著者
高橋秀俊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.14, 1973
被引用文献数
1
著者
後藤 真孝 根山亮
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.299-309, 2002-02-15
被引用文献数
19

本論文では,Internetのような広域ネットワークを経由して,不特定多数のユーザが遠隔地間でジャムセッションできるシステムOpen RemoteGIGを提案する.本研究は,物理的に1カ所に集まらなくても,音楽的なインタラクションを楽しむことができるセッションを実現することを目的とする.従来,遅延の小さいネットワークを介したMIDI中継は実現されていたが,遅延の大きいInternet等を介した双方向のMIDI中継によって,調性とリズムのある音楽を合奏することはできなかった.そこで本研究では,不可避な遅延を積極的に利用した,調性とリズムのある音楽のための新たな形態の遠隔セッションシステムOpen RemoteGIGを実現した.Open RemoteGIGでは,同一のコード進行(12小節のブルース進行等)の繰返しを,テンポ一定で演奏することを前提として,遠隔地にいる複数の演奏者がInternet経由のセッションを行う.演奏者は,お互いの演奏をコード進行の1周期の整数倍の時間だけ遅れて聞き合いながら,即興演奏する.コード進行は繰り返すため,遅延した演奏は再び同じコードとなり調和する.さらに,Open RemoteGIGは,演奏相手の発見環境や打合せ用のチャット機能も提供する.MIDI中継は音楽用通信プロトコルRMCPに基づいて実装され,実際に遠隔地間で提案したセッションをできることが確認された.This paper describes a distributed session system called {\it Open RemoteGIG\/} which enables widely distributed musicians to join a worldwide jam session by using the Internet.Our goal is to have musicians participating in a truly interactive jam session without getting together physically.Although MIDI transmission via small-latency networks has been tried, performing a distributed jam session with tonality and rhythm has been considered difficult when we use a long-latency public network like the Internet.We therefore developed an innovative distributed session system for music with tonality and rhythm, {\it Open RemoteGIG}, which turns the long inevitable network latency to its advantage.In Open RemoteGIG, distributed musicians can interact over the Internet under the assumption that the tempo is constant and the chord progression is repetitive, like that of 12-bar blues.Each musician can improvise while listening to the others' performances that are intentionally delayed for multiples of the constant period of the repetitive chord progression; the delayed performance can fit the chords because the progression is repetitive.Open RemoteGIG also supports a musician-finding and group-chatting environment.The MIDI transmission was implemented by using a music network protocol called {RMCP} and we confirmed that the proposed distributed session was achieved.
著者
山根 信二 村山 優子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.45, pp.77-82, 2003-05-15

2003年度に電子政府を実現するe-Japan計画に沿って,現在官公庁から地方自治体におよぶ全国的な取り組みが進められている.その過程で安全性証明のみならずリスク評価が重要な課題となっている. 本報告では,政府調達システムに固有のリスク評価事例として特にスマートカート(多目的ICカード)に注目する.スマートカード導入において,仕様策定,国際技術標準の導入,端末のセキュリティといった個別の課題を取り上げ,最後に比較事例としてアメリカ,ドイツ,イギリスの関連動向についてもとりあげる.Japanese government had proposed the single smartcard enough to run multiple applications. It is called ``common IC card in public sector''(Kouteki Bun-ya ni okeru Renkei IC card). In 2001, the ministries agreed the adoption of operational policies and technical specifications for common IC card in public sector. This paper exmines the govermental requirements oo the smartcard from the view point of security engineering and risk analys. This paper also comment on the smartcard issues in US, Germany, and UK.
著者
太田麗二郎 廣津登志夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.193-195, 2012-03-06

GPSが利用できない屋内において高精度の位置同定を行うために、高機能携帯端末に備えられている各種センサを利用することが考えられる。例えば3軸加速度センサを用いると水平方向に加えて垂直方向の挙動を推定できることから高層ビル内での垂直方向を含めた所在階把握などへの応用が期待できる。また、端末に搭載されている地磁気センサを併用し端末の姿勢を測定することにより、端末の姿勢に捕らわれない位置推定が可能となる。そこで本研究では高機能携帯端末の加速度センサを用い、端末を保持したユーザの空間内の移動推定手法について検討する。
著者
竹森 敬祐 三宅 優 中尾 康二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.68, pp.27-32, 2002-07-18
参考文献数
11
被引用文献数
1

コンテンツの変更を検知してアラームを通知するWebサーバリモート監視システムにおいて,正規の更新によって通知されるアラームの中に,注意すべき改竄アラームが埋もれてしまいかねないという問題が明らかになった.そこで本稿では,監視中のコンテンツに変更を検知した場合,そのコンテンツの特徴や変更前後の変化の様子を解析することで,改竄を的確に検出する改竄判定手法を提案する.提案手法は,改竄にみられる特徴のうち1つでも1つでも該当する項目があれば改竄とみなす手法であり,その判定結果は,正規の更新と改竄を区別して出力する.実際の改竄のデータを用いて提案手法の改竄判定率を評価した結果,小さな誤判定率で全ての改竄を検出できることを確認した.これにより,サイト管理者は改竄アラームに集中できるようになり,検出された改竄の特徴を知らされることで,コンテンツの改竄状況の把握と改竄時の対策を迅速に実施できるようになる.We have developed a remoto patrol system for web servers which detects the change of contents. However, it could not distinguish between regular updata and and unauthorized manipulation. The administrator of web servers may receive many alarms from this system if the contents are updated, frequently. In this paper, we propose detection algorithm of unauthorized manipulation by concentrating on the characteristics on HTML contents as well as the correlation between before and after changes. We could abstract six characteristics, which are so-called signatures to detect manipulations based on the several sample data. We also evaluate our algorithm using many sample data, and as the results our algorithm is quite feasible to detect any types of contents with little miss-detection of faults positive. In conclusion, administrators of web servers detect and manage the unauthorized detection efficiently among their routing works.
著者
大岩元 高嶋 孝明 三井 修
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.772-779, 1983-11-15
被引用文献数
4

日本語入力は 日本のオフィスオートメーションにおける最重要課題の一つであるが タイプライタの使用に慣れないために キーボード入力が必要以上に嫌われている.タッチタイプに関する山田らの研究に基づいて 一般人の使用にもたえると同時に 入力専門家の高速入力にも使える 多ストローク直接入力方式の可能性について検討し 30キー鍵盤を用いた一つの入力コード体系TUTコードを提案する.カナのコードは50音表の「行」と「段」の構造を利用して 体系的に設計してあるので 左手で「行」 右手で「段」を指定することにより 全部で16個のキーだけを用いて 濁音 半濁昔 よう音を含むすべてのカナを入力することができる.したがって 3時間の練習でカナをブラインド・タッチで入力することが可能となり カナ漢字変換の入力を一般人が効率的に行うことができる.漢字は残りのキーを用いて 725字を2ストロークで さらに1 800字を3ストロークで入力する.コードの設計にあたっては 連想は排して 文字の出現頻度と指の動きやすさのみを考慮して行った.とくに2ストローク入力については2字続きの文字組の出現頻度まで考慮したので 熟語が打ちやすいという特長が生まれた.これによって 入力専門家による高速入力が可能になると期待される.
著者
阪田 真己子 丸茂 祐佳 八村広三郎 小島 一成 吉村 ミツ
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.7, pp.49-56, 2004-01-23
被引用文献数
4 3

本研究は,日本舞踊における身体動作の感性情報処理研究の一環として,感性評価実験によって得られた主観的情報と,モーションキャプチャシステムによって得られた物理的情報との対応関係を検討することを目的としている.日本舞踊の既存の演目の中から,「寂しい」「楽しい」「厳かな」「鋭い」「流れるような」「躍動的な」「さりげない」という7種の感性情報を伝達すると想定される振りについて,モーションキャプチャを用いた計測と分析を行った.本稿では特に時性要因としての速度情報に着目し,主成分分析によって特定された各振りの代表マーカの速度情報と感性評価で得られた主観的な情報との関連性について検討した.The purpose of the current study is to investigate the correspondence between subjective information obtained from KANSEI evaluation experiments and physical data obtained using a motion capture system. This study is a part of the current research dealing with KANSEI information found in the physical movements in Japanese traditional dance. Using existing Japanese traditional dance programs, several motions which are supposed to communicate seven KANSEI information of 'lonely', 'happy', 'solemn', 'sharp', 'flowing', 'dynamic' and 'natural' were selected. These motions were then measured and analyzed using a motion capture system. In the current study, in particular, special attention was paid to the speed data as the time factor. And investigation was made between the speed data of the representative marker of each motion and subjective factors which had been obtained from KANSEI evaluation experiments.
著者
堀内 征治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.43-46, 2007-01-15
被引用文献数
1

我輩は「虫」である.住まいはPC.我がご主人が開発したプログラムの中で生まれ,運よく生き残っているバグである.ご主人は,高専3年生.全国の高専生がプログラミングの創造性と技術力を競う「全国高等専門学校第17回プログラミングコンテスト」(プロコン)に参加するためのソフトウェアを開発したチームリーダーを務めている.我輩は,彼をご主人と思っているが,彼は,まだ我輩の存在にも気づいていないという,不思議な関係でもある.そして,我々は今,このプロコン本選が開催される茨城県ひたちなか市に向かっている.新幹線から常磐線特急に乗り換えるまでは順調.1時間遅れの発車に不安感はあるものの,学生諸君は,徹夜を続けた体をシートに預け,電車は静かに上野を離れた.2006年10月7日の午後のことである.
著者
宮前 雅一 岸野 泰恵 寺田 努 塚本 昌彦 平岡 圭介 福田 登仁 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MBL, [モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会研究報告] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.95, pp.1-8, 2004-09-17
参考文献数
9
被引用文献数
9

大阪府吹田市にある万博記念公園は,バリアフリー化が進み,健常者・身障者を問わずさまざまな人が自然を楽しみに訪れることが可能な公園である.1970年の博覧会当時には公園内にパビリオンが立ち並び,各国の特色あふれる展示や催しが行われていた.しかし,現在はそのシンボルとして太陽の塔を残すものの,パビリオンには跡地にプレートが残るのみである.そのため,公園を散策中に万博の在りし日の姿を閲覧できる,さまざまな障害をもつユーザが利用可能なナビゲーションシステムに対する要求が高まっている.そこで,本研究では万博公園のナビゲーションシステムを構築し,実運用を行う.提案システムは,ユーザが操作をしなくても能動的にユーザに万博のパビリオン情報・ナビゲーション情報を提示する.また,さまざまな障害をもつユーザや,計算機に詳しくない一般ユーザでも容易に装着・利用できる.提案システムを用いることで,ユーザは公園を散策しながらさまざまな情報を閲覧できるようになる.
著者
後藤 真孝 橋本 裕司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.109, pp.1-8, 1993-12-10
被引用文献数
15

本稿ではMIDIとLANを融合した分散協調システムについて述べる.本システムでは,コンピュータの支援を受けながら複数のユーザがMIDI楽器を合奏できる.本システムにより,MIDIに対応した専用機器を用意しなくても,汎用のコンピュータを組み合わせて様々な演奏の支援や特殊効果を得られる.例えば,広域ネットワークを使って遠隔地間の合奏をしたり,他のユーザの演奏状態を視覚化したり,演奏情報に反応して変化するCGを表示したりすることなどができる.これらを実現するために,MIDIプロトコルをそのまま用いるのではなく,ブロードキャストなどの特徴を持つ通信プロトコルRMCPを設計した.本システムは実際にネットワークで結ばれたワークステーション上に実装され,3人での合奏が可能であった.This paper presents a distributed cooperative system, which integrates MIDI and LAN. This system allows the users to play an ensemble with computer support. Because of the integration of MIDI and LAN, various kinds of support are obtained by exploiting existing computers without special MIDI materials. For example, the users may play a remote session through a wide area network. They also may see visualized information of other user's play, and computer graphics reacting to the play. This paper also shows RMCP (Remote Music Control Protocol), which is an extension of MIDI protocol; it supports broadcasting, for example. This system was implemented on workstations connected to Ethernet. In our experience, 3 users were actually able to play an ensemble.
著者
田口 裕 相原 玲二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.62, pp.19-24, 2000-07-10
被引用文献数
1

広島県内の児童・生徒と教育関係者のみが利用できる学校間ネットワーク(イントラネット)とインターネットを利用して情報収集・発信ができる機能を持たせた,教育情報ネットワークシステムの基本構想を紹介する.このシステムの特徴は利用者の増加に伴うシステムの増設に対して柔軟な対応ができる点である.また,サーバは教育センターに集中して設置し,児童・生徒用のメール設定やWebページの運用・管理は各学校から行える.We describe fundamental concept of an educational information network system. This system consists of school networks or intranets for only students, teachers and related persons in Hiroshima Prefecture, and provides the Internet accessibility for their purposes. The main feature is feasible extension of the system corresponding to increase of users. Also, even though centralized servers, all administrative items, i.e., e-mail addresses of students and Web server configuration, are remotely set up by teachers.
著者
大橋裕太郎 横江 宗太 有澤 誠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.129, pp.19-22, 2008-12-13
被引用文献数
1

私たちは,水族館が持つ映像コンテンツを利用することでエンタテイメン卜性の向上と学習支援を目的としたエデュテイメント環境を構築した.新江ノ島水族館と慶應義塾大学が共同で研究を進めているクラゲラボプロジェクトは,iPod touch を使って水生生物の生態映像を見ることができる映像視聴システムを開発し,2008 年 5 月に新江ノ島水族館利用者に対して実証実験をおこなった.質問紙調査からシステムの主観評価を行ったところ,利用者の水生生物や自然環境への興味が喚起されたことや,システムが観察行動に役立ったことが分かった.We developed edutainment environment that aims to improvement of entertainment and learning assistance, by using aquarium-based movie contents. "Qurage Lab" project, which is promoted by Enoshima Aquarium and Keio University, developed a video system that enables visitors of the aquarium to see valuable video contents of aquatic lives by using ipod touch, and we demonstrated the system on May 2008. The result of the subjective assessment by users of the system showed that users were "intrigued with the aquatic lives", and the system helped the observation.
著者
井上 弘士 村上 和彰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 計算機アーキテクチャ研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.110, pp.25-30, 2000-11-29
参考文献数
7
被引用文献数
3

現在多くのプロセッサ・チップには, 当然のようにキャッシュ・メモリが搭載されている.また, 更なるヒット率の向上を目的として, キャッシュ・サイズは年々増加傾向にある.そのため, キャッシュ・アクセスにおける消費エネルギーが増大し, ひいては, チップの全消費エネルギーに大きな影響を与えるようになってきた.特に, 命令キャッシュへのアクセスは毎クロック・サイクル発生するため, その低消費エネルギー化が極めて重要となる.そこで本稿では, ダイレクト・マップ命令キャッシュの低消費エネルギー化を目的として, ヒストリ・ベース・タグ比較方式を提案する.プログラムの実行履歴に基づき, 必要に応じてタグ比較を行うことで, キャッシュ・アクセス当りの消費エネルギーを削減できる.複数ベンチマークを用いた実験の結果, 従来型タグ比較方式と比較して, 全ての浮動小数点プログラムで約90%以上, 2つの整数プログラムで約80%以上のタグ比較を削減できた.
著者
山本 岳洋 中村 聡史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.61-72, 2013-06-28

本稿では,印象に基づく楽曲検索実現のために,動画共有サイト上に投稿された楽曲動画を,可愛らしい,切ない,元気がでるといった印象に分類する手法を提案する.楽曲動画の印象分類のため,ユーザの投稿した時刻同期コメントに着目し,単語の品詞,文字の繰返し構造,楽曲のサビ区間の3つを利用する.実験では1,314本の楽曲動画を7印象クラスに分類し,提案手法がF値のマクロ平均で0.659を達成しベースライン手法よりも高い精度を得た.また,楽曲の歌詞や音響特徴量を用いた分類手法とも比較し,提案手法の有効性を示した.This paper proposes a method to classify music video clips, which are uploaded to the video sharing service, into the mood categories such as "cute," "sorrow" and "cheerful." The method leverages viewers' time-synchronized comments posted to video clips to classify the video clips into moods. It extracts features from the comments in the terms of (1) parts-of-speech, (2) lengthened words and (3) chorus parts of the music. Our experimental results showed that out method achieved the best classification performance (Macro F-measure of 0.659) compared with some baselines. In addition, our method outperformed the conventional approaches that utilize lyrics and audio features of musics.
著者
榎 将功 皇甫 美華 大田健紘 柳田 益造
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.129, pp.313-318, 2007-12-21
参考文献数
9
被引用文献数
2

音声認識に,認識対象として未登録の略語を使えるようにする方法を提案している.略語の生成はいくつかの規則に従うことが知られている.本研究では,それらの規則により元の表現(原型)から簡略後の表現(略語)を自動的に生成することを考えている.規則の適用により略語の候補を多数生成し,各候補に対し,どの規則を適用して生成したか,略語の言語モデルに整合しているか,Web 上での使用頻度は多いか,の3つの基準により略語らしさとしてのスコアをつけ,上位からいくつかの候補を選んで認識対象辞書に加えるという方略を提案している.提案法により原型 40 語から略語候補を生成し,各原型につき略語らしい候補を 10 語ずつ選んだところ,約 80%の略語をカバーできている.音声認識システムに提案法を応用したところ,認識語彙の増大による認識率の低下を十分上回る略語認識ができるようになっている.Proposed is a method to generate abbriviated forms of Japan expressions to accept them as words to be recognized even in case they are unregistered for speech recognition. It is known that there are several rules to generate abbriviated forms from original expressions. Proposed is automatic generation of abbriviated forms from an original expression. The proposed method generates several tens or hundreds of candidates of an abbriviated form by applying possible generation rules to the original expression. A scoring system to prune the candidates for each original expression is designed on the following three criteria; which generation rule is adopted, accordance with the language model of abbriviation, and appearance frequency on the Internet. Candidates having score ranked within the top N are registered into the word list for recognition. To evaluate the method, the proposed method is used to generate candidates of abbriviated forms from 40 original expressions, and the system choses 10 candidates for each original expression referring to the score. About 80% of the correct abbriviations were included in the top 10 candidates. The output of the proposed method is fed to a speech recognition system yielding recognition improvement sufficiently compensating decrease of recognition rate due to enlargement of vocabulary size.
著者
西田 健次 田中 敏雄 新田 徹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.76, pp.161-166, 1997-08-20
参考文献数
4

人間の記憶は、次々と新しい事例を記憶し、それを失うことなく類似の事例をまとめて概念化していくことができる。そして、頻繁に利用される記憶は想起しやすくなるなどの優れた機能を持っている。また、人間の記憶には、嬉しかった事悲しかった事など、何らかの感情を伴った事例は記憶されやすいという特徴がある。本稿では、感情の記憶における働きに着目し、感情を記憶に対する制御信号と捉えた感情記憶システムを提案する。感情記憶システムでは、感情の活性化により記憶事例の獲得や記憶の概念化が実現でき、学習により頻繁にアクセスされる記憶は想起しやすくなるなど、人間の記憶機能をうまく再現できる。In this paper we propose a memory system which employs emotion as a control signal for memory. This Emotional Memory system can learn concepts without losing memory instances, and frequently accessed memories become easily associated.
著者
大須賀智子 堀内靖雄 市川 熹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.58, pp.1-6, 2003-05-27
被引用文献数
3

本研究では、音声の韻律情報のみを用いた文の構造の推定手法について検討した。推定に用いる韻律パラメータとして、今回は新たに、先行するアクセント句末1モーラにおける局所的な韻律的特徴を用いて文の木構造の生成を試みた。ATR503文を対象として実験を行った結果、部分木のレベルで約76?%の推定精度を得ることができた。これは従来の、後続音声区間にまたがる、より大局的なパラメータを用いた場合に対し、約4?%の低下にとどまり、ほぼ遜色のない結果が得られた。すなわち、先行する音声区間の局所的な韻律情報のみから、後続の音声区間への係り受け関係がある程度推定可能であることが確かめられた。この結果から、局所的特徴も文構造の理解へ貢献しており、韻律情報が我々人間の実時間および実環境での発話理解を支えるために、頑健な構造となっている可能性が示唆されたといえる。In this study, we introduce a method of estimating the syntactic tree structure of Japanese speech from the F0 contour and time duration. We formed the hypothesis that we can infer a syntactic relation with the following part by listening only to the leading part of speech, and we proposed an estimating method which uses only the local prosodic features of the final part of the leading phrase. We applied the method to the ATR 503 speech database. The experimental results indicated an estimation accuracy of 76\% for the branching judgment for each sequence of three leaves. We consider this result to be fairly good for the difficult task of estimating a syntactic structure that includes a future part by using only local prosodic features in the past, and also consider prosodic information to be very effective in real-time communication with speech.
著者
平賀 瑠美 五十嵐 滋 松浦 陽平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.11, pp.2391-2397, 1997-11-15
参考文献数
22
被引用文献数
11

計算機による音楽的に表情豊かな演奏を自動生成するための支援環境として,演奏視覚化統合システムを設計,開発した.これは,演奏データ生成を目的とした音楽エディタと見なすこともできる.演奏の解析と生成,および視覚化においては,演奏表情に影響を与える楽曲構造を基本に考えた.演奏の生成に関する音楽エディタとしては,シーケンス・ソフトが広く普及しているが,そこでは楽曲の解釈や音楽的な表情をつけるための道具は不足している.また,楽曲の構造を考慮した演奏データ生成方式は多く存在するが,解釈から生成に至るまでを演奏データの視覚化によりサポートした環境はない.このシステムを用いて演奏解析を行うと,楽曲構造を採り入れたことにより,解析に一貫性と客観性を与えること,また視覚化したことにより,解析判断に確信を与え,演奏表情の定量化を可能にするという利点をあげることができる.演奏の生成においては,対話的に演奏の編集をする際に楽曲構造に基づいた音楽性を与えるためのツールや,演奏の変更において音楽性を保持する機能により,演奏データを扱うユーザの負担の軽減を試みた.システムの評価は,音楽的な演奏生成に役立つかという点を中心に行い,音楽エディタに特化した機能については評価を得たが,ユーザビリティにおいて,いくつかの改善点を指摘された.An integrated musical performance visualization system has been designed and implemented in order to analyze and synthesize musically expressive performance data.The analysis and systhesis are based on music structure,which is a group of consecutive notes who has some meanings on music interpretation.In the area of musical performance generation,many researches adopt the concept of music structure in some sense.Although sequencer is a widely pervaded software for generating musical performance,it is not the most suitable software for music rendition especially for classical music,because it does not pay much attention to music interpretation or the generating process a score to its performance.The performance analysis on our system can be given uniformity and objectivity in terms of music structure,in addition to confirmative and quantitative description by performance visualization.The system allows users to edit performance data interactively.Here some tools based on music structure and some limitation functions are provided in order to prevent the edit of data from destroying musically plausible performance,or even positively to give data musically impressive or artistic expression.The edited data are performed during the display of a visualized figure.The system is evaluated on the basis whether it is usable to generate musical performance data.It has received so far good evaluation for special functions as a music editor,while some problems on usability have been pointed out.
著者
作花 一志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.45, pp.27-32, 2007-05-19
参考文献数
5

ケプラーの法則に基づいて惑星の運動を視覚的に表示するプログラムを制作した。これを用いた授業で次のような事項の理解に有効であった。・離心率,面積速度の概念の把握。・非線型方程式の解法と可視化。・二十四節気における地球の位置。・冥王星軌道の特異性と惑星の新分類。・過去未来の惑星集合。
著者
伊藤 毅志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.27, pp.1-8, 2009-03-02
参考文献数
5
被引用文献数
3

2回目となるUEC杯5五将棋大会が2008年12月に開催された。昨年同様に、COM部門、人間部門、KIDS部門が行われ、最後にCOM部門上位プログラムと人間部門上位者によるエキシビション対戦が行われ、今年は人間が2勝した。ここでは、各部門の5五将棋大会の棋譜を紹介して、5五将棋の現状について報告する。The 2st UEC-cup 5x5 shogi tournament was held in December, 2008. It was carried out by dividing each section; "COM section", "HUMAN section", and "KIDS section". After these tournaments, an exhibition match by the COM section top-2 programs and the human section top-2 players were performed. Human players defeated computers. In this report, I introduce the game records of each section and report the contemporary 5x5 Shogi.