著者
久留島 弘章 大江 秋津
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.202111, pp.191-194, 2022

<p>環境変化に適応できる実践共同体はどのような特性を持つかという研究課題を持つ。本研究は、非公式な信頼関係にもとづく実践共同体に着目し、実践共同体の活動により情報が移転するメカニズムと、環境変化への適応をもたらす要因を明らかにすることが目的である。分析は、来日外国人含む江戸時代に活動した蘭学者7729人の師弟データの利用によりネットワーク分析を行った。その結果、幅広く研究を行い、貴重な情報を得やすいポジションにいる師を持つ実践共同体ほど、蘭学の興隆に貢献したことが実証された。本研究は、実践共同体研究に理論的な貢献を行うとともに、組織慣性の克服に効果的な実践共同体の在り方を提示することで実務的貢献とする。</p>
著者
松平 好人
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.202111, pp.243-246, 2022

<p>本研究の目的は、自治体大阪市の中小企業イノベーション(新規事業)促進政策の効果を明らかにし、可視化することである。「市場志向と情報的資源をイノベーション促進政策の中間成果とし、それが最終成果(売上など)へとつながる」という仮説を設定し、PLM-SEMを用いた定量分析により仮説を検証した。その結果、イノベーション促進政策により中小企業が市場志向の醸成から情報的資源の獲得に至り、最終成果である売上増加などプラスの効果を得られることが定量的に示された。</p>
著者
齋藤 友彦 梅澤 克之 ?? 崇 中澤 真 平澤 茂?
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 PACIS2018主催記念特別全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.47-50, 2018 (Released:2018-08-31)

著者らは新潟県立松代高校を中心に,近隣の高校生を対象とした「まつだいサイエンス講座」を開催した.講座内でプログラミングやタイピングソフト実施時における閲覧・編集履歴及び脳波履歴を収集し,その解析を行った.これまでの結果,プログラミングやタイピングソフト実施時においてβ波/α波の値が学習の困難度を測る指標として有効であることが確認した.本稿では,まず,講座冒頭に行ったプログラミングに関する事前アンケート及び事前テスト(中学3年生~高校1年生レベルの英語,数学,国語)の結果をまとめる.続いて,事前アンケート・テストと脳波の関係を解析し,特にβ波/α波との関係について考察を行う.
著者
福田 茂紀 野呂 智哉 加藤 孝史 浅井 達哉 岩下 洋哲 藤重 雄大 福田 貴三郎 大堀 耕太郎
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.202011, pp.97-100, 2021

<p>各地域で実施されるCOVID-19の感染抑制施策は、非常に多くの要因によって成否が左右される。したがって、施策の効果を推定するには、それらの大量の要因を組み合わせて分析する必要がある。そこで、データ項目の組み合わせを網羅的かつ高速に探索し、重要な組み合わせを発見可能なWide Learningを活用し、2020年8月までの各地域における施策の成否を分析する。さらに、この結果に基づき、各地域・各時点においてそれぞれの施策が実施された場合の効果をWhat-If分析により推定する。</p>
著者
岩井 千明
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.64, 2008

小論では岩井(2007)で提示したコンフリクトのあるビジネスゲームを用いた実験結果の報告を行う.実験aでは異なる大学の学部生をペアにした4チームでチームの累積利益を目的にした場合(チーム内コンフリクト無)と個人のボーナスを目的にした場合(チーム内コンフリクト有)でそれぞれ集団意思決定の効果を被験者への質問状により測定し比較分析を行った.実験仮説はコンフリクト有のゲームのほうがより集団意思決定の効率化が促進するというものであったが,両者の結果に有意な差は認められなかった.実験bで同じ内容のゲームを業務経験の豊富な社会人を対象に行ったところ,実験結果には統計的に有意な差は見られなかったが,コンフリクトの有るシナリオのほうが意見の対立を醸成する傾向が見られた.
著者
宮内 佑実 遠藤 正之
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2020年全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.144-147, 2021-01-28 (Released:2021-01-18)

現在、新型コロナウイルスの感染予防のため、対面での密接な集合が問題視され、様々な組織でオン ライン会議が行われている。学生団体でも、オンラインコミュニケーションツールを用いた会議を行っている。 しかし、オンラインの会議はオフラインの会議と比較し、空間・音声・視覚などの点で制限があり意思疎通が 難しいと感じる。本報告では、学生団体で開催されるオンライン会議とオフライン会議を交互に行うもので、 音声の録音とアンケートを基に、実証的に確認した。
著者
小坂 武
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2014年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.221-224, 2014 (Released:2014-08-06)

繋がりが重要な今日、閉じた世界での情報処理には限界がある。Semantic WebのRDF/OWLは開世界仮説と非唯一名仮説でこれらを解消しようとする。本稿はRDF/OWL言語がDB言語に比べ社会科学に適合的であることを明らかにする。RDFにおいては概念の担保は間主観性によるところがあり、現象学的転回に適合的である。進化や統合においては記号間に不整合が発生するが、開世界仮説ではユーザはそれを解消する一人称の能動的主体であるとするところがある。これは実践論的転回に適合的である。技術であるRDL/OWLはそれらのみでは組織内の普及に困難がある。しかしそれらは社会科学に適合的であるためIS研究はその発展に貢献できる可能性がある。
著者
國本 麻悠子 大江 秋津
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2020年全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.61-64, 2021-01-28 (Released:2021-01-18)

本研究は、バーチャル空間を活用した研究室がもたらす研究室内のコミュニケーションに焦点を当て、その効果が学生の研究意欲に与える影響を実証する。分析では、バーチャル研究室を利用している学生41人のアンケート結果から、共分散構造分析を行った。その結果、3次元ではなく、2次元的なデザインのバーチャル研究室でも、学生は近くに人がいると充分錯覚でき、学生間の交流が活発になることを実証した。この学生間の交流が組織としての一体感を生み、研究意欲を向上させることを実証した。この結果から、バーチャル研究室がコロナ下における一時的なものではなく、アフターコロナ後も教育ツールとして活用できる可能性を提示した。
著者
安井 省侍郎
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2012年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.89, 2012 (Released:2012-07-25)

N-M効用関数は、効用をユークリッド幾何学アナロジーから、効用を直線上の点としてとらえている。この単純化により、効用関数は、複数の要素をもつ選択肢の選好、例えば、コーヒー、紅茶、ジュースの選好順位に、価格情報が加わったときの影響の分析の手助けにはなってくれない。また、このモデルでは、原点を特定する必要がない反面、現状を意志決定モデルに反映できない。本稿では、効用を直線ではなく、ベクトルとしてとらえ、効用関数として活用できる可能性を考察する。空間ベクトルから考察を始めるが、理論的にはベクトル空間の概念を用い、n次元に拡張も可能である。
著者
山田 圭飛
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.25-25, 2009

地方都市では大都市圏と違い人口が少なく,対面販売機能しか持たない店舗においては広告の費用対効果が低くなる傾向がある.そのため地方の個人経営規模の商店では情報戦略化におけるコスト意識が高くなり,地域間の情報格差が発生している.情報機器,インフラは急速に進歩を続けて,利用するべき店舗事業主の情報リテラシと大きなギャップが生じている.地域活性化が求められている中,地方都市では限られた経済圏・人口の中で,より濃密な顧客情報戦略が求められている.著者も,モバイル対応の地域クチコミサイト「ハコレコ」にて地域飲食店の情報戦略化の支援を行っている.その中で利用促進の一環として,期間限定イベント「レコレース」というポイントレースを行った.本研究では「レコレース」にて収集したユーザデータを分析し,今後の地域商店における情報戦略化に向けての考察を行う.
著者
小泉 勝志郎 須栗 浩樹 深見 嘉明
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.281-284, 2018

81歳の高齢者である若宮正子さんに初心者状態からプログラミングを教え、iPhoneアプリをリリースするまでに至り、世界的にも大きく報道された。ここではゴールに向けた必要最小限の教育を行っている。高齢者の場合、職業としてプログラマーになるわけではない。ゴールに向けた必要最小限の教育は高齢者に非常に適した教育と考える。高齢者にプログラムを教えることは高齢者の知的生産能力の向上、高齢化大国日本を逆に活用できるものである。本研究では、同様の手法による教育を他の高齢者に対して実証実験を行なっている。この実証実験の結果から高齢者に適した教育を考察する。?
著者
豊岡 佑真 遠藤 正之
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2018年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.302-305, 2018 (Released:2018-12-25)

未来投資戦略2018ではキャッシュレスが大きく採り上げられている。キャッシュレスはクレジットカードや電子マネー、そしてスマートフォン決済・仮想通貨などへ変化してきている。昨今の中国ではQRコードによる電子マネー決済が普及し始めているが、日本では大きなイノベーションはまだ起こっていない。日本のほとんどの店舗には電子マネー用にNFCリーダが導入されているため、仮想通貨決済でも活用できるのではないだろうか。実際、QRコードによる決済よりもNFCを利用した決済ができる方が利点は多い。本稿では、利点や導入への障壁などを確かめながら、既に整備されたインフラを生かした仮想通貨決済の実現可能性を考察する。
著者
中山 有仁 遠藤 正之
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.202011, pp.77-80, 2021

<p>近年、証券業界ではFinTechサービスを積極的に検討、導入している。本報告では、大手・準大手証券におけるFinTechサービスの一つであるスマートフォン専業証券に着目する。野村ホールディン グスは2019年にLINE Financialとの合弁会社であるLINE証券を設立した。他にも大和グループ本社と東海東京フィナンシャル・ホールディングスがスマートフォン専業証券を設立している。これらについて経営戦略の視点で各社を分析し、現状課題と今後の展望について考察する。</p>
著者
吉田 由起子 柳瀬 隆史 加藤 孝史 小柳 佑介 浅井 達哉 大堀 耕太郎
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2019年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.70-73, 2019-12-25 (Released:2019-12-23)

選挙候補者の当落を根拠付きで高精度に判定することを目指して、富士通研究所が開発したAI技術「Wide Learning」による選挙当落判定フレームワークを構築した。従来の選挙予測は分析者のスキルや情報源に強く依存する。一方、本研究では AIの入力データとして候補者の公認政党・趣味・主張、選挙区の特性等の公開情報と、有権者からの支持率等の一般的に用いられる調査データを使用することにより、一定の普遍性を有する選挙予測を可能としている。また、高精度の当落予測のみならず当落要因の知識発見も実現している。2016年参院選データで学習したモデルによる 2019年参院選選挙区の候補者の当落判定結果を評価しモデルの有用性について考察する。
著者
布施 遥 妹尾 大 Ho Bach
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.202011, pp.198-201, 2021

<p>ライブエンターテインメント市場は、消費者が「今そこでしか体験できない」再現性の低い「トキ消費」に価値を見出すようになってきたことから、急速に市場を拡大させている。また、昨今の新型コロナ感染拡大により、リアルライブエンターテインメントに代替されるデジタルライブエンターテインメントが行われるようになった。ライブエンターテインメントでは、顧客の心を動かすことが目的となるため、顧客感動が重要になる。しかし、デジタルライブエンターテインメントでは、顧客感動についての研究が十分になされていない。本研究はデジタルライブエンターテインメントが、事前期待以上の顧客感動をもたらす要因について、アンケートとインタビューを用いて検証する。</p>
著者
竹田 賢 中邨 良樹 大崎 恒次 細谷 信太郎
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2018年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.49-52, 2018 (Released:2018-12-25)

食の簡便化,女性の社会進出,高齢化社会の到来等により,フードデリバリー市場が拡大傾向にある.フードデリバリーは即時配送を特徴とするビジネスであり,宅配便のビジネスモデルとは異なる側面がある.特に,注文のピーク時間が重なるため,需要と配送能力のコントロールが収益に大きく影響する.本研究では,即時配送型ビジネスにおける需要の平準化と配送効率を高める物流モデルについて考察する.具体的には,注文に応じて配送する“プル型”に,ルート配送を行う”プッシュ型”を組み込んだ”ハイブリッド型物流”モデルの枠組みを提示し,その実現には,物流データとマーケティングデータを組み合わせることが重要である点を指摘する.
著者
小坂 武
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.50, 2007

IS学の確立の企図のもと、S. Alterはビジネスの実務家がシステム分析を行う方法論を開発中である。その中核にワーク・プラクティスを捉えるAlter独自のフレームがある。ワークプラクティスを捉えるフレームに心理学で発達してきた活動理論がある。Alterのものと活動理論のそれを、オートポイエーシスをベースとしたKayの組織論をも使用して比較分析することで、IS論の構築基盤をより確実なものとする。
著者
坪内 皓佑 岡田 公治
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.190-193, 2018

インターネット専業銀行(以下ネット銀行)業界は成長しているがその成長率には違いが見られる.ネット銀行の主な収益には資産運用(預金貸出,有価証券運用等)収益と役務取引(決済手数料,ATM提携料等)収益がある.本稿では,収益構造の違いからネット銀行を3つのビジネスモデル(資産運用型,決済手数料型,ATM型)に分類し,その違いやビジネスモデルの移行が業績に与える影響を表現する動的モデルを構築する.システムダイナミクスを用い (1)資産運用収益モデル,(2)決済手数料収益モデル,(3)ATM収益モデルから構成されるシミュレーションモデルを構築し,シミュレーション結果と実際の業績推移を比較することでモデルの妥当性を確認する.
著者
渋谷 綾子
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.51, 2002

本研究は、シナリオ法と確率ネットワークによる資産配分問題へのシステムアプローチの適用について考察する。システムアプローチは, シナリオ集合に対応する資産配分問題全体を組織とみなし、個別シナリオ問題をOperational levelに位置づけ、Operational levelの活動を調整するために新たに設定された上位問題をOrganization levelに位置づける。このようにして、階層的に再構築された問題を階層システム論の統合原理で統合することにより, Organizational levelでCoordination goalが達成されたときに組織の目的が達成され、同時に、元の資産配分問題の最適解が得られる。
著者
渡部 裕晃 椿 美智子
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2015年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.1-4, 2015 (Released:2015-07-31)

サービス産業の発展に伴い,サービスの価値は顧客と企業(従業員)とが共創する「サービス・ドミナント・ロジック」や,従業員満足・顧客満足・企業利益の関係を示す「サービス・プロフィット・チェーン」という考え方が重要であると認識されて来ている。本研究では,タイプ別サービス効果分析システムを用いて顧客のタイプ分け,従業員のタイプ分けを行い,さらにサービス・ドミナント・ロジックやサービス・プロフィット・チェーンに基づき,従業員と顧客の双方がベネフィットを得られる関係を構築するために,顧客のロイヤリティや従業員のサービス品質,従業員満足の因果関係の構造を分析することで,価値を共創することができる顧客と従業員のマッチング方法を提案する。