著者
山口 実靖 小口 正人 喜連川 研優
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.72, pp.447-454, 2004-07-14

本稿ではiSCIを用いたIP-SANのアクセストレースシステムの提案と それを用いた性能向上に関する考察について述べる.FC-SANの欠陥を補うSANとしてTCP/IPとEthernetを用いるIP-SANやiSCSIが期待を集めるようになっているが,IP-SANの欠点としては性能がFC-SANより劣るとの指摘もありIP-SANの性能向上の実現が重要であると考えられている.iSCSIを用いたIP-SANシステムではサーバ計算機とストレージ機器が孤立に個別のOS等で稼動し,それらがTCI/IPネットワークを用いて通信を行い強調して動作し全体のシステムを構築することとなる.よって,これらの統合的な解析の実現が重要である.本稿では,我々の実装した統合的なトレースシステムについて説明を行い,それを実際に高遅延環境における並列iSCSIアクセスに適用し性能制限原因の発見および発見された問題の解決により並列iSCSIアクセスの性能を向上させられることを示す.In this paper, we propose an IP-SAN access trace system and present performance improvement using the system. IP-SAN and iSCSI are expected to remedy problems of FC-based SAN. In IP-SAN systems using iSCSI, service and storage work cooperatively by communicating with each other via TCP/IP, thus integrated analysis of servers and storage can be considered important. We explain our integrated trace system and show that the system can point out the cause of performance degradation.
著者
富田 英典
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.53, pp.9-18, 2002-05-31
被引用文献数
1

これまで親密性と匿名性は相容れないものであった。つまり、親密であると匿名ではないし、匿名なら親密ではなかった。ところが、今日の新しいメディア状況の中で、むしろ匿名だから親密になれるという関係が生まれてきている。このような匿名性を前提にしたメディア上の親密な他者をIntimate Strangerと呼んでおきたい。Intimate Strangerとの関係を支えるものが、インスタントメッセンジャーなどのP2P技術である。ただ、そこには「オリジナルの私」と「本当の私」が不協和を引き起こす危険が存在している。それにもかかわらず、人々がインターネットの世界に魅せられていくのはなぜだろうか。それは、人々が、メディアの中に新しいアウラ「デジタルアウラ」を見つけたからである。Intimacy and anonymity are conflicting in today's technological society. If people are able to have an intimate relationship, it is not considered and anonymous relationship. But of course, it is not an intimate relationship if they have anonymous properties. However, in today's new media situation, these anonymous relationships automatically become intimate relationships. An anonymous and intimate friend within the media world is referred to as an "intimate stranger". It is called P2P technology and an example of this technology would be the increasingly popular "Instant Messenger". The communication program, "Instant Messanger" supports this concept of the "intimate stranger". It allows one to communicate intimately as well as be completely anonymous by the distance that is kept through media and technology. Therefor, the "self" in media does not harmonize with the so-called original concept of "self". Why are people so intrigued, fascinated, and addicted to the world of the Internet? The idea of "Digital AURA" can be a fundamental explanation to why people are increasingly drawn to the Internet.
著者
西田 豊明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.542-546, 2000-05-15
被引用文献数
9

ネットワーク社会における知の創造と伝承の支援は,これからの情報処理技術が向かうべき方向の1つである.本稿では,ネットワーク社会における新しい知のプロセスの担い手として大きな役割が期待されているネットワークコミュニティに注目し,ネットワークコミュニティにおける知のプロセスを支援するテクノロジーの研究開発の進め方について論じる.
著者
関口 真 右田 剛史 尺長健
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.18, pp.189-196, 2005-03-04
参考文献数
9

物体表面の反射特性の表現法として双方向テクスチャ関数(BTF)が提案されている.厳密なBTFの獲得はパラメータの自由度が高く,困難である.そこで本稿では,パラメータの自由度を減らすために,基底反射モデルの線形結合による表現方法について述べ,これを用いた反射特性と物体形状の同時復元について検討する.基底モデルにTorrance-Sparrowモデルを利用して,反射特性の表現に必要なパラメータ(基底モデル・結合重み・形状・光源位置)の推定を行う.推定するパラメータ数が十万を超える大規模非線形最適化問題であるが,共役勾配法を拡張したBDCG法によって解くことができる.陶器を対象物体とし実験を行い,手法の有効性を確認した.Synthesizing photo-realistic images requires realistic models for geometry and photometry. We address an acquisition and representation method for a Bidirectional Texture Function which is a 2D array of functions representing appearance changes of a texture with respect to changes in lighting condition. We discuss a method for simultaneous estimation of the model parameters and the object shape from real images of potteries
著者
楠本 夏未 日浦 慎作 佐藤宏介
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.36, pp.85-92, 2008-05-01
参考文献数
8
被引用文献数
2

撮影後に写真の焦点を変化させ,ぼけ部分の描写を制御する研究は多く行われているが,どれも特別な装置,または撮影法を必要とする.また,一般に普及している小型デジタルカメラでは十分な大きさのぼけを得ることが出来ず,主要被写体を引き立たせるような作画が出来ない.そこで本研究では,小型デジタルカメラのみを使用し,位置・姿勢が未知の複数視点から撮影を行って得た画像群をもとにユーザの意図した「ぼけ」を含む画像を作成する手法を提案する.更に,合成時にぼけ像の大きさや形状,重み付けを変化させることで,様々な「ぼけ味」を作り出す手法も提案する.また,以上のようなシステムで作成したぼけ画像を評価する.There are a lot of researches for controlling the focus and blur of previously taken pictures. However, all of these researches require some special devices or techniques for taking pictures. Besides, enough size of blur can not be created with an ordinary compact digital camera, so it is hard to take pictures with impressively attracting main subject. Therefore, In this paper, we propose a method to create the image with demanded blur from the set of images taken by a compact digital camera placed at unknown viewpoints. Moreover, it is possible to produce various taste of blur by changing size, shape or weight of the blur kernel. In addition, we evaluated the quality of blurred images made by our system.
著者
伊藤 英明 中西 英之 石田 亨
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.1372-1380, 2007-03-15
被引用文献数
3

大規模な公共施設において目の不自由な人へのナビゲーションから緊急時の避難誘導にまで役立つことを目的に実装した通信環境について,京都駅ビルを用いてその有効性を検証した.この通信環境は,実空間の歩行者を仮想空間にCG オブジェクトとして写像することで広い範囲を継ぎ目なく俯瞰する機能と,写像されたCG オブジェクトへの直接操作により複数の対象との通信を指示者が切り替える機能を特徴とする.検証は2 つの実験からなる.最初の実験では,1 名の指示者が1 名の歩行者を携帯電話のみで誘導する場合と,位置情報を用いて誘導する場合の結果を比較した.2 つ目の実験では,1 名の指示者が2 名の歩行者を切り替えながら並行して指示を行った.1 つ目の実験参加者間の会話を分析した結果,利用者の位置情報を用いることで,目標地点を明示するためのランドマークが不要となる相対的な指示が可能となり,その結果,ときに冗長ではあるが,場所や人を問わずに理解されやすい指示が実現されることが示された.一方,2 つ目の実験結果からは,複数の通信対象へ並行して指示を行う際,上記の相対的な指示を用いることが,通信対象を切り替えるタイミングに関して指示者の制約を増すことにつながることが明らかになった.We present a study of system evaluation of the location-based remote guidance system in a large-scale public space. It is considered helpful for visitors who are, for example, visually impaired people or evacuees. Two functions characterize the system. One is a bird's-eye view that is represented as 3D-CG, which enables a guide to survey a large space and its visitors seamlessly. The other is a function to switch addressed users in guidance by direct manipulation to CG objects which are displayed as human figures on a touch screen. This paper reports two experiments, the first in which one member of a pair guided the other to some locations using only a mobile phone without information about the location of the guided person vs. with information about the location; the second, a person guided two persons parallely by the special pointing interface which enabled the guide to switch addressed pedestrians. Analysis of the first experiment, drawing on audio/video data shows that the location-based guidance system features easy guidance that rarely depends on space structure and humans. The result of second experiment highlights that the easy guidance described above isn't feasible for switching addressed pedestrians in guidance.
著者
甲斐根 功 佐々木 良一 斎藤泰一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.7, pp.2267-2278, 2006-07-15

近年,オンライン上でチケットの申請,発行を行う電子チケットシステムに注目が集まっており,電子チケットに関する研究が多く行われている.しかし,現在行われている多くの研究は,譲渡を可能としており,会員制のコンサート,パーティーなどで本人であるかを電子的に確認し,入場を制限する仕組みを持った電子チケットシステムの研究は少ない.そのため,本人であるかどうかを確認するには,チケット内に氏名などを含めた情報を入れておき,人手によって確認する必要があり,人手がかかるうえ,匿名性を保つことが難しい.そこで,これらの問題を解決するための方法として双方向署名と否認不可能署名を用いることにより,匿名性と譲渡禁止を可能とした電子チケットシステムを提案するとともに,プロトタイププログラムを開発し有効性の検証を行った結果についても報告する.Attention has been paid on the electronic online ticket system. However, there are few researches to inhibit transfer of the ticket for concert, party etc. One of the considerable methods to inhibit the transfer is to describe the user name in the ticket. In this case, however, it is difficult to keep anonymity. Therefore, we propose the electronic ticket systems that enable anonymity and the transfer prohibition by using an interactive signature and undeniable signature. In addition, we report the evaluation result using the prototype program based on the proposed method.
著者
今井 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.79, pp.1-6, 2001-07-27
被引用文献数
1

Shannonのエントロピーのもつ離散構造として、同時分布の周辺分布のエントロピーの 集合関数がポリマトロイドとなることが藤重により示されている。本稿では、量子情報理論のvon Meumannエントロピーについて、完全に古典確率の場合を含んだ形でこの 結果が拡張できることを示す。As discrete structure of the Shannon entropy, the entropy of marginal distributions forms a polymatroid, as shown by Fujishige. In this paper, we extend this result for the von Neumann entropy in quantum information theory.
著者
辻 貴孝 北岡 紀子 中西 泰人 大山 実 箱崎 勝也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.77, pp.19-24, 1999-09-24
被引用文献数
2

ここ数年で、携帯電話やPDAの普及によりモバイル環境が一般的になり、場所や時間の制約がなくなった。その一方で、コミュニケーションのコンテクストの複雑度は増すばかりであり、円滑なコミュニケーションが困難となってきた。そこで、我々はスケジュール情報とPHSによる位置検索情報を利用し、受信者のコンテクストに応じて適切にメッセージを変換して送り届ける、動的メッセージングシステムを提案する。 本稿では、シチュエーションに応じた動的メゾセージ伝達システム「Context Aware Messaging Service」の概要と実装、および実証実験について述べる。In recent years, cellular phone and PDA(Personal Digital(Data) Assistants) have come into wide use and we have gotten free from the restriction of time and the place. On the other hand, the context of communication has been getting more and more complicated. Thus we construct a situation based dynamic messaging system, using receiver's schedule and location of PHS, which converts a message to suitable media according to receiver's situation. In this paper, we describe an overview of a situation based dynamic messaging system called "Context Aware Messaging Service", an implementation and a practical experiment.
著者
宮田 章裕 松岡 寿延 岡野 真一 山田 節夫 石打 智美 荒川 則泰 加藤 泰久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.4041-4050, 2007-12-15
参考文献数
15
被引用文献数
7

本研究では,ブログ記事を取り巻く人々のインタラクションの様子「反響特性」を利用したブログ記事検索手法を提案する.ブログ記事は被リンク数が非常に少ない等,従来のWeb ページとは異なった性質を持つため,既存の検索手法が提示する記事を人間が読んでも有用と感じられない場合がある.また,既存検索手法は大衆から注目を集めている情報の提示に重点を置いているため,個々の閲覧目的に応じた記事を提示することができない.そこで本研究では,ブログ記事の書き手・読み手の行動は記事に対する人間の判断を反映しているという仮説に基づき,彼らのインタラクション情報を多面的に分析して「広さ,強さ,速さ,長さ」からなる多次元指標「反響特性」を定義する.この反響特性を用いることによって,「幅広い人から関心を集めている記事」や「長期間関心を集め続けている記事」というように,人間が実際に読んで有用と感じられる記事の多面的な観点から検索することが可能になる.提案手法が有用な記事を提示できるか検証実験を行ったところ,既存手法よりもユーザの満足度が高くなるという結果が得られ,提案手法に一定の有効性が確認できた.We present a method of searching blog entries that takes into account the response derived from the interaction of the blogger and readers. Here, response is composed of width, strength, speed, and length. These indicators enable users to find entries in which many readers are interested, in which a small group has an enthusiastic interest, in which a few members are chatting at intervals of a few seconds, and in which many readers have shown interest over a long period. An experiment conducted with a prototype system is presented. For a particular situation (searching movie reviews), our method has shown better results than an existing blog search service.
著者
清水 敏之 寺田 憲正 吉川 正俊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.224-234, 2007-06-15
被引用文献数
2

利用者が文書に対して検索を行う際に,検索要求が検索結果文書中のどの部分と関連しているのかが分かることは有用である.たとえば,大量の学術論文の中から,ある話題に関連する章や節などの部分文書のみを拾い読みしたいという要求は高いと考えられる.近年,様々な文書がXMLで構造化されている.XML文書の構造を利用することで部分文書も対象とする検索が可能となる.そのため,XML文書に対する情報検索に関する研究がさかんになってきた.そこで我々はXML文書に対してキーワード集合による検索を行うシステムであるKikori-KSを開発した.キーワード検索は,XML文書のスキーマを知っている必要がなく,XML専用の問合せ言語に対する知識も必要ないため,多くの一般的な利用者が利用可能である.検索結果として入れ子するXML部分文書を単位として用いるため,我々は検索結果提示インタフェースが重要であると考え,今回開発したKikori-KSでは,XML文書検索のための検索結果表示インタフェースを用意した.キーワード検索に必要な情報は関係データベースに格納し,利用者が入力したキーワード集合に対して関連するXML部分文書を取得し,インタフェースを通じて利用者に提示する.我々は大量のXML部分文書を効率的に扱うために,実体化結合ビューを生成して検索の高速化を実現した.広く利用されている関係データベースを用いることで汎用性の高いシステムが構築できる.INEXテストコレクションを利用した実験では,Kikori-KSが実用的な検索速度と比較的高い適合性を持つことを確認した.Identifying meaningful document fragments is a major advantage achieved by encoding documents in XML. In scholarly articles, such document fragments include sections, subsections and paragraphs. XML information retrieval systems need to search document fragments relevant to queries from a set of XML documents. We present Kikori-KS, an effective and efficient XML information retrieval system for XML documents. Kikori-KS accepts a set of keywords as a query. This form of query is simple yet useful because users are not required to understand XML query languages or XML schema. To meet practical demands for searching relevant fragments in XML documents, we have developed a user-friendly interface for displaying search results. Kikori-KS was implemented on top of a relational XML database system developed by our group. By carefully designing the database schema, Kikori-KS handles a huge number of document fragments efficiently. Our experiments using INEX test collection show that Kikori-KS achieved an acceptable search time and with relatively high precision.
著者
桜井 鐘治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.20, pp.217-222, 2009-02-26
被引用文献数
1

インターネットを使った取引では、マンインザミドル攻撃や、トロイの木馬などの不正なソフトウェアを端末に送り込むことにより、利用者が意図しない取引を行う問題が指摘されている。本稿では、取引に必要な情報を携帯電話で暗号化してサーバ側へ提供し、取引実行の前に利用者がサーバ側から表示される情報をPC上で確認できるようにすることで、これら不正な取引を防止するための改良を提案する。さらに、本改良についての安全性と利便性について考察する。In transactions over the Internet, a problem that transactions which are not intended by user are done illegally by the man-in-the-middle attacks and Trojan horses on terminals is pointed out. This paper proposes an improved protocol for protection against these illegal transactions. This protocol prevents these illegal transactions by offering encrypted transactions information from user's mobile phone to a server side, and by confirming information from the server on user's PC before execution of transactions. This paper also discusses the security and usability of this proposed protocol.
著者
濱口 信行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.122, pp.19-24, 2007-12-07
被引用文献数
2

理論物理学の計算にIR-vertexダイアグラムがある.ここで IR-vertexダイアグラムは ファイマンパラメータの解析積分を使用せずに 直接導き出される積分を言う.多倍長ライブラリを使用する事により 非常に小さい光子質量10-160GeVで 解析解と10桁 10-24GeVで8桁まで一致する積分結果を得る事が出来た.We have succeeded in obtaining very precise integration results for IR-vertex diagrams, where the integration is carried out directly without per forming any analytic integration of Feynman parameters. Applying the Multi-precision library to numerical integration, we have obtained integra tion results which agree with the analytic solution to 10 digits even for such a very small photon mass as 10-160 GeV and 8 digits for 10-240 GeV in the IR-vertex diagram.
著者
宮本 勝 大野 健彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.72, pp.9-16, 2006-07-06
被引用文献数
1

ユーザが短時間Webを見るだけで惹きつけられるためのWebデザインの方法論を確立することを目指し,視線計測を用いた評価実験を行った.検索エンジンが進化し,その利用が曰常化することで,ユーザは,1つのWebサイトを閲覧するのに費やす時間が短くなった.一方, 情報提供側は,集客のために魅力的なコンテンツを豊富に提供する必要がある.これより,豊富な情報量の提供を前提に,短時間でユーザを惹きつけるWebデザインがテーマとなる.視線を計測した結果,複数のデザイン案に共通して,ページの主要部分を,左上部から優先的に閲覧するユーザの傾向を可視化した.また,形容詞対を用いた印象評価では,レイアウトやタイトルバーの色が,ページ全体の印象に有意に影響を与えた.In order to investigate attractive Web design scheme, we conducted the Web browsin gexperiment with eye tracking system. Web users have been come to take shorter time to browse each web page because they have adapted themselves to use the search engine, and they jump one page to another in short time. On the other hand, Web site provider must prepare many rich contents compete rivals.Consequently,it is important to investigate web design given rapid browsing and rich contents.First,using eye tracking system, we visualized users' serch behavior which is characterised with questionnaire consisted of adjustive parts. The page layout and the color of time Bar influenced imoression f web page sig
著者
小池 真由美 伊藤 学 池田 佳代 日高 宗一郎 青木 輝勝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.21, pp.13-18, 2006-03-03

近年,インターネット等のネットワークを用いたコンテンツ流通が盛んに行われるようになり,画像検索に関するニーズが急速に高まってきているが,現在画像検索技術は必ずしも実用レベルに達しているとは言えず,今後さらなる改良に向けた研究開発が必要である.検索に際するインデキシングコストを抑えるとして、本稿で対象とする検索方式は、検索者が検索したい画像を手元に持たず、自らが描画した画像を元に画像データベースを検索する場合である.検索精度を高めるためには、この入力インターフェースに課題があると仮定し、3Dの機能を利用した3Dインターフェースを適用した場合の検索の有効性を示す.In recent years, content distribution through the Internet has been actively carried out, and image/video distribution as well as music distribution has become widespread in rapid pace. Under this situation, there are growing needs for image/video retrieval, however, technologies for image/video retrieval have not reached to practical level. This paper focuses on the retrieval method in which the retriever does not have any target picture at hand, and tries retrieving such picture from picture database comparing with his/her own drawing. The authors assume that the subject to be solved is in input interface in order to achieve retrieval efficiency, apply 3D function to make 3D interface and show improvement in retrieval achievement compared to conventional interface.
著者
間瀬 正啓 馬場 大介 長山 晴美 田野 裕秋 益浦 健 深津幸二 宮本 孝道 白子 準 中野 啓史 木村 啓二 笠原 博徳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.127, pp.1-6, 2006-11-28
被引用文献数
3

マルチプロセッサ、マルチコアアーキテクチャの普及に伴い、ハイパフォーマンスコンピューティング分野から組み込み分野に至る様々な分野で、その特性を引出し高実効性能・低消費電力を実現する自動並列化コンパイラの重要性が高まっている。本稿ではプログラム全域の並列性およびデータローカリティの有効利用が可能なマルチグレイン並列処理を実現する、OSCARコンパイラのC言語対応について述べる。OSCARコンパイラにおけるC言語対応を迅速に行うために制約付きC言語を定めた。MPEG2エンコード、MP3エンコード、AACエンコードの各メディアアプリケーション、組込み向けベンチマークMiBenchよりsusan(smoothing)、SPEC2000よりartについてC言語対応OSCARコンパイラによる自動並列化の初期性能評価を行い、8プロセッササーバであるIBM p5 550上でIBM XL Cコンパイラversion 8.0の逐次処理と比較してsusan(smoothing)で最大7.49倍、4プロセッサワークステーションであるSun Ultra80上でSun Studio 9 Cコンパイラの逐次処理と比較してsusan(smoothing)で最大3.75倍の速度向上が得られた。Along with the popularization of multiprocessors and multicore architectures, automatic parallelizing compiler, which can realize high effective performance and low power comsumption, becomes more and more important in various areas from high performance computing to embedded computing. OSCAR compiler realizes multigrain automatic parallelization, which can exploit parallelism and data locality from the whole of the program. This paper describes C language support in OSCAR compiler. For rapid support of C language, restricted C language is proposed. In the preliminary performance evaluation of automatic parallelization using following media applications as MPEG2 encode, MP3 encode, and AAC encode, Susan (smoothing) derived from MiBench, and Art from SPEC2000, OSCAR compiler achieved 7.49 times speed up in maximum for susan (smoothing) against sequential execution on IBM p5 550 server having 8 processors, and 3.75 times speed up in maximum for susan (smoothing) too against sequential execution on Sun Ultra80 workstation having 4 processors.
著者
小川 浩平 小野 哲雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. ICS, [知能と複雑系] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.150, pp.9-16, 2008-01-22
参考文献数
9

本論文において我々は,インタラクティブシステムの間を移動可能なエージェントを用いたITACOシステムを提案する. ITACOシステムとは,エージェントがインタラクティブシステムの間を移動することにより,人間とインタラクティブシステムとの間に,感情をともなった関係を築くことが可能なシステムである.我々は, 2つの実験を通じてITACOシステムが人間とロボットやテーブルランプなどのインタラクティブシステムとの間に感情をともなった関係を築くことができるかどうかを検証した.実験の結果より,感情をともなった関係が築かれることによって人間の認知能力や行動に対して一定の影響を与えることがわかった.
著者
杉山 聡 赤埴 淳一 小暮 潔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.55, pp.49-54, 2001-06-01
被引用文献数
1

本稿では,歩行者を目的地までナビゲートする対話において,歩行者にどのように適応して情報が伝達されているかを分析した結果について述べる.計算機システムを誰もが使いやすいように統計するためには,利用者に適応して情報を伝達にする技術が重要となる.特に,歩行者をナビゲートする対話システムでは,利用者の周辺地理に関する知識などに応じて,目的地までの経路を案内しなければならない.我々は,このような対話システムを実現するために,人間が歩行者をナビゲートする際に,どのように歩行者に適応した情報を伝達しているのかを収集し,分析した.対話データを分析した結果,歩行者の周辺地理に関する知識の有無に応じて,発話ターン数に統計的に有意な差があることを示す.さらに,ランドマークや方向指示の表現が,歩行者に応じて選択されることを示す.This paper describes empirical analyses of user adaptive interaction in route advice dialogues. User adaptation is an important technology to design computer systems so that everyone can use the systems without any barriers. In particular, interactive route advice systems should show users the way according to the users' properties, especially to users' knowledge on the region in question. To realize such dialogue systems, we have collected and analyzed how adaptively people advises routes. In this paper, empirical analyses show that there are significant differences in the number of dialogue turns according to user's knowledge on the region. We also show that landmarks and directions are described differently according to users.
著者
山田 奨治 早川 聞多
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.100, pp.25-32, 2000-10-27
被引用文献数
1

本論文では,ディジタル画像の利点を生かした浮世絵美人画研究について,(1)モルフィング技術によって作成された平均顔からの仮説設定,(2)顔の人類学的計測特徴による難判別作者の判別,(3)美人画の3次元CG化作業を通した表現の考察について報告する.(1)では,代表的浮世絵作者の平均的な美人面貌表現像を作成し,さらには歌麿の前期と後期との表現上の変化についての仮説を導いた.(2)では,清長・歌麿・豊国,広重・国貞・英泉・国芳,歌麿前期・後期という,一見判別の難しい作者の判別についての,面貌表現上の判別指針を示しえた.(3)では,歌麿作「高島おひさ」の3次元CGモデルを作成し,従来実像からの誇張ばかりに着目されていた歌麿の面貌表現について,意外と写実的である可能性が示唆された.これらの結果は,ディジタル画像を使用することによってはじめて得られた,浮世絵研究のあたらしい視点である.In this article, we discuss about an Ukiyo-e face research method using some merits of digitized image. Our study was conducted from three view points: (1) a hypothesis from averaged faces by morphing technology; (2) discriminations of very similar faces using antholopometric features; (3) a hypothesis through 3D CG model construction of a female's face. As for (1), some averaged faces of famous Utamaro's early period and his latter period, we reduced a hypothesis that the difference would come from the view angle. As for (2), we suggested some discrimination criterias for very similar painters; Kiyonaga, Utamaro and Toyokuni; Hiroshige, Kunisada, Eisen, and Kuniyoshi; Utamaro's early period and latter period. As for (3), we built a 3D CG model of "Takashima Ohisa" by Utamaro. Through the modeling, we have got a hypothesis that Utamaro could have been a realistic artist, in contrast to his image of exaggerated expression.
著者
北野 皓一 寺本 晃司 堀田 忠義
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告システムLSI設計技術(SLDM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.7, pp.75-79, 2009-01-22

商用のクラスタシステムは,高価だが OS や開発環境のバージョンが古いことが多く,また高価ゆえに他の研究室と共用での運用となるため, OS や開発環境のバージョンアップの実施は困難である.さらに,多ノードのシステムは広い物理スペースを占有し,かつ多大な電力が必要なため,特別な電源工事や冷房設備工事などが必要となる.本研究では,玄人志向社製の複数台の 「玄箱」 から成るクラスタシステムを提案する.このクラスタシステムは,計算能力の観点からは低スペックではあるが,多ノードのシステムを安価で低消費電力,かつ小さい物理サイズで構築できる.これを,新しいバージョンの OS や並列計算環境のテストを含めた並列化プログラムのテスト用のシステムとして提案する.Most computer cluster, which is produced by a company, is so expensive compared to a PC, and the versions of its operating system and parallel programming development tools are old. But in most cases, a user cannot install and test the higher version OSs and tools, because most cluster is shared by multiple laboratories or sections inside universities, institutes, or companies, because of its high cost. In addition, a cluster which consists of a lot of computers repuires huge physical spaces, a special construction of the electric power, and suitable air conditioners, and these also repuires additional expensive costs. In this paper, the computer cluster, which consists of multiple KUROBOXes of Kuroutoshikou Inc., called "KUROBOX cluster", is proposed. Its performance is very low, but the cluster is very low cost, very low electric power, and very small physical size, comared to most cluster by a company. We propose this cluster as a tester of parallel computer programs, including operating systems and parallel programming development tools.