著者
藤村 直美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.602-605, 2014-05-15

大学の情報学習環境としてのホスト計算機と専用端末からサーバとパソコン,パソコンだけへという設備の変遷,Web教材の導入や授業の録画の公開などによる教材の提供方法の変化とOCW (Open-CourseWare)とのかかわり,何時でも,何処でも,自分のペースで学習できるための学生PC必携化の導入とそれに関連した活動や現状,九州大学が今後の教育を見据えて設置した教材開発センターの紹介,最後に今後盛んになると推測されるMOOC (Massive Open Online Course) の現状と問題点などを述べている.
著者
長嶋 洋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.71, pp.39-44, 1994-08-06
被引用文献数
10 3

Computer Musicのマルチメディア・パフォーマンス作品として、1993年から1994年にかけて実験的に作曲された2つの作品について、理論的考察、音楽的コンセプト、作品創造の過程等について報告する。第一の作品は、ICMC1993の関連イベントである「芸術と知識工学に関する国際ワークショップ」と「神戸国際現代音楽祭'93」で発表された"CIS(aotic Interaction Sh)"であり、第二の作品は音楽情報科学研究会と共に開催の「眼と耳の対位法」で発表された"Muromachi"である。いずれの作品も「Computer Music:長嶋洋一、Computer Graphics:由良泰人」という、音楽と映像のコラボレーションとして実現されたリアルタイム・インタラクティブな構成をもつが、パフォーマーによる進行の駆動形態はまったく逆のコンセプトをとった。また音楽の部分では、カオス理論を適用したアルゴリズム作曲の手法を用いて、演奏のたびに異なる音楽となるように作曲されている。This paper describes two experimental compositions of computer music with multi media technology. One is "CIS (Chaotic Interaction Show)" which is performed at IAKTA (International Association for Knowledge Technology in the Art) Workshop and Kobe International Modern Music Festival '93, and the other is "Muromachi" which is performed at "Kontrapunkt fur Augen und Ohren" in Kyoto. Both compositions are produced by Yoichi Nagashima (Computer Music) and Yasuto Yura (Computer Graphics), and are performed interactively in real-time. The music is composed with chaotic concept and algorithmic composition technique.
著者
村井 祐一 番匠 一雅 山本 和弥 野田 健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.68, pp.1-8, 1995-07-20
被引用文献数
1

野球のピッチャーが投げ,バッター方向に飛来するボールの映像を2台のTVカメラでステレオ観測し,ボールの時々刻々の空間位置の精密計測,ボールのバッター平面到達位置の予測,ロボット捕球,ロボット打球等の高度処理をさせる技術のアルゴリズムを開発した.従来技術の飛球速度計測,ストライクやボールの判定から踏み出して,カーブやシュート,落ちる球や浮き上がる球などの変化球に対する詳細かつ正確な飛跡の客観的計測データを得たり,ロボットキャッチャーによる捕球,ロボットバッターによる打球をも可能とした.ボールを構成している画素の連続性に基づくボール中心点決定方法,ボール到達座標予測を使用してボール探索領域の限定を行うアルゴリズムなどを考案し,各種ボール到達位置予測アルゴリズムの実験および比較検討による最適方式の決定を行った.さらに連続して得られた3次元ボール移動軌跡からボール最終到達点の予測を行い広汎な環境条件において,投手が投げたボールを追跡し,到達点を予測するシステムのアルゴリズムを開発し,実験によって動作の確認が得られたので報告する.Pursuiting algorithm of linear prediction and a color grade stressed integration for a flying baseball image is utilized to real-time measuremet of its trajectory. After the ball image of video screen on each TV monitor of stereo cameras is enhanced by cancelling background scene image in specified limited area, the true ball image is searched on the screen and their coordinates are located. In searching process, searching area on the TV screen area is limited within less than one thousandth of the TV screen area at the least, by using the linear prediction. Ball arriving point forecast algorithm on batter plane are experimentally demonstrated by usin parabolic equation approximation, and forecast accuracy less than a few millimeters is estimated.
著者
脇田 早紀子 奥村 薫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.79, pp.135-142, 1993-09-16
被引用文献数
2

日本語の場合、単純に見えるタイプミスでも機械に発見させようとするとけっこう難しい。タイプミスを検出するには、形態素解析を行いその失敗箇所を警告する方法が一般的だが、誤り文でも形態素解析ができてしまうことが多いので、この方法だけでは不十分である。本研究は、「形態素解析失敗」では発見できないミスタイプ文を発見することを目的としている。ミスタイプ文の特徴を記述した検出ルールの原型と、それを実用レベルにまで高めるために必要な修正作業について述べる。It is hard to make useful Japanese spell-checker. General way to detect typographical error is to regard failure of morphological analysis as the indicator of error position, but it's not perfect. In this paper, we propose rules to detect typographical error which can't be detected by the general method.
著者
青山 智夫 井須 芳美 長嶋 雲兵
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.118, pp.13-18, 1995-12-11
被引用文献数
1

階層型ニューラルネットワークと関数の巡回表現を用いて時系列現象の予想を行った.この方法は,離散化した関数を小区間に分解し.その部分断片を組み合わせて外挿時の関数の形を予想する.断片の中に関数の将来の形と同じものが存在すれば精度良く予想できる,同じ断片がない場合,小区間の学習から元関数の近似関数がネットワーク内に構成できれば(この可能性は低くない)精度良く予想できる.Extrapolations for time-dependent phenomena are studied on use of multi-layered-neural-networks and recurrent representations of functions. Adopted theories are based on principles which the function can be constructed of many vectorized-fragments, and the fragments can be related to a set, which is a representation for an extrapolated-part of the function.
著者
小谷 裕基 伊野 文彦 萩原 兼一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.106, pp.37-42, 2006-10-06

本稿では,GPUグリッドにおける遊休資源の定義を示し,資源選択手法を提案する.ここでGPUグリッドとは,GPUを装備するPCを計算資源とするデスクトップグリッドを指し,GPUを用いる大規模な汎用計算処理の実現を目的とする.定義は次の2つの観点に基づいて実験的に定める.(1)資源所有者への外乱を最小化すること,および(2)グリッドユーザへ提供する演算性能を最大化すること.提案手法は低オーバヘッドで遊休GPUを検出することを目的として,スクリーンセーバを基とし,資源のVRAM便用量およびCPU使用率を調べる.また,ベンチマークおよびマッチメイキングを組み合わせることで資源選択を実現する.実験の結果,遊休資源の定義が妥当であることを示せた.また,高々262ミリ秒の低オーバヘッドで遊休資源を検出できた.This paper presents a resource selection method and shows a definition of idle resources for the GPU Grid. The GPU grid here consists of desktop computers at home and the office, utilizing idle GPUs and CPUs as computational engines for GPGPU applications. We experimentally define the idle state that minimizes interference to resource owners and maximizes application performance provided to grid users. Our method is based on a screensaver-based approach with low overhead sensors. The sensors detect idle GPUs by checking video random access memory (VRAM) usage and CPU usage on each computer. Detected resources are then selected according to a matchmaking framework and benchmark results. The experimental results show that the definition is reasonable. We also find that our method achieves a low overhead of at most 262 ms, minimizing interference to resource owners.
著者
高橋 佳吾 西本 卓也 嵯峨山 茂樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.61-66, 2003-12-21
参考文献数
8
被引用文献数
9 7

本報告では、多重音のモノラル音響信号の基本周波数を連続的な分布として出力する手法(Specmurt法)を提案する。多重音を構成する各音が共通した周波構造パターン(高調波成分間の強度比パターン)のスペクトルを持つ場合、対数周波数軸上では、これらの互いの関係は、同一の倍音パターン形状を平行移動した関係となる。これは、多重音の基本周波数の分布と共通調波構造パターンとの対数周波数軸上の畳み込みと解釈でき、基本周波数分布を人力、共通調波構造パターンをインパルス応答とした線形系の出力と考えることができる。共通調波構造パターンを仮定して、対数周波数領域に対するフーリエ領域で除算を用いて逆畳み込みを行えば、基本周波数を連続分布として求めることができる。その結果を濃淡表示すれば、スペクトログラムに似た基本周波数分布表示が得られる。実験を通して、基本的な理論を検証し、実際の音楽信号に適用し、効果を確認した。
著者
湯川 崇 海賀 孝明 長瀬 一男 玉本 英夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.2873-2880, 2000-10-15
参考文献数
10
被引用文献数
23

本論文では,モーションキャプチャリングシステムにより収集した人間の動きのデータ(動作データ)を動作素材として再利用するための手法を提案し,その手法を用いた身体動作記述システムMoCompについて述べる.動作データを標準化した後に,その動作データが含む区切ることのできる1つの動作を人間の身体の部位に分割する.分割した動作データに一意な符号を割り当てたものを舞踊符と呼び,データベース化して再利用可能にする.舞踊符を組み合わせることで,新しい一連の動作を記述することができるが,その舞踊符の組合せを舞踊譜と呼ぶ.MoCompは,動作データベース,動作コンポーザ,および動作ジェネレータから構成される.MoCompにより,GUIによる舞踊譜の作成,および舞踊譜に含まれる舞踊符の組合せによる人間の動作データの生成を可能にする.実験により,本システムが動作の記録・生成のための有効な手法となる可能性を示す.This paper describes 1) a method to make motion capturing databe reusable as motion materials, and 2) a human motion description system (MoComp) we developed using this method.After normalizing motion capturing data, they are partitioned in terms of a motion we consider to have a specific meaning and then in terms of human body components.Each partitioned data is named uniquely and is called a dancing note (Buyo-fu).We try to organize dancing notes as a data base and then to make them be reusable.A series of motion that is expressed by combining dancing notes is called a dancing score.The MoComp is constructed of a motion database, a motion composer and a motion generator.The MoComp makes it possible that we easily compose a dancing score by means of a GUI environment and we generate realistic human motion data by synthesizing dancing notes included in a dancing score.An experiment we made shows that this system proves to be a good candidate of an effective method for recording and generating human motion.
著者
伏見 卓恭 斉藤 和巳 池田 哲夫 風間 一洋
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.137-146, 2013-08-21

本稿では,情報の発信や受信,片思いや両想いなどリンクの向きとして表れるノードの役割に着目し,有向ネットワークから機能的に類似するノード群で構成される機能コミュニティを抽出する手法を提案する.提案法の有効性を検証するとともに,無向化したネットワークに対する結果と比較し違いを分析する.また,ネットワークの局所的なリンク構造を分析するネットワークモチーフを用いた手法とも比較する.複数のネットワークを用いた評価実験から,無向化したネットワークに対する分析やモチーフを用いた手法では抽出できないノードの機能を,提案手法では抽出できることを示す.さらに,提案法におけるPageRank計算時の大域ジャンプ確率の大小が処理結果を左右するため,実ネットワークを用いて本手法に最適な大域ジャンプ確率を検討する.評価実験より,大域ジャンプ確率をα≃0 にすると,有向ネットワーク内のノード群が有する多様な機能によるコミュニティ抽出結果が得られることも示す.In this paper, in order to detect nodes' functions such as sending/receiving information, one-way/bidirectional relationships and so forth, we propose a method for extracting communities each of which consists of functionally similar nodes from directed networks. We confirm effectiveness and usefulness of our proposed method in comparison with two methods, a standard functional community extraction method intended for undirected networks and a method based on network motif analysis which reveals local link structures. From our experimental results using artificial and real networks, we show that our method can extract some reasonable functional communities which can not be extracted by two comparison methods. We also analyze the values of global jump probabilities which affect the results of community extraction in the PageRank calculation step of our proposed method. We show that, when we set the values of global jump probabilities as α≃0, then, we can obtain reasonable communities by various function of nodes from our experiments.
著者
岡村 真吾 寺西 裕一 秋山 豊和 馬場 健一 中野 博隆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DPS,マルチメディア通信と分散処理研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.126, pp.67-72, 2006-03-16
参考文献数
3
被引用文献数
4

大阪大学では、多くの学内システムを統合的かつ安全に機能させるため、全学にわたる公開鍵認証基盤(キャンパスPKI)を構築する計画を進めている。公開鍵暗号を用いた認証を行なうことで、パスワードによる認証において問題となるパスワード解読の脅威に対する耐性を高めることができる。キャンパスPKIを構築するにあたり、ユーザ公開鍵・秘密鍵の管理方法や認証局の運用形態といったPKIの運用方法や、Webシングルサインオンや計算機ログイン認証といったPKIを利用したアプリケーションについての検討を行った。本稿では、それらの検討内容や構築中のキャンパスPKIの構成について述べる。
著者
森永 泰彦 長尾 征洋 佐野 充
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.24, pp.1-7, 2014-06-18

本論では,多品種の製品の受注生産している中小企業におけるフレキシブルジョブショップスケジューリング問題 (FJSP) の最適化について述べる.問題の目的関数には重み付けした納期遅れと段取り者の負荷の平準化を組み入れ,最適化手法としては島モデルを組み入れた Genetic Algorithm(GA) を開発し,実在する受注生産型の中小企業の生産データを用いて研究を行った.開発した GA の解と納期のみを優先させる EDD(Earliest due date) などのスケジュールによって得た値とを比較し,本手法の有効性を確認した.また,この手法を用いて実在する企業に発生すると考えられるリスク (段取り者の離脱や顧客からの過度な納期短縮要求) とその対策のための投資に関する数値実験を行い,リスクの影響と対策の効果を定量的に評価できることを確認した.本手法は他の目的関数も織り込むことが可能であるので様々な形態の製品やサービスの受注型中小企業の客観的経営判断に寄与できると考えられる.This paper describes the optimization of flexible job-shop scheduling problem (FJSP) in small and medium-sized companies with make-to-order (MTO) manufacturing many kinds of products. Incorporating weighted tardiness and set-up worker load balance to the objective function of the problem, we develop Genetic Algorithm (GA) using island model and a study of production data in real world make-to-order manufacturing type small business. Comparing the solutions by developed GA with the values obtained by prioritizing due date alone schedule such as EDD (Earliest due date), we confirm the effectiveness of the proposed method. In addition, we conduct numerical experiments on risk, which is general in the enterprise, and countermeasures by using this technique, and confirm that it is possible to quantitatively evaluate the effects. We suggest that the proposed method has potential to contribute to the business judgment in the make-to-order type small business with products and services by incorporating other objective functions
著者
内田眞司 山本舜 里中健太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.295-297, 2013-03-06

本稿では,UMLを含む成果物のレビューを目的としたソフトウェアオーバーホール手法とその環境を提案する.従来提案されているレビュー手法はテキストベースの成果物を対象としており,UMLのようなモデリング手法で記述された成果物に対する体系的なレビュー手法は提案されていない.ソフトウェアオーバーホール手法は作業者がソフトウェアを理解するプロセスを計測する手法で,分解されたコンポーネントを元通りに再統合する作業である.この一連の作業が深層的なレビュー手法となり,UMLに潜在的に含まれるバグを浮き彫りにする.試作したオーバーホールツールの適用実験を通して,提案手法の有用性を評価する.
著者
広瀬 雄二 大駒 誠一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.96, pp.25-30, 2004-09-24
被引用文献数
1

この数年でUBE(Unsolicited Bulk Email)いわゆるspamは脅威的な増加の一途をたどり,それに対処するための計算機資源,ネットワーク資源の多くが浪費されている.それらに対抗する目的で電子メイル本文を走査し,統計的手法に基づいて不要と予想されるものをふるい落とす「spamフィルタ」が数多く研究・開発され,既に欠かせないもとのしての認識も高まっている.そのいっぽうで,要らないメイルに対してspamフィルタをかける計算機負荷や,一度本文を受け取ってしまうと送信者から見たら送信成功と思われてしまう問題が存在する.本稿ではメイルの送信者のSMTPセッション時の情報だけを元に,メイル本文を見ることなく即座に受信拒否を行なう手法を提案する.さらに,MTAの種類に依らずその手法を実現する SMTP wrapperを実装して実際に運用した結果を示す.We receive excessively high amount of UBE(Unsolicited Bulk Email), so called spam, in these years. Many researchers have contrived 'spam filter' which scans the body of email and decides whether it is spam or not by statistical analysis. However, it becomes problem that those unnecessary computing load is raising and that receiving message body for analyzing let spammers assume they succeeded in sending spam. In this paper, we propose an SMTP wrapper which rejects unsolicited emails by SMTP session parameters without seeing message body, and also report the practical performance of its implementation, 'antibadmail', which is generic MTA wrapper specialized in bad mail rejection.
著者
岩田 陽子 加藤 直樹 中川 正樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CE,[コンピュータと教育] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.33-40, 2002-12-13
参考文献数
5
被引用文献数
7 7

本稿では,遠隔地の生徒が電子ペンまたはタブレットPCを使って,先生が板書を行う電子白板と共有している描写画面に書き込みを行うことができるリアルタイムの遠隔授業システムについて述べる.遠隔地の生徒のディスプレイ上では,先生の代わりに先生用アバタを表示する.また,遠隔地の生徒が書き込みを行っているときには,電子白板と遠隔地の他生徒のディスプレイ上に生徒用アバタを表示する.これらのアバタにより,生徒の注意を筆記動作に向けさせることができる.遠隔地の生徒が筆記内容を電子白板側に送り,アバタによって授業に参加できることは,このシステムを使用した人達から好評を得た.今後の課題としては,実際の教育現場で評価を行う必要がある.
著者
水上 貴晶 早矢仕 拓也 五十里 秀人 菱田 隆彰 水野 忠則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.48, pp.1-8, 2014-03-07

既存の観光アプリケーションは観光地に対する個人の口コミ情報を収集し,観光地の紹介を行い,観光者に対して効果的な観光行動の促進を狙っている.しかし,観光地への口コミの収集,紹介は著名な場所に限られており,このままでは認知度の低い観光地はますます衰退して行く一方である.また近年,食の安全が問題になっている事で,ますます安心安全,地産地消の観点から農産物直売所を訪れる人が多くなっており,農産物直売所がひとつの観光地として成り立ちつつあることにも着目した.そこで我々は,農産を活用することにより効果的に観光者に対して観光場所や農産物直売所の提示を行うアプリケーションを提案するし,農産活用型観光誘導アプリ COMAT(Citizens coOperation MApping for Toyota) を開発した.COMAT は,既存の観光アプリケーションとは違い,観光者に観光地情報,農産物直売所情報を提示することで,観光地に訪れた人は農産物直売所を,農産物直売所を訪れた人には観光地情報が得られる.観光地と農産物直売所を効果的に提示する事により観光者の行動範囲の増加と新たな観光場所の認知を狙うといった特徴がある.COMAT により観光者の行動範囲の増加と,観光地や農産物直売所へ効果的に観光者を誘導できるきっかけを与えることを目指している.
著者
小川 開 杉本 祐介 内藤 克浩 菱田 隆彰 水野 忠則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.14, pp.1-6, 2014-05-08

近年、スマートフォン,タブレット型端末の登場により、人々の生活をもとにした、巨大なデータが蓄積可能となってきている。また、口コミ情報の投稿や位置情報の取得も容易である。しかし、現在存在する一般的なサービスでは、口コミ情報そのものを掲示し利用している。口コミ情報を解析することで、レコメンドに活かせるのではないかと考え、本研究の目的である特徴語を抽出しレコメンドに使用する方式を提案する。口コミ情報から特徴語を抽出することで、観光地毎の特徴が見えてくる。そのため、ある観光地特有の要素の発見につながり、今までユーザの目にあまり映らなかった、観光地にもスポットが当てられるのではないかと考える。結果過疎化の進んでいる観光地の救済にもつながるのではないかと考え、本研究を提案する。
著者
片山 薫 香川 修見 神谷 泰宏 對馬 英樹 吉廣 卓哉 上林彌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.2837-2845, 1998-10-15
被引用文献数
17

遠隔講義システムにおいて,記録された講義の検索をサポートすることは重要である.それによって学生が講義の必要な部分だけを復習したり,教師が過去の講義をより簡単に再利用したりすることができる.講義はマルチメディア教材を作成する過程であると見ることができるが,一般にマルチメディアデータの検索は困難である.画像認識技術や音声認識技術を利用して信頼性の高い索引を生成することはまだ容易ではない.我々はこれらの直接的なアプローチとは異なり,マルチメディアデータが作成される過程(講義)で同期をとって結び付けられる,より検索しやすいデータ〔スライドに含まれるテキスト,ペンやポインタ,キーボードなどの入力装置からのイベント情報(動作履歴と呼ぶ)など〕を利用する.これまでの講義システムでは,講義のビデオを結び付けられたスライド(教材)やノートの単位でしか検索することができなかった.我々のシステムでは,テキストデータに対する文字列検索や動作履歴の検索,ビデオの早送りや巻き戻しなど,これら多様なデータのそれぞれに検索機能を提供しそれを組み合わせることによってより柔軟な検索機能を実現する.また,講義中の雑談部分を検索したり,教材をスライドより詳細なブロック(教材の意味的な単位)の単位で検索できるようにするためのユーザインタフェースも提供する.Support of searching recorded lectures is important in distance education systems because students review parts of lectures they need and teachers reuse their past lectures easily.We view lecturing as a process of making multimedia teaching materials.It is difficult to search multimedia data in general.Although automatic scene analysis and speech recognition are very popular among researchers,it is still not easy to form reliable index.Our approach is different from these ways of searching multimedia data directly.We use information which are connected to continuous media such as video and audio with synchronous constraints during lectures,that is,texts contained in slides,sequences of events of pens and pointers(called Action History) and so on.In conventional systems search of lectures is supported only in a unit of slides or annotations.Our system provides a flexible search mechanism by combining search functions for various recorded information,for example,string for texts,a search function for action histories,fast forward and rewind of video and so on.User interfaces are also provided to enable users to search lectures for idle talk or search them in a unit of blocks which are semantic units of slided.
著者
篠田 浩一 渡辺 隆夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. SLP, 音声言語情報処理 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.75-81, 1996-12-12
参考文献数
10
被引用文献数
4

近年,隠れマルコフモデル(HMM)を用いた大語葉音声認識システムにおいて,コンテキスト依存サブワード単位がしばしば用いられてきた.その場合すべての認識単位のパラメータを十分な精度で学習するためには,一般に学習データ量が不足しているため,これらのシステムのほとんどは,モデルの自由度を下げるために様々な方法でパラメータのクラスタリングを行なっている.しかしながら,これらのクラスタリングの手法は停止基準を内包していなかった.本稿では,情報量基準の1つであるMDL基準を停止基準として用いる方法を提案する.評価実験の結果,提案法は少ない計算量で従来の発見的な方法と同等以上の性能をもつことが明らかになった.
著者
飯田 周作 飯田 千代 清藤武暢 佐藤 創
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.13, pp.57-64, 2008-02-16
被引用文献数
4

アルゴリズム教育は,情報系の学部における重要なトピックスである。しかし,同時に学生の理解に大きな個人差が見られ,ミニマムエッセンシャルズとしてのアルゴリズム教育とは何かという難しい問いに直面している。本報告では,専修大学ネットワーク情報学部における「アルゴリズム的思考法」という科目で行ってきた教育を分析することにより,アルゴリズム的思考法を育成するための教育方法を提案する。At departments of Universities related to computer or information technologies, teaching algorithm is still an important topic. However, there are big dirrerences in the levels of understanding among the students. So, it is important to know what is the essential and minimum part in teaching algorithm. In this article, we analyze student behavior in a subject called "Algorithmic Thinking Style"and propose a new teaching method for algorithm education.
著者
大江 篤 久禮 旦雄 久留 島元
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.7, pp.1-4, 2014-07-26

地域に根差した伝承を採集し集積することは,柳田國男によって提唱された日本民俗学のおおきな課題のひとつである.しかし多くの場合,集積されたデータは専門の研究者たちによって活用され,地域住民自身によるアクセスは困難である.本データベースは兵庫県尼崎市における怪異・妖怪等フシギなコトやモノにまつわる伝説,伝承の一覧をめざすが,その際,データベース作成者のバイアスにより原資料の表現,認識が変わってしまう危険性を指摘する.そのうえでデータベースを地域資源のひとつに位置づけ,一般の地域住民にも確実な原資料へアクセスできるかたちでの公開について報告する.Collecting and accumulating regional folk tales is one of the major themes Kunio Yanagita has proposed for Japanese Folklore. In many cases, however, accumulated database is utilized by only specific researchers. Local residents are difficult to access to the database. We are aiming to list the legends and lore of mysterious presences and strange incidents, known as "Yokai " and "Kaii" in Amagasaki, Hyogo prefecture. But we here point out that expression of recognition of original material may be endangered to the changes possibly caused by prejudice of producers who made the database. Recognizing the danger, we evaluate the database as one of the valuable regional resources. And we'd like to propose the certain way opening the original resources to regional people.