著者
石川 憲一 畝田 道雄
出版者
金沢工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

平成30年度における本申請研究は,国宝や重要文化財に指定される日本刀,並びに現代刀匠による新作日本刀のそれぞれの図録を参照することを通じて,デジタルアーカイブ分析に基づく「形状美」,すなわち,日本刀形状の特徴抽出を継続して実施した.加えて,新作日本刀を対象に地鉄の要素が評価(審査)結果に及ぼす影響の解明を試み,これらの結果を踏まえて,新作日本刀の2次元設計,並びに現代刀匠と刀剣研師の協力による第1次作刀に成功した.具体的な実施項目は次のとおりである.(1)日本刀の「形状」「反り」「刃文」「地鉄」「樋」等を対象にしたデジタルアーカイブの継続と特徴分析及び解明:日本刀の製作を特徴づける一つの作刀法である「相州伝」に着目し,国宝や重要文化財に指定される日本刀の特徴をレーダチャートによって解析するとともに,現代刀匠による作品も同様に解析した.それを通じて,現代における審査会において重要視されると考えられるポイントを継続して整理した.とりわけ,地鉄については現在刀匠による作品を評価する講評文のテキストマイニング分析を試みることによって,審査結果に及ぼす地鉄の重要要素の抽出を行った.(2)新作日本刀の作刀に資する科学的考察に基づく押し形の設計と第1次作刀の実施:現代刀匠による多数の作品と審査結果を数値解析と統計(加重平均法)の観点から考察することを通じて,科学的アプローチによる押し形設計を試みた.具体的には,現代刀匠による新作日本刀の図録データから日本刀の形状について,「内挿法」と「近似法」の双方を適宜用いることによって,「樋」を除く全ての要素に至るまでの2次元設計(図面作成)に成功した.そして,設計図面,並びに上記(1)における地鉄の分析結果を作刀を依頼する刀匠並びに刀剣研師へ提出し,第1次作刀に成功した.そして,本年5月に開催される日本刀展覧会に向けた審査出品を果たした.
著者
露本 伊佐男;TSUYUMOTO Isao
出版者
金沢工業大学
雑誌
工学教育研究;KIT progress (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
no.27, pp.11-20, 2019-03-01

粉末 X 線回折(XRD)のリートベルト解析を Excel 上で実行できるようにし,大学院講義科目における XRD の演習に活用した。これは XRD パターンをシミュレーションした後,ソルバーによるプロファイルフィッティングで最もよく合うパラメータを求めるもので,精密化できる構造パラメータの種類はリートベルト法専用ソフトと同等である。リートベルト法専用ソフトを用いる場合に比べて教育的であり,構造因子,ピークプロファイルなどの計算をプロセスごとに体験することができる。また, パラメータを変化させるとワークシート上でただちに結果が表示されるので,専用ソフトを使う前の段階における構造モデルの可否の判断,適切な初期値の探索にも有効に活用することができる。;We implemented the Rietveld method of powder X-ray diffraction (XRD) on Excel and used it in graduate course lectures on inorganic materials. This simulates XRD patterns and finds optimum values of structural parameters by profile fitting using solver. The types of the structural parameters that can be refined are the same as the software dedicated to the Rietveld method. The calculation on Excel is more educational and helpful for students than using the dedicated software, because the students can experience the calculation of such as atomic scattering factors, structure factors, peak profiles step by step. It is also useful for judging whether a structure model is appropriate or not and for finding appropriate initial values for the structural parameters before using the dedicated software, because the simulation results are instantaneously shown by changing the parameters.
著者
岡本 正人
出版者
金沢工業大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

昆虫のような小さな翼に作用する空気力は非常に微小であることから、レイノルズ数が10,000以下の翼の空力特性に関する実験データはほとんど得られていない。そこで、この小さな翼の空力特性を得るための専用の低圧風洞装置を開発した。その結果、レイノルズ数が1000~10,000の翼に作用する空力係数が精度よく測定できるようになった。そのため、本風洞を用いてさまざまな翼の空力特性について実験を試みたが、特にコガネムシの鞘翅に見られる大きなキャンバの円弧薄翼の空力特性で興味ある結果が得られた。このような小さな翼の空力データは、小型の冷却ファンや昆虫サイズの超小型航空機の翼の開発に役立つと考えられる。
著者
札野 順 飯野 弘之 山本 凉市 堀 幸夫 松原 洋 LUEGENBIEHL Heinz 西村 秀雄 HEINZ Luegenbiehl CLARK Scott
出版者
金沢工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

1.高等教育や企業などの違いを越えて、倫理教育・研修を行う上で、Plan-do-check-actといういわゆるPDCAサイクルを持った「価値共有プログラム」という概念が有効であることを提案した。2.「Ethics across the Curriculum(以下EAC)」、すなわち、カリキュラムを通して行う科学技術倫理教育の可能性に関して総合的な検討を行ない、1)金沢工業大学が平成16年度から実践するカリキュラムの具体的内容、2)EACの歴史、理論、応用、評価、3)倫理教育を専門科目と統合する方法とその問題点、4)技術者教育と人文科学を再統合する試み、6)大学全体での倫理に関する測定と評価を行う方法、8)倫理的ジレンマ解決能力の測定と評価の方法、などに関する具体的な成果を挙げた。3.原子力産業に関連する企業、研究組織などを中心に、技術者や研究者が持つ「価値」群を明確化するためのアンケート調査を実施した結果、学協会が示す価値群と優先順位などについて差があることがわかった。4.実効性のある企業倫理プログラムに不可欠な要素(倫理綱領、トップのコミットメント、教育・研修、ヘルプラインなど)を抽出した。5.技術倫理教育のための教材を開発し、教科書および視聴覚教材を作成した。(平成16年度開講の放送大学科目「技術者倫理」)6.科学技術倫理プログラムを構築する上で、今後、最大の課題となるのは、プログラムの実効性を測定する手法であることを確認し、具体的なツールとして、学習者のベスト・ワーク登録するe-portfolioや倫理的価値判断能力を測定するための手法ethics rubricなどの有効性について検討した。7.今後、科学技術倫理を国際的・学際的に研究するための組織、Ethics Crossroads Centerの基本構想を練り上げた。
著者
宮里 心一
出版者
金沢工業大学
雑誌
KIT progress : 工学教育研究 (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.51-60, 2011-03-15

産学共同研究の一部が、工学設計IIIの研究プロジェクトになる場合がある。すなわち、学生は教員ならびに共同研究先の企業人とチームを組み、プロジェクトが推進される。したがって、その結果として研究成果が挙がるとともに、学生にとっては教員のみならず企業人からも教育的指導を受けることによる能力向上が期待できる。本論文では後者に注目し、産学共同研究プロジェクトに参画した5人の4年生に関する教育効果を整理した。すなわち、教員のみならず企業人も、学生のエンジニアリングデザイン能力(2点)と人間力(3点)の計5つの観点に関して3度に亘り評価し、その後に学生も自己評価する教育システムを試行した結果を分析した。その結果、共同研究プロジェクトを通じた産学連携による教育は、学生の能力向上に大いに役立つことが明らかになった。
著者
山田 真司
出版者
金沢工業大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、従来、制作者達のセンスや経験に基づいて制作されていた萌えキャラクタ(萌えキャラ)の顔および声のデザインとその知覚印象との関係について知覚実験によって明らかにすることで、萌えキャラ制作のための科学的設計指針を得ることを目的としたものである。実験の結果、萌えキャラの顔は、美人キャラに比べて、丸顔で目が大きく開いていることが定量的に示された。また、萌えキャラの声は、基本周波数、スペクトル重心が高く、話速が速いことが明らかになった。これらは、未成熟な女性を示唆する特徴を示すものであった。
著者
多田 治夫
出版者
金沢工業大学
雑誌
KIT progress : 工学教育研究 (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.93-99, 2008-06-01

わが国の大学生の死因の第一位は自殺である。大学生を自殺へと導く危険因子としては、学業不振と対人関係困難の二つが指摘されている。大学側の自殺防止努力のガイドとなるような研究を進めることが大切であるが、教職員や学生相談担当者の活動も重要である。
著者
清水 節
出版者
金沢工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

オレゴン大学ナイトライブリーのスペシャルコレクションズに所蔵されている「ウッダード文書」の史料を調査した。この史料を用いて、従来、GHQの宗教政策史において基礎的な文献とされてきたウッダードの著作『The Allied Occupation of Japan 1945-1952 and Japanese Religions』(E. J. Brill 1972)を再検証した。これにより、本書の成立過を解明した。また、未掲載に終わった部分の解明と分析により、ウッダードの真意を理解する上での重要な手がかりを得ることができた。
著者
札野 寛子
出版者
金沢工業大学
雑誌
KIT progress : 工学教育研究 (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.17-29, 2013-03

2012 年1 月に金沢工業高等専門学校が、初の試みとしてニュージーランドの協力協定校の学生を数名受け入れ、地元の精密機械企業で3 週間実地研修を行うインターンシッププログラムを実施した。そのプログラムに先立って、本学では日本語学習の初心者であった学生らを「研修生」として受け入れ、筆者らがのべ10 日間の事前日本語・日本文化指導を担当した。本論では、学生らと企業研修指導者へのアンケートやインタビュー回答、その他のデータをもとに、今回初めて実施した事前指導での学習内容が適切なものであったかを質的に検証する。そして、今回の事前指導ではどのような条件にもとづいて指導内容が計画されたか、あるいは企業研修での実情を踏まえると考慮すべきであったか、カリキュラム内容を左右する条件を吟味する。
著者
平泉 隆房
出版者
金沢工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

西日本に鎮座する日吉神社・白山神社を網羅的に検出し、それら全てを国土地理院の地勢図・地形図上に確認した。すでに、東日本での作業から把握できたように、延喜式内社を名乗っていながら、中世や近世には白山さんとか日吉さんといわれ、白山信仰や日吉信仰の神社だったところをいくつも検出できた。また、山陰・南海・西海道のいづれにおいても、古代山岳信仰の拠点であった場所に、いつの間にか白山信仰や日吉信仰が入り込んでいる事例を探り当て、山岳信仰、延暦寺、日吉信仰が密接に連関していることも改めて立証できた。
著者
佐藤 進 鈴木 貴士 川尻 達也 山口 真史 陳 淑茹 木村 竜也 長山 恵子 村本 美春 平泉 隆房
出版者
金沢工業大学
雑誌
KIT progress : 工学教育研究 (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.157-166, 2014-03

本研究では、友人とのコミュニケーションのない学生に焦点をあて、彼らのメンタルヘルスの特徴について検討した。約4%程度の学生が友人との会話がないと回答した。彼らはinactive/uncommunicativeな活動を一人で行う傾向にあり、他者との接触機会が少ないと考えられた。また、ストレスに対し、Negative対処行動をとる傾向が強かった。彼らのストレス度、疲労度、うつ度は高く、4人に一人から5人に一人は加療を要する水準にあった。大学内でのソーシャルサポート体制を検討し、彼らに対するストレスマネジメントが必要と考えられる。
著者
山田 真司
出版者
金沢工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

複数の知覚実験を実施し,それらの結果を統合することで,音楽を構成するパラメータ,音楽の印象,ゲームの印象,ゲームの遂行成績の間の機序を定量的に明らかにした。このことによって,ゲーム音楽のための科学的設計指針が得られ,求めるゲームの印象および難易度を実現するためには音楽のどのパラメータをどのように設定すれば良いか推定することが可能になった。
著者
柳下 和夫 若林 宏明
出版者
金沢工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

本研究は海に近い砂漠に雨を降らせようというものである。その方法は砂漠に近い海の表面に黒色物質を浮かべる。これが太陽光を全部吸収し海面の温度が上昇する。すると海水の蒸発が増える。一方砂漠にも黒色物質を撒いておくと太陽光が全部吸収される。すると地面の温度が上昇し空気は膨張し軽くなる。そして上昇気流となる.その下は低気圧になる。そこへ海上の水蒸気が流れ込んでくる。すると上昇気流に引きずられて上昇する。そして上空で断熱膨張し、温度が下がり雲ができて雨が降るというのである。海に浮かべる物質としてどんなものが良いかいくつかの材料をテストした。水道水と塩水で差はあるが黒色物質を浮かべると最高41%も蒸発が加速されることが分かった。一方砂漠の上にも黒色物質を撒くとどれくらい太陽光熱が吸収されるかを調べるために、世界各国の砂漠の砂を入手し光の反射率を測定した。その結果砂の色にもよるが1/3ないし2/3の反射率であった。これを黒く塗れば吸収されるエネルギーは1.5倍ないし3倍増え、その分だけ余計に空気を暖めることができる。また一度砂漠緑化に成功すれば、植物からの蒸発水分により、自然の雨が降って緑化が持続するかどうかを,好塩性植物によるシミュレーションしたところ雨量が増えることが分かった。上昇気流を起こすものとして,大火や雨乞いがあるが、その後雨が降ったかは定かではない。この方法で砂漠に雨を降らせば良いこと尽くめかというと、マイナス面もある。そこでテクノロジーアセスメントを行ない、問題点を抽出した。海の生態系に対する配慮が必要なことなどが分かった。海と砂漠の距離がどれくらい離れていても水蒸気が移動するかについては,実験に失敗し分からなかった。
著者
佐藤 進;Susumu SATO 鈴木 貴士;Takashi SUZUKI 川尻 達也;Tatsuya KAWASHIRI 山口 真史;Masafumi YAMAGUCHI
出版者
金沢工業大学
雑誌
工学教育研究;KIT progress (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
no.24, pp.53-62, 2016

新入生に対し、大学に対する不本意感および学業へのつまずき感に関する調査を2回(入学当初および1年終了時)実施し、追跡が可能であった1,411 名を対象に、その特徴を検討した。1年次春の時点で大学への不本意感は約1割、学業へのつまずき感は約2割の学生が有していた。これらの割合は冬の調査時点でも同等であったが、構成している学生の約半数は入れ替わっていた。大学への不本意感が春から冬にかけて生じた学生は、受験の失敗に対する思いが再燃し、自身の理想とする大学像とのギャップや授業内容・カリキュラムに対する不満が高まっていた。同様に、学業へのつまずき感が春から冬にかけて生じた学生は、課題遂行の困難さや学業への不向きさを自覚しながら、単位取得・留年・卒業への不安が高まる傾向にあった。;This study researched the characteristics of the university freshmen who are unwilling to join the university and who feel anxiety about academic learning for 1,411 university freshmen. A biannual survey on the unwillingness to join the university community and anxiety about academic learning was conducted in spring (the end of May) and winter (December to February). About 10 % of the freshmen were unwilling to join the university, and about 20% of them had anxiety about academic learning in the spring. Although these percentages did not change in the winter, half of the persons with the unwillingness or anxiety was replaced by another persons. The students, who were unwilling to join the university during the spring and winter months, reignite a sense offailing to enter university, and more dissatisfied with academic curriculum or lesson contents. Similarly, the students, who feel anxiety about academic learning during the spring and winter months, realized difficulty to class assignments and unfit for academic learning, and increased anxiety about acquisition of academic credit, graduation, and staying back a year.
著者
村田 俊也 橋爪 和夫
出版者
金沢工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究の目的は、剣道7段は、なぜ剣道8段の動きの情報を全く入手(入力)できないのかという事象を解明することである。剣道8段は、7段相手に全く情報を発しないで動作を発現しているのか、あるいは、7段は8段の発現している動作を入力できる技能がないのか、という問題を解決することを意図している。2021年度は当初計画していた運動生理学とバイオメカニクスに基づく実験ができなかった。それで、これまでに積み重ねてきた武道学的な視点に基づく自己点検について再検討した。前年度までは、2019年度報告に示した総数53項目(生理学1、運動学35、心理学2、戦術4、剣道学11)について自己点検と自己評価そして省察を行ったところ、ほぼ確定した。本年度はこれらの自己点検が部分練習の学習サイクルとなった結果、全体練習ができていないという仮説を設定した。従って、一旦自己点検の項目から離れて、武道学や剣道で用いられる「自然体」という考えで本研究課題を探求することを意図した。剣道で用いられる「自然体」の概念は、明確にされていない。ゲシュタルト心理学は「人間の精神を、部分や要素の集合ではなく、全体性や構造に重点を置いて捉える」と説明している。「全体性の考察に力学の概念を取り入れた」概念は、自然体という用語で武道の技能を表現することと類似していると考察した。自然体で打突する剣道の技能は「53の項目を念頭に置きながら打突する」技能とは概念的に乖離していると考察した。なお、剣道で問う「中心線」についてはバイオメカニクス的な実験研究が必要であり、次年度の課題とすることとした。
著者
小山 大介 露口 尚弘
出版者
金沢工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

「生体組織の違いを鮮明に表現できる」「脳神経活動を直接的にイメージングできる」などの新しいMRI(磁気共鳴画像)として、地磁気程度の大きさの磁場を利用する超低磁場MRIが注目されている。超低磁場MRIは現在主流の高磁場(数テスラ)MRIと比べて装置の簡便さや安全性の高さ、幅広い計測対象への応用などの利点も有し、MRIの新しい計測手法として期待が高まっている。しかし、超低磁場MRIは計測手法が未確立であり、実用に向けた加速度が十分でない。本研究では超低磁場MRIの実用を目指し、新しい計測プローブや撮像シーケンス、磁場空間制御手法の開発を通し、超低磁場MRI計測の高解像度化と高速化を実現する。
著者
清水 節
出版者
金沢工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、日米の史料を用いて「宗教法人法」の起草過程を分析したものである。GHQの民間情報教育局宗教課、文部省宗務課、宗教界指導者の各見解と議論された論点を明らかにした結果、日米の文化的・歴史的背景に起因する法観念の相違や、各々の理想とする宗教法人像の相克が顕在化し、対立と妥協の末に本法が生み出されたことが解った。また、本研究の一環で「国有境内地処分法」の起草過程も明らかにした。
著者
井ノ口 悦子;INOGUCHI Etsuko 藤井 清美;FUJII Kiyomi
出版者
金沢工業大学
雑誌
工学教育研究;KIT progress (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
no.28, pp.1-10, 2020-03-25

2018年度後学期に英語教育課程の授業でデザイン思考を用いた地域貢献型の授業を行った。本学の学生がキャンパス近隣に住む、日本語や国際ビジネスを勉強するアジアからの留学生に日本語または英語でインタビュー活動を行い、彼らのニーズを聞き取り、問題解決方法を決定し、成果物を実作して留学生からのフィードバックを得た。参加学生がインタビュー活動を通して外国人学生に共感することができたかを明らかにするため、筆者らは参加学生を対象に半構造インタビューを行い、インタビュー活動とプロジェクト活動について振り返った発話を収集し、テーマティック分析を用いて検証した。得られたテーマからは、相手に共感をするには、言語にかかわらずインタビュースキルを持つことが重要であり、参加学生は共感のインタビューを通して、自分の問題と置き換えて問題解決方法を決定し、自分の経験や知識を使って留学生の問題を理解しようとしていることがわかった。;This paper reports the results of a community-based project conducted by students of English Seminar I which was offered in the fall term of 2018. The students, following the Design Thinking method, interviewed foreignerstudentsfrom Asian countries residingnear the KIT campus regarding their life in Japan and everyday problemsthey experience. The Japanese students then defined the foreign students' needs, discussed the possible solutions,and created products to idealize the solutions. They received feedback from the foreign students to further elaborate and revise their products. In order to clarify how the Japanese students empathized with the foreigners during the Design Thinking process, the researchers conducted semi-structured interviews and asked how they empathized with the foreignstudents and how their empathizing activity led them to the solution. The responses were analyzed using a method of thematic analysis. The obtained themes indicate that interview skills, regardless oflanguage they use, is essential in empathizing. It wasalso found out that the participating students decided on the solution citing their own problems and experiences.
著者
高原 利幸;TAKAHARA Toshiyuki 宮里 心一;MIYAZATO Shinichi
出版者
金沢工業大学
雑誌
工学教育研究;KIT progress (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
no.29, pp.51-57, 2021-03-10

新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、オンライン講義が導入された。オンラインでは、講義を何度も見返したり、チャット機能を用いた秘匿性の高い質問ができたりとこれまでにない魅力がある一方で、ネット環境等により画面の小さいスマートフォンで受講せざるを得ない学生や、デジタル環境で質問することが苦手な学生の存在も危惧された。そこで、本研究ではこれまで対面授業を受けたことのある2、3 年生、並びに1 年生の導入科目の5 科目について、講義終了時点でアンケート調査を行い、特に質問のしやすさについての学生意識を検討した。その結果、チャット機能はあるもののオンライン型では、講義後の簡単な質問ができなかったことがオンデマンド型に比べると問題となっていること、オンデマンド型では質問の時差性に問題があることが分かり、オンラインでの「質問のさせ方」を工夫する必要であることが浮かび上がってきた。;On-line lecture has many advantages, such as repeated learning or private question using chat function. However, they are assumed that some students must use their smart phone to attend on-line lectures due to their poor internet environment, and some are not good at making question through digital devices. In this study, we performed questionnaires against second and third grade students who have experiences to receive face-to-face lecture and first-year students. As a result, it is suggested that not a few students hesitate to make questions through digital environment. To improve or enrich the on-line lectures, we have to exercise ingenuity against "how to ask" of students.