著者
白土 保 井佐原 均
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.114, pp.115-120, 1996-11-18

待遇表現の計算モデルが提案されている.このモデルでは,それぞれの待遇表現及び語尾に対し,各表現が持つ話し手と聞き手の待遇関係に応じた丁寧さを表す待遇値が一定の確率分布をとり,その確率分布は一次元の正規分布である,と仮定されている.そしてこの仮定に基づき,待遇表現に語尾を付加した際の待遇値の変化量が,付加の際得られる情報量に基づいて定義されている.いくつかの待遇表現,及びそれぞれの待遇表現に語尾を付加した表現の待遇値を心理実験によって求めたところ,語尾の付加による待遇値の変化は提案されたモデルによって予測された傾向に従い,モデルの妥当性が支持された.A computational model for polite expression is presented. In the proposed model, politeness magnitudes corresponding to expressions and ending words are assumed to be distributed in normal distribution. Modification of politeness magnitude on an ending word adding to a polite expression is defined by the amount of information. The result of the psychological experiment support the validity of the model.
著者
岡崎直観 乾健太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.8, pp.1-5, 2014-06-26

単語の意味ベクトルを大規模コーパスから学習するためのツールとして,Mikolov らの手法 [14] を実装した word2vec が注目を浴びている.本論文は,word2vec を複数のプロセッサで並列で動作させた時に学習速度が低下する原因を説明し,これを改善するアルゴリズムを提案する.提案手法は学習で得られる単語ベクトルの質を落とすこと無く,複数のプロセッサを効率よく利用できることを実験的に示す.
著者
一色克将
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.279-281, 2012-03-06

統計翻訳は対訳辞書や文法によらず、翻訳元言語と翻訳先言語の対訳コーパスから得られる統計量に基づいて翻訳を行う手法である。統計翻訳の性能は、翻訳元、翻訳先言語言語の類似性に強く依存することが知られている。古文と現代文は本来同じ言語であるため、共通の単語が多く、語順がほとんど変わらないため、類似度が高いと考えられる。本研究では、この類似度の高さに着目し、古文、現代文に対し統計翻訳を行うことを試み、どの程度古文、現代文対訳コーパスを用いれば十分な性能が達成できるかの確認を行った。
著者
坂野 鋭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.66, pp.41-44, 2003-07-03
被引用文献数
1

本報告は世界各国で推進されている顔画像認証技術標準に関する報告である.9.11以降,顔画像認識技術を含むバイオメトリック個人認証技術は,カウンターテロリズムのためのセキュリティ技術としてにわかに注目を集めているが,共通するプラットフォームがないなどの問題で実用化が遅れている.本報告は,こうした標準化活動のうち精度評価方法にフォーカスし,ISO,INSITSなどの動きを報告し,日本からの提案への助言をお願いする.The article describes the progress of the standardization activities for evaluation methodology about facial image recognition system in this globe. From the impact of 9.11 biometric technology as facial image recognition technology is focused to security technology for counter terrorism. However, the evaluation method of face image recognition system in each system supplier was inconsistent and the standard method for accuracy evaluation was never defined. So consumer needs the standardization of the evaluation method. In this article, we report the standardization activity in ISO and we expect useful discussion for the standardization for proposition for international standard.
著者
坂東 宏和 佐藤仁美輩 大即洋子 馬場 康宏 澤田 伸一 小野 和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.74, pp.41-48, 2006-07-08
被引用文献数
3 1

本稿では,パーソナルコンピュータを活用することにより,幼稚園の先生方の負担軽減,および 遊びの拡張を図ることを目的とした 幼稚園における活動的な遊びを支援するツールの設計と試作について述べる.具体的に,本稿では 従来から保育に取り入れられている遊びの一つである,様々な形で提供されるヒントを基に宝物を探し出す「宝探しゲーム」を支援するツールについて述べる.試作した支援ツールを幼稚園で試用した結果 園児の意欲的な行動や発言が多く見られるとともに,先生方からも好意的な意見を得ることができ,本ツールの有用性が示唆されたと考える.同時に,園児へのヒントの与え方,宝物を隠す場所など,先生方が事前に行う設定に関して,今後検討すべき課題が明らかになった.This paper describes about the design and trial production of a tool for active playtime in preschools, which by applying a personal computer will achieve pressure reduction of preschool teachers and will aim to expand the sphere of playing activity. Tb be specific, this paper describes about the educational supporting tools of the game "treasure hunt", which provides various hints about finding the treasure, often played by the traditional nursery system. The tool produced as an experiment was tried out at a preschool. As a result, there were many motivated, initiative actions and statements from the preschoolers observed. Also we received favorable remarks from the teachers as well. This suggests the usefulness of this tool. At the same time, it was found out problems to be solved when setting beforehand by teachers, for example how to give preschoolers hints and where to hide the treasure.
著者
玄馬 史也 富永 浩之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.3, pp.1-4, 2014-10-04

Leap Motion は,両手のモーション操作を非接触で検知する入力機器であり,様々な応用が試みられている.本論では,機器の応用として,空中ジェスチャ操作によるプレゼンテーションの支援ツール LeaPresen を提案する.MS PowerPoint ファイルを提示資料とするプレゼンテーションにおいて,マウスやレーザーポインタに換わる直感的な操作を提供する.試作版では,スワイプによるページング,片手モーションによるポインティング,一本指モーションによるトレーシング,二本指によるアンダーラインの 4 つの基本的な機能を実現した.今後の改良についても述べる.Leap Motion is a natural user-interface device, which detects motion operation by both hands. It is so useful that many of applications have been developed. In this paper, we propose LeaPresen, which is a support tool for presentation by gesture operation. It offers intuitive operation instead of a mouse and a laser pointer in presentation with a MS PowerPoint file. We realized four fundamental functions in a prototype; paging by swiping operation, pointing by a hand motion, tracing by one finger motion, underlining by two fingers. We also discuss new functions and the revision of the tools as the future work.
著者
西村章宏 土方嘉徳 三輪祥太郎 西田正吾
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.14, pp.1-6, 2014-07-25

マイクロブログサービスの 1 つである Twitter では,その時々で話題になる政治家や芸能人など有名人に関する一般ユーザの発言を豊富に得ることができる.さらに近年では,SNS から得られる評判情報をマーケティングやその他サービスに応用しようという試みが活発に行われている.そこで本研究では,Twitter から得られる評判情報のうち,一般ユーザの有名人に関する発言とその発言を行ったユーザのプロフィール等に着目する.これらの各情報源から得られるデータに対し,抽出の妨げとなるノイズへの前処理を経て,一般ユーザの観点が反映された特徴量であるトピックの抽出を行う.そして得られたトピックの分布を元に人物の類似関係を獲得し,それを基に各人物を平面上に配置することで,人物関係の可視化を行う.この可視化結果に対しては使用した情報源毎に妥当性と発見性に着目して特徴の分析を行う.
著者
関口 博之 英保 茂
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.2827-2837, 1999-06-15
被引用文献数
8

鍵盤楽器の演奏は手と指のダイナミックな動きによって実現される. 手指の動作速度には物理的な限界があるとともに その動作可能範囲と方向は手指の腱 筋肉 骨格構造の制約を受ける. したがって 鍵盤楽器の演奏においては 手指への負担や動作の無駄を抑えた 合理的な手指の動作が求められる. しかし打鍵指の選択や手指動作に対する自由度はきわめて大きく 手本なしに理想的な演奏動作を習得することは難しい. 本研究の目的の1つはこの「理想的」な演奏動作を 直感的に理解可能な3次元動画等を用いて提示することである. ここでは理想的演奏動作を 1. 譜面に忠実な演奏結果が得られること 2. 手指への負担を抑えた動作であること 3. 手指の運動量 (変位・速度・加速度) が最小化されていること の3点をともに高いレベルで満足する動作ととらえ 本稿ではこの演奏動作を生成するアルゴリズムについて述べる. 本研究のもう1つの目的は「人間的」な演奏を計算機上で実現することである. 従来の計算機による演奏は 1音1音を正確に発音する一方 音楽的表現に欠けたものになりがちであった. これは単にテンポや音量に 乱数的な変動を加えるだけでは解決できない. これに対し 提案手法では手指の動作を介して演奏結果を得ているため 人の手指の動作特性を仮想空間内の手オブジェクトに反映させることにより「人が弾いている」ような効果が容易に得られる. これをさらに発展させれば ニュアンス表現をともなった自動演奏も実現可能になると考えられる.The piano performance is realized by the dynamic hand and finger movements, which are constrained due to tihe anatomical components, such as tendons and skeletons. We have developed an algorithm that generates a kind of the optimal movements of hands and fingers at the piano performance. The optimal movements are obtainable by 1) finding the most appropriate finger assignments, 2) finding the smallest hand movement to play, and 3) calculating the finger position and bend angles to attack the key. The appropriate hand and finger movements in piano performance, obtained and shown in understandable 3D animations, will be quite useful for students in piano lesson. Another aim of this research is to realize a humane performance by computer. In this system, the sound is generated as a result of the interaction of fingers and a keyboard in the virtual space. So it is easy to modify the character of performance by changing the physical characteristics of the hand and fingers. This special feature will be useful to prodube mofe realistic (humane) sounds of music than that of the computer music of today.
著者
鈴木 知道
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.20, pp.41-47, 2007-03-05

スポーツやゲームなど様々な競技において,プレーヤーの順位づけを行うにあたって様々なトーナメントが実施されている.競技は,マラソンやボーリングのように競技の結果に対してタイムや採点など個々のプレーヤー(あるいはチーム)ごと数値化が可能な競争や採点競技と,サッカーやレスリングのように1対1の直接対決の結果が得られる対人競技に大別される.本研究は後者を対象とする.トーナメントシステムはトーナメントの規模や期間に依存するが,主要な目的はプレーヤーの競技の結果(成績,出来)に応じて適切な11項位付けを行うことである.多くのトーナメントシステムが提案されているが,それらを的確に評価するのは難しいのが現状である.本研究では,統計的な視点からトーナメントシステムをとらえ,評価するにあたって考慮すべき観点に関する考察を行った.Various tournament systems are run in order to rank the players who participated in a competition of sports or games. There are competitions that all teams or players compete for time or score such as marathon or ski jumping. There are also competitions that teams or players face each other in a match such as soccer or wrestling. In this paper, the latter is considered. The tournament system to be used depends on the size and the period of the competition. In any case, one major objective the tournament is to appropriately rank the players according to the result of the competition. Today, many tournament systems are proposed, yet we do not have the methodology to evaluate their effectiveness. In this paper, various aspects are discussed from statistical point of view on how to evaluate the tournament systems.
著者
川岸基成 川渕将太 宮島千代美 北岡教英 武田一哉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.13, pp.1-6, 2014-02-16

合唱歌唱時に生じる歌声の "引き込み" を利用して歌唱の基本周波数 (F0) を目標とする音高に誘導制御することを試みる.我々はこれまで,他者の歌声を受聴しながら歌唱したときの歌声への影響を歌声の引き込みという観点から分析し,1 つの質点と 2 つのばねで構成されるばね質量系を用いて,歌声の F0 動特性をモデル化した.本稿では,合唱歌唱の F0 動特性を表現するばね質量モデルを利用して歌唱の F0 を制御する手法を提案する.本手法では,合唱歌唱のばね質量モデルに基づき各歌唱者の引き込みの特徴を分析し,引き込みを考慮した誘導音を合成,受聴させることにより,目標音高に近づくように F0 を制御する.評価実験では,目標音高を受聴しながら歌唱した歌声と誘導音高を受聴しながら歌唱した歌声を目標音高との RMSE で評価し,誘導音高を受聴することで被験者 8 人中 5 人の RMSE が減少するという結果を得た.
著者
李晃伸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.129, pp.307-312, 2007-12-21
被引用文献数
7 1

大語彙連続音声認識エンジン Julius は 2007年 12月にバージョン ver. 4 がリリースされた.7年ぶりのメジャーバージョン更新となる ver. 4 では,内部構造のモジュール化およびソースの全面的な再構成が行われ,可搬性と柔軟性が大幅に向上された.その結果,エンジン本体がライブラリ化された他のアプリケーションに組み込めるようになったほか,コールバック・プラグイン等の外部との連携の仕組みが整備され,機能の拡張や構成の変更が容易に行えるようになった.言語モデルも単語 N-gram および文法を単一バイナリで同等に扱えるようになり Julian は Julius に統一された.さらに,複数の言語モデルと音響モデルを任意に組み合わせて,1エンジンで並列認識を行うマルチデコーディングも可能となった.また,基本性能についても拡張と強化が行われた.言語モデルとして孤立単語認識が新たに追加されたほか,4-gram 以上の任意長 N-gram への対応、ユーザ関数による外部言語制約の組込み、GMM-based VAD およびデコーダベース VAD、confusion network の生成など大幅な機能強化が行われた。性能は従来バージョンと同等を維持しており、かつメモリ量の削減も行われている。The new version 4.0 of large vocabulary continuous speech recognition engine "Julius" has been released at December 2007, as a major version up from version 3.0. An anatomical analysis and data stcuture re-organization has been accomplished for the whole codes to improve its modularity and flexibility. Its improved structure now enables Julius to be compiled as a external library to be incorpolated into various user applications. A simple callback API and plugin facilities are newly built to be controlled directly and lively from outer applications, which enables easy but tight integration with other applications. Also, grammar-based recognizer Julian has been incorpolated into Julius and the N-gram and grammar can be treated at the same executable. Furthermodre, It supports fully multi-decoding using multiple LMs, AMs and their arbitral combinations. It now supports long N-gram (N unlimited), user-defined LM function, GMM-based and a newly proposed decoder-based VAD, confusion network generation, and many other new functions. The memory requirement has also been improved, while keeping the same accuracy.
著者
権藤広海 瀬川 典久 中本 泰然 村山 優子 宮崎 正俊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.6, pp.31-35, 2000-01-20
被引用文献数
3

本研究では,新しい非同期コミュニケーションシステムとして戸口伝言板を提案し,実装してきた.本稿では,プロトタイプシステムUni Boardの運用について報告するとともに,今後の課題について述べる.We have proposed a message boeard system for on-door communication as a novel tool for asynchronous communication, and implemeted its prototype, the Uni Board system. We have been running the system for several months. This paper reports the results from our operation of the Uni Board as well as some issues to be dealt with in future.
著者
阿部圭一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:18845541)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.70-79, 2014-01-15

あいまいな日本語表現について,できるだけ網羅的な考察を行うことが本論文の目的である.会議録,連絡メモ,事務的なメール,仕様書,マニュアル,レポート,論文,その他の「情報伝達型」の文章・文書において,あいまいな日本語表現はできるかぎり避けるべきである.筆者はこれらに共通する情報伝達型の日本語文章作成の指導を長年行ってきた.その結果の一部として,本論文では,日本語においてどのようなあいまい表現がよくあるかを類型化し,具体例と改善例を示す.
著者
堀江 郁美 山口 和紀 柏原 賢二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.9, pp.2830-2839, 2006-09-15
参考文献数
17

ウェブサイトにおいて,一貫性のない構造は読者を混乱させるということが指摘されている.そこで,本研究では一貫性のない構造を発見する方法として高階ランク分析を提案する.高階ランク分析は,ウェブを有向グラフと見なし,非有基的集合論を基にした高階ランクを用いて,ウェブサイトから一貫性のない構造を発見するものである.この高階ランク分析の有効性を確かめるために,4 つのウェブサイトに高階ランク分析を適用し,各々のウェブサイトにおいて一貫性のない構造として発見されるページが特殊なものや誤ったものであることを検証した.An irregular structure that differs from the typical structure in a Web site might confuse readers, thus reducing the effectiveness of the site. In this paper, as a method for detecting such irregular structures, we propose higher-order rank analysis. In the analysis, viewing the Web as a directed graph and employing a higher-order rank based on the non-well-founded set theory, we are able to detect irregular structures differed from the typical structure of a target site. To test the effectiveness of our method, we applied it to several Web sites in actual use, and succeeded in identifying irregular structures within the sites.
著者
谷 聖一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.37-43, 2009-01-15
被引用文献数
3

2008年8月16日より8月23日までエジプト国カイロ市近郊の十月六日市(6th October City)で開催された第20回国際情報オリンピック(International Olympiad in Informatics,IOI)において,日本から参加した4名の選手全員がメダル獲得という快挙を達成した.誌面をお借りして,選手たちの活躍ぶりやIOIの概要およびIOI日本委員会の活動を報告する.
著者
林 邦彦 斎藤 英雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.51, pp.173-180, 2006-05-18
被引用文献数
3

近年、スポーツ映像などで自由な視点からの映像の要求が高まっている。従来手法[5]では、サッカースタジアムのような大規模な空間で、カメラの中間視点画像しか合成できなかった。この従来手法は、空間の3次元モデルを復元をせずに、入力画像間の対応点を算出することで自由視点画像を生成している。そこで、本稿では、サッカーシーンを幾何的な特徴に応じて、動的領域と静的領域に分割し、各領域を平面近似して、それぞれ3次元モデルを簡易的に復元することによって、中間視点画像に限らない自由視点画像を生成する手法を提案する。本手法では、対象の3次元モデルを復元するために、まず、カメラキャリブレーションを行う。その際、サッカーグラウンドにマーカーを置く事はできないので、グラウンド面の平面パターンを利用してカメラキャリブレーションを行う。分割された各領域のうち、選手やボールである動的領域がグラウンドに垂直に立つ1枚の板(ビルボード)で表されるものとして3次元モデルを復元する。一方、静的領域に対しては、複数の平面領域に分割し、各平面の3次元モデルをあらかじめ復元する。本手法をサッカーシーンに適用し、従来生成できなかった中間視点以外の自由視点画像を生成することで有用性を示す。We propose a new method for synthesizing free-viewpoint images from multiple view videos in soccer stadium. The previous method[5] can synthesize virtual viewpoint images at intermediate viewpoint between real cameras. The previous method estimates only pixel-wise correspondences between input images for synthesizing virtual viewpoint images without a 3D reconstruction. In this paper, we propose a new method that can synthesize virtual viewpoint images at free-viewpoints which are not limited at intermediate viewpoint by reconstructing simple 3D models after dividing a soccer scene into static regions and dynamic regions. To reconstruct the object soccer scene, we perform camera calibration without marker objects because we can't put such objects on the soccer ground. For reconstructing of dynamic regions, we employ a billboard representation of dynamic regions. The billboard representation can realize a simple 3D reconstruction and transform textures into the appropriate appearance of the aspect of dynamic regions at virtual viewpoint. For reconstructing of static regions, we divide two planes that are a ground region and a background region. We reconstruct 3D models in each region beforehand. By applying our method to a soccer scene, we can synthesize free-viewpoint images which are not limited at intermediate viewpoint by employing only pixel values of real images.
著者
服部 雄一 中澤 篤志 町田 貴史 竹村 治雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.51, pp.145-150, 2006-05-18
被引用文献数
1

時系列3次元データは、応用範囲が広く今後の発展が期待される研究分野である。この時系列3次元データはデータサイズが非常に大きく、これらを伝送および保存する際は圧縮処理が必要不可欠となる。本稿では、データの時間的冗長性を削減することを目的として、3次元に拡張したHuモーメント不変量を用いた時系列ブロックマッチングによる圧縮法を提案する。この手法では、従来手法では考慮されていなかった物体の回転運動を検出することで、圧縮率の向上を図っている。Time sequence 3D data has a broad range of application and is a research area expected for the future development. The time sequence 3D data has such a huge data size that data compression is essential when it is transmitted and saved. This paper proposes a compression method by using the time sequence block-matching with extended 3D Hu invariant moment for the purpose of reduction of the data time redundancy. In this method, the data compression ratio is improved by detecting the rotational motion of an object that is not considered in the existing method.
著者
宮川 祥子 清木 康
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.15-28, 1999-05-15
被引用文献数
17

本論文では 特定分野のドキュメント検索において 意味的連想検索を行うために意味の数学モデルを適用する際のメタデータ空間の作成方式を提案し その有効性を検証する. 本方式は 特定の分野に関連する情報群とその分野に関する用語集 そして一般的な辞典から特定分野におけるメタデータ空間を構築する。意味的連想検索は インターネット上で現在普及しているパターンマッチ型の検索エンジンでは扱うことのできない情報の意味を形式的に扱うことを可能にする. 本方式を用いることにより 特定の分野に関する情報群に対して 文脈に応じて意味的に近い情報を検索するための検索環境を提供することができる. 本論文では また インターネット上に実在する障害者・福祉関連のドキュメント群を対象としたメタデータ空間を構築し パターンマッチによる検索との比較において性能評価を行う.In this paper we present a new construction method for a metadata space. This method enables to establish a metadata space for the mathematical model of meanings from documents related to a specific area, a lexicon related to the area, and a general dictionary. Unlike ordinary search engines employing pattern matching methods, the semantic associative search function enables to deal with the "semantics" of the information. This method makes it possible to provide a semantic information retrieval environment for documents about a specific area on the Internet. We also evaluate the performance of the semantic information retrieval based on the proposed method. We construct an information retrieval system built upon the inetadata space related to information about welfare and people with disability distributed through the Internet and make a comparison with the pattern matching information retrieval system.
著者
David Ramamonjisoa
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報学基礎研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2014, no.3, pp.1-6, 2014-01-31

User-contributed comments are one of the hallmarks of the Social Web, widely adopted across social media sites and mainstream news providers alike. While comments encourage higher-levels of user engagement with online media, their wide success places new burdens on users to process and assimilate the perspectives of number of user-contributed perspectives. This paper describes a comparison between two methods for analyzing topic trends from users' comments in social media. The first method is using the information retrieval weight tfidf and empirical topic extraction algorithm. The second one is based on the topic modeling.
著者
池内 孝啓
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.958-963, 2014-08-15

ビッグデータを活用したマーケティングが普及しつつある今,マーケティング施策の効果測定を行う手法もまた,ビッグデータの3V(3V=Volume/Variety/Velocity)に対応する必要が生じている.多様な大量データを用い,高い頻度かつ柔軟な軸でKPIのモニタリングを行うために,ダッシュボードがどのように進化してきたか,ビッグデータを取り巻く環境とダッシュボートという軸で解説する.