著者
鈴木 有也 福田 宗弘 和田 耕一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.141-152, 2003-07-15

マルチエージェントに基づく複雑系モデルは,多種多様なエージェントの相互作用によってシミュレートされるため,シミュレーションアルゴリズムの良好な記述性がつねに求められる.そこで本研究では,スレッドで実装されたエージェントがクラスタ上を移動し,相互に作用しながらシミュレーションを進める並列マルチエージェントシミュレータM++を提案する.M++は,M++言語によって記述性を追求し,アルゴリズムに沿ったシミュレーションプログラムのコーディングを容易にする.また独自のS スレッドライブラリ,およびゼロコピー通信を用いたスレッド移動によって性能の低下を軽減し,台数効果を得ることができる.本論文は,人工社会シミュレーションをM++とMPIの双方で記述することによって,M++の記述性を検証し,その性能について考察することを目的とする.The multi-agent approach requires a large number of various agents and objects, where programmability are of essence in such simulations. To improve this feature of the approach, we propose the M++ parallel multi-agent simulator, in which threads represent agents, autonomously navigate through, and get access to a simulation space constructed over a cluster system. We have not only realized a narrow semantics gap between simulation models and their code with our M++ language, but also retained performance using our original sthread library and zero-copy thread migration scheme. In this paper we demonstrate programmability of M++ using artificial societies simulation by comparing with MPI and inspect its performance.
著者
冨林 豊 竹川 佳成 寺田 努 塚本 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.78, pp.39-44, 2008-07-30

近年,人と音楽との新たな関わり方として,クラブやイベント会場における BGM の選曲や再生をコントロールする DJ (Disc Jockey) が現れた. DJ は選曲を行い,曲と曲のスムーズなつなぎ合わせやエフェクトの選択を行い,聴衆を盛り上げる重要な役割を持つ一方,行動範囲は機器が設置されているブース内に限られている.そこで本研究では,ウェアラプルコンピューティング技術を活用することで,この問題を解決した新たな DJ 支援システムを提案する.提案システムでは装着型の無線通信機能付き加速度センサとジェスチャ認識技術を活用することで,場所を問わずに直観的な操作で DJ パフォーマンスを行える.本研究では,2007年神戸ルミナリエのイベントステージにて実際にシステムを試用し,BGM の制御を行った.また,評価実験により,状況認識用のセンサを新たに装着することで認職精度を損なうことなく自由度の高いジェスチャ認識が行えることを確認した.In recent years, DJ (Disc Jockey) who selects and plays music has attracted a great deal of attention. DJ selects music, changes the playing music to another music smoothly, applies the effect, and excites audience. DJ cannot get away from the booth where there are DJ equipments. Therefore, in this study, we propose a new DJ system that solves this problem by using wearable computing and behavior recognition technologies. The system proposed enables DJ to perform DJ techniques by intuitive gesture operations using wearable acceleration sensors. We have actually used our prototype system on an event stage of Kobe Ruminarie in 2007. We have evaluated the accuracy of the gesture recognition by changing the parameters, and we confirmed the effectiveness of the proposed system.
著者
任福継 財満康通
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.40, no.7, pp.93-93, 1999-08-15

ソフトウェア開発において ユーザーの要求を正確にプログラムに反映するためには ユーザ自身がプログラミングできることが最も望ましい.しかし 一般に ユーザはプログラムの開発者ではないので ユーザがプログラミング言語を学習しプログラムを開発するには大きな困難がともなう.ユーザにより自然言語記述で書かれた要求文をプログラムに変換するのを支援するシステムがあれば ユーザはプログラムを簡単に得ることができる.一方 コンピュータによる自然言語理解は困難であり しかも自然言語記述には要求が過不足なく反映されるとは限らない.人間にとっては十分な表現であってもコンピュータではその意図を把握することは難しい面もある.本研究ではこのような問題を解決するため 予め用意した知識により自然言語文の曖昧性の解消手法 要求細分類化によりプログラムベースの検索方法 さらに 人間の部分介入によるプログラムの生成方法を提案する.我々はこの方法に基づくプロトタイプシステムAIDPGを構築し 算数の文章問題に関するプログラム生成実験を行った.AIDPGは自然言語入力モデル(NLI-Model) 自然言語解析モデル(NLA-Model) プログラム生成モデル(PGG-Model) インタフェース制御モデル(HMC-Model)から構成される.さらに プログラム生成モデルは プログラム構造管理モデル データ構造及びデータタイプ管理モデル プログラム(関数)ベース操作と管理モデルからなる.ここで プログラムベースは予めシステムに用意されており 問題固有のプログラム(関数)の集合である.現在 AIDPGはまだ初歩的段階であるが 算数の文章問題のプログラムを生成する実験では 本研究で提案した方法は大変効果的であると考える.In this paper we describe AIDPG, an interactive prototype system, which derives computer programs from their natural language descriptions. AIDPG shows how to analyze natural language, solves ambiguities using knowledges, and generates programs. AIDPG consists of a natural language input model (NLI-Model), a natural language analysis model (NLA-Model), a program generation model (PGG-Model) and a human machine interface control Model (HMC-Model). The PGG model has three sub-models, a program structrul manage submodel, a data structurl and type manage sub-model, and a program base manage sub-model. We used arithmetic problems which descripted in Japanese to pass AIDPG and got their run-possible C programs. Although AIDPG is basic corrently we got a significant result.
著者
森下 健 中尾 恵 垂水 浩幸 上林 弥彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.2689-2697, 2000-10-15
被引用文献数
13

SpaceTagは位置と時間の属性を持ち,特定の場所と特定の時間でのみアクセス可能な仮想オブジェクトである.位置センサと通信装置を備えたモバイル携帯端末を持って街を歩くユーザは,周囲にあるSpaceTagのみを見つけることができ,また自分のいる場所にのみSpaceTagを作成することができる.このようにSpaceTagシステムは情報が位置依存で提供されることからモバイル情報システムであり,また現実世界に情報を付け加えるので拡張現実感システムでもある.SpaceTagシステムは情報へのアクセスを現実世界の位置と時間によって制限するので,WWWなどと比較して不便なシステムといえるが,情報にはアクセスが困難だからこそ価値がある場合があると我々は考える.SpaceTagは公共の情報サービスとしての提供が想定され,観光案内,広告,地域掲示板,実世界ゲーム,局所通信などの応用が考えられる.SpaceTagはシンプルな概念であり,現在の技術でも比較的安価に実現が可能である.本論文ではこのSpaceTagプロトタイプシステムの設計と実装について説明する.A SpaceTag is a data object with attributes of location and time, which can be accessed only from limited locations and time period. Users of the SpaceTag system walk around in a city with a portable terminal equipped with location sensors and wireless communication device. They can find SaceTags only around their location. They can also create and put SpaceTags at only their location.It is a mobile information system because information is location-aware, as well as it is an augmented reality system because it attaches information onto the real world. The SpaceTag system restricts the users to access information by their location and time of the real world. Therefore it is a inconvenient system comparing with WWW.However, we insist that information sometimes has its value because it is hard to access.The SpaceTag system can be provided as a public information service that is a common platform for tourist information, advertising, local bulletin board systems, games in the real world, instant communities, etc. SpaceTag is a simple concept, andit can be realized by the present technologies without much cost.This paper describes the design and implementation of the SpaceTag prototype system.
著者
越澤 勇太 日浦 慎作 佐藤 宏介
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.38, pp.171-178, 2005-05-12
被引用文献数
1

今後,家電機器はより一層高機能化し,それに伴って操作は複雑化していくものと考えられる.そのような複雑な操作に柔軟に対応でき,またリモコンのように機器を手に取る必要のない操作インタフェースとして,ジェスチャを用いたインタフェースが考えられる.ジェスチャ操作用のインタフェースにおいても,GUIのようにウィジェットと呼ばれる基本操作に対応した部品を提供し,その組み合わせでインタフェースを構築することで様々な機器の操作方法を統一し学習を容易にすること,また操作法をユーザへ アフォードすることができると考えられる.そこで本研究では,特に音量などの連続量の操作に注目し,ジェスチャ操作に適した量操作ウィジェットを設計,評価した.その結果,従来のGUIに見られる量操作ウィジェットを用いた場合と比較して,提案するウィジェットの方が高速かつ正確な操作が行えることがわかった.The ways to operate electric appliances will be more complicated if new functions are added without careful organization. A gestural interface with visual presentation is one of the solutions for such complicated operations without taking any devices like remote controllers. For ease of learning and to afford users how to operate various appliances, it is effective to use a set of widgets for constructing interfaces, because each widget can be shared by all different appliances. Therefore, in this research, we designed value-control widgets for gestural interfaces and then compared them with existing GUI widgets for evaluation. We showed that users can control values more rapidly and accurately with the proposed widgets than the ones for GUI.
著者
越澤 勇太 日浦 慎作 佐藤 宏介
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.149, pp.171-178, 2005-05-12
参考文献数
8
被引用文献数
1

今後, 家電機器はより一層高機能化し, それに伴って操作は複雑化していくものと考えられる.そのような複雑な操作に柔軟に対応でき, またリモコンのように機器を手に取る必要のない操作インタフェースとして, ジェスチャを用いたインタフェースが考えられる.ジェスチャ操作用のインタフェースにおいても, GUIのようにウィジェットと呼ばれる基本操作に対応した部品を提供し, その組み合わせでインタフェースを構築することで様々な機器の操作方法を統一し学習を容易にすること, また操作法をユーザヘアフォードすることができると考えられる.そこで本研究では, 特に音量などの連続量の操作に注目し, ジェスチャ操作に適した量操作ウィジェットを設計, 評価した.その結果, 従来のGUIに見られる量操作ウィジェットを用いた場合と比較して, 提案するウィジェットの方が高速かつ正確な操作が行えることがわかった.
著者
和田 英一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.1163-1171, 2005-10-15
被引用文献数
1
著者
長谷川 隆明 林 良彦 山崎 毅文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.1745-1754, 2004-07-15
被引用文献数
1

インターネットに接続可能な携帯電話の普及により、携帯電話に電子メールを転送するユーザが増えている。外出先からでも携帯電話に電子メールの着信が通知されるので、日々大量に電子メールを受信するユーザにとって、携帯電話を通して即時に電子メールを読むことは有効である。しかしながら、画面の大きさや送信可能文字数の制約により、転送される電子メールの本文すべてを読むことは難しい。本論文では、この問題を解決するために、電子メールの特徴を利用した重要文抽出手法と携帯電話向け要約システムへの適用を提案する。本手法の特徴は、電子メールに特有な表現とスタイルの特徴を利用したルールにより重要文を抽出することである。本手法により、人手により作成された重要文の正解との比較において、特に複数の評価者間で正解に対するコンセンサスの得られる電子メールに対して、高い精度で正解と一致する重要文を抽出できた。また、携帯電話向け要約システムへの適用を考慮した評価においても、電子メールの取捨選択に十分利用できる高い精度が得られた。With the spread of mobile phones that can access the Internet, most people are forwarding their incoming email to their mobile phones. Mobile phones enable heavy users of emails to access them anywhere. The restricted capacities (display size and message limits) of mobile phones, however, prohibit whole messages from being read as is. We propose a new rulebased method of sentence extraction which takes the features of emails into consideration and describe its application to an email summarizer for mobile phones. Our method uses the expression and style specific to emails. The sentences extracted by the proposed method are virtually the same as those selected manually by majority voting. A task-oriented evaluation of the proposed method reveals its high precision and recall in screening for emails through mobile phones given a practical message size limit.
著者
牛島 和夫 田町 典子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.81-87, 1982-01-15

プログラムは読んで理解しやすいことが重要である.しかしソースプログラム自身がわかりやすく書かれていても 手続き間関係あるいは処理対象となるデータの役割を大域的な視野で把握することは容易でない.プログラムが大きくなるとこれらの関係がますます複雑になるため 何らかの支援ツールが必要となる.既存の静的解析ツールは出力結果が大量になりがちで必ずしも利用しやすいとはいえない場合が多いので 必要な情報が探しやすいよう整理されていることが求められる.また動的解析結果を静的解析結果に加えて出力することによりさらに有効な情報を得ることが期待できる.以上の考察に基づき手続き間情報の解析と整理のツールAUDIEを作成した.AUDIEはFORTRANプログラムを静的に解析してその情報を蓄積し さらに手元にある実行回数計数ツールFORDAPによる動的解析情報を組み合わせ 整理して提示する.このシステムは1980年12月から九大大型計算機センターで一般の使用に供している.本論文ではまずAUDIEの機能を概説し その実現とAUDIEの作成するプログラムデータベースについて述べ AUDIEの使用例を通じてその効用を説明する.なおAUDIEは他環境への移し換えを考慮してPortabIe FORTRANで記述している.
著者
松下 伸行 日原 大輔 後 輝行 吉村 真一 暦本純一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3664-3674, 2002-12-15
被引用文献数
20 27

実世界の状況を積極的に利用する拡張現実システムのための,新しいID認識カメラシステムを提案する.人の見ている事物に応じて情報を提示する拡張現実システムは,実世界状況を積極的に利用しているが,ID認識技術が近距離でのみ利用であったために理想環境でしか実現していない.そこで,目の前から遠くまでのユーザの見ている事物を,区別するのに十分な空間解像度を持つ新しいID認識システムが必要である.本研究では光ビーコンと高速イメージセンサを利用することで,普通のカメラとしてシーンを撮像するだけでなく,ビーコンのIDを近距離から長距離まで認識できるID認識システムを提案する.このシステムをIDカメラシステムと呼ぶ.IDカメラシステムを実装し,特性評価を行った結果,実環境で使用するのに十分ロバストであることが確認された.IDカメラシステムをネットワーク型携帯端末に搭載することで,実環境において拡張現実システムの構築が可能である.This paper describes our design and implementation of a new IDrecognition system called the ID Camera system. Although AR systemspresent information according to things that people are looking at inthe real world, the present ID recognition systems can be used only inan ideal environment. Therefore, a new long range ID recognitionsystem is required. In this paper, we propose an ID recognition systemusing Optical IDs and a high-speed image sensor. The ID sensorcaptures a scene as an ordinary camera as well as recognizing the IDof the beacon from a long distance. We implemented the ID Camerasystem and performed characteristic evaluations. A mobile AR systemcan be realized by combining this ID Camera system and a PDA with awireless network.
著者
湯本 高行 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.83-92, 2007-06-15

知りたい情報について知識がない状態で検索を行う場合,ユーザは検索結果を閲覧しても,必要なすべての情報を得られたのかどうかを判断することができない.また,現在のページごとの検索では知りたい事柄について1ページで十分な情報を持ったページが存在するとは限らず,そのため解として適切なページが見つかるとは限らない.そこで,ユーザの求める情報の全容を表すページ集合を発見する全容検索を提案する.全容検索は,通常のページごとの検索結果から,あるキーワードについて話題の広さと深さの両方を兼ねそなえたページ集合を生成し,それをランキングする.全容検索では,話題の漏れのないようにページを網羅的に収集するのではなく,検索結果集合から詳細グラフという語の詳細関係を表すグラフを計算し,ページ集合の表す内容やページ間の内容の重複を表現し,ページ間の内容の重複ができるだけ少なく,ユーザが効率良く閲覧できるようなページ集合を生成する.本稿では,ページ集合を対象とした全容検索と通常の検索やページごとの全容検索などを比較し,ページ集合を解として全容検索をすることの有効性を示す.When a user searches Web by a query keyword X about which he/she has no knowledge, it is difficult for him/her to evaluate to what extent each answer page includes topics about X. Furthermore, conventional page-by-page search might not always return an appropriate page as an answer that include enough topics about X. In order to solve these problems, we propose overview search to find page sets which describe overview about what users want to know. Overview search is to find page sets which describe both of wide topics and deep detail about a given query and rank them. However, users don't want to browse too big page sets. Therefore, in overview search, pages in a page set should have less duplicated information. We construct as compact page set as possible by using a Detailing Graph. The Detailing Graph represents detailing-relationship between terms in search results. We express the information which page sets have and the duplication between pages by using the Detailing Graph and construct the page sets which have more information and less duplication. In this paper, we compare our overview search returning page sets as answers, overview search returning pages as answers and conventional Web search. We show some experimental results and the effectiveness of overview search.
著者
姚左軍 潰田 喬
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.11, pp.2056-2064, 1996-11-15

特徴ベクトルを用いた画像や全文などのデータベースの類似検索において 検索の効率に及ぼす特徴ベクトルのインデックス方法は1つの大きな課題となっている. 本稿では データ間に存在する類似性に基づいた特徴ベクトルの分類法である「回帰的クラスタリング」と この分類法で構築された特徴ベクトルの木構造インデックスに適した探索手法である「排除探索法」を提案する. 本提案により特徴ベクトルを用いた画像 全文データベースの類似検索を効率的に行うことができる. すなわち 通常 検索の呼び出し率が10%以下の場合 線形検索手法による類似検索と比べ 本提案による類似検索のコストは3分の1程度にとどまることが 英文フルテキストから抽出した分野情報卜基づく特徴ベクトルを用いた評価実験により確認された.For the similarity retrieval based on feature vectors, how to construct an index of feature vectors to improve the retrieval efficiency has become an important topic. In this article we introduce a newly developed index method of feature vectors, which is 'composed of "recurrence clustering" and "removal search strategy." Recurrence clustering is a classification method used to construct a tree-like index of feature vectors based on similarities between feature vectors, and removal search strategy is a method tailor-developed to suit for searching the index structure constructed by recurrence clustering. The similarity retrieval based on feature vectors can be efficiently improved by this new approach. That is, the retrieval cost of this approach is less than that of linear associative retrieval strategy when the recall ratio is less than 10%. The effectiveness of the approach was confirmed in relative experiments using feature vectors extracted from full-text.
著者
鈴木 宏正 岡本 基 金井 崇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.70, pp.1-6, 1999-08-23

三角形メッシュモデルを、特に低価格ハードウェア等で、効率的に描画するためには、グラフィックスパイプラインに発行される頂点数を削減することが重要であり、代表的な方法として、PM表現(Progressive Mesh)と頂点共有表現がある。前者は、ポリゴンの可視性に注目して、動的にモデルの詳細度を変更するLOD (level of Detail)の一種であるが、複雑なデータ構造を必要とする。一方後者は、連続する三角形で頂点を共有するもので、データ構造が単純でまたメモリー効率もよく、広く利用されている。しかし、原理的に1枚1枚の面の生成削除を行うPMに適用することは難しい。本研究では、頂点共有表現の一つであるFAN構造に対して、PM的なLODを適用するProgressive Fan表現法について提案する。試作システムによって頂点発行数を40%程度削減できるLODができることを示した。For efficient rendering of triangular meshes, particularly on a low level graphics hardware, it is critical to reduce the number of vertices passed to the graphics pipeline. Two types of approaches have been used, PM (Progressive Mesh) and vertex sharing by STRIP and FAN structures. The former is a kind of LOD (level of detail) technique, which can dynamically controls the number of vertices according to the visibility of the model. It, however, requires complex polygonal representation. The latter is a traditional technique for representing polygons in a simple data structure of small amount of memory, but does not easily fit to LOD scheme. This paper proposes a LOD technique named Progressive Fan based on FAN data structure. A prototype system is developed to demonstrate that the technique can reduce the number of vertices passed to the pipeline by about 40% in LOD process.
著者
木下 敬介 張正友
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.70, pp.43-50, 1997-07-24

複数のカメラで撮影した画像から、三次元空間中の点の三次元位置を、簡単に、そして、安定に推定する手法を提案する。従来の透視変換モデルを使うかわりに、アフィンカメラモデルを採用した。まず、複数のアフィンカメラで撮影された画像から、三次元空間の点の位置を線形な計算で推定できることを示す。次に、仮想的なアフィンカメラで撮影したのと等価になるように、現実のカメラで得られた画像を補正する方法を提案する。補正後の画像からは、三次元位置を線形な演算だけで推定することができる。This paper proposes a simple and robust method that estimates 3D position of the points from multiple cameras. Affine camera model is used instead of conventional perspective camera model. First we show that, using multiple cameras, the 3D position is estimated from the image coordinates by linear operation. Then, we assume that Affine cameras are virtually placed in the 3D space. The image coordinates of the real cameras are modified to coincide with those of the virtual Affine cameras. 3D positions of the points are linearly estimated from this modified image coordinates.
著者
小栗 伸幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.12, pp.199-204, 2002-02-14

検証可暗号は,公平な文書交換など,多くの暗号プロトコルで利用できる方法である.この検証可暗号に対して,これまで,素因数分解問題や離散対数問題に基づく検証可暗号が提案されてきた.本稿では,ラティス問題に基づき,計算能力の小さいモバイル端末に適した公開鍵暗号NTRUによる検証可暗号を提案する.更には,NTRUによる閾値暗号を提案することによって,本稿で提案する検証可暗号の鍵寄託への応用を提案する.Verifiable encryption scheme is used in many cryptographic protocols such as fair exchange. So far, verifiable encryption scheme based on factorization problem or discrete log problem has been proposed. In this paper, we propose a new verifiable encryption scheme based on lattice problem by using NTRU that is suitable for mobile devices with only small computation power. And then, we propose key escrow scheme using NTRU which verifiable encryption scheme and threshold cryptosystem are applied to.
著者
米田 匡史 鵜川 始陽 花井 亮 八杉 昌宏 湯淺 太一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.47, no.11, pp.38-49, 2006-07-15

リージョン推論と呼ばれる静的にオブジェクトの寿命を見積もる手法に基づくメモリ管理が,Tofteらによって提案されている.リージョン推論に基づくメモリ管理では,オブジェクトはリージョンと呼ばれるメモリブロックのいずれかに生成される.リージョンは特定のスコープを抜けると解放され,そのリージョン内に生成されたオブジェクトも同時に解放される.そのため,再帰呼び出しのように,関数呼び出しが連続する場合にはリージョンの解放ができない.Tofteらの処理系では,今後の計算においてアクセスされる可能性のあるオブジェクトが入っていないリージョンにオブジェクトを生成する際に,そのリージョンに入っているオブジェクトに上書きして生成しようとしている.しかし,関数がリージョンをリージョン変数に受け取ることができるため,リージョン変数のエイリアスが生じ,静的にオブジェクトを上書きしてもよいと判定できる箇所が限られる.本論文では,問題となるエイリアスが存在するかどうかを,実行時にオブジェクトを生成する際に調べる手法を提案する.これにより,Tofteらの手法では上書きしてよいか分からなかったオブジェクト生成の箇所で,より厳密に判定できるようになる.その結果,メモリ効率が向上し,これまで妥当なメモリ使用量で動かなかったプログラムが動くようになると期待される.A technique for memory management based on region inference, which statically estimates the life-time of objects, was proposed by Tofte, et al. With this technique, objects are created in one of the memory blocks, called regions. Each region is deallocated when the control flow exits its corresponding scope and all objects in the region are deallocated at that time. This means that systems cannot deallocate regions while function calls are repeated without returning. This often happens in the case of recursive function calls. Tofte implemented a system which creates a new object by overwriting existing objects in a region if the region has no object that might be accessed in the rest of the computation. However, there are not a few points of object creation at which his static analysis cannot find it possible to overwrite. This is because functions may receive regions as region variables and there may be aliases of region variables. In this paper, we propose a technique to improve memory usage by checking the existence of problematic aliases at runtime. Our technique can determine exactly whether it is possible to overwrite in many points of object creation where Tofte's analysis fails. As a result, we expect more programs to run with a relatively small amount of memory in region-based systems.
著者
竹内 翔大 ツィンツァレク トビアス 川波 弘道 猿渡 洋 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.129, pp.295-300, 2007-12-21
被引用文献数
2

実環境で頑健に動作する音声対話システムには多彩な発話表現を柔軟に処理できる対話制御技術が必要となる.多彩な発話表現に対して頑健な応答生成手法として,用例ベースの応答生成が研究されている.この手法では質問応答データベース (QADB) を用いて入力音声の認識結果に最も近い質問例を選択し,入力に対して最も適切な応答を生成する.これまで,QADB は発話データの書き起こし文を用いて作成されていた.本稿では,音声認識結果を用いた QADB (認識結果 QADB) による応答生成とその最適化を提案する.この手法により,入力に含まれる音声認識誤りに頑健な用例選択が行える.システム応答の適切さを応答正解率で評価した結果,6候補程度の認識結果を用いて QADB を作成し,最適化を行うことで,従来と同等以上の応答正解率が得られた.A speech-oriented dialog system employed in real-environment requires dialog control techniques which enable flexible processing of various utterance expressions. As a robust response generation method for various utterance expressions, an example-based response generation method has been studied. This method employs a question and answer database (QADB) to generate the most appropriate response by selecting an example question which is nearest to an input. Conventionally, a QADB is constructed from transcriptions of utterance data. In this paper, we propose response generation based on a question and answer database using automated speech recognition results (ASR-QADB), which enables to perform robust selection of examples against recognition errors. Evaluating the performance of system responses by response accuracy, the same response accuracy as with the conventional method is achieved by constructing and optimizing ASR-QADB using 6-best recognition results.
著者
水原 隆道 中西 恒夫 福田 晃
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.116, pp.79-64, 2001-11-28
被引用文献数
2

ゲノム情報学分野における相同性検索や立体構造予測などのアプリケーションは,巨大なゲノム配列データに対して解析を行うため,特に解析精度を求める場合には、高速な計算機が要求される.本稿では,このようなゲノム情報学アプリケーションに特化した専用プロセッサを設計し,ハードウェアによるその高速処理を図る.同専用プロセッサは,ゲノム情報学アプリケーションによく用いられる動的計画法をデータフロー並列処理により高速化する.ソフトウェアシミュレーションによる予備評価の結果,PentiumIII 1GHz と比べて,約13.5 倍の処理速度が得られることを確認した.Genome informatics applications such as homology search or protein structure prediction, which deal with a huge amount of DNA or amino acid sequences, requires extremely high performance computers especially for accurate analysis. This paper describes design of an application-specific for genome informatics to achieve high performance computing by hardware. The processor accelerates dynamic programming frequently employed by genome informatics applications by data-flow parallel processing. A preliminary experiment by soft-ware simulation shows that the processor can perform dynamic programming 13.5 times as fast as purely software processing by PentiumIII of 1GHz CPU clock.
著者
出水 祐樹 佐野 睦夫 西口 敏司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.82, pp.165-170, 2008-08-29

近年,画像処理技術を利用して人間の行動を理解する研究が盛んに行われている.人間の行動を理解することは,人間とコンピュータとの自然なインタラクションを実現するのに必要不可欠である.特に視線は,人間の意図や注意を認識するのに大きな役割を果たしている.視線を検出することができれば,様々なインターフェースに適用できる.例えば,視線情報を利用して人間同士のコミュニケーションを促すエージェントなどが挙げられる.本稿では,AAM (Active Appearance Model) とパーティクルフィルタを用いたノイズにロバストな視線追跡方法について述べる.まず始めに AAM を用いて顔特徴点の抽出を行う.顔特徴点の情報をもとに顔向きの推定を行い,どの方向を見ているのかを検出する.次に AAM で求めた目領域に対して,パーティクルフィルタを用いて視線追跡を行った結果を示す.Recently, by using image processing technology, many methods to understand a human behavior have been proposed. It is essential to understand a human behavior to realize natural interaction between human and computer. Gaze-movement plays a major role to recognize human's intention and attention. Detecting the gaze-movement can make us develop various man-machine interfaces, such as communication agents. This paper proposes gaze tracking method using AAM and Particle Filter. At first, this method extracts the face feature points using AAM. Then it estimates a face direction based on information of the face feature points and exerts gaze tracking to eyes region of the estimated direction by Particle Filter.
著者
佐藤 淳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.115, pp.61-68, 2006-11-09
被引用文献数
2

プロジェクタの小型化高性能化に伴い,プロジェクタカメラを用いた新たなシステム実現への期待が高まりつつある.特に近年では,複数のプロジェクタとカメラを用いたマルチプロジェクタカメラや,ダイナミックに位置や姿勢を変えるプロジェクタカメラに関する研究開発などが進展しつつある.本発表では,このような多数のプロジェクタとカメラが存在する場合に現れる特有な多視点幾何を明らかにすると共に,このようなプロジェクタカメラを使った拡張現実感の例などを示す.特に,一見,邪魔物と見られがちなプロジェクタによる影が,プロジェクタカメラシステムの校正や3次元復元などを行う上で非常に重要な役割を果たすことや,プロジェクタカメラをモバイル化したモバイルプロジェクタカメラによる新たなプロジェクタカメラの可能性などに関して述べる.The projector camera system has recently been applied for various new multimedia systems. In particular, multiple camera projector systems and dynamic camera projector systems have been studied recently. In this paper, we show the multiple view geometry for cameras and multiple projectors, and show some applications on augmented reality systems. In particular, we show that shadows made by projector light provide us very important information for calibrating projector camera systems and for reconstructing the 3D structure of the scene. We also show mobile projector camera systems, which can be applied for new multimedia systems.