著者
注連隆夫 士屋雅稔 松吉俊 字津呂武仁 佐藤理史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.7, pp.63-70, 2007-01-26

本稿では,SupportVectorMadline(SVM)を用いたチャンカーYamOhaを利用して,日本語機能表現検出器を学習し,その性能評価を行った機能表現を構成している形態素の数の情報,機能表現中における形態素の位置情報を素性として参照することにより,F値で約94という高精度の検出器を実現できることを示した.また,京都テキストコーパスに対して,機能表現の情報を人手で付与した後,SVMに基づく統計的係り受け解析器OaboOhaの学習を行い,その性能を評価した.機能表現を考慮して係り受け関係の学習をすることによって,機能表現を含む文節の係り受け解析の性能が改善することを示す.This paper proposes to learn a detector of Japanese functional expressions using the chunker YamCha based on Support Vector Machines (SVMs), and presents the result of evaluating the performance of the detector. Through experimental evaluation, we achieve the F-measure as 94. We then manually annotate parsed sentences of Kyoto Text Corpus with functional expressions, which are used for training dependency an alyzer CaboCha based on SVM. The dependency analyzer CaboCha of this paper is modified so that it can cope with annotation of functional expressions in the training corpus. We experimentally show that the modified version of the dependency analyzer improves the performance of the dependency analysis of functional expressions.
著者
中川 哲治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.47, pp.19-24, 2007-05-24
被引用文献数
1

本稿では,ギブスサンプリングを用いた係り受け解析手法を提案する.既存の解析手法ではしばしば変数間に独立性を仮定しており,利用可能な素性が限られているという問題があった.提案手法では,依存構造木全体をモデル化する確率分布を考えることで,依存構造木中の兄弟ノードに関する関係や,子ノードと祖父母ノードに関する関係などの,文中の任意の素性を利用することができる.複数のコーパスで実験を行った結果,提案手法は既存手法と比較して同程度以上の解析精度を持つことを確認した.In this paper, we present a method for dependency parsing with Gibbs sampling.Existing methods for dependency parsing often assume independence among variables, and have limitations in available features.Our method uses a probabilistic model of a whole dependency tree, and allows us to use arbitrary features in a dependency tree, which include relations between sibling nodes and relations between a child and its grandparent nodes.Experimental results on multiple corpora showed that the performance of our method was competitive with other state-of-the-art methods.
著者
岸本 貴之 高橋 治久 堀田 一弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.2, pp.27-32, 2009-01-15

本稿では,日本語形態素解析の精度を,条件付確率場 (CRF) による係り受け解析を用いて,改善する方法を提案する.従来の確率モデルによる形態素解析は,一般的に,1 個または 2 個前までの単語の品詞情報の相関関係によって,最適な候補を絞り込むというやり方を行っていた.しかし,それだけでは解析できない事例が存在しており,もっと広い範囲での単語の相関や,構文関係などを考慮に入れたモデルを考える必要がある.本稿では,形態素解析結果の候補に対し,係り受け解析を行い,その尤度を最大にする形態素解析結果により係り受け解析を選択する方法が,精度改善に有効であることを,従来法との比較実験により示す.This paper presents a method of improving Japanese morphological analysis via Conditional Random Fields (CRFs) using the dependency analysis. Many existing probabilistic methods select a correct tokens by the correlation analysis between adjoining words and their part-of-speech. However, some instances cannot be correctly analyzed only with the correlation between adjoining words. In order to improve the accuracy, it would be needed to take into account correlation of words in wider range as well as syntactical features. We show that maximizing the likelihood of the dependency analysis for candidates of correct tokens improves the accuracy by computer experiments.
著者
安田 光孝 前田 真人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.12, pp.1-6, 2014-05-30

北海道情報大学では 2014 年度より,新 1・2 年生の全学生を対象に 900 台の iPad を貸与した.これにより中・大教室での座学講義でも全受講生が iPad を利用できるようになる.この状況を受けて,2011 年に開発したクローズド型の教室内リアルタイムコミュニケーションツール 「Kaiwa」 をこの 3 年間のデータをもとに再度分析した.評価の結果,講義で Kaiwa を利用することは,講義の面白さや講義への参加意識向上に有効であることがわかった.今後,iPad と Kaiwa の活用によって,中・大教室においても学生同士の知識や意見の共有がリアルタイムに行われ,教員・学生間での縦横のコミュニケーションが活性化する可能性がある.In 2014, Hokkaido Information University (HIU) starts lending 900 iPad to all the student of freshmen and sophomores. This will enable all of them to use iPad especially in the large class room lectures. For this situation, we re-evaluated "Kaiwa", a closed micro-blog system developed by ourselves in 2011. The evaluation based on questionnaires and morphological analysis of "Kaiwa" indicated reasonable effectiveness for activating in-class communication. By utilizing iPad and "Kaiwa", the communication between teacher and students would be activated in the large class room.
著者
富澤 浩樹 阿部 昭博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報システムと社会環境研究報告
巻号頁・発行日
vol.2014, no.3, pp.1-8, 2014-09-03

東日本大震災関連資料を対象とした震災関連デジタルアーカイブは,震災で得た教訓を後世に伝えることを目的に各所で構築されている.しかし,取り扱っている資料は,報告書,計画書,フリーペーパーやチラシ,活動記録,広報誌,写真といったものがほとんどであるため,研究者や調査者といった強い関心と目的意識がなければ利用することが難しい状況にある.震災の記憶の風化が懸念されてもきており,一般利用者への資料の利活用を継続的に促すための包括的な取り組みが今後に向けて必要となっている.そこで本研究では,資料の利用活性化を目指し,デジタル資料と,それらを用いて作成された成果物である新資料の双方を利活用するシステムについて検討する.具体的には岩手県立図書館の震災関連資料コーナーを対象に,図書館職員との議論を踏まえた情報システム視点による分析を中心とする.
著者
堀口 祐耶 市川 尚 阿部 昭博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.7, pp.1-5, 2013-11-25

近年,地震などの災害によって,被災地周辺の観光地における風評被害が大きな問題となっているが,観光風評被害に関する状況・経過や対策に関する情報提供の研究や取り組みは遅れている.本研究の目的は,Web 上の散在する風評被害に関する事例を収集し,観光に関わる行政職員や事業者に情報提供を行うシステムの在り方を明らかにすることにある.本稿では,東日本大震災での風評被害事例の特徴分析と,その結果に基づく情報提供システムの開発について述べる.システム開発においては,事例分析結果等を踏まえ,これまで試作したシステムのメタデータ,提供機能,対象ユーザと公開方法について見直しを図った.また,有識者によるシステムの一次評価を実施し,提供情報を拡充した.By disasters such as earthquake in recent years, the harmful rumor in the tourist destinations around disaster areas has become a major problem. However, study of providing information in regard to various situation and measures of the harmful rumors in tourism is tardy. The purpose of our study is to clarify features of information system for gathering and providing of the harmful rumor cases in tourism on the Web. This paper describes characteristics analysis of harmful rumor cases caused by the Tohoku earthquake and tsunami in 2011, and development of information providing system based on the analysis results. In the system development, we reviewed previous specifications of prototype: meta-data, functions, operation policies and target users. Also through primary evaluation by tourism experts, we expanded content of the system.
著者
伊藤信悟 伊野 文彦 萩原 兼一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.48, no.13, pp.235-246, 2007-08-15
被引用文献数
2

GPGPU (General-Purpose Computation on Graphics Processing Units) とは、GPU をグラフィクス処理の枠を越えて汎用問題に適用する試みのことである。本稿では、典型的な GPGPU 実装を対象として、GPU による高速化の見込みを予測するための性能モデルを提案する。提案モデルは、GPGPU 実装の多くがメモリ集中型の問題を対象として規則的にデータを参照する点に着目し、実装全体の性能を主記憶、ビデオメモリおよび GPU 内演算器間の各データパスの転送性能で表す。転送性能の各々は、GPGPU アプリケーションとは独立に計測できるバンド幅および遅延時間のみの簡単な組で表す。提案モデルを画像フィルタおよび LU 分解に適用し、3 世代にわたる GPU 上で評価した結果、誤差は最悪で 20%であった。GPU 内キャッシュの効果がさほど大きくない場合、誤差は 10%以内であることから、提案モデルは典型的な実装に対して GPU による高速化の見込みを見積もる際に有用であると考える。GPGPU stands for general-purpose computation on graphics processing units (GPUs), aiming at applying the GPU to general problems beyond graphics problems. This paper presents a performance model for typical GPGPU implementations, which is capable of predicting the possibility of the acceleration achievable by the GPU. Our model focuses on the fact that most of GPGPU implementations deal with memory-intensive problems and have regular access to data. Based on this fact, we represent the entire performance as the transfer performance of data paths connecting main memory, video memory, and processors inside the GPU. Each of the transfer performance here is simply represented by a combination of bandwidth and latency, which are independent of GPGPU applications. We applied the model to an image filter and LU decomposition to estimate their performance on three generations of GPUs. We found that the model has a 20% error at the worst case. We think that the model is useful for estimating the possibility of typical GPU-accelerated implementations, because the observed errors are less than 10% if GPU cache does not have significant effects on performance.
著者
間辺 広樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.3, pp.1-7, 2013-10-05

コンピュータサイエンスアンプラグド (以下,CS アンプラグドと記す) は,コンピュータ科学の基礎を学ぶための効果的な学習法である.しかし,身体的な動きを伴う活動が多いため,障害など身体の状況によっては,学習法の利点を享受できないことがある.本研究では,天秤とおもりを使ってソーティング (整列) アルゴリズムを学ぶ CS アンプラグドのアルゴリズム学習法について,どのように教具を工夫すれば視覚障害者が学べるようになるかを検討した.本来は,学習者が動かすおもりの重さの比較結果を視覚情報ではなく,音声情報として提供する教具にすることで,視覚障害者も同等の学習ができるようになると考えた.そこで,カードとそれを読み取るセンサーを組合せ,音声で大小比較の結果を知らせる教具を開発した.その教具を用いて,重度視覚障害者にアルゴリズム学習法を適用した実験から得た知見を報告する.Computer Science Unplugged is an excellent method of learning the basic of compuer science. Because, it involves physical activities that lead students to computer science. However, such activities are not always easy for all students. In this research, we focused on the way to adopt an CS Unplugged activity, Sorting Algorithms, to students with visual imparemets. We assumed that if an educational material provide phonetic information instead of visual information, students with visual impairments could execute the activity. Therfore, we developed an educational material which consists of some cards, a sensor and computer softwear. The material provides phonetic information of the result of comparison of which data is bigger. We tried to adapt the educational material to a visual impairment to execute CS Unplugged Activity. In this report, we inform the knowledge through the experiment.
著者
宮崎 幸生 山田 松治 板倉 稔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.140-148, 1991-02-15
被引用文献数
1

本論文では 事務処理分野のソフトウェアを対象に 設計作業の進展と共に段階的に正確さを増すと考えられる3種類のソフトウェア規模見積りモデルの概念と 回帰式を用いてこのモデルの係数値を決定する方法を提案する次に この3種類のうち2種類のモデルについて提案する方法により係数値を決定し 回帰式に使用したデータで評価する限りは 一般的方法より正確度の高いモデルが作成できることを示すまた 同時にモデルが段階的に正確さを増すことも示す段階的規模見積りモデルの入力は 画面数 幌票数 ファイル数であるファイル数の数え方の詳細度により 概算 中間 詳細の3種類のモデルがある規模見積りは開発の初期にわかる少数の入力変数により見積もることが理想である主にこの理由により 画面や帳票の項目数はモデルに用いていないこの点とファイル数の数え方を明確にし その詳細度により3種類の段階的なモデルがある点が 既存のファンクションポイント法^6)などと大きく異なる点である規模や工数の見積りモデルの正確度を評価する際には これらの実績値がシステムにより大きく変わるため 相対誤差が一般に使われる一方 モデルの係数値を回帰式により決定する際には 絶対誤差の二乗和を最小にする通常の最小二乗法が用いられるこのため モデルの正確度が向上しないという問題がある本稿で提案する係数値の決定方法は この問題を解決するため 相対誤差の二乗和を最小にする方法を使う
著者
伊藤 祥平 但馬 康宏 菊井 玄一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.4, pp.1-3, 2013-12-04
被引用文献数
1

UEC コンピュータ大貧民大会ではモンテカルロ法を用いたクライアントが優勝している.そこでプレイアウト中の相手着手を実際の着手に近づけることでモンテカルロ法によるクライアントの強化を考える.本研究ではゲーム中の実際の相手着手を学習する方法としてナイーブベイズを用いる.これにより高速な相手のモデル化を行う.さらに、学習素性の工夫により精度の向上を行った.この結果,作成されたモデルの精度は過去の優勝クライアント snowl に対し,4 割程度の近似ができた.Monte-Carlo method is also useful for DAIHNMIN and the client using this method has won the UEC computer DAIHINMIN tournament. We try to accelerate the strength of Monte-Carlo method by making effective opponent models which are close to the real opponents' moves. Stronger opponent models, more effective playouts our client has. We use Naive Bayes as the learning method to modeling the opponents. This method is one of the fastest algorithm for learning and classification. In addition, its accuracy is enough to modeling the opponents. In this paper, we show two modeling by Naive Bayes. The first method is the simple modeling, and the second is improved the move data structure. The accuracy is approximately 40% by our improved method to model snowl which is the champion client in 2010.
著者
橋本 悠希 小島 稔 三谷 知晴 宮島 悟 永谷 直久 山本 暁夫 大瀧 順一朗 稲見 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.59, pp.9-12, 2005-06-04
被引用文献数
1 1

「Conspiratio」は、吸い込む感覚というものを体感可能なインタラクション作品である。この作品を通して、吸うという行為の楽しさや新鮮さ、唇に伝わる感覚の心地よさを味わうことができる。我々は、吸うという潜在的イメージをもっている「ストロー」を用いたインターフェース、SUI(Straw-like User Interface)を開発し、吸い込むことにおいて味覚や香りと口に伝わる感覚を世界で初めて分離し、心地よく刺激的な口への感覚を提示することに成功した。この作品では、様々な食品を吸い込む感覚を体験できる。この作品を国内外で展示し、エンタテインメントとしての有用性を確認した。This work is installation art that allows a virtual experience of the sensations of drinking. Through this work, we can experience the happiness, freshness and comfortableness of drinking.We have produced "Conspiratio" using straw that is based on the action of "drinking". And about action of drinking, we accomplished to separate and extract of drinking sensation to the taste and smell, and present a comfortable and exciting sensation to the lips and mouth the first time ever in the world.In this work, the user can experience the sensation of drinking foods. We exhibited this work inside and outside the country, and proved it to be useful as the entertainment.
著者
林 春男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.42, pp.37-40, 1998-05-21
被引用文献数
1

ここでは災害弱者とはだれかを考える,新しい現実の創出である災害は,人々の新しい環境への再適応を強いる.その際に,特別なニーズを持つ人々があり,そうしたニーズにどこまで対応できるかが災害対応の質を決めている.従来は人々の善意にようて支えられてきた労働集約的なこうした対応をより効果的かつ効率的にすすめるためにどのような情報処理システムが必要かを議論する.This paper will discuss the problems for those who have special needs at the time of disaster. PSN in disaster needs some assistance to overcome their handicap in order to adapt themselves to a new reality created by a disaster. Computerized information management sysytem could be a great help for more effective and efficient support. An ethnographic account will be given.
著者
高橋 正和 津田 和彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.2869-2879, 2004-12-15
被引用文献数
6 1

医薬品の製造では,設備運用の自動化が進んでいる.これにより,設備の頭脳たる制御ソフトウェアは,製造する医薬品の品質に大きな影響を与える.そのため,医薬品製造の管轄機関は,医薬品製造会社に対して,制御ソフトウェアが要求仕様と適合しており,適切な品質の医薬品を製造できることの保証を義務付けている.これをコンピュータ・バリデーションと呼ぶ.実務的には,制御ソフトウェアの各種仕様書の整備と網羅的な検証の記録により健全性を立証する.しかし,その作業が医薬品製造会社の大きな負担となっており,効率化が叫ばれている.本論文では,以下を実施することで効率的なコンピュータ・バリデーションの実施を可能にする.(1) 制御ソフトウェアの開発に適用可能なソフトウェア部品を準備する.(2) 設計仕様書間の関係をデータベース化して設計情報の展開を追跡できるようにする.(3) ソフトウェア部品に対応するテスト仕様書を事前準備して効率的な検証を実施する.上記手法を適用した結果,コンピュータ・バリデーションに要する時間が約50[%] に削減された.Recently, automatic operations of pharmaceutical facility have become popular. Consequently, Control Software (below CSW) create a negative impact to the quality of pharmaceutical products. Regulating authority forced validation to the pharmaceutical companies that CSW was developed according to the requirements and could produce appropriate quality drugs. This is called Computer Validation (CV). CV validates the CSW's soundness based on the development of the documents related to the CSW and exhaustive tests of CSW. But those works, especially development of documents and test results, have become a large work load. This paper proposes below effective CV processing. (1) Develop design specification templates, and software components that are applied to CSW development. (2) Create Database that defines relationship between design specifications, and enable to trace design information deployment. (3) Test CSW efficiently according to pre-established test specifications corresponding to software components. As the result of applying above the method to actual CSW developments, CV time lessens by 50[%] in comparison with conventional CV method.
著者
浜中 雅俊 平田 圭二 東条 敏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.21, pp.1-7, 2014-08-18

本稿では,タイムスパン木の部分木一致率に基づいた楽曲間の類似度について述べる.従来,音楽理論 GTTM に基づく分析によって求まるタイムスパン木に基づく楽曲間類似度が定義されていたが,条件が厳密であるために多くの楽曲間で全く類似性を示さなかった.そこで本研究では,類似度判定基準を緩和し,タイムスパン木が部分的に一致する場合,その一致率で類似度を表すことを試みる.In this report, we propose a melodic similarity based on matching rate of time-span subtrees. We previously proposed a melodic similarity based on time-span tree based on the music theory GTTM, however almost all the pairs of melodies are not similar, because the definition of the similarity is too strict. Therefore, we attempt to express a melodic similarity by using matching rate of time-span subtrees for weaken the condition for calculating the similarity.
著者
中村友彦 吉井和佳 後藤真孝 亀岡弘和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.11, pp.1-6, 2014-08-18

本論文では,調波楽器音の周波数特性とドラムの音色を,音楽音響信号間で楽譜を用いずに置換するシステムを提案する.このシステムでは,まず置換元の音楽音響信号 (インプット) と置換先の音楽音響信号 (リファレンス) の振幅スペクトルをそれぞれ調波楽器音成分と打楽器音成分のスペクトルに分離し,それぞれの成分に対して独立に処理を行う.調波楽器音成分のスペクトルの周波数特性をスペクトルの山周辺と谷周辺を通る 2 つのスペクトル包絡によって特徴付け,インプットの調波楽器音成分の振幅スペクトルを,インプットとリファレンスの調波楽器音成分のスペクトル包絡が類似するように変形する.インプットとリファレンスの打楽器音成分のスペクトログラムは,各ドラム楽器毎のスペクトログラムに分離した後,ユーザによって指定されたインプットのドラム楽器の音色をリファレンスのドラム楽器の音色に置換する.主観評価実験により,提案するシステムが周波数特性とドラムの音色を適切に置換できることを確認した.
著者
小沢 一雅
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.107, pp.17-24, 2003-10-24
被引用文献数
1 3

絵画は、それを鑑賞する人 ?観察者? に3次元世界を想起させる。これを仮想3次元世界とよぶことにする。本論文は、絵画とそれが惹起する仮想3次元世界をめぐる認知連関モデルを導入し、絵画における遠近法表現の意味を考察する。認知連関モデルで重要な役割を果たすのは、仮想3次元世界を正確な遠近法表現にもとづいて射影した仮想写真(=仮想カメラによる撮影像)である。仮想写真を軸としながら仮想3次元世界と実世界との関係などについて認知連関モデルにもとづいた考察を行う。また、絵画の実例(浮世絵の風景画)をとりあげ、本モデルの観点から遠近法表現について考察を加える。A painting is associated with a virtual 3-dimensional world, termed V3D-world. In this paper, a cognitive correlation model involving a painting and its corresponding V3D-world is introduced for consideration on perspective drawing. In our model, the virtual photographic image plays a key role in understanding of perspective drawing, relation between V3D-World and real world, or artistic impression given by a painting. Taking an Ukiyoe landscape for example, it is discussed whether our correlation model can offer good understanding of problems in perception or cognition of paintings.
著者
竹房あつ子 中田秀基 池上努 田中良夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.20, pp.1-6, 2013-07-24

階層型タスク並列処理は,タスクの再実行や冗長実行により耐障害性を備えたプログラムが設計できるため,ポストペタスケール高性能計算における有望なプログラミングモデルの 1 つと考えられている.我々は,耐障害性を備えたアプリケーションプログラムの開発を支援にする耐障害アプリケーションフレームワーク Falanx を提案している.このようなアプリケーションフレームワークは,計算に必要となるデータを障害から保全するデータストア機構と計算ノードの健全性を監視しつつ適切に計算を実行する資源管理機構からなる.これらを,ポストペタスケール計算機環境においてスケーラブルでかつ,それら自身が耐故障性を持つように設計・実装する必要がある.本研究では,耐障害アプリケーションフレームワークのポストペタスケール計算機環境での性能特性を検証して技術的課題を明らかにすることを目的とし,試験実装となるパーシステントストレージを利用した高可用分散協調スケジューラを設計・開発する.本スケジューラは既に実装を進めている資源管理機構と新たに追加したデータストア機構で構成され,Apache ZooKeeper と Apache Cassandra を用いて実装することで耐障害性を実現する.本スケジューラを用いた予備実験から,処理中に計算ノードが落ちてしまった場合も,自動的にタスクが再実行されアプリケーションプログラムが継続実行できることを確認した.
著者
上里和也 田中正浩 浅井洋樹 山名早人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.22, pp.1-6, 2014-07-25

Twitter のような大規模なソーシャルサービスにおいて,ユーザの興味や所属などのプロフィールを知ることは,効果的なマーケティングを行う上で重要である.このような背景から,Twitter におけるプロフィール推定に関する研究が行われてきた.従来のプロフィール推定手法では,フォロー情報によって構築されるソーシャルグラフからコミュニティを抽出し,対象のユーザが属するコミュニティの属性を推定することでプロフィール推定を行なっている.しかし,各々のフォローの目的や,活発な交流があるかという点を考慮することができないため,実際に親密な関係を持つユーザ群をコミュニティとして抽出することが困難であるという問題が存在する.それに対して奥谷らは,フォローに代えてメンション情報を用いてソーシャルグラフを構築することで,これらの問題を解決する手法を提案している.しかし同手法には,プロフィール推定の対象となるユーザの周辺ユーザのプロフィールに幅広く共通して出現する単語が,プロフィールとして出力されにくいという問題がある.そこで本論文では,奥谷らのプロフィール推定手法における単語の重要度の算出方法を変更し,Twitter ユーザ全体からランダムにサンプリングした 100,000 ユーザのデータを利用して一般語をフィルタリングすることで,この問題を解決する手法を提案する.6 人の被験者による実験の結果,奥谷らの手法と比較して,Precision@10 が 0.37 から 0.78,MRR が 1.44 から 2.61 に向上した.
著者
後藤建二 松田勝敬
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.879-881, 2012-03-06

我々はEthernetを用いてタグリーダとデータベースサーバを接続する。設置と撤収が簡易に行えるRFID情報管理を行うシステムを開発した。Ethernetだけではシステムの運用できる範囲が同一ネットワーク内に限定されてしまい、複数の部屋や建物での運用に制限が生じていた。そこで、データベースサーバ同士をTCP/IPを用いて通信を行い、各データベースサーバは他のデータベースサーバと同期をとり、異なるネットワークでも運用できる方法を検討した。これにより、大規模な運用が可能なシステムとなった。今回の発表では、システムの概要について発表し、その後データベースサーバ間の通信について発表を行う。
著者
藤澤 誠 三浦憲二郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.2746-2753, 2006-08-15
被引用文献数
4 1

この論文では,熱力学に基づいた氷解現象のアニメーションを高速に生成する方法を提案する.提案手法は,熱放射の計算にフォトンマッピング法を導入,従来,照明計算に用いられているフォトンマッピング法において,各フォトンに熱エネルギーを格納することによって,シーン中の熱放射現象を高速に解く.また,ボクセル表現を用いて,物体内部の熱伝導,空気との熱伝達についても考慮することで,現実的な氷解現象のアニメーションを生成する.This paper proposes a fast and efficient method for producing animations of ice melting phenomena. The method presented here introduces the photon mapping method for calculating the thermal radiation. By the photon mapping method usually used for lighting calculation, the thermal radiation phenomenon in a scene is solved efficiently by storing thermal energy in each photon. We show the animation of a realistic ice melting phenomenon can be generated using voxel representation by taking into account the heat conduction inside an object and the heat transfer with air as well.