延波存在下で先行波にロックしたタイミングを再生するシンボル同期方式を検討したので報告する。
著者
新地 修 林田 正尚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, pp.375-377, 1996-03-11
被引用文献数
1

テキサスインスツルメンツ(TI)におけるDMDの研究開発は、ほぼ20年前ラリー・ホーンベックがデバイスを発明した時に始まった。TIではそれ以来ずっと継続的にホーンベックとその開発チームにより、DMDチップとDigital Light Processing(DLP)^<TM>技術を応用した幅広いアプリケーションの研究開発を続けて来た。最初のデバイスはデフォーマブル・メンブレーン・ディスプレイと呼ばれ、シリコン基板上に作られたメモリーマトリクスと、ミラーとして働く硬化ポリマー薄膜のハイブリッド構造であった。このポリマー薄膜は個別につくられた後、メモリーマトリクスを完成したSiチップ上に合体されていた。その構造概略をFig1に示す。全てTIのDMDは、静電界作用により動作させるタイプのマイクロミラーデバイスである。複雑なハイブリット構造をやめて、モノリジック化する為にウェハー上に直接A1スパッターを行い、マイクロミラーを作り込む新しいプロセスが開発された。その構造をFig2に示す。この"クローバーの葉"状のDMDは、各ピクセル毎にその直下に配置されたメモリー素子による静電界作用によって動作を行う。全て通常のIC製造ラインを使って作られたDMDチップはさまざまなディスプレイ、プリンター、光信号制御システムなどに応用される。当初、多くのアプリケーションでは、DMDで反射された光の角度や明るさのアナログ変調を行う為にミラーの位置もアナログ制御が要求されたが、今ではほとんどの場合ラーはバイナリ位置制御で実現出来るので、新しいミラーの構造と動作モードは低電圧ディジタルCMOS回路で開発されるようになった。このバイステーブル・ミラーのアレーの一部分を拡大した写真をFig3に示す。(768×576ピクセルDMDチップ)これらのミラーは、二端をそれぞれ支柱に支えられそれらの対角線を中心に安定した二つの状態で回転する。支持されていない側のコーナーのどちらかはSi基板上にA1膜で形成されたランディングパッドに接触する。現在のDMD(Digital Micromirror Device)という名前は、このタイプのバイステーブルな動作をするところから名付けられている。TIは最近VGA、SVGAやHDTVなどに使用する1280×1024ピクセルDMDや、2048×1152ピクセルの高解像度を持つデバイスも開発試作を完了した。これらのDMDを使ったデバイスプレイは業界初の全ディジタル式ディスプレイ・システムとなる。TIのNTSC方式の最初のDMD全ディジタル・ビデオシステムは768×576ピクセルのデバイスを使用し、1993年2月にDARPAのHDシステム・プログラムレビューで発表された。