著者
木村 淳
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.389-392, 1996-03-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
10
被引用文献数
2
著者
長坂 昌一郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.8, pp.2339-2341, 2012 (Released:2013-08-10)
参考文献数
4
被引用文献数
3 1
著者
佐野 統
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.10, pp.2214-2219, 2007 (Released:2012-08-02)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

リウマチ性多発筋痛症(PMR)は高齢者に発症する体幹近位部の上肢帯,下肢帯,こわばりを主訴とする原因不明の炎症性疾患である.側頭動脈炎(TA)を合併することがしばしばある.特異的な臨床所見に乏しいため,鑑別診断に苦慮することも多いが,TAの合併がない場合は低用量のステロイドが著効する予後良好な疾患である.赤沈値の高度の亢進とCRPの上昇がみられ,自己抗体は陰性である.筋電図や筋生検像に異常はみられない.TA合併例では大量のステロイドが必要である.ステロイド抵抗例には免疫抑制薬やTNF-α阻害薬が有用である.
著者
中田 貴大 牧野 英記 加藤 高英 仙波 真由子 河野 幹寛 梶原 浩太郎 伊藤 謙作 濱口 直彦 兼松 貴則 横山 秀樹
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.10, pp.2206-2211, 2015-10-10 (Released:2016-10-10)
参考文献数
7

陰圧性肺水腫(negative pressure pulmonary edema:NPPE)は,上気道閉塞に伴う胸腔内圧の急激な低下により発症する非心原性肺水腫である.診断や治療の遅れは致命的になる可能性があるが,速やかな診断と治療を行えば,短時間で大きな合併症もなく回復することができる.日常診療において内科医が本疾患に遭遇する機会はあり,忘れてはならない疾患の1つである.痙攣発作後に持続する低酸素血症の際には,NPPEを鑑別の1つとして挙げるべきである.
著者
曽根 正勝
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.4, pp.659-666, 2018-04-10 (Released:2019-04-10)
参考文献数
8

内分泌性高血圧は,原発性アルドステロン症,腎血管性高血圧,Cushing症候群,褐色細胞腫,先端巨大症,甲状腺機能異常等,多岐にわたるため,実地医家においては各疾患のできるだけ簡便なスクリーニングが求められる.また,問診や身体所見,一般検査所見からも多くの情報が得られるため,日常診療を丁寧にかつポイントを押さえて行うことで,疑いの契機とすることが重要である.
著者
野元 正弘
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.8, pp.1580-1584, 2007 (Released:2012-08-02)
参考文献数
4
被引用文献数
1

薬物による中枢神経障害は,主作用を介している中枢神経受容体が治療域以上に刺激され,強い薬理作用が生じたために起こる副作用と,中枢神経内での薬物濃度が高くなり,通常の治療時には起こらない作用が生じて中枢神経が障害されるものがある.前者は主に中枢神経作用薬でみられ,多くは可逆性で減量により軽快,消失するが,後者は抗ガン剤や免疫抑制薬で見られることが多く,投薬を中止しても回復しないことが多い.
著者
久代 登志男 梶原 長雄 上松瀬 勝男
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.65-69, 1995-01-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5

非薬物療法は降圧効果が明らかな減量,節酒,減塩,運動療法と,降圧効果はないが危険因子の改善となう禁酒,糖/脂質代謝異常の改善などがある.いずれも高血圧治療の目的達成の上で重要であるが,多くは生活習慣の変容が必要なため長期維持が困難な点が限界となる.非薬物療法と薬物療法は相補的なものであり,優劣を論じるのではなく個々の患者の病態と生活習慣に応じて最も実施可能な治療を選択し併用することが必要である.
著者
畠山 修司 小池 和彦
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.98, no.7, pp.1733-1741, 2009 (Released:2012-08-02)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

インフルエンザウイルスは日々変化を遂げ,時にダイナミックに変化する.薬剤に対してもまた,年々その特徴を変えながら,確実に耐性を獲得する方向にシフトしているようにみえる.2003年以降,世界的にアマンタジン耐性ウイルスが拡がった.かつて,ノイラミニダーゼ阻害薬耐性ウイルスは低頻度にしか生じず,たとえ生じたとしてもヒトの間で拡がる可能性は低いと考えられていた.しかし,2007/2008年には,オセルタミビル耐性A(H1N1)ウイルス(Aソ連型)が広く流行する結果となった.今後は以前に増して,流行しているウイルスの薬剤耐性に関する情報と,患者のインフルエンザ関連合併症のリスクをもとに,個々的確な治療法を判断する必要がある.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性ウイルスの生物学的特性はまだ十分に解明されておらず,さらなる知見の集積が望まれる.

1 0 0 0 OA 6.肥満

著者
河合 俊英 島田 朗 及川 洋一 伊藤 裕
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.5, pp.916-921, 2007 (Released:2012-08-02)
参考文献数
7

近年,肥満,ことに内臓脂肪蓄積型の肥満はlow gradeの慢性炎症として捉えられるようになっている.肥満は,高血圧,糖代謝異常などの代謝障害の基盤となり腎障害をきたしうる.一方,肥満そのものによる腎障害が明らかとなり,肥満関連糸球体障害(症)(obesity-related glomerulopathy(ORG))という疾患概念が提唱されている.本稿では,肥満と腎障害との関連について概説する.
著者
神田 真聡 近藤 真 山本 聡 向井 正也
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.6, pp.1461-1463, 2013-06-10 (Released:2014-06-10)
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

抗リン脂質抗体関連血小板減少症は免疫性血小板減少症の約4割を占める血栓素因であるが,両者は区別されないことが多い.近年登場したトロンボポエチン受容体作動薬は血栓塞栓症を起こし,血栓素因のある場合は慎重投与とされる.我々は抗リン脂質抗体関連血小板減少症に対し,エルトロンボパグを投与し,深部静脈血栓症と肺塞栓症を発症した1例を経験した.エルトロンボパグ投与時には抗リン脂質抗体の検索を検討すべきである.
著者
白木 克哉 竹井 謙之
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.28-35, 2008 (Released:2012-08-02)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

インターフェロンなどの抗ウイルス療法が困難であったり,無効であった肝炎患者に対する治療は,肝庇護療法が主体となる.肝庇護療法には,一般療法や肝庇護薬,除鉄療法がある.肝庇護療法の有用性は,臨床研究によりそのエビデンスが積み重ねつつある.それぞれの患者の背景,病態や治療経過などをふまえて,複数の肝庇護療法を組み合わせて施行し,可能な限りALTを正常化に近づけることが,肝病変の進行を遅延させ,発癌を防ぎ,その結果生命予後改善につながると考える.
著者
木田 圭亮
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.2, pp.199-206, 2020-02-10 (Released:2021-02-10)
参考文献数
8

急性心不全の治療において,時間軸という概念が強調され,急性心不全の初期対応は,フローチャートに準じて早期に治療介入することが重要である.また,初期対応と共に,急性心原性肺水腫では血管拡張薬,体液貯留では利尿薬,低心拍出・低灌流では強心薬等病態に合わせた薬物治療を同時に行い,さらには,非薬物療法としての人工呼吸管理や心臓リハビリテーションまで多職種による心不全チームでの介入を行う.
著者
筒井 裕之
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.2, pp.277-284, 2014-02-10 (Released:2015-02-10)
参考文献数
5

1957年に初めて「心筋症」という呼称が使用されて以来,心筋症の定義・分類が行われてきた.心筋症は,「高血圧や冠動脈疾患などの明らかな原因を有さず,心筋に病変の首座がある一連の疾患」と定義される.基本的には,形態・機能的異常をもとに分類されるが,画像診断や遺伝子解析の進歩によって,心筋症の病因に関する理解が深まったが,日米欧で分類に関する見解が一定していないのが現状である.
著者
小菅 雅美
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.98, no.2, pp.255-262, 2009 (Released:2012-08-02)
参考文献数
10

虚血性心疾患の中でも急性冠症候群は発症早期に心事故を生じうる可能性の高い救急疾患であり,迅速なリスク評価とこれに基づく治療を行う必要がある.急性冠症候群の日常診療において心電図は簡便かつ基本となる診断法であり,診断のみならず重症度評価,治療方針の決定,予後予測に有用な情報が得られる.最近では冠動脈造影検査が普及し,急性期心電図所見と冠動脈造影所見とが対比検討され,両者の関係が明らかになるとともに,その臨床的意義も従来にも増して大きくなっている.
著者
松本 慶蔵 岩垣 明隆
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.675-680, 1991-05-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5

近年種々の抗生・抗菌薬が開発されているが,使用する際にはそれぞれの薬物の抗菌力,作用機序,体内動態,副作用,及び宿主側の状態を考慮した上で選択しなければならない.呼吸器感染症において用いられる薬物につき一般的な性質,喀痰内移行濃度などを踏まえて解説する.近年問題となっている多剤耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)や難治性の緑膿菌感染症などは適切な抗生物質の選択・使用が行われず安易に用いたことが一因である.

1 0 0 0 OA 1.抗HIV薬

著者
藤倉 雄二 川名 明彦
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.7, pp.1574-1582, 2010 (Released:2013-04-10)
参考文献数
15

抗HIV薬の進歩は著しいものがあり,これまで抗HIV効果に加え,副作用の軽減,服薬しやすさが追及されてきた.このことにより治療の選択肢が拡がっている.本稿では概ね日本で2005年以降に承認された比較的新しい抗HIV薬に関する知見と,最近の診療ガイドラインの中におけるこれらの位置付けをまとめた.また,新しい機序の抗HIV薬であるインテグラーゼ阻害薬(ラルテグラビル)やCCR5阻害薬(マラビロク)についても言及した.
著者
山口 素子
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.7, pp.1595-1601, 2008 (Released:2012-08-02)
参考文献数
9
被引用文献数
1 2

NK細胞由来のリンパ腫は1990年代に疾患概念が確立された.節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型は東アジアや中南米に多く,鼻腔とその周辺に好発する稀な疾患で,Epstein-Barr virusが腫瘍細胞に検出される.限局期例では診断後早期の放射線照射(>46Gy)が治療のポイントである.放射線療法・化学療法同時併用療法,およびetoposideとL-asparaginaseを含む化学療法が新規治療として期待されている.
著者
加納 正 大野 陽一郎 右京 成夫 内野 治人 村田 安雄
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.66, no.10, pp.1461-1469, 1977
被引用文献数
1 1

喘息に始まり,約1年半の間にL&ouml;ffler症候群を反復した後,系統的血管炎による多彩な症状を呈したallergic granulomatous angiitis (Churg and Strauss, 1951) (AGA)の典型例を経験した.本例の検討を通じて具体的にAGAと周辺疾患との関係ならびに成因について考察した.症例概要: 16才,男子高校生.家族歴にアトピー素因濃厚.既往歴では小児喘息(3才), 1975年1月より喘息, L&ouml;ffler症候群(好酸球数500~1200/mm<sup>3</sup>)を反復. house dust, Candida,ソバガラに皮膚試験強陽性のため,減感作療法開始,その1週後より著明な好酸球増多(最高33,700/mm<sup>3</sup>),浮腫,発熱,腹部症状(腹痛,下痢,血便),皮下結節,筋炎, mononeuritis multiplex,関節炎が出現.減感作療法中は副腎皮質ホルモン無効,中止後は奏効し諸症状は消失ないし改善した.皮下結節の生検像で壊死性血管炎と肉芽腫性病変を認めAGAと診断. (1)壊死性血管炎, (2)好酸球性肺炎, (3)好酸球増多症の三つの方向からAGAと周辺疾患との関係を論じた.本例では減感作療法が血管炎のtriggerとなつた可能性が考えられ,さらに好酸球数,血清IgE値, RF, &gamma;-globulin値が血管炎の進展,経過に相関して変動したことから免疫学的機序の介在が推定された.具体的にはIgE抗体による局所性(気道) I型反応から,減感作を機会に全身性I型反応, III型反応(IgE抗体も液相で作用する)がみられたものと考え,このような立場で, AGAの成因について論じた.