著者
関 晃仁 奥冨 正敏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.89, pp.13-18, 2005-09-05
被引用文献数
5

本論文では,車載ステレオカメラを使った障害物検出手法を撞案する.一般道路では,歩行者や自転車などの比較的小さい障害物から自動車などの大きな障害物まで検出することが必要である.また路面パターンと障害物を画像中から区別するには,道路面に対する物体の位置を測定する必要がある.しかし,舗装の状態が高速道路に比べてよくないため,走行中に車両が大きく揺れることがあり,カメラと道路面の位置関係を動的に推定する必要がある.本論文では,平面に相当する画像間の射影変換行列を動的に推定することで平面嶺域を決定する.次に,ステレオ計測をして得られた空間位置を推定された平面の射影変換行列から得られた平面の姿勢を使って平面に対する座標系に変換する.さらに,この座標系を利用してセグメンテーションを行なうことで障害物を検出する.最後に実画像を用いて,提案手法の有効性を示す.In this paper, we propose the method for obstacle detection using vehicle-mounted stereo cameras. We have to measure the position from road plane for the purpose of dividing road patterns or obstacles in the image. But, the state of general road is worse than that of highway, a vehicle sometimes vibrates larger in the road. We first dynamically estimate road region and position. Subsequently, we measure 3D position of points within non-road region using stereo images. Next, segmentation method is applied about the possible space of vehicle's passing and we detect obstacles. Finally, we present the experimental results of obstacle detection with our method.
著者
瀧上順也 加藤禎篤 ブン・チュンセン
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.69, pp.39-44, 2008-07-16
参考文献数
10

本稿では,実写の動画像を非実写化することにより,動画像の好ましさを向上する効果があるかについて検証を行った.まず,イラストレータによる理想的な手描きの非実写映像によって実写映像と異なる表現方法 (画風)に変更することで,映像に対する総合的な好ましさを損なうことなく,個別の要素に対する印象の好ましさを向上させる効果があることを確認した.次に,動画像の動きの滑らかさに関して,非実写変換によって,低いフレームレートにおいても実写映像に比べて働きのギクシャクさを感じにくくなることを確認した.これらの結果を,それぞれの主観評価に用いた方法と合わせて報告する.In this paper, we report the effects of improving viewer's impression for videos by non-photorealistic rendering. Our subjective test, first, reveals that non-photorealistic videos improve viewer's impression on several sub-elements in the original photorealistic videos without detracting overall visual preference. We, then, confirm that non-photorealistic videos reduce perceived jerkiness even in the low frame rate compared to the original photorealistic videos. We also report the subjective test methods designed for the evaluations.
著者
松本 光弘 清原 良三 沼尾 正行 栗原 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.126, pp.53-56, 2008-12-10
被引用文献数
1

近年,携帯電話は高機能化しており,様々なアプリケーションを利用することができる.その一方,多くのアプリケーションの中から必要なものを選択する必要があり,携帯電話の操作は複雑になっている.しかしながら,携帯電話はユーザが素早く且つ手軽に所望のアプリケーションを利用できることが非常に重要である.一方,携帯電話の利用に関して,ユーザは時刻や位置,それまでの操作の状況や日々のスケジュールなどの,様々な外的要因に依存して利用する傾向がある.このような外的要因に基づく携帯電話の特徴的な利用パターンを抽出できれば,ユーザが所望するアプリケーションを予測することができる.本論文では,時空間的利用履歴を基にしたアプリケーション推薦するシステムを構築し,頻度のみを用いたアプリケーション推薦システムと比較することで,本システムの評価を行った.Recently, cellular phones are made high performance, because they provide with various application. On the other hand, a user must select the application one wants to use from among a complex application menu structure. A cellular phone might be used in various contexts and, therefore, it is very important that users can find the desired application easily and quickly. Besides, users use some applications depending on a variety of external factor(e.g. time, location, process of operation and dairy schedule et.al). Hence, there are some patterns in our daily behavior. So, if the habitual operation patterns can be extracted, this means that we can predict the operation of cellular phone. In this paper, we built an Application Recommendation System Based on Temporal-spatial History Log, and compared with a conventional frequency based application recommendation system.
著者
田口 哲典 青木 輝勝 安田 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.24, pp.73-78, 2003-03-07
被引用文献数
12 1

現在、服をはじめとするファッションに関する情報が発信されている場所は店頭だけではなく、雑誌やカタログなどのメディアを利用している場合もしばしば見かけられる。また、今後ネットワーク環境の更なる普及にともない、実際の商品を見ることなしに服を購入する機会や選択肢が増えると考えられる。そこで、このように多様なファッションを楽しむために、また服を購入する際に、試着という行為の負担の軽減と服の選択肢の拡大を可能にするために、実際に試着を行うことなく、あたかも試着をしているような様子を鏡のように映すシステムとして、"MIRACLE"システムを、筆者らは考案した。本稿では、"MIRACLE"システムのTシャツへの応用を考え、リアルタイムで実現可能な仮想試着アルゴリズムについて提案する。Now, the place where the information about fashions including dress is sent is often seen, not only a shop front but when media, such as a magazine and a catalog, are used. Moreover, it is thought that the opportunity and choice which purchase dress increase, without seeing actual goods with the further spread of network environment from now on. Then, we proposed the "MIRACLE" system as a system which projects like a mirror signs that it is trying on, without actually trying on, in order to enable mitigation of the burden of the act of fitting, and expansion of the choice of dress, when purchasing dress in order to enjoy various fashions. In this paper, we propose the application to the T-shirt of the "MIRACLE" system and virtual fitting algorithm realizable on real time without restricting a motion of a user.
著者
杉本 典子 金丸 玲子 池田 大輔 竹田 正幸 井上 仁 廣川 佐千男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.95, pp.27-34, 2003-09-26
被引用文献数
3 2

自己点検・評価活動のサポート 及び第三者評価への機能的な対応を目的として 九州大学教官の教育 研究 社会連携活動に関するデータを蓄積し公開するためのデーベースシステムを構築した. 一般に 大学評価では 必要となる基礎資料や統計データは多種多様であり 社会的要望や大学戦略の変化に伴って変動するものと考えられる. そのため 不定長のデータからなる不定個数のデータ項目を扱うのに適したデータベースが必要となる. そこで 本システムでは XMLをデータ構造として採用した. 本システムには 項目変更に対応するための機能が組み込まれており データ項目の変更に伴って発生する種々の作業をきわめて容易に行うことができる.We have constructed a database system containing research, education and social activities of teachers, in order to support the self-evaluation activity, and to functionally response to the third person evaluation of Kyushu University. It is known that various kinds of data items are needed for university evaluation and that it is possible to change data items according to the social requirement and the university strategy. Thus, we adopt an XML as a data format for our system, because it is flexible enough to represent such data. Since our database system has some useful properties to change data items, we caneasily upgrade the system to deal with the data scheme.
著者
安田 咲子 岡本 栄司 阿部 亨
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.54, pp.17-22, 1998-05-29

近年,インターネットおよびディジタルAV機器の普及により,誰にでも簡単にディジタル著作物を複製することが可能となった.これに伴い,著作物の著作権を巡っての問題が発生しつつある.これに対し,著作権保護の目的で,画像中に別の画像を隠蔽する電子透かし技術について最近研究が行われている.この中でも,画像の周波数領域に透かし情報を隠蔽する方式は,透かし情報の除去が困難であり安全性が高い.しかしこのとき,安全性と画質とのトレードオフが問題となり,そのために透かし情報を特定の周波数帯域に正確に埋め込むフィルタを考える必要がある.そこで本稿では,周波数分離特性の優れたフィルタであるQMFを用いた電子透かし隠蔽法を提案し,その安全性と画質の関係を計算機実験により検証する.In recent years, the progress of Internet and digital AV equipment makes copying of digital contents easy. From this reason, copyright troubles have become a subject of discussion. In order to protect the copyright of digital contents, watermark techniques that hide the copyright information into an image are researched. Especially the method that hides watermark into the frequency domain of an image has the high security, because it is difficult to remove the copyright information from the watermarked image. In this method, a trade-off between the security and the quality of the image comes into problem. In this article, we propose a novel method for hiding watermark with QMF, and evaluate the security and the quality of the proposed method.
著者
山本 仁志 石田 和成 太田 敏澄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.25, pp.9-16, 2005-03-15
被引用文献数
6

インターネットを介したオンライン市場の発展により、従来は購買者でしかなかった一般の個人が、売り手や買い手として市場に参加することが可能となった。一方で、オンライン市場の発展は、消費者間取引におけるリスクの増大という社会的問題を引き起こしている。例えば、代金不払い、商品不渡し等の不正行為が一例である。オンライン市場では、取引参加者相互の評判情報を流通する評判管理システムを用いることで、市場参加者の協調行動を促進している。本研究の目的は、オンライン市場において売り手・買い手の取引行動や取引相手を選択する際の情報行動を分析することで、評判管理システムの有効性を検証することである。我々は、個人の利得行列が囚人のジレンマ状況である仮想的な取引市場を構築し、被験者をもちいた実験をおこなった。実験参加者の行動を分析することで、実際に個人が評判に基づいて取引相手を選択する際、評判を形成するどのような情報を参考に判断し、どの情報を重要だと考えているのかを議論する。実験の結果、評判管理システムが協調行動を促進することがわかった。また、協調的な参加者は、取引相手を選択する際、非協調行動の回数およびID継続期間を重視して選択していることがわかった。Reputation management system is effective for promotion of cooperative behaviors in online transaction. In most reputation management systems, the reputation of participants in transaction are calculated as an accumulation or an average of the his/her evaluations. We explore the information that the participants emphasize in the reputation management system. To analyze effect of the reputation management system, we develop a C2C market platform and experiment on virtual transactions. We find that the reputation management system can promote cooperative behavior in online C2C markets.
著者
塚本 亭治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.p237-244, 1977-03-15
被引用文献数
1

A technique named 'program stacking' is introduced and its applications are described. The techique pushis programs into parallel stacks, transfers control to them, and pops them up when completed their execution. The concept of program stacking extends 'execute instruction' to a program. Programs are protected and executed in parallel stacks. Therefore, this technique enable seven a program with program modification to be reentrant of recursive.
著者
大西 啓介 加藤誠巳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.970-979, 1992-07-15
被引用文献数
4

近年パーソナルコンピニータ等の情報機器の高速化および高機能化が進むと共に地図データベースが整備されつつあるこのような状況の下で自動車に対し適切な経路を探索・提供するシステムが望まれているが未だ実用には至っていない道路網における経路案内では 時間的に早く行けること 分かりやすいことが重要な要因となると考えられるが このためには交差点における右左折等のコストを加味して経路探索を行う必要がある本論文ではこのような交差点における右左折等のコストを導入するための道路網ネットワークのデータ構造について述べ このデータ構造を用いて任意の出発点から任意の目的点に至る第K番目までの最小コスト経路を探索する手法を与えているまた実用的観点から代替経路として使用し得ると考えられる第左番目までの有効代替経路の定義と探索法についても述べている本論文ではさらにここで示した経路探索の手法を首都圏都心部の道路網ネットワークに適用し 複数個の有効代替経路を探索し 得られた結果を地図 文章 画像 音声等のマルチメディアを用いて案内するシステムの概要についても述べている
著者
杉田敢 山下徹 水本旭洋 玉井森彦 安本慶一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.7, pp.1-7, 2014-03-07

近年,食生活の乱れが生活習慣病の要因の一つとして問題になっている.食生活の乱れは,人間が食事を行うのに適した時間や量を正しく認識できない事に原因がある.そこで食生活の乱れを抑制する方法として,人間の感覚的状態の一つである空腹感の推定による適時・適量の食事推薦が,この問題の軽減に役立つ可能性がある.しかし一般的に,感覚的な状態の推定は生体を傷つけて行う侵襲的測定や,専門的または高価な機器が必要であるためユーザへの負担が大きい.そのため,侵襲的ではない方法により,定量的な空腹感の度合い 「空腹度」 を推定できることが望ましい.本稿では,空腹度と血糖値との間に密接な関係があることに着目し,(1) 食事および行動情報からの血糖値の推定,(2) 血糖値から空腹度の推定,の 2 段階構成の推定モデルを構築する手法を提案する.この空腹度推定モデルにおける推定血糖値と実際の血糖値,推定血糖値と空腹度との関連性を調査するため,血糖値および生活行動の記録,およびそれらを空腹度推定モデルに適用する実験を行った.その結果,実際の血糖値と推定血糖値の推移,推定血糖値と空腹感との間には強い正の相関が確認できた.In recent years, disturbance of diet has become a problem in many countries. Disturbance of diet is caused by the fact that people are not so conscious of appropriate time to eat meals as well as appropriate amounts of the meals. Accordingly, estimating the hunger feeling which is one of the human sensory states may help alleviating this problem. However, estimation of human sensory states often requires invasive measurement by injuring human body with a special and expensive device. In this paper, we propose a method for estimating hunger degree of a user at arbitrary time from the information of meals and exercises that the user has taken. We construct the hunger degree estimation model consisting of two steps: (1) the blood glucose level from meal and exercise information and (2) the hunger degree from the blood glucose level. To evaluate the proposed method, we measured the blood glucose level of a subject at some points of time as well as the user's meal and exercise information, and applied the measured data to our proposed estimation model. As a result, we observed a strong correlation between the measured and the estimated blood glucose level and between the subjective and the estimated hunger degree.
著者
垣内 正年 森島 直人 砂原 秀樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.9, pp.89-94, 2004-01-30

筆者らはルータにおける複雑なポリシを反映するパケット分類の問題に対し,KUPFアーキテクチャを提案・実装してきた.KUPFアーキテクチャのモデルは,パラメータフィルタをポリシ非依存の第1ステージとポリシ依存の第2ステージの2段階に分割する.KUPF KUPF-VRはこの2段階処理のモデルをそのまま実装しているため,2段階処理は処理速度低下の原因の1つとなっている.本稿では,第1ステージにおけるポリシ依存処理の先読み実行による,パラメータフィルタの高速化を提案する.本提案は,KUPF-VRの検索木の各ノードがその下位ノードのポリシ条件を保持することで,検索木の探索中にポリシ依存処理を可能とした.これにより,ポリシに適合しない部分木を検索対象から除くことで,検索処理の効率化を図った.We have proposed and implemented KUPF architecture to expose and resolve problem of packets classification which reflects complicated policy on routers. The model of this architecture divides parameter filter into two stages: the first stage which depends on no policies and the second stage which depends on policies. We implemented KUPF and KUPF-VR based on 2-phase selection strictly, and this selection causes processing speed fall. In this paper, we propose an improvement method in the speed of parameter filter by pre-scanning policy. Our proposal makes each node of search tree on KUPF-VR store conditions of policy for lower nodes, in order to take policy during searching tree. We excluded subtrees which don't agree with policy from targets of search, and the search becomes efficient.
著者
村上 純 田所 嘉昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.8, pp.1675-1681, 1993-08-15
被引用文献数
1

入力信号系列がいくつかの正弦波と付加的な白色雑音により構成されている場合に、雑音成分を低減する処理は、ディジタル信号処理の主要な目的の一つである。その手法の一つに、対象とする系のテプリッツ形線形予測モデルを構成して、より低いランクのテプリッツ形近似行列を計算する手法がある。近似行列が求まれば、雑音成分を低減した信号が再現される。具体的な計算方法は、特異値分解(SVD)を利用したWilkesらの方法が一般的に用いられている。しかし、この方法は、SVDを何度も計算するので、かなり計算時間がかかる。そこで我々は、同様な近似行列を計算する、より高速なアルゴリズムを開発した、本手法は、周波数艦定でよく用いられる相関行列を、離散フーリエ変換の回転因子から成るベクトルの積で近似する事法を応用したものである。計算の高速化のためには、固有値計算の一手法であるブロックベき乗法を利用して、すべての特異値を近似的に一度で求めるようにした。
著者
白田 由香利
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.71, pp.1-8, 2003-07-16
被引用文献数
2

本稿では,e-Learningシステムにおいて学習者の学習履歴データをデータマイニングする場合どのような相関ルールが抽出されるべきであるか、を考察する.e-Learningシステムにおいて学習者がシステムの提示したドリル問題に対して不正解であった場合、システムは学習者の状況を、データマイニングによって発見されている相関ルールを用いて判断したい.そのためには予め、有益な相関ルールを膨大な学習履歴データベースからデータマイニングで抽出しておくことが必要である.本論文では、個々の学習キーワードが単独で出現するドリルであれば解けるのであるが、学習キーワードが複合化して出現した場合にはドリルが解けなくなる、という状況を発見するために有効な相関ルールとはどのように定義すべきであるか、について考察する.我々の提案する設定問題は、従来のデータマイニングのバスケット解析などとは本質的に異なり、新たな抽出技法が必要となる.その技法について考察する.In the paper, we discuss which kind of association rules are effective for the data mining on an e-Learning system learner's learning transaction database. The data mining system, in advance, finds effective association rules from the learning transaction database. By using the association rules, the e-learning system detects the learner's stalled and analyses its reasons. In particular, the stalled situation in which the learner understands individual keywords separately but the learner cannot solve a problem that involves comound keywords is the target of our study. Our proposed problem is differnt from the exixting assocoation rules for market basket analysis problem. Then the new solving methods are required. In this paper, the methods are also discussed.
著者
四方 順司 渡邉 洋平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.260-267, 2014-02-15

現代暗号理論における安全性は,主に計算量理論的安全性(計算量的安全性)と情報理論的安全性(情報量的安全性)に大別される.情報理論的安全性に基づいた暗号技術では,攻撃者が知りえない情報量を担保にして情報理論的あるいは確率論的立場から安全性を保証し,攻撃者の計算能力が無制限であっても安全性を達成できる.本稿では,情報理論的安全性に基づいた暗号基礎技術(暗号化,認証技術)について解説する.一般に,情報理論的安全性を保証するためには,この分野特有のモデルや仮定を必要とするが,それに関しても本稿で概観し,実用的・応用的な観点からの研究動向についても紹介する.
著者
佐多 恵悟 松山 開 坂口 裕一 中山 茂 小野 智司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.84-93, 2014-03-28

近年,Span Programに基づく論理式評価の量子アルゴリズム(Span-Program-based Quantum Algorithm: SPQA)が注目されている.SPQAに適した量子クエリ計算量が少ない最適なSpan Programの導出は,一般的な手法が見つかっておらず,対象となる論理式ごとに専門家が試行錯誤的に導出している.特に,入力ビットが多い論理式では行列の要素数が指数関数的に増加するため,導出が困難である.本研究では,量子クエリ計算量が少ない最適なSpan Programの導出を最適化問題として定式化し,進化計算を用いて近似解を導出する手法を提案する.In recent years, Span-Program-based Quantum Algorithm (SPQA) for evaluating Boolean formulas has been paid attention. However there has been no general method to derive optimal span program, which make the quantum query complexity of SPQA the least, and only professionals can derive for each formula through trial and error. Especially, it is difficult to derive span program for a formula with many input bits because number of elements of its matrix will increase exponentially. This paper proposes a method for optimal span program derivation, which formulates the problem as an optimization problem and solves it by evolutionary computation.
著者
川崎 涼 西村 治道
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.12, pp.1-8, 2014-06-06

Gharibian, Kempe [ICALP2012] は局所ハミルトニアンの冗長性に関する問題 QIRR を導入した.この問題は,局所ハミルトニアンの和が与えられたときにエネルギー期待値の条件を満たした部分和が存在するかを問う問題である.彼らはこの問題が cq-Σp2 困難であることを証明したが,その完全性を示すことはなかった.本論文ではまず,局所ハミルトニアンに関する計算複雑さの高い問題から QIRR への帰着を与え,QIRR が cq-Σp2 に属さない証拠を与える.その後,より適切な形で局所ハミルトニアンの冗長性に関する問題を定義し,再定式化した問題が cq-Σp2 完全であることを示す.Gharibian and Kempe [ICALP2012] introduced a problem on irredundancy of local Hamiltonians, named as QIRR, which asks whether, given a sum of local Hamilitonians, there is a partial sum preserving a given energy constraint. They showed that QIRR is hard for the class cq-Σp2(a quantum analogue of Σp2 ), while they did not show cq-Σp2-completeness. In this paper we first show that QIRR is reduced from some problem that seems too hard to show cq-Σp2-completeness. Then, we introduce another problem on irredundancy of local Hamiltonians in a more suitable form, and show that the problem is cq-Σp2-complete.
著者
中西 裕陽 富田 悦次 若月 光夫 西野 哲朗
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.14, pp.1-8, 2014-06-06

NP 完全である最大クリーク問題に対し,"節点数 n≧1 のグラフにおいて,グラフ中の任意の隣接 2 節点 vi,vj∈V, (vi,vj)∈E が min{deg(vi), deg(vj)}≦3.486d lg n (d ≧0: 定数) を満たすならば,最大クリーク問題は O(n2+max{d,1}) 時間で解決可能である." ことを示す.これは,先に発表した結果 (信学論 (D),vol.J97-D,no.6,June 2014) の定量的改良である.This paper presents a further improved extended result for polynomial-time solvability of the maximum clique problem, that is: for any adjacent pair of vertices p and q where the degree of p is less than or equal to that of q in a graph with n vertices, if the degree of p is less than or equal to 3.486d lg n (d≧0: a constant), then the maximum clique problem is solvable in the polynomial time of O(n2+max{d,1}). This result is obtained by more detailed analysis and the corresponding detailed algorithm.
著者
西村 治道
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.682-688, 2014-06-15

Shorが整数の素因数分解に対する多項式時間量子アルゴリズムを発見して20年,この間に量子計算の理論は量子情報科学の分野の中核をなす理論として大きく進展した.本稿では,量子計算を理解する上で必要な量子力学の基礎概念や,量子計算の計算モデル,およびその基本原理を紹介する.加えて計算量という観点からの量子計算と古典計算の違いについて述べる.
著者
阪東幸二 芝公仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.11, pp.1-8, 2014-05-07

MapReduce では,データ処理を複数の Map タスクと Reduce タスクに分割し,各ノードに分散して並列に処理を行う.Reduce タスクは Map タスクによって出力されたデータを入力とするため,他のノードからネットワークを介したデータのコピーが必要となる.このときのコピーするデータ量を削減することで,効率的に処理することができる.Hadoop MapReduce における Reduce タスクの割り当ては,他のノードからコピーする通信データ量を考慮していない.本稿では,各ノードが格納する Map タスクの出力データ量を取得し,通信データ量を考慮した Reduce タスクの割り当てを行う手法について述べる.本手法によって,クラスタ全体での通信データ量を削減し,効率的にタスクを処理することが可能になる.