著者
本田 正美
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2019年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.54-57, 2019-12-25 (Released:2019-12-23)

保有するデータを自由に二次利用可能なかたちで公開するオープンデータの取り組みが広がりを見せている。オープンデータを提供する主体として主に行政機関が想定されており、そこで公開されるデータはオープンガバメントデータと称されることもある。ここで行政機関をオープンデータ提供の主な主体としたが、自治体にあっては議事機関である議会に関わるオープンデータの提供についても、数は少ないとは言え、その事例が見られるようになっている。本研究では、その事例の考察を行うことで、議事機関である議会に関わるオープンデータの取り組みにつき、その現状と課題を論じる。
著者
雨宮 寛二
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 PACIS2018主催記念特別全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.83-86, 2018 (Released:2018-08-31)

本稿では、クレイトン・M・クリステンセンが提唱したイノベーションの法則を分析フレームワークとして、アップルが2001年以降に開発した製品iPod、iPhone、iPadが新市場型の破壊的イノベーションであることを実証的に分析し、アップルがいかにして競争優位を築き上げたのか、その要因を解明する。ネットワークサービスを中心にした破壊的戦略に加え、統合化戦略やモジュール化戦略の有効性、さらには、アップルが破壊的イノベーションにより成長する上で必要な基本方針などの検証と考察を試みる。
著者
中村 人哉 比嘉 邦彦
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2011年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.530, 2011 (Released:2011-07-12)

近年、顧客生涯価値の具体的な計算方法についての多くの論文が見受けられる。しかし、各々の論文は、顧客生涯価値の定義、対象とする業種、ビジネスモデル、計算のための条件などが異なり、単純な比較が難しい。そこで、本研究は顧客生涯価値の計算方法についての既存研究を調査し、共通の視点で評価し、今後の研究領域の検討を行うことを目的としている。 具体的には、最初に既存研究の文献をキーワードによって抽出。次に抽出された文献を業種、ビジネスモデルなどにより分類。結論として顧客生涯価値計算研究の現状と今後の研究領域を示す。
著者
大嶋 淳俊
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2014年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.105-108, 2014 (Released:2014-08-06)

近年、日本においてクラウドソーシング市場が拡大を続けている。クラウドソーシングとは、インターネット上のプラットフォームを活用して、不特定多数の人に仕事を発注する仕組みのことである。急成長する中、ベンチャー企業だけでなく、大手企業の新規事業としての参入など、クラウドソーシング事業者も急増しており、発注企業も多様化している。本研究では、クラウドソーシング業界の現状と課題を取り上げる。
著者
河合 勝彦 長屋 隆之
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2012年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.11-14, 2012 (Released:2013-01-30)

本研究において、我々は、アイデアの売買市場を構築した。その目的は、良いアイデアの選定である。この市場を用いて、我々は、学生を被験者とする実験をおこなった。まず、被験者は、与えられた問題に回答するかたちで、アイデアを提出する。次に、アイデアの市場に上場させるアイデアを選択する。最後に、被験者は、このアイデアの証券を売買する。市場メカニズムによって、証券の価格は、その品質とニーズに従って上下する。金銭的インセンティブを通じて、市場メカニズムは、他人からの影響を減少させる。さらに市場メカニズムは、真実の意見表明を促進する。この実験の知見をもとに、本稿は、組織・企業でアイデアの市場を構築する際に注意すべき課題をまとめる。
著者
池田 達彦 酒井 直
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2002年度秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.17, 2002 (Released:2003-01-17)

これまで組織論は、近代的個人を暗黙に想定して議論され、発展してきた。組織の維持は、目的(Why)に合意した人々ではなく、手段(What)に合意した人々の集まりによってなされるとされた。しかし我々の関心領域であるオープンソースコミュニティを捉えるためには、これまでの組織論のみでは言及できないという考察に至った。それは手段だけでなく、目的をも共有するような組織であるという推察によるものである。オープンソースソフトウェア開発グループに関する研究は既に様々な報告があるが、ユーザグループの組織化(Organizing)に関する研究は発展途上である。本研究では行為論的アプローチにより、一つの理解を提示するものである。
著者
宗平 順己
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 PACIS2018主催記念特別全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.123-126, 2018 (Released:2018-08-31)

戦略への追随性を高めるために、従来型の堅実なアプローチをするIT部門に加え、スピードを重視した開発を進めるために、バイモーダルITのアプローチが採用されてきているが、デジタルトランスフォーメーションの時代において、もう一段加速したアプローチが必要となってきている。本論ではデジタルトランスフォーメーション時代のシステムの特徴をアーキテクチャ面から整理し、従来から提唱されているパースレイヤーアプローチを改めて採用する必要が出てきたことを示すとともに、その場合のIT部門の組織例についても提案する。
著者
松永 剛 水野 博之
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2012年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.151-154, 2012 (Released:2013-01-30)

長野県小布施町は、1970年代には、過疎課題を抱えていた。しかし地元の民間企業や行政が地域資源の再確認からスタートし、特産品の地域ブランド化、街並みの修景事業や歴史資産を活かした文化事業などに地域活性化の取組領域を広げた。地域活性化の推進手法に関しても、地域住民の巻き込み、外国人や知識人の活用なども進め、継続的な情報発信で継続的に共感を呼ぶマーケティング手法を確立し、活性化の成果を持続的にあげてきた。本研究では、「成功する地域活性化=街づくりのイノベーション」と捉え、小布施町の取組みを事例とし、その経年分析ならびに取組手法の分析から地方における地域活性化の成功モデルの導出を試みる。
著者
渡邊 真治
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2014年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.169-172, 2014 (Released:2014-08-06)

本研究では2013年度に実施した地方公務員へのアンケート調査を用いて公務員組織の情報化と組織構造の関係を分析する。前回報告した渡邊(2013)では組織コミットメントを用いて組織における心理要因の分析を行った。今回の調査では、Apple社などが用いている従業員に対するNPS(Net Promoter Score)と情報化の関係を分析している。NPSは、ユーザー(従業員、消費者)経験を計測、改善を可能とする組織ツールである。NPの決定理由をテキストマイニングの手法を用いて分析する。分析の結果、NPSを通した情報化の効果に影響を与える要因の整理を行うことができた。
著者
和田 健 駒走 聡昭
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.202111, pp.163-166, 2022

<p>テクノロジーを活用して、事業の業績や範囲を根底から変革させようとするデジタルトランスフォーメーション(DX)が注目を集める中、企業活動にて生じるデータを資産とし、業務PDCAサイクルを改善させるフィードバックにデータを活用する日本企業はまだ多くない。このままでは日本企業が世界のデータ利活用トレンドに乗り遅れてしまう事が危惧される。本稿では、DXの特徴及び従来のIT戦略との特性の違いを整理した上で、今後DX推進に取り組む日本企業が直面する課題を「5つの壁」と分類したフレームワークを提案する。</p>
著者
根来 龍之 足代 訓史
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2008年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.94, 2008 (Released:2009-01-07)

本稿は,因果連鎖の網の目構造論の立場(根来, 2008)から,意図せざる結果の類型化とそれへの対処について考えることを目的とする.意図せざる結果に関する議論は,基本的にはいかなる行為も,意図した結果のみならず,多かれ少なかれ意図せざる結果をも産むという問題認識に立っている.本稿では,行為者が自らの置かれている因果連鎖環境をどこまで読みきれているかどうかによって,意図せざる結果を5つのパターンに類型化する.類型化によって意図せざる結果の議論を網羅的に理解するとともに,避けることのできない宿命にある意図せざる結果への一定の対処方法として,因果連鎖の読みのパターンを広げることを提案する.
著者
我妻 沙紀 森本 祥一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2012年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.199-202, 2012 (Released:2013-01-30)

近年,企業等の組織体にとってソーシャルメディアを利用した情報発信が重要となっている.しかし,情報を的確に発信しその効果を得るには,数あるソーシャルメディアの中から自社に適したものを選択し,それぞれの特性を把握した上で発信する情報を十分に検討する必要がある,継続した情報発信のための体制作りなど,課題も多い.また,成功事例も多数報告されているが,それらは主に規模の大きな組織や知名度の高い企業によるものである.よって本研究では,先行事例を調査した上で,小規模な組織における情報発信法について提案する.また,実際にこの方法を用いて川崎市多摩区役所におけるイベント情報の発信を行った結果について考察する.
著者
赤尾 嘉治
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.13-16, 2015

昨今話題となっているサイバーセキュリティ等の問題に関して、情報漏えい事件の手口の巧妙さについても、アタック範囲が国内外とグローバルに拡大している。海外では、国家戦略の一環としての策定・体制強化を推進しており、日本を数年先行していると言われている。各企業の体制強化も進展しているが、我国の情報保護の対応能力はまだまだ不十分であると認識せざるを得ない。セキュリティ対応は①予防として、②監視・測定での、③インシデント発生時、それぞれに要求される。今回は、原点に戻り取り得る予防的対応策の構造を明らかにしながら確実にシステムを構築できる方法についての考察を試みたい
著者
奥田 隆史
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.42, 2007

特電法が施行されているもののスパム(迷惑メール)の数は一向に減少しない.インターネット上を流れるメールの8割以上がスパムであるとも言われている.そのため,企業や大学ではアンチ・スパムシステムを導入し,セキュリティの向上を図っている.本研究では,我々がこれまで分析してきた迷惑メールの到着特性に着目し,待ち行列網としてアンチ・スパムシステムならびに企業や大学の情報システムをモデリングし,その解析結果を利用する設計法を紹介する.
著者
稲垣 伸子
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.25, 2008

国の社会保障政策の影響を受け、在宅介護サービスへの多様な参入企業は労働者と利用者ともども政治的な状況に置かれている。一般に域内の経済ほか諸活動の様相は個々の政治社会を基礎にもち、都市ごとのリベラリズムを反映するとみられる。神奈川県下の11市区について、在宅サービス企業の動向および行政区制度上の会議録や住民意識調査を調べ、考察を試みた。
著者
勝 幹雄 奥田 隆史
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2020年全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.229-232, 2021-01-28 (Released:2021-01-18)

柔軟な働き方が仕事満足度・幸福度に与える影響を差分の差分法により検証した.その結果,柔軟な働き方は仕事満足度の向上に寄与することが判明した.他方,幸福度に対してはその影響は小さいことが判明した.これは,それぞれの満足度における相対比較の集団の違いが起因していると考えられる.
著者
小見 志郎
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.5, 2010

電子マネーが急速に普及している。とりわけ、JR東日本のSuicaに代表される交通系プラットフォームは多くの利用者が採用するプラットフォームだけに、研究目的として、その普及過程を分析することは、今後のプラットフォームを活用したイノベーションの促進に有効な方策を示唆するものとして期待される。また、ツーサイド・プラットフォームについての利用者評価を得ることも大きな研究目的である。そこで、広島都市圏で2008年からスタートしたICカード乗車券PASPYの普及過程を経年的に追跡調査することによって、イノベータといわれる初期採用者の消費者像を探ると共に、生活者意識を分析した。本学会報告はその第1年度の研究成果を報告するものである。
著者
金森 剛
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.74, 2010

電子マネーの普及要因として、利用者にとっての利便性と経済性があげられるが、発行主体である交通機関の企業ブランドも普及に影響を与えていると考えられる。 本研究では広島の交通系ICカードであるPASPY利用者を対象にアンケート調査を実施した。採用スピードを説明する要因として、利便性、コストメリット、将来の各種決済利用への期待、企業ブランド評価、地域への愛着度の5つを用意した。分析の結果、これらの要因が採用スピードに影響を与えていることが分った。特に企業ブランドについては、「想像力がある」といったブランド・パーソナリティが、初期採用者に評価されている。
著者
三藤 利雄
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.289-292, 2016

クリステンセンの著作『イノベーションのジレンマ(1997)』は経営研究者や実務家の間で爆発的な評判を呼んだ。彼の発想は業界最優良の技術企業が何故敗退することがあるのかということであり、その結論はこれらの企業がしばしば破壊的イノベーションへの対応を誤ってしまうというものだった。これは破壊的イノベーション理論ないし破壊理論と呼ばれる。破壊理論はこれまでいくつかの批判にさらされてきた。2014年には歴史学レポー教授のエッセイ「破壊機械」を契機として、破壊理論を巡る論争が拡散し、賛否両論が飛び交う事態となった。本論はレポーが提起した課題とその後の論争を検証することにより、破壊理論の現在、課題、可能性を考察する。
著者
内木 哲也
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.127-130, 2018

有名人を起用したTV-CMは多大な影響力を期待できることから世界中で制作され放送されているが、その影響力を捉える社会的文脈は日本と諸外国では大きく異なっている。その相違は、不祥事発生時に当該CM出演の有名人に対して、当人の影響力行使に対する責任を追及するのではなく、一被害者と捉え擁護する視聴者の声として顕著に現れている。これは有名人に対する情緒的反応という以前に、専門職としての有名人の捉え方の相違に基づいた反応と捉えることができる。本報告では、不祥事発生時の有名人CMに対するSNS投稿の日中比較に基づき、日本の社会的文脈の特徴について考察すると共に、日本社会におけるシステムデザイナのような専門職のあり方について議論する。